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建設業やリフォーム業などの業界では「元請けがお金を払ってくれない」という代金未払いのトラブルがたびたび起こります。
- 元請けがお金を払ってくれない
- 未払いの工事代金を回収したいができなくて困っている
このようなお悩みを抱えている方もいるでしょう。
「このまま泣き寝入りするしかないんだろうか…」という方も安心してください。
本記事では元請けから工事代金を回収する方法を詳しく解説していきます。未払いのまま泣き寝入りするのではなく、働いた分はしっかり元請けから回収しましょう。
元請けがお金を払ってくれないケースとは
まず、元請けがお金を払ってくれない理由をしっかり把握しましょう。なぜならその理由によって対処法が変わってくるからです。
元請けがお金を払ってくれないケースは一般的に下記のとおりです。
- 資金繰りの悪化
- 仕上がりに対する不満がある
- 追加工事分の代金の未払い
順番に解説していきます。
資金繰りの悪化
工事を発注する際には資金の調達に問題はないと判断したものの、その後に資金繰りが悪化してしまった、というケースがあります。
このような場合、発注者が倒産手続きをする前に工事代金回収に向けて動く必要があります。相手の状況を踏まえて、支払い期限の延長や分割払いに応じるのもいいですが、途中で支払いが途絶えることも考えられます。早期に回収することが望ましいでしょう。
仕上がりに対する不満がある
仕上がりに対する不満がありお金を払わない、という業者もいます。建築物に欠陥があった場合は補修工事をするべきですが、欠陥がなくてもわざとクレームを述べて支払いを拒否してくる業者もいるので注意が必要です。
早めに検査をして、補修するような箇所が見当たらない場合は工事代金回収の手続きを進めるようにしましょう。
追加工事分の代金の未払い
工事をする際に、予定していなかった追加工事をするケースもよくあります。追加工事をすると工事代金が上がる場合がほとんどですが、最終的に出た工事代金に納得できずお金を払ってくれない、というトラブルにつながることも珍しくありません。追加工事が必要になった際には、必ず発注者としっかり打ち合わせを行い、見積書や契約書を作成しておきましょう。口約束や簡易的な書類のみの場合、工事が終わってから「本当に追加工事は必要だったのか?」「こんなに費用がかかると思ってなかった」など述べて、トラブルに発展する可能性があります。
追加工事の適正を立証させるためにも、必ず見積書や契約書を作成しておくべきです。
元請けがお金を払ってくれない時の対処法
ここからは、元請けがお金を払ってくれない時の対処法について解説していきます。制度や手続きを知り、しっかりと工事代金を回収しましょう。
元請けがお金を払ってくれない時の対処法は下記の通りです。
- 住宅脳評価制度を使う
- 裁判外紛争手続き(ADR)を行う
- 代金を請求する
順番に解説していきます。
住宅性能評価制度を使う
住宅性能評価制度とは、住宅の
・耐震性
・断熱・省エネ性
・メンテナンスのしやすさ
などの性能を第三者機関が、国土交通大臣の定めた共通基準をもとに評価する制度です。
住宅取得者保護のための制度として2000年4月に創設されましたが、第三者機関による評価、住宅に欠陥がないという証明にもなるので、発注者からの不正な要求を封じることが可能です。請負業者、発注者双方にメリットがあるので、住宅性能評価制度の活用も検討しましょう。
裁判外紛争処理手続(ADR)を行う
裁判外紛争手続き(ADR)とは裁判と比べて強制力はないものの、第三者が関与し民事上のトラブル解決を図る手続きです。
通常の裁判よりも
・時間
・費用
・手間
がかからないというメリットがあります。
工事代金を請求する裁判では、終了するまでに2年以上かかるケースも珍しくありません。裁判が終了するまでは当然工事代金は支払われませんので「早期に工事代金を回収したい」という方は裁判外紛争手続き(ADR)を検討しましょう。
手続きできる機関は下記の通りです。
・日本不動産仲裁機構
・建設工事紛争審査会
・弁護士の住宅紛争審査会
上記のいずれかに問い合わせ、早期解決を目指しましょう。
代金を請求する
元請けに支払義務があるにも関わらず、お金を払ってくれない時は、上記の対処法以外に、相手に直接代金を請求するという手段もとれます。元請けとの関係が悪くなる、第三者が入らないと問題が大きくなりそうなど不安を感じることもあるかもしれませんが、支払いしてもらえなければこちらの資金繰りや経営にも悪影響を及ぼしかねません。具体的な回収方法については次の章で詳しく紹介していきます。
未払いの工事代金の具体的な回収方法
「元請けがお金を払ってくれない」そんな時は、まず自分でできることから実践していきましょう。具体的な方法は下記の通りです。
- 自社で回収する
- 内容証明で回収する
- 支払いの催促
- 訴訟手続きをする
- 強制執行を実行する
詳しく解説していきます。
自社で回収する
工事完成後に発注者から支払い時期の延長を求められた際は、目的物を渡さないという手段も有効です。すでに引き渡してしまった場合は、自社で催促をしましょう。初めはメールや電話で担当者に連絡をとります。単なる期日忘れや発注者側の認識違いであった場合は、すぐに回収が見込めるでしょう。しかし資金繰りの悪化が原因で未払いの場合は、支払い方法や期日をどうするか協議し催促を続けなければなりません。メールや支払われない場合は、発注者の元を訪問してみましょう。繰り返し催促をすることで、発注者元が折れて支払う可能性があります。
内容証明で回収する
自社で回収を試みても支払われない場合は、内容証明郵便での回収を実践しましょう。内容証明郵便とは、弁護士の名義で「誰から誰に・いつ・どのような書類を送ったのか」を証明してくれるサービスのことです。
内容証明郵便を利用することで「書類は届いていない」と言い逃れることができなくなります。「法的手段を取られてしまう」というプレッシャーを相手に与えられるので、支払う可能性が高くなるといえるでしょう。
支払いの催促
内容証明郵便で請求しても支払われない場合は、支払催促を行いましょう。支払催促とは簡易裁判所で手続きを行い、代金の支払いを文書で請求するものです。支払催促を行っても支払われない場合は強制執行に移行できます。具体的な支払催促の流れは下記の通りです。
支払催促の流れ
1.申し立ての手続きを行う
相手方の所在地を管轄する簡易裁判所にて、必要事項を記入し書類を提出します。
必要書類は下記の通りです。
・当事者目録
・郵便ハガキ
・資格証明書
・登記簿謄本(法人の場合)
2.支払催促の送付
申立書に不備がなく、簡易裁判所にて受理されたら相手方に支払催告書が送付されます。
相手方に届き代金がすぐに支払われれば完結しますが、受領から2週間経過しても代金が支払われない、または催促異議の申立もない場合は仮執行宣言の申立を行います。
3.仮執行宣言の申立を行う
相手方が支払催促を受領してから2週間以内に、支払いや異議申立などのアクションがない場合は仮執行宣言の申立を行いましょう。
仮執行申立の手続きを行う場合は、2週間目の翌日から30日以内に済ませる必要があります。
期限を過ぎた場合は支払催促は効力を失うので注意しなければなりません。
4.仮執行宣言付支払催促の送付
仮執行宣言の申立書に不備や問題などがなければ裁判所より「仮執行宣言付支払催促」が送付されます。
5.強制執行に踏み切る
支払催促を行ってもまだ相手方が支払わない場合には、強制執行の手続きを行いましょう。
なにを差し押さえるかにより申立先や手続きが異なるので地方裁判所にて確認してください。
メリット
支払催促のメリットは、訴訟を起こすよりも手続きが簡単で、なおかつ短期間で完了することです。費用が訴訟の半額程度で済むことも嬉しいポイントではないでしょうか。
万が一支払われなかった場合も、最終的に強制執行に移行できるので、回収できる可能性がいっきに高まります。
デメリット
支払催促や仮執行宣言が相手方に送付され、もし異議申立をされた場合は、支払催促や仮執行宣言が無効となります。そのまま訴訟手続に移行することになるので、支払催促の費用に加えて訴訟費用まで支払うことになるのが支払催促のデメリットです。
異議申立をされる可能性が高い場合は、支払催促はせずにはじめから訴訟手続をしたほうがいいでしょう。
訴訟手続きをする
相手方が支払いに応じない場合や異議申立をした場合は、回収するために訴訟手続きをすることが必要です。
下記で詳しく解説します。
手続きの流れ
1.訴えを提起する。
訴訟手続きに必要な書類は下記の通りです。
- 訴状
- 証拠
- 証拠説明書
- 委任状
- 登記事項説明書
- 収入印紙
- 郵券
訴状は特に重要で、どんな根拠で誰に対して何を請求するのかを記載します。裁判所はその訴状の内容を元に判決を下すので慎重に準備しましょう。また、訴訟で勝利するためには契約書や取引書類などの確実な証拠を提示することも重要です。
2.相手方が答弁書を作成
訴状が届くと相手方が弁護士を選定し答弁書の作成を行います。
3.第1回口頭弁論期日
第1回口頭弁論期日は法廷で開かれ、原告が訴状を陳述します。被告が出頭している場合は、被告があらかじめ作成している答弁書を陳述することになります。
4.続行期日
期日の回数は事件の内容により異なりますが、複数回にわたって続行期日が行われます。
5.証人尋問
今回の争点について証人となる人物をあらかじめ選定し、証人尋問が行われます。
6.和解の検討
お互いに譲歩し和解が成立すると訴訟手続が終了となります。債権回収、早期解決というメリットがある反面、勝訴した場合の有利な判決は得られませんので慎重に判断しましょう。
7.判決
和解が成立しなかった場合は、口頭弁論終了後に裁判所より判決が下されます。勝訴した場合は裁判所にて判決書を受け取りましょう。
メリット
訴訟手続きは必ず判決が下されるので、解決しやすいというメリットがあります。特に不当なクレームにより相手方が支払わない場合は訴訟手続きが有効です。
デメリット
提出する書類や十分な証拠の準備が必要です。また、訴訟が長期間におよぶ場合は弁護士費用なども高くなり、多くの時間と費用がかかることも十分考えられます。
強制執行を実行する
相手方が支払いをしない場合の最終的な手段が強制執行の実行です。裁判所にて手続きを行う際に債務名義が必要になり、必要になる書類は下記の通りです。
- 確定判決
- 仮執行宣言付き判決
- 仮執行宣言付き支払催促
- 公正証書(執行証書)
- 裁判所での和解調書など
強制執行には預貯金を差し押さえる方法と、不動産競売、動産執行などがあり、強制執行するタイミングも重要です。
相手の財産状況をしっかり調査したうえで進めていきましょう。
特定建設業者の立替払い制度とは
元請け業者が特定建設業者の場合は立替払い制度が利用できます。特定建設業者とは、1件の工事代金が4,000万(建築工事業は6,000万)といった高額がかかる工事を下請けと締結できる権利をもつ業者のことです。
立替払い制度は、相手方の支払わない理由に関係なく適用される特徴があります。相手方が特定建設業者か確認をとり、該当するなら立替払い制度の利用を検討しましょう。
工事代未払い金の回収の時効とは
工事代金の回収にも時効があるのをご存じでしょうか?未払いの対応をしているうちに「時効になってしまった」「もう回収できない」ということにならないためにも、工事代金の時効について把握しておきましょう。
時効期間
原則として工事が終了してから3年で工事代金は時効となります。時効になると、当然工事代金の回収はできなくなるので注意が必要です。
2020年の法改正により、権利行使時点から10年、債権者が権利を行使できると知ってから5年に変わっています。
特に工事時期が法改正前後の場合は時効の判断を誤る可能性があるので注意しましょう。
時効の一時中断
時効は一時中断ができます。一時中断すると時効がリセットされ、一時中断してから時効がカウントされます。一時中断方法は下記の3つです。
裁判所による請求手続き
請求書を送ってから6ヶ月以内に裁判による請求手続きをすることで、時効の一時中断ができます。
相手方が仮処分を受ける
相手方が差押え、または仮差押えなどの仮処分を受けると時効の一時中断ができます。
相手の承認
相手方が債務があると認めた書面や支払いに応じる書面を受け取ると、時効の一時中断が可能です。相手方に承認日を明記させることが重要なので忘れないように注意してください。
工事代金が回収できないときの相談窓口
工事代金が回収できないときは1人で抱え込まずに相談窓口を活用しましょう。相談窓口は下記の3つです。
- 行政庁
- 弁護士
- 建設工事紛争審査会
詳しく解説していきます。
行政庁
相手方に明らかな違反がある場合は、都道府県知事や国土交通大臣への通報を検討しましょう。通報をきっかけに立入検査を行う可能性があります。しかし確実に立入検査を行うわけではありませんので、そのときの状況に合わせて行動しましょう。
弁護士
自社で回収が見込めなさそうなら、弁護士の力を借りるのも1つの手です。法律の相談や訴訟などの相談もできますし、専門的な知識からアドバイスをもらえたり、工事代金回収の助けになってくれるでしょう。
建設工事紛争審査会
各都道府県や国土交通省に設置されている建設工事紛争審査会は、建設工事におけるトラブルや紛争をサポートしてくれる機関です。申請に基づき、あっせん・調停・仲裁を行い紛争の早期解決を図ります。
工事代金の未払いを防止するためのポイント
工事代金の未払いを解決するためには多くの時間や費用、手間がかかります。あとからしっかり回収できたとしても、はじめから未払いを防ぐに越したことはありません。
未払いを防ぐために、契約書や見積書を作成して、しっかりと相手方に説明しましょう。
「聞いてなかった」「こんなに費用がかかるなんて知らなかった」というトラブルを防ぐためにも、簡易的な契約書や見積もりではなく、的確な契約書や見積書の作成は必須です。
【まとめ】未払いの工事代金の回収には時効がある!日頃から対策もしっかりたてよう
元請けがお金を払ってくれないときの対処法と防止するためのポイントを解説しました。
元請けがお金を払ってくれないときの具体的な回収方法は下記の通りです。
- 自社で回収をする
- 内容証明で回収する
- 支払い催促をする
- 訴訟手続きをする
- 強制執行を実行する
- 特定建設業者の立替支払い制度を利用する
未払いを防止するために、見積書や契約書は的確に作成することが重要です。
上述しましたが、工事代金には時効があるので合わせて注意しましょう。
工事代金を回収する方法はいくつもあり、相談窓口もあります。泣き寝入りせずに、しっかりと工事代金回収に向けて行動しましょう。
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