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建設現場には、様々な機械が持ち込まれています。それらの機械を安全に使用するために、元請会社に「持込機械等使用届」を提出しないといけません。
しかし、現場の安全書類を作成する担当者にとって、持込機械等使用届は複数の機械を把握しないといけない難しい作業です。本記事では、持込機械等使用届の特徴や書き方について詳しく解説します。この記事を読んで、持込機械等使用届の基礎知識を固めて、ミスのない書類を作成しましょう。
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持込機械等使用届とは
持込機械等使用届は、工事現場に持ち込まれる機械を、専門の担当者が点検して、その安全性を証明する書類です。現場で機械を使用する下請会社が持込機械等使用届を作成します。書類の特徴や書式、レンタル機器の取扱いについて解説します。
持込機械等使用届は安全に関する書類
持込機械等使用届は、実際に工事現場に持ち込まれ、使用する電気工具などの機械の安全性を管理する書類です。工事着工前や、現場に持ち込む前に、専門の担当者が機械を点検して、その結果を記録します。この作業により、持ち込まれた機械が安全な状態であると証明できます。
機械の不具合による思わぬ事故を未然に防ぐことを目的としており、安全を確保するための重要書類です。書類は機械によってタイトルが異なるので解説します。
電気工具・電気溶接機
持込機械等使用届の「電気工具・電気溶接機等」に該当するのは、電動カンナや電動ドリル、発電機、電動チェーンブロックなどの機械です。クレーンや車両系以外の、これらの電気機械は「電気工具・電気溶接機等」と記入された書類を使用します。
移動式クレーン・車両系建設機械等
持込機械等使用届の「移動式クレーン・車両系建設機械等」に該当するのは、移動式クレーンやゴンドラ、穿孔機、ダンプトラックなどの移動する車両系です。電動工具や溶接機以外の、これらの車両系機械は「移動式クレーン・車両系建設機械等」と記入された書類を使用します。
持込機械等使用届の書式
持込機械等使用届で、広く使用されている書式は、一般的に「全建統一様式第6号」です。A3サイズで印刷するか、A4サイズ2枚で使用しても問題ありません。
元請会社によっては用紙サイズや書式が指定されている場合があるので、指示に従って作成しましょう。
機械をレンタルした場合
機械をレンタルした場合でも、現場に機械を持ち込むなら持込機械等使用届は必要です。書類を作成する目的は、持ち込まれたすべての機械の安全性を証明するためなので、レンタルでも自社でも変わりません。
持込機械等使用届の主な記入項目と書き方
持込機械等使用届を実際に作成するときの、記入項目と書き方を解説します。機械を持ち込む下請会社や元請会社代表者などの情報は「欄外」に記入します。詳しい機械名や、ワット数・アンペア数などの規格の詳細は「欄内」に記入しましょう。
欄外部分の記入項目と書き方
持込機械等使用届で、上部にある欄外部分の記入項目は、事業所の名称や持込会社情報の代表者などです。書き方と併せて項目ごとに解説します。
- 日付:書類を提出する日付
- 事業所の名称:工事現場の名称、または工事名
- 所長名:元請会社の現場代理人の氏名
- 一次会社名:一次下請け会社の名称
- 持込会社名:機械を持ち込む会社の名称(何次下請か数字で記入)
- 代表者名:機械を持ち込む会社の現場責任者の氏名
- 電話番号:機械を持ち込む会社の電話番号
上記の内容を記入しましょう。他の書式でも、これらの記入項目はほとんど変わりません。
欄内部分の主な記入項目と書き方
持込機械等使用届で、左下の枠部分にある欄内には、機械の詳細を記入します。記入項目と書き方をそれぞれ解説します。
機械名
機械名は、現場に持ち込みされ使用する機械の名称を記載します。電動カンナやアーク溶接機、電動チェーンブロックなどです。メーカーの商品名ではないので注意しましょう。
機械の分類名がわからなくても「持込時の点検票」の右側に機械名が載っているのでこちらを参考にしてください。
規格・性能
持込機械等使用届の欄内にある規格・性能には、持ち込む機械の電圧や規格などの情報を記載します。以下のように、ボルト数やワット数を詳細に記載する必要があります。
- 電動丸ノコ:100V×450W
- アーク溶接機:200V×7.5kW 250A
- 水中ポンプ:100V×400W 50φ×10m
機械ごとに規格・性能が異なるので、取扱説明書を見ながら正確に記入しましょう。
管理番号・受付番号
持込機械等使用届の欄内にある管理番号には、持ち込みした機械を使用する持込会社が、機械1台1台に設定した管理番号を記入します。
管理番号の下には受付番号欄があり、元請会社が記入するので、書類作成時は空欄にしておきましょう。
持込年月日・搬出予定年月日
持込機械等使用届の欄内にある持込年月日には、使用する機械を工事現場に持ち込みする日付を記入します。
搬出予定年月日には、工事が終わるか機械を使用しなくなって、機械を現場から搬出する日付を記入します。工期が長く、いつ搬出するのか未定の場合は空欄で問題ありません。
取扱者
持込機械等使用届の欄内にある取扱者には、機械を実際に取り扱う作業員の名前をフルネームで記入します。複数人が使用する場合は、全員の名前を記入しましょう。
取扱者の隣にある「点検者」には、機械を点検する担当者の名前をフルネームで記入します。専門の点検業者が行う場合もあれば、一次下請け会社が行う場合もあります。専門性に長けた担当者に点検を依頼しましょう。
機械の特性、その他その使用上注意すべき事項
この欄には、機械の使用について元請会社に伝えたい内容を記入します。事前に準備が必要な設備や、安全のために共有しておく内容などです。
例えば「100Vの機械は3芯コードリール及び3Pコネクター(接地極付)を準備しますので、接地極付コンセントを支給願います。」「200Vの機器については、分電盤内の取付スイッチの指示をお願いします。」のように記入してください。
持込時の点検表の記入項目と書き方
持込機械等使用届の右側には「持込時の点検表」があります。ここには「番号」「点検事項」「その他」があり、あらかじめ決められた点検事項に沿って点検を実施します。書き方は以下を参考にしてください。
- 番号:欄内に記入した機械10台分と連動した番号
- 点検事項:アース間や設置クランプなどの点検をしてレ点を入れる
- その他:点検事項以外にも項目が必要であれば追加して記入する部分
点検事項の「絶縁抵抗測定値」については、測定値「MΩ」の数値を入れましょう。その他の項目は、主にコンプレッサーの圧力スイッチや安全弁、圧力計を入力することが多いです。
持込機械等使用届の提出先
使用する機械を持込機械等使用届にすべて記入し、作成した後、元請会社に提出します。元請会社の担当者による確認が終わると、機械1台1台に持込機械届受理証が渡されます。
ステッカータイプなので機械の見やすい部分に貼付してください。元請会社によってはステッカーを発行せずに受付番号のみ設定する場合もあるので、その際は自社でステッカーを作成しましょう。
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【まとめ】持込機械等使用届をきちんと作成して機械による事故を防止しよう!
持込機械等使用届は、建設現場に持ち込まれる機械による事故を防止するための重要な書類です。現場で使用する機械を専門性の高い担当者が点検して、安全性を証明しています。
書類には、機械の詳細や使用する者、点検する者の情報を細かく記入しましょう。正しく書類を作成して、安全な機械を現場で使用することで、事故防止につながります。
電気工具など持込機械等使用届の書き方や提出先についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
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車両系建設機械など持込機械等使用届の書き方や注意点はこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
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