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一般的に10〜15年の周期で行うマンションの大規模修繕工事は、トラブルが起きやすいことで知られています。トラブルが発生するのは、住民、施工業者の間で、内容も様々です。一体、なぜトラブルが発生するのでしょうか。起きやすいトラブルの事例を、対策法とあわせて説明します。
マンションの大規模修繕工事で起きやすいトラブルと対策法
マンションの大規模修繕工事で良く見受けられるトラブルは、以下の6つです。
- 修繕費用の不足によるトラブル
- 修繕委員会内でのトラブル
- 居住者とのトラブル
- 近隣住民とのトラブル
- 各業者とのトラブル
- 空き巣被害
以下で詳しく説明しましょう。
修繕費用の不足によるトラブル
修繕費用が不足するケースは非常に良く見受けられます。不足する理由として考えられるのはまず、一部居住者の積立金の滞納や、入居率の悪さによる資金不足です。次に着工後に不具合が発見されるなどして、工事金額が増えるケースもあります。いずれにせよ、修繕費用が不足した場合は、以下の方法でカバーしなければなりません。
- 修繕積立金の追加徴収
- 修繕積立金の値上げ
- 金融機関からの借入れ
それぞれについて詳しくみていきましょう。
修繕積立金の追加徴収
不足した金額を補うために、居住者に追加徴収するという方法があります。この方法は、金利もなく手早く不足金額を徴収できるというメリットがありますが、居住者の不満が高まる、居住者の都合によって資金を捻出できないケースもあるというデメリットも考えられます。
不足金額が少ない場合のみに住民の同意を得てから徴収するのは可能ですが、金額が大きい場合はおすすめできません。
修繕積立金の値上げ
工事まで日にちがある場合は、修繕積立金を値上げするという方法もあります。この方法には一度にかかる負担が少ないというメリットがありますが、月々の支出が増えるため住民の同意を得づらいというデメリットもあります。
修繕積立金を値上げする際はデータを用意して、なぜ値上げを行わなければならないかを住民に説明し、同意を得なければなりません。
金融機関からの借入れ
不足金額を金融機関から借り入れるという方法もあります。
住民に一度にかかる負担がなく、確実に手早く不足金額を用意できるというメリットがあります。しかし、利息がかかる、月々の修繕積立金を返済に充てなければならないので必然的に毎月の積立金が上がる、などのデメリットも考慮しなければなりません。
長期的な目線で見るとデメリットが大きいものの、住民の一時的な負担は少ないのでよく採用される方法です。
修繕委員会内でのトラブル
大規模修繕に向けて結成される修繕委員会内でも、意見がまとまらない、集まる時間が取れないなどのトラブルが起きることもあります。
修繕委員会は、人数が少なすぎると業務が思うように進まず、外部に委託することが多くなるため、費用が高額になるというリスクがあります。しかし、人数が多すぎても意見が一つにまとまらず計画がスムーズに進まないというデメリットも考えられるのです。
このようなトラブルを回避するために、修繕委員会を結成する際意見が偏らないように年齢や性別など幅広い住民を5人ほど募集するのが理想です。
居住者とのトラブル
住民が日常生活を送りながら行う大規模修繕工事では、以下のクレームが予想されます。
- 騒音やにおい・ほこりなど
- 入室が必要な作業
- プライバシー侵害の不安
それぞれ詳しくみていきましょう。
騒音やにおい・ほこりなど
工事に伴う機械音や振動、ほこりや塗料の臭いなどへのクレームが予想できます。大規模修繕工事の工事期間は一般的に半年~1年と長期にわたるため、住民は日常生活を思うように送れないことにストレスを感じやすいのです。
クレームを回避するために効果的なのは、事前に工事の内容や期間、それに伴い発生するであろう不都合について説明することです。思わぬ不具合で工期が伸びる際も、住民に説明する機会を作りましょう。
入室が必要な作業
給水管の補修やドアやサッシの交換など居住者の専用部分に入室が必要な作業には、クレームが起こりやすくなります。事前に通知していても「入ってほしくない」と主張する居住者もまれに見受けられます。また、作業委員がインターフォンを鳴らさない、家が汚されるなどのトラブルへの苦情も少なくありません。
専用部の作業をする際には事前に居住者に理解を得ることと、作業員にも居住者への配慮を徹底するように伝えなければなりません。
プライバシー侵害の不安
共用部の作業中に「作業員が窓から室内を見ていた」などの苦情が来るケースもあります。このようなプライバシーに関するクレームを回避するために、工事の期間や時間帯の通知を各住戸へのポスティングや掲示板に貼るなどして徹底しましょう。
作業員にも、作業中には室内に目を向けないようにするなどの教育を行う必要があります。
近隣住民とのトラブル
マンションの住民だけでなく、近隣住民とのトラブルが起こるケースもあります。騒音やほこりのリスクだけでなく、工事車両が停まることで道路を使いづらくなるなどのストレスを与える可能性があります。
各業者とのトラブル
住民だけでなく、業者のトラブルが起こる可能性もあります。代表的なトラブルは以下の5つです。
- 施工ミスや工期の遅延
- 施工費用の追加請求
- 予想と違う仕上がり
- 施工会社の倒産
- 悪質なコンサルタント
それぞれ詳しくみていきましょう。
施工ミスや工期の遅延
大規模修繕直後、あるいは数年経ってから、施工不良が発覚することがあります。また、業者の技術不足や悪天候が続くことにより工期が大幅に遅延するケースも珍しくありません。
施工不良が発生した際は、保証書を見てすぐに施工業者に連絡をしましょう。工期が伸びた際は、発生する人件費が追加徴収されないかなどを確認しなければなりません。
施工費用の追加請求
大規模修繕工事の見積もりは、専門家や施工業者立ち合いのもと事前調査したうえで作られますが、その際に特定できなかった不具合に対する追加工事が発生するケースがあります。
その場合、工事費用が別途請求されるためトラブルの元になりやすいのです。そのため、追加工事がある可能性を見越して、余裕を持った修繕積立金の運用を行うことが大切です。
また、不要な工事の費用を請求されている可能性もあるので、工事箇所や内容について十分にチェックしてください。
予想と違う仕上がり
仕上がりが想定していたのと違ったというケースも見受けられます。そのようなトラブルを回避するために、事前にサンプルを取り寄せ蛍光灯や自然光というあらゆる光の下で確認することをおすすめします。
また、部分的に試験施工を行うなどして材料の質感や見え方を徹底的に検証しましょう。
施工会社の倒産
修繕工事の途中で、施工会社が倒産するという最悪のトラブルが起こる可能性もゼロではありません。この場合、速やかに済んだ分の工事費用を清算し、新しい施工業者を選定しましょう。このようなトラブル回避のために、業者選定は財務状況や施工実績を見て慎重に行う必要があるのです。
悪質なコンサルタント
大規模修繕では、施工会社が悪質なコンサルティング会社と癒着し施工価格を吊り上げるといった不正が起きるケースもあります。
不要な工事を追加する、相場よりも高額な費用を請求するなどしてマージンを得ようとするのです。できるだけ多くの施工業者から見積もりを取る、コンサルティング会社に丸投げせず管理組合も業者の選定や工事の見積もりに参加するなどすることで、リスクを回避できます。
空き巣被害
大規模修繕で設置する足場を足がかりに、空き巣が侵入する可能性があります。大規模修繕中は住民以外の人物も出入りするため、作業員を判別するため腕章やベストの着用を義務付けるとよいでしょう。
さらに、人感センサーライトや防犯カメラの設置、補助錠を各住戸に貸出しベランダのサッシに取り付けるようにするなどすると、リスクは軽減できます。
マンションの大規模修繕工事のトラブル対策
マンションの大規模修繕工事には様々なトラブルが予想されます。スムーズに工事を行うために、以下の対策を取り入れていきましょう。
- 長期修繕計画を見直す
- 居住者への事前告知を徹底する
- 近隣住民へ挨拶・告知を徹底する
- 瑕疵保険に加入している業者を選ぶ
- 信頼できる業者を選ぶ
それぞれ詳しくみていきましょう。
長期修繕計画を見直す
修繕金の不足を防ぐために、長期修繕計画は5年をめどに見直しましょう。そうすることで建物の劣化状況も把握できますし、社会状況に伴う建材の価格や人件費の変化などを踏まえたうえで、適正な計画に修正できます。
予期せぬ追加工事や工期の延長を防ぐためには、現状を把握しそれに伴う資金や工事の計画を立てることが一番効果的です。
居住者への事前告知を徹底する
居住者とのトラブル回避のために、事前告知を徹底しましょう。各住戸のメールボックスにスケジュールを書いた紙を投函する、共有部の掲示板に貼り出すなどすると確実に居住者の目に留まるでしょう。工事計画の変更があった際も速やかに知らせることで住民の理解を得られ、突発的なトラブルを回避できます。
近隣住民へ挨拶・告知を徹底する
近隣住民とのトラブルを回避するために、工事前に管理会社、施工会社、管理組合の3者で近隣に挨拶に行くことをすすめます。工事が始まった後も、工事車両が停車する際や、騒音やほこりが予想される工事が始まる前には近隣へ知らせに行きましょう。事前に配慮し、なるべくトラブルを回避しようという姿勢を見せるだけで心証は変わってきます。
改装工事のお知らせの例文や記載する項目・必要性などに関する記事はこちら
改装工事のお知らせの例文や記載する項目・必要性などを解説!瑕疵保険に加入している業者を選ぶ
業者とのトラブルを回避するために、瑕疵保険に加入している業者を選定しましょう。瑕疵保険は引き渡し後に不具合があった際、事業者に対して支払われる保険です。そのため、施工後不具合があった際も保険金が工事業者に支払われ補修工事の費用に充当できますし、万が一施工業者が倒産した場合は発注者に保険金が支払われます。
さらに瑕疵保険に加入している業者であれば工事中に第三者によるマンションの検査が行われるため、手抜き工事を回避できるのです。
信頼できる業者を選ぶ
信頼できる優良業者を選ぶためにチェックすべきポイントは、以下の3つです。
- 大規模修繕工事の実績が豊富
- 従業員の人柄が良い
- サービスの質が高い
それぞれ詳しく紹介します。
大規模修繕工事の実績が豊富
大規模修繕工事の実績豊富な業者は、住民とのトラブルを回避するための注意点や、大規模修繕ならではのノウハウを心得ているため、安心して任せられます。
施工実績を見て工事したいマンションと同規模の修繕歴がある業者だと尚安心です。
従業員の人柄が良い
担当者や現場監督のコミュニケーション力と人柄をチェックしましょう。対応力に優れた業者であれば、居住者と円滑な関係を築けるため工事がスムーズに進行する可能性が高くなります。技術力だけでなく、工事中に親身に相談に乗ってくれる業者か否かを慎重に見極めましょう。
サービスの質が高い
安全対策や施工中の居住者、近隣の住民への配慮など、工事以外のサービスの質についても考慮しましょう。
また、工事が終わった後のアフターサービスや点検などの体制が整っていることも大切です。定期点検の頻度や保証制度についても、業者選定の段階で確認しておくことが大切です。
大規模修繕工事でトラブルが起きてしまった場合の対策法
大規模修繕工事でトラブルが起きた際は、管理組合だけで解決しようとせず公益財団法人マンション管理センターに相談しましょう。
公益財団法人マンション管理センターとは、国土交通大臣指定のマンション管理を適正化するための機関です。大規模修繕工事のトラブル相談だけではなく、長期修繕計画の簡易的な修正サービスや修繕金の算出も安価で行っています。
【まとめ】大規模修繕工事はトラブルを未然に防げるよう対策しよう
大規模修繕工事は期間が長いため業者や住民、近隣住民との多くのトラブルが予想されます。トラブルのない工事のためには、想定できるリスクに対して対策を練っていくことが大切です。修繕計画の定期的な見直しや住民や近隣への通知や細やかな配慮、業者の慎重な選定などを通して、スムーズで適正な修繕工事を目指していきましょう。
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