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電気工事の見積書を作成するとき、1人工の単価設定に頭を抱える担当者は多いでしょう。適切な単価を設定しないと、利益が出なかったり、受注を逃したりと問題が発生します。
本記事では、電気工事1人工の単価相場や単価の計算方法、単価を上げる際の注意点などを解説します。十分な利益を確保しつつ、発注元の満足度も高めるための単価設定の仕方を紹介するので、ぜひ最後まで読んでみてください。
電気工事の1人工の単価相場
電気工事の1人工の単価は、地域や工事の種類、技術者のスキルによって異なります。一般的な相場を確認して、1人工の単価を設定してください。公共工事における令和元年からの単価の全国平均は以下の通りです。
- 令和元年:24,360円
- 令和2年:24,858円
- 令和3年:24,222円
- 令和4年:25,872円
- 令和5年:27,204円
参照:日本電設工業協会の「令和5年3月から適用する 公共工事設計労務単価(電工)について」
年々1人工の単価が上がっているので、毎年相場を確認して単価を決定しましょう。地域の観点では、関東の単価が特に高く25,000円を上回り、一方で沖縄の単価は令和5年でも20,000円以下でした。大都市圏では人件費や物価が高いので、単価が20%程度高くなります。
工事の種類によっても単価は異なり、高所作業や精密機器設置などの高度な技術が必要であれば単価は上がります。技術者がベテランである場合も単価は上がり、見習い作業員なら単価が下がる場合もあります。
施工する工事と技術者のスキル、地域性を鑑みて、電気工事の1人工の単価を決定してください。
電気工事の作業内容による1人工の単価相場
電気工事の1人工の単位は、作業内容によって異なります。単純な配線工事から高度な技術を要する設備工事まで、電気工事は幅広い作業があるためです。実際に、よくある電気工事の作業内容別に、1人工の単価相場を解説します。
防犯カメラなどの設置
防犯カメラやセンサーライトなどのセキュリティ機器の設置には、カメラ以外にも配線工事や電源確保、ネットワーク接続などが含まれます。一般的な単価相場は以下の通りです。
- 一般的な防犯カメラ:30,000円~40,000円
- 高度なネットワークカメラ:40,000円~50,000円
- センサーライト設置:20,000円~40,000円
高度なネットワークカメラの場合は、LANケーブルの配線やネットワーク設定などのIT技術が必要なので単価が高くなります。
設置場所が高所だったり、壁に穴を開けたり、配線を目隠しするなどの作業があれば単価が変わります。
コンセントの設置
コンセントの設置は、電気工事の中でも基本的な施工です。作業内容や条件によって単価が以下のように異なります。
- 新築:20,000円前後
- 既存の建物:30,000円前後
- 防水・高電圧などの特殊タイプ:30,000円~40,000円
新築工事は壁が未完成で配線しやすいので、比較的単価が安いです。既存の建物は、配線経路の確保の仕方によっては、壁を一部解体するので単価が高くなります。
ブレーカー本体のスイッチに空きがなければ、ブレーカーの新設や交換が必要となるので、10万円以上かかる場合もあります。
パソコンの配線やLAN工事
パソコンの配線やLAN工事は、ネットワーク接続やケーブルの敷設、ジャックの取り付けなどもあります。単価相場は以下の通りです。
- 基本的なLANケーブル配線:30,000円前後
- 配線システムの設計・施工:50,000円前後
- 無線LANのアクセスポイント設置:40,000円前後
オフィスの場合は、床下や天井裏を這わせる配線が多いので、その分単価が上がります。無線LANの設置は、配線の手間は少ないですが、電波がオフィスや家庭に届く適切な場所選びも必要です。
電気工事士の資格に加えて、ネットワーク技能士などの技術者が行うことが多く、一般的な電気工事よりも単価が高くなりやすいです。作業の難易度や依頼主のIT技術力によって単価は変動します。
照明器具の取付
照明器具の取付は、電気工事の中ではシンプルな作業です。しかし、証明の種類や設置場所によっては難易度が上がり、単価相場も高くなります。照明器具取付の単価相場は以下の通りです。
- 一般的な照明器具取付:20,000円前後
- 高所作業が必要な照明取付:30,000円前後
- LED照明への交換:20,000円~30,000円
デザイン性のある照明や、高所作業で安全管理が必要な照明は単価相場が高いです。照明設置によるコンセント増設や、分電盤交換などの作業があれば単価はさらに高額となります。
電気工事の1人工の単価を計算する方法
電気工事の1人工の単価を計算するには、労務費や材料費、運搬費などの費用を合計します。この単価で、利益確保と顧客満足の両方を考えないといけません。適正な単価を計算する方法を解説します。
労務費
労務費は、作業員の人件費であり1人工の単価のメインとなる要素です。基本給に諸手当と法定福利費を合計して計算します。夜間作業の場合は割増料金が発生します。
公共工事の場合は「公共建築工事標準単価積算基準(令和6年改定)第3編 電気設備工事」に、単価の計算方法が工事種別ごとにまとめられていてわかりやすいです。例えば、金属ダクト工事なら、ダクトの寸法ごとに電工1人当たりの歩掛を計算し、雑材料として材料単価×0.02を加えて計算されます。
材料費
材料費は、電気工事で使用する資材や部品の費用です。1人工の単価に直接含まれず、電気工事の見積りに含まれます。
材料は、電線や配管、コンセント、スイッチ、照明器具などの直接材料費や、ビス・テープなどの消耗品費にあたる部分もあります。材料費の計算は、材料単価×個数でシンプルに計算しましょう。
運搬費
運搬費は、材料や工具、作業員が現場へ移動するときにかかる費用です。車両運搬費や高速料金、資材置き場、出張手当などの費用がかかります。
運搬費の計算は、距離だけでなく資材の内容や現場状況などを考慮して単価を検討しましょう。
歩掛
歩掛は、電気工事で1人が1日に行う作業を数値化したものです。例えば、コンセント設置の歩掛が「10個/人工」であれば、1人が1日に10個のコンセントを設置できることを表しています。作業者のスキルや現場条件などにより歩掛は変動します。
単純な照明器具であれば「8個/人工」などで設定しますが、複雑な制御盤の配線であれば「0.5面/人工」のように設定しましょう。公共工事の場合は「公共建築工事標準単価積算基準(令和6年改定)第3編 電気設備工事」に、工事種別ごとの1人工の単位が設定されています。
電気工事の1人工の単価を上げる方法
電気工事の1人工の単価を上げるには、地域性や人脈、高度な資格を取得するなどの方法があります。利益率の向上と社員のモチベーションアップにもつながるので必見です。1人工の単価を上げる方法を詳しく解説していきます。
労務費が高い地域で受注する
労務費は、大都市圏で高くなるので、そのような労務費が高い地域で受注すると1人工の単価を上げやすいです。東京・大阪・名古屋などの都市圏では、高層ビルやハイテクな施設が多く、高度な技術を求められるので単価が高くなります。
「地域別公共工事設計労務単価」を見ると、令和5年の沖縄の電工単価は19,000円ですが、関東地方は25,644円です。6,000円以上の差は大きいので、なるべく単価を上げるなら大都市圏での受注や開業を視野に入れるとよいです。
参照:日本電設工業協会の「令和5年3月から適用する 公共工事設計労務単価(電工)について」
人脈を活用する
電気工事の業界では技術力と同じくらい人脈が重要です。信頼できる人からの紹介は高単価受注へつながります。
例えば、建築士や設計事務所とのつながりで、技術の高い高単価な仕事を紹介される場合があります。元請会社との関係を築いておくと、技術力や管理能力が認められて高単価設定につながる可能性もあります。昔の勤め先や過去のチームメンバーと仲良くしておくことでも、思わぬ受注につながるかもしれません。
資格を取得する
電気工事の単価を上げるために資格を取得することは有効です。電気工事に関する資格は以下の通りです。
- 電気工事士
- 電気主任技術者
- 認定電気工事従事者
- 電気工事施工管理技師
- 特殊電気工事資格者
実務経験がないと取得できない資格も多いです。電気工事に関する資格について詳しく解説します。
電気工事士の資格
電気工事士の資格には第2種電気工事士と第1種電気工事士があります。第2種電気工事士は、一般住宅やオフィス、店舗などで600V以下の低圧の電気工事を施工できます。しかし、第2種電気工事士では高圧・特別高圧の工事はできません。
第1種電気工事士は、電圧の制限がなく電気工事に携わることができるので、600V以上の高圧・特別高圧の工事ができます。大規模工場や高層ビル、発電所などの高単価工事は第1種電気工事士が担当します。
1人工にも違いが出るので、単価を上げるなら第1種電気工事士の取得がおすすめです。
電気工事に必要な資格
電気工事士以外にも、電気工事の単価を上げる資格がたくさんあります。専門資格が多いほど、特殊な工事に関わることが可能となり単価アップにつながります。電気工事に必要なおすすめな資格は以下の通りです。
- 電気工事施工管理技士
- 電気主任技術者
- 電気通信主任技術者
- 消防設備士
- 電気通信工事施工管理技士
これらの資格を取ると、単価を上げるだけでなく、作業員のスキルアップや現場の生産性向上にもつながります。
電気工事の1人工の単価を上げるときに知っておくべき注意点
電気工事の1人工の単価を上げると、利益率向上に期待できます。しかし、単価上げのことだけ考えるのはよくないことです。法令違反や税務上の問題など、思わぬリスクが潜んでいる場合があります。1人工の単価を上げる際の注意点を解説します。
常用契約を結ばない
電気工事の単価を上げるために一人親方が常用契約を結ぶことは、単価アップを台無しにする危険行為です。
常用契約とは、決められた時間で仕事をする労働者を派遣する方式で、雇用保険の加入義務がある契約です。一人親方の場合、常用契約を締結して働くと偽装の一人親方となってしまい、雇用保険を掛けていなければ法律違反です。一人親方は常用契約ではなく請負契約を結んでください。
収入アップは増税につながる
電気工事の単価を上げると、収入も増加するので増税につながります。収入が増えると税率もあがるので、税負担額が予想以上に増える可能性があります。例えば、以下のような増税リスクです。
- 法人税率の増加:中小企業向けの軽減税率を超えると税率が上がる
- 消費税納税の増加:インボイス制度により消費税の課税事業者は納税額が上がる
- 個人事業主の所得税の増加:一人親方の収入増加は累進課税の所得税が上がる
増税しても利益が出るように、高単価の地域で働いたり、資格を取得したりと工夫が必要です。
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この記事では、電気工事の1人工の単価相場や計算方法、単価を上げるコツを解説しました。工事単価は、地域や作業内容によって変動します。適正な単価設定には、労務費や材料費、運搬費などの費用の算出が必要です。
工事単価を上げるには、第1種電気工事士などの高度な資格を取得して、技術を味方にすると効果的です。都市部での受注や、人脈を使った受注も単価を上げる可能性があるので検討してみてください。
ただし、電気工事の単価アップは税務的な計画が必要です。収入と同時に税金・税率も増えるので、節税対策や税金以上の利益確保の戦略を考える必要があります。電気工事の1人工の単価を上げて、税務対策された利益効率の高い仕事を受注しましょう。
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