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土木工事を行う際に、岩盤を掘削する際に用いられるのが、ベンチカット工法です。この工法にはいくつか種類がありますが、施工経験がないとよく分からない人も多いのではないでしょうか。
今回は、そうしたベンチカット工法について解説します。種類の他に、メリットや使用する作業機械についても解説していきます。ベンチカット工法の知識が身につくので、ぜひ最後まで読んでみてください。
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ベンチカット工法とは
ベンチカット工法は、重機を使って岩盤の斜面を、階段形状に掘削していく工事方法です。トンネルの掘削工事で使われることが多く、断面を上下で分割し、上半分から掘削していきます。そして、下半分は上半分を追いかける形で、作業を進めます。上下で分かれて掘削を行いますが、上半分の断面が長いほど下半分の作業と競合しないため、効率的な工事が可能です。
全断面工法との違い
掘削の方法には、ベンチカット工法以外にも全断面工法もあります。全断面工法は、断面を分割せず、一度に全ての地盤を掘削します。そのため、大型機械を使えば効率的に掘削が行えますが、地質が非常に良好でなければ工事を行えないという条件があります。しかし、ベンチカット工法の場合、そうした制約がないため、幅広い地盤の現場で掘削が可能です。
ベンチカット工法の特徴
ベンチカット工法には、いくつか種類があるため、さまざまな地盤で施工が可能です。また、ベンチの長さを変えることで軟岩の地山でも硬岩の地山でも掘削可能なため、削り取る地盤の性質を問わず作業ができます。
ベンチカット工法に使用する機械の多くは大型のため、一度に多くの範囲で掘削ができます。そのため、作業効率が良く経済的な工法として知られています。こうしたことから、近年は採用されることの多い掘削方法です。
ベンチカット工法の種類
近年のトンネルなどの工事で採用されることの多いベンチカット工法にもいくつか種類があります。ここからは、以下の工法について解説します。
- ロングベンチカット工法
- ショートベンチカット工法
- ミニベンチカット工法
- 多段ベンチカット工法
それぞれの工法の特徴を把握し、適したものを選べるようになりましょう。
ロングベンチカット工法
ロングベンチカット工法は、ベンチの長さを50m以上で掘削する工法です。トンネル以外でも大規模な土地開発や斜面の切土などにも使われます。ベンチが長くなるため、地質にはある程度の良好さが求められます。上下を交互に掘削する場合と同時に施工することがあり、交互に行う場合は人員と作業機械を転用可能です。
しかし、同時に施工するより工期が伸びるというデメリットがあるため、状況に応じて作業方法を工夫する必要です。
ショートベンチカット工法
ショートベンチカット工法は、ベンチの長さを12〜50m以内で掘削する工法です。ベンチの長さを調整することで、土砂地山や膨張性地山など特殊な条件の地盤から一般的な地山まで、幅広い現場で採用可能です。ロングベンチカット工法や全断面工法とは異なり、短期間での閉合が必要な地質が悪い現場でも施工できます。上下の断面で並行して掘削する場合、上下の切羽が接近するため、掘削サイクルのバランス調整が必要です。
ミニベンチカット工法
ミニベンチカット工法は、ベンチの長さが12m以内となる掘削工法です。支持力が弱い地山や膨張性のある地山など、掘削後早期に閉合する必要がある現場で採用されることが多い工法です。上半分の施工をする際は、装置を据え付ける架台が必要な場合があります。
この工法では、上下の掘削を同時に進めていくことが基本のため、切羽の安定性に注意を払う必要があります。こうしたことから、スピード感と状況変化への対応が重要な工法です。
多段ベンチカット工法
多段ベンチカット工法は、ベンチの段数を3段や4段などに分割する掘削方法です。段数が多くなるため、周辺地盤が緩んでいないか常に注意を払わなければいけません。この工法は、通常のベンチでは切羽の自立ができない現場で用いられることが多い工法です。各ベンチの長さが限定されるため、作業スペースの確保に工夫が必要になります。
ベンチカット工法のメリット
特徴と種類を把握したところで、メリットを見ていきましょう。ベンチカット工法には、次の2つのメリットがあります。
- 経済性に優れている
- 施工効率が良好
それぞれのメリットを理解し、掘削方法を検討する際の材料にしてください。
経済性に優れている
経済性に優れている点が大きなメリットの1つです。先ほども解説したとおり、ベンチカット工法は、掘削する断面を上下に分ける工法です。大型の作業機械を使用できるため、掘削量を増やし工期を短く抑えることもできます。そのため、工事にかかる費用を抑えられます。こうした経済性の良さが、採用されることが多い理由になっています。
施工効率が良好
施工効率が良いというメリットもあります。上半分を先に掘削し、下半分は後追いする方法のため、上下の2面で自由面発破が可能です。自由面発破は経済性と作業効率が良く、周辺環境へ与える影響に配慮しながら作業できます。時間当たりの作業量が多い現場に適しており、効率性を求められる現場に適しています。
ベンチカット工法で使用する穿孔機械
最後に、使用する穿孔機械について解説します。以下に紹介する穿孔機械の特徴を理解し、ベンチカット工法を採用する場合の計画立案に活かしてください。
・クローラドリル
・ダウンザホールドリル
・ロータリドリル
それでは、それぞれの穿孔機械の特徴を見ていきましょう。
クローラドリル
クローラドリルは、岩石に孔をあける際に使用する機械です。岩石に孔をあけるという装置の目的から、鉱山や砕石場、土木工事の現場を中心に使用されます。クローラドリルであけた孔から発破することで、岩石を除去します。
機械自体はそこまで大きくないため、狭い場所や作業空間の限られた場所でも施工可能です。動力源はコンデンサーと油圧パワーパックです。
ダウンザホールドリル
ダウンザホールドリルは、スクリューの先端にダウンザホールハンマーを取り付けて、大きな発破孔をあける機械です。回転力とピストン運動で一般的な地盤はもちろん、硬質地盤の掘削も可能で、あらゆる岩盤で確実に発破孔をあけられます。ダウンザホールドリルは、構造がシンプルなためメンテナンスが容易で、ベンチカット工法に用いられることも多い機械です。
ロータリドリル
ロータリドリルは、削岩機にロータリトリルを設置し、岩盤に孔をあける機械です。アンカー孔をあける際に使用する、電動工具が大型化したものとイメージしてください。ロータリドリルは回転と打撃の駆動が別系統のため、現場にあわせた調整が可能です。クローラドリルやダウンザホールドリルなどより小型で軽量のため、持ち運びや設置が容易でさまざまな現場に柔軟に対応できます。
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【まとめ】ベンチカット工法は利便性が高くトンネル工事などで活躍している
ベンチカット工法は、トンネルなどの掘削に採用されることが多く、種類も複数があるためあらゆる性質の地盤に対応が可能です。ただし、現場の地質にあわせて工法を選ばなければ、作業効率が低下し、工期に間に合わない恐れがあります。そのため、現場にあわせた工法の選び方が重要です。今回解説した内容を参考に、ベンチカット工法への理解を深めて、効率的な施工を目指しましょう。
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