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建設業で大きな課題として挙げられる人手不足の問題。建設業で人材不足が叫ばれている昨今、現場で働く労働者の採用や業務効率化の重要性が年々上がっています。
今回は、LINEで現場職人とマッチングできるサービス「ケンカツ」を提供している株式会社INJUSの代表取締役 鹿山瞬氏にインタビューしました!ぜひ最後までご覧ください!
お客様情報
鹿山様のご経歴をお伺いできますか。
株式会社ケンカツの鹿山瞬と申します。私は1984年に群馬県で生まれ、中学生時代に観たテレビ番組「マネーの虎」という番組をきっかけに、早い時期から起業家を志しました。
大学進学をきっかけに上京、その後は就職することなく歌舞伎町ホストや六本木サパークラブ、都議会議員の秘書等を経て、システムやスマホアプリの開発業務を主業務とした株式会社INJUSという会社を28歳の時に創業いたしました。
創業後、それだけではご飯を食べられないという時期がしばらくあり、昼間は建設作業員として働くという経験をしました。そんな生活を3年ほど続けた後にLINE社さんがAPIを公開して公式LINE上に独自のシステムを開発できる環境を整えてくれました。それを活用して、現在はLINEに特化した事業を始めているというような現状になります。
事業を始めるためにプログラミングについても勉強されていらっしゃったのですか。
はい。プログラミングの必要性を感じたのは、創業前の25歳のときでした。ちょうどその時、スティーブ・ジョブズがiPhone3GSを発表した時でした。今までWebで作られていたものがこれからはアプリベースになるというような世界観が想像できたので、これからは起業するならアプリの開発、プログラミングを覚えないとダメだと思い、25歳からプログラミングを学び始めました。
建設領域での現場でのご経験に加えて、プログラミングの知識もお持ちの鹿山社長ですが、「ケンカツ」というこのサービスは、ご自身が欲しかったものを作ったという感じに近いでしょうか?
おっしゃる通りですね。皆さんいろんな想像からいろんなシステムを作るんですけども、やはり建設業は経験のない方からするとなかなかイメージができないので、どうしても現場にフィットしないものになってしまいます。
現場の人からすると使いづらいとかめんどくさいと思われて終わってしまうのですが、ケンカツの強みとしては、代表者自身がそういった建設現場の知識とシステム開発を本業にしていた、ここのかけ合わせで作られているので、非常にその現場にフィットしたUXが期待できるのではないかと考えております。
会社紹介をお願いいたします
会社設立の経緯をお伺いできますか。
ケンカツは、もともとシステム開発会社「株式会社INJUS」の一事業として作っていたものを、昨年「株式会社ケンカツ」として別法人化して今に至っております。
開発をして、作っては出してリリースをして、ということを6年程繰り返しています。これはPMF(=プロダクトマーケットフィット)と言いまして、作ったものがちゃんと現場で使用されるに至るまでには非常に大変な道があります。
その期間を、外部の資本等を入れるのではなく、INJUSという私が100%株主の株式会社の中である程度好き放題に作っていって、ニーズを確信した段階で別法人にするという戦略的意図のもとにそのようにしております。
改めて会社を作られたということはニーズを確信しているということかと思うのですが、そのきっかけはなにかありましたか?
ケンカツは先ほど申し上げた通り6年ぐらい前に作ったのですが、1年間ぐらいかけてα版やβ版を作って、縁があってすぐに結構大きな足場の建設会社さんにこの話を持っていく機会があったんです。
その時に、私ははっきり覚えてるのですが、「鹿山くん、これはもう元々俺たちが作ろうと思っていたことだから、このシステムは他に渡さないで俺たちだけに使わせてくれ、何ならこのシステム買収するから」ということをまだβ版の段階で言われたんですね。
その時に、LINEを使って職人さんを集めてマッチングしたりとか自分の採用に使ったりしたいというニーズは間違いなく確信しました。「そのシステムごとくれ」と言われるぐらい強い欲求があるんだなと思いました。その時はいやいや冗談じゃないですよって笑ってごまかしたんですけども。先方の目は本気でした。
サービス概要
ケンカツのサービス概要についてお教えいただいてもよいでしょうか。
ケンカツは、スタート時点では建設業における労働力不足とか若者の建設離れ、あるいは需給バランスのミスマッチや多重下請け構造の解決といった、よくありがちな建設マッチング・人手不足のHR系の解消を目的としたマッチングサービスからスタートしております。
ただ、建設マッチングで終わらせる考えは一切なく、ここを起点に、業務効率化や職人さんの手配ができるうえで、手配履歴などを蓄積してデータとして運用できるような業務効率化ツールというところまで最終的には昇華していきたいと思っております。
具体的な機能はどのようなものですか。
メインの機能はやはりマッチングですね。LINEを職人さんに登録してもらって、それを外部の管理画面から閲覧・検索してオファーを打つことで双方がマッチングできるという機能がメイン機能なんです。
人手不足で明日の現場で3人足りない、来週で5人足りないと言った時に、今までは知り合いの社長さんとかに電話をして…と対応していたものを、共通の職人プールの中から選んでオファーができて、人の応援ができるというところが今のところではコアな使い方になります。
職人不足については、現状どの会社さんもかなりお困りな印象があります。例えば、2〜3日前などでも現場に来てもらえるようになるのでしょうか?
そうですね、ただ、現実的には建設現場のマッチングの難しいところはあると思っております。
まず、いわゆるその派遣ができないという点、また、例えば現在居酒屋さんや工場等で増えている隙間バイトってあると思うのですが、建設現場は非常に難しいんですよね。
例えば送り出し入場教育の受講や、健康診断を受けなきゃいけないなどがあるので、現実的には”じゃあ今日依頼して明日来てね”、しかも”面談を1回も通さず現場に入れる”というのはかなり難しいと思います。
なので、一度事務所に来てもらって顔合わせができるためのフックがケンカツだと思っていただいて、今まではどこに声かけていいかわからなかったものをケンカツというこの中から探していただけるという点で考えていただければなと思います。
他にはどういった機能があるかご紹介いただけますでしょうか。
ケンカツのメインはやはりマッチングですが、中には、実際に働く個人の職人さん以外にも、BtoBのマッチングで解決するというケース(協力会社を募集し、その協力会社に所属する職人さん達をまるっと貸してほしい等)もあります。
建設業界は建設許可事業になりますので、許可を持っている会社さんは基本的にオープンデータが公開されています。今現在50万社以上あるそのオープンデータを集約して、管理画面から協力会社さんを検索してアプローチができる機能。そして、地図上のどこにその会社さんがあるかというのをマッピングする機能を備えております。
また、LINEに送った画像をAPIを経由して指定のDropboxに転送する機能もあります。例えば現場でジュースを買ったり、駐車場代を立て替えるといったときに、その明細を写真で撮ってLINEに送るとDropboxに画像が送られるといった機能もあります。ここは来年以降に、より強化していくことを考えております。
他の企業のサービスとの違いはどのような点ですか。
全体的に、建設マッチングとかそういうサービスが増えていくこと自体、僕は非常にポジティブかなと思っております。
その中で、差別化点や弊社の強みとしては、まずやはりLINEを使っていることです。これを軸にシステムを組んでいるという点が挙げられます。
これはもちろん、建設現場は様々なITリテラシーの方が多いので、誰でも使えること・アプリストアからインストールしなくてもLINEで友達追加すればすぐ使えるという点が非常に強みではあります。
しかしそれ以上に、従来の建設マッチングというのは、どうしても既に建設現場で働かれている職人さんたちをグルグル回すってところにフォーカスが当たっておりまして、私自身はそれだと本質的な課題解決にはならないと考えております。
いかに他業種から建設現場で働きたいという若者や新参者を呼び込むかという課題に、LINEという非常に身近なアイコンを使って対策していくというのは弊社にしかできないと思います。
LINE上でそういったマッチングができるサービスは、おそらく他社で聞いたことがないですね。
そうですね。割と多いのが、普通にグループLINEを使ってるとか、オープンチャットを使ってやられてる方。それはIT企業に限らず、建設会社さんあるいは組合とかでそういう使い方をしている方はやはり多いんですね。
グループLINEだとn対nが含まれてしまいますので、1対nの関係にはできない。なので、そういった管理というのにはグループLINE等は向きません。グループLINEの場合、500人という上限もあるので、LINE公式アカウントをちゃんと開発して運用するという点でいうと、弊社は非常にこの領域は強いのかなと思っております。
一緒に働いてみて、直接採用するというのはできるのでしょうか?
もちろん認めております。追加費用もかかりません。
かからないのですね。他社さんですと、年収の30%・40%くらいかかってしまうというケースもあると思うのですが。
それに関しては、このように考えております。まずそもそもシステム的に、マッチングした後を追うことができないんですね。ケンカツを使ってマッチングが成立した建設会社さんと職人さんがいても、その人が何日働いて何ヶ月働いたら社員として定着してるのかというのはシステムがトラッキングできません。
基本的に、あくまでも弊社は「お見合いの場」を作るだけのサービスですし、逆に言えばその部分でしかお金は取りませんよ、というところでこの低単価・低価格を打ち出しております。
実際どんな働き方をしてくれるのかを見て、かつその人にさらに採用を打診できるっていうのはなかなかないですね。
その通りですね。私自身も建設現場で働いていたときに、内部でスカウトやリファラルは結構多かったんですよね。「いま君いくらもらってるの」みたいな。「いくらです」と言うと、「うちその2000円出すからうちで今度働きなよ」っていうスカウトが、建設現場の中でも結構起こってるんですね。
これをシステマチックにしてLINEに集約したっていうのがケンカツになりますね。
サービスの利用料金についてお教えいただいてもよいでしょうか。
まず、働く側がLINEを使う場合はすべて無料です。登録はもちろん、メッセージのやり取りやオファーを受ける等も完全無料となっています。
どこで料金がかかるかというと、LINEの登録者に対してオファーを送る管理画面というものを設けておりまして、この管理画面の月額契約料が月2980円となっています。自分のアカウントを管理画面上に作ることができて、そこからオファーを打つことができます。
オファーを打つことに基本的には料金はかからないんですが、オファーを送られた職人さん側がこれを承諾して”一緒に仕事をやりたいよ”というボタンを押したタイミングが一つのコンバージョンという風に考えておりますこれが成果報酬として最初の1回だけ1000円をいただくという形になります。
最初の1回というのはどういった状態を指すのでしょうか?
例えば、マッチした後に、1回働いてみて今後も継続的に働いてくれないか、というのも直接その場で連絡先を交換してしまえば弊社のシステムを通さず仕事をすることもできるんですね。
基本的なクラウドソーシングのサービスの場合ってシステムプラットフォームを通してくださいねというケースが多いと思うのですが、弊社の場合は基本的にはマッチして繋がって以降は直接やり取りしてくださいという流れにしています。そのため、最初に1回だけ繋がれば、初回の1,000円だけお支払いいただくという形です。
そうなると、例えば月に3人採用しようと思ったら実質1人2000円でできるという?
先ほどの2980円にプラスして、3人採用と言っても当然3人送って全員がマッチング成立するとは限りませんし、成立しても現場に来てくれるかどうかなどあると思います。
仮に10人にオファーを送るとして、そのうち6人がマッチングが成立すれば、この時点で1,000円×6人=6,000円。ただその6人のうち実際に面談に来てくれた人は4人いて、採用までできたという人は3人でしたと。この場合は2,980円+6,000円=8,980円で最終的に3人が採用できたということになります。
オファーの送り方等によってコンバージョンの成約率というのは変わってくると思います。
他の媒体からすると10分の1、100分の1に近いぐらいの金額感かと思います。
この低価格路線・あるいは使った分だけお金をいただくということは非常に重要にしているコンセプトです。
ケンカツをフックにして、建設会社さん側・職人さん側両方のデータが集まることによって弊社は2次・3次の違う事業展開というのを考えていますので、このマッチング部門というのは非常に安価で提供するという風に考えております。
サービスの利用者層についてお教えいただいてもよいでしょうか。
ボリュームゾーンとしては30代がピークなのですが、20代よりも40代50代の方たちが、割合として多い印象です。また、ボリュームゾーンにいる方は基本的には経験者が多いですね。
LINEで友達追加した後に職人登録というものをして頂くのですが、その時に現場での経験があるか、社員として就職したいですか、という設問がありまして、ほとんどの方はすでに建設現場での経験をお持ちです。
そのため、今後弊社としての課題としては、若年層によりリーチすることであったり、未経験者さんに広告を見てもらうこと、どの媒体が適しているのか、などを考えていく方針です。
ただ、やはり全体的にそもそもの母数が少ないといったところは弊社の課題と捉えていますので、ここはいろんなメディア戦略を組み合わせて、LINEの中に登録していただくユーザーさんを増やすための施策を打っていきたいなと思っています。
仕事を依頼できる方々は、全体では現在何名ほどいらっしゃるのでしょうか?
現在のところLINE側の登録で1300人ほどですが、これはかなり少ないと思っておりまして、まずは決まったエリアで10倍にして、1万人ぐらいのユーザー数を、まずは来年の4月〜6月頃までに集めたいと思っております。
発注側・建設会社様側のユーザー数は劇的に伸びております。今年(2023年)の4月に光通信さんと資本業務提携したということもありまして、光通信さんの強い営業力で、開始してから2ヶ月ぐらいで300社ほどが入っております。
やはり発注側が増えれば職人側も増えますし、職人側が増えれば発注側も増えます。ここのニワトリ・卵をいかにバランスよく…ということが課題ではあるなと思います。
どのような経緯でケンカツを作るに至ったのですか。
弊社INJUSという会社は元々受託開発会社を契機として始まっているので、いわゆる受託業務・クライアントワークを中心に行っておりました。企業様から「こういうシステムを作ってほしい」と言われて、開発して納品してお金をいただくというモデルだったんですけども、これだとどうしてもスポットの収益になってしまうんですね。
そのため、自社としてストック型のサービスを開発して、それを使ってもらうということでマネタイズするようなビジネスモデルの転換、というのを考えておりました。その時に”LINEを使う”というのが私の中でのルールだったんですが、掛け合わせで「LINE×業界特化型」で何かシステムを作れないかといった時に、私の建築現場の原体験というのがうまくヒットしました。
このタイミングでそこを掘り下げてみようとケンカツを試験的に作ってみたいというところがスタートです。それで試験的に作ったものを見せに行ったら割とすぐにスッと導入されました。ちゃんとコミットして成果が見込めるという確信を持ったというのが、このシステム、ケンカツをやり続けようと思ったきっかけになりますね。
他にも開発自体は行っていたのですか。
実はケンカツを作る前に、LINEを使った100言語の同時通訳ができるシステムというのを開発しました。これはLINEさんの「LINEを使ったAPI開発のコンテスト」みたいなものでパートナー賞みたいなのをいただいたりしたんですけども、最終的に2万人ぐらいのユーザーさんがいらっしゃいました。
例えば、LINEにアメリカ人とフランス人と中国人の3者を加えて、弊社が開発したシステムをグループLINEとして組み合わせます。例えば日本人が「こんにちは」と言うとそれぞれの言語に同時通訳して返してくれるというものでした。
このUXが非常に好評だったので利用者様は多くいらっしゃったんですが、これを事業売却をしまして、現時点では他社様のシステムとして動いています。これが一番最初のプロダクトになります。これ以外にも、スケジュール調整だったり、ファッションチェックをLINEで行うものだったり、そういった紆余曲折あった中の一つがケンカツという感じですね。
ケンカツはどのような課題感を解消しようと思って作られたんですか?
現在、建設マッチングアプリとか求人サイトが世の中に出始めてきてて、非常に良い時代だなと思う反面、やはりそのマッチングというのはあくまでも今すでに働いていらっしゃる建設職人さんをぐるぐる回すという解決にしかなりません。これは僕としては根本的な解決にはつながらないと思っています。
結局、他業種から建設現場に新規で入ってくる若者であったり、非建設作業員さんを入れ込むということが大事だと思っております。その時にLINEを使うことによって、比較的ライトな層にアプローチできると思っています。まずはLINEの友達追加をすれば、未経験でもいろんな所から仕事のオファーが来ます。これによって、「とりあえず友達追加してみよう」という流れに繋がっていきます。
導入企業の成功事例にはどのようなものがありますか。
ケンカツを導入したことでの成功事例にはどのようなものがありますか。
高田馬場にある30人ぐらいの職人さんを現場に出しているいわゆる常用の会社さんが、今までは求人広告を数万円×半年プランで契約していたのですが、応募が来ても結構採用には至らずお金だけ払ってたというケースがありました。
これを弊社のLINEを使った職人求人の求人に振り切ったところ、3万円ぐらいで100人ぐらいとの繋がりができました。もちろんこれは繋りができただけなので、そこから実際に採用に来るっていうのはその1/10とかという形にはなるのですが、それくらいの費用対効果に変わったという事例があります。
それは大きいですね!そして、今まで会えなかった人たちにもLINEを通じて会えるというメリットが。
成果に対してはお金を頂きますが、成果が出ていないのであれば、弊社としてはお金の取りようがないという考え方を非常に大事にしています。LINEを通じて会えるという環境を、自分たちで作りませんか?というのが目指しているところですね。
サービスの現状と今後
今のサービスに対しての課題感はありますか。
現在ユーザー数が増えているとは言いつつも、全体的にまだまだボリュームとしては少ないです。まずはこのそもそものボリュームを増やすということが一番の課題で、解決しなくてはいけないところと考えております
もう一つは、「建設現場の職人不足」という課題を本質的に解決するには、やっぱり既存の働き手をグルグル回しているようなマッチングモデルだけではなくて、いかに他業種から新しい担い手(若い方や未経験者の方)をケンカツの中に入れていくか、というところが最大の課題です。それをできるサービスに仕立てていこうと考えております。
今後追加していく予定の機能はありますか。
一般企業ではリクルーターさん、キャリアアドバイザーさんが間に入って双方をつなげたり面談をセットアップするっていうことは結構多いと思うのですが、この機構がいま建設現場にはありません。
今後はただシステム環境を整えるだけではなくて、代理店さんや協力会社さんにご協力をいただいて、弊社のシステムをうまく活用して頂くためのキャリアアドバイザーさんを間にかませて人力でつなぐ、という展開も考えております。ただ、これに関しては別途追加費用がかかるケースもあります。
他に今後強化していく機能はありますか。
OEMがある意味一番狙ってるところになるんですけども。
現在ケンカツは、ケンカツというプラットフォーム・公式LINE(ケンカツLINE)に職人さんを登録して頂いて、そのデータベースを公開して参照するという座組です。LINE公式アカウントを使う利点の中のひとつはシステムを複製するのが非常に容易なことなんです。
これはもしスマホアプリだとAppStoreを通したりするので複製が難しいんです。審査にすごい時間かかったりとか、同じようなアプリ作っているとそれだけでリジェクト・審査落ちということもありますので。
LINEの場合は、LINE公式アカウントを作って簡単にパラメータだけ変えてLINE公式アカウントに弊社のシステムだけアタッチするっていう仕組みも全部開発しています。そのため、複製がどんどんできます。
先ほど建設許可事業者さんが50万社いると申し上げましたが、極端な話、その50万社自身が自分たちのLINE公式アカウントを1個1個持っていって”自分たち専用の職人プール”というのを作っていくという環境を作っていけば、そこでお仕事の話・依頼ができる、ということができますので、そこは目指しておりますね。
依頼をかけたいとなったら、すぐに今までに集めた人たちに対して「この日行ける人!」みたいな連絡ができるというのは本当に楽ですよね!
それを、ケンカツというプラットフォームではなくて自社のプラットフォームの中で「この仕事やりたい人いますか」ってLINEに送れます。
この時も、タグとかセグメント配信という形で送る人を選択したりすることもできますので、まずは近い人たちに送って、で採用が決まってというケースもありますし、それで決まらなかった場合はもうちょっと距離を広げて打ってみるとか、そういったマネジメントができます。
もう、一社一社がそういうマネジメントツールを持たないとなかなかこの建設現場で勝ち上がっていく・残っていくというのは難しいなと思っておりますので、弊社は”この環境を皆さん一社一社に作りませんか”という提案をしておりまして、これをOEMと呼んでおります。
早めに導入をすればするほど、後々楽になりそうですね。
そうですね、資産がどんどん溜まっていきます。求人にせよ採用にせよ、すぐに成果って出ないと思うんですね。そのため、1回LINEというプールの中に溜めてしまうと。そうすれば継続的にメッセージを配信してコミュニケーションができるので、その結果コンバージョンするというようなところが理想的かなと思っています。
全体を通して伝えたいこと
最後に、全体を通して伝えたいことがあれば教えてください。
皆様、本日はありがとうございました。私自身は、若者や未経験者の方に建設現場で働いてもらうこと、「この業界は魅力的だよ」と伝えることがもちろん重要だと重々自覚しておる一方で、建設現場は無条件に最高だとか何でもいいよ、と言う気はございません。
私自身、建設現場をやってきて大変なことも当然ありました。それをよく知っているからこそ、そのように軽々に言う気はございません。ただ、建設現場というのは、物を作るという営みに対して非常に原始的な感動を覚えることができます。
おそらく皆さんYouTuberになりたいとか、音楽を作りたいとか、何か「物を作る」ということに憧れを持たれている若い人って多いと思うんですけども、その時に、建設現場で働いてみると「ものづくりってこんな大変さがあるんだ」とか「こんな感動があるんだ」と本当に毎日毎日身にしみて感じられるのが、建設現場の良さなんですね。
加えて、建設現場は今これだけ人が足りないって言われてるので、シフトが削られるとか、採用が見送られるということが非常に少ないんです。ちゃんと自分の空いている時間や日数をお金に変えるという事がしやすいのが、建設現場で働くことの魅力だと思っております。
建設現場で1回働いたからといって、将来ずっと建設現場で働かなきゃいけないなんてことはございませんので、皆様の長い人生の本当に一時でもいいので、建設現場で働いてみようと、そういう機会を作ることが、建設現場の人手不足という根本的な課題の解決となっておりますので、皆さんぜひそういう気持ちで、建設現場を一つの選択肢として考えていただきたいと思います。
そして発注・雇用される建設会社様にとっても、今の若者は本当に多様的な考え方で仕事をキャリアを積まれているので、そういった気持ちで働く方も皆様の大きな懐で共有していただいて、業界として建設現場で働く人材を育てていく、こういったことを一緒に取り組めればいいなと思っております。