一人親方の保険料は何円?保険の種類や料金・労災保険を詳しく解説!

建設業や土木業などを経営する方に多い一人親方。一人親方として仕事をする上で、万が一の事故があったときのために必要な保険はどのような仕組みになっているのでしょうか。
この記事では、一人親方が加入しておくべき保険の種類や保険料、労災保険の仕組みなどについて解説します。保険で保障される内容や保険料、手続き方法などについて不安な点がある方はぜひご覧いただき、どういった保険に加入しておくのが良いかご確認ください。

一人親方の定義は?

一人親方とは、主に建設業で労働者を雇わずに事業を行う自営業の方や企業の役員、またはその家族従事者のことをいいます。経営者の立場でありながら、実務を行うのも自分自身または家族という場合をさしています。個人事業主という扱いであっても、従業員がいる場合は対象外です。また建設業の他にも、個人タクシー業者や漁師、林業などを営む方も一人親方に含まれる場合がありますが、労災保険の観点から当てはまるのは建設業の方です。

一人親方の保険料を知る前に保険の種類を理解しよう

一人親方が加入する保険には、社会保険と民間保険の大きく分けて2つの保険があります。仕事中のケガ、急な事故や病気など、生活する中でこの2種類の保険に加入しておくことで、労働災害や病気など様々なリスクから自分の身と家族を守ることができます。それぞれどのような保険の仕組みになっているかと、どのような違いがあるのかを確認しましょう。

社会保険

社会保険は国の公的保険制度で、病気やケガ、労働災害や失業などのリスクを保障するものです。社会保険への加入は基本的に義務であり、特別な審査等はありませんが、一定の要件で加入できます。社会保険の財源は、加入者から支払われる保険料や国・地方自治体が負担する負担金などから成り立っています。次々項にて詳しく解説しますが、社会保険は4種類から構成されており、国民の生活における様々なリスクから守ってくれています。

民間保険

民間保険は、民間の保険会社が提供しているもので、社会保険で保障しきれない病院の入院費や高度先進医療費などが保障されます。社会保険への加入は国民の義務なのに対し、民間保険は加入自由です。一人親方の場合、大きなケガの治療代で高額費用が発生したときや、労働災害による万が一の事態が起きたときなどの影響を考えると会社員などに比べ負担が大きくなります。あらかじめ自分で必要な保険を選択し、将来に備えておくのが安心です。

一人親方の保険料はどのくらい?

2種類の保険の仕組みと違いについて分かったところで、続いて保険料の相場について解説します。将来のリスクへの不安を考えると、加入できる保険にはすべて加入しておくのが安心ですが、過度な補償や必要のない保険にまで入って日々の家計を圧迫してしまっては本末転倒です。実際に月額でどのくらいかかるものなのか、社会保険と民間保険、また労災保険それぞれの算出方法と相場を見ておくことで、加入するかどうか検討しましょう。

社会保険料は月額50,000~60,000円

社会保険は本人の収入によって保険料に幅がありますが、4種類の保険に加入することで月額約50,000~60,000円ほどかかります。国民年金保険料は1ヶ月あたり16,590円、健康保険料と介護保険は合計で月額約20,000~45,000円、労災保険は月額約4,000~6,000円が想定されます。また国民年金保険料には前納制度があり、半年分や1年分、最大2年分をまとめて前払いすることで割引が適用されます。

民間保険料は月額20,000~30,000円

民間保険では、加入時点での年齢、保険会社、保障の内容などによって保険料が異なります。生命保険の1人あたりの平均は月額16,300円で、医療保険や損害保険などを加えると月額約20,000〜30,000円が相場です。加入年齢が若いほど保険料が割安なのが特徴で、健康状態の良いときにしか加入することが難しいものがほとんどです。何か起きてからではなく、健康で働けるうちから加入を検討しておくことがおすすめです。

労災保険では仮に給付基礎日額を1万円とした場合、月額5,000円台が相場

労災保険の特別加入者の場合、本人の平均賃金にあたる給付基礎日額によって保険料が異なります。給付基礎日額は3,500~25,000円の16段階に分類されており、仮に10,000円とした場合、1ヶ月あたり約5,000円の保険料です。1年度単位で計算されるため、加入する月によっても保険料が変動します。一人親方の場合は通常の労働者と違い、給付基礎日額が自動算定されないため、自己申告したものを労働局が承認することによって決定されます。

一人親方が入る社会保険の種類は?

一人親方が加入できる社会保険には、労災保険・健康保険・介護保険・年金保険の4種類が該当します。似ているようですが、それぞれ適用範囲や補償内容が異なります。この他に「雇用保険」がありますが、これは企業に雇用される従業員が加入するものであるため一人親方は対象外です。それぞれについて、加入が義務なのかどうかや、どのような時に適用される保険なのか、また補償はどのような内容なのかを見ていきましょう。

➀労災保険

労災保険は、労働者が勤務中または通勤の間で病気やケガ、死亡などの労働災害に遭った場合に、本人の療養や休業に対する補償や遺族への補償などが適用されるものです。一人親方は経営者で、通常従業員を保護する労災保険の対象ではありませんが、経営者であっても実務を行うため、従業員と同じようにリスクを伴います。このように保護が必要とされる一人親方は、労災の特別加入という状態で例外的に労災保険に加入することができます。

②健康保険

健康保険は、労災保険に当てはまらない時間帯での病気やケガに対して医療費等の一部が適用されるものです。普段私たちの病院への通院代が3割(または1・2割)負担なのも、この保険の仕組みによっています。企業の健保などに属する社会健康保険(社保)と個人が属する国民健康保険(国保)の2種類があり、一人親方の場合は後者が該当します。自身の住む町の市町村国保または同じ業種の人が集まった組合国保などに加入していなくてはなりません。

③介護保険

介護保険は、介護が必要となった際に適用されるものです。65歳以上で自治体の要介護認定を受けた人や、40歳以上65歳未満で特定疾病による介護認定を受けた場合の介護サービス、または要支援と認定された方に対する介護予防サービス等の一部を負担してくれます。将来介護が必要となったときには1~3割の負担でサービスが受けられる制度です。要介護の有無に関わらず40歳から加入する義務があり、健康保険とあわせて保険料を支払うことになっています。

④年金保険

年金保険は、老後の生活を安心して送れるようにするための公的年金制度に基づいています。働く世代が保険料を支払うことで、現代の高齢者の生活が支えられており、後に働く世代が高齢世代になった時には年金として給付を受け取ることができる仕組みです。20歳以上60歳未満の国民に加入義務があり、一人親方には国民年金が適用されます。会社の従業員の場合は、もう一つの厚生年金も適用されます。年金保険制度の今後の見通しについては、厚労省ホームページにて随時発表されています。

一人親方が入る民間保険の種類は?

民間保険は様々な種類があり、保険会社によって細かな規約や補償内容が異なります。今回は一人親方が入っておくとよい主な4種類の保険をピックアップしてご紹介します。国の社会保険で補償される内容にプラスしておくことで、ご自身の仕事や生活に沿った安心を手にしておくことができます。それぞれどのような時に役立つ保険なのかや補償内容などについて、社会保険でカバーされない内容とあわせて確認しておきましょう。

医療保険

医療保険は、病気やケガで通院・入院したとき、手術や治療代に充てるためのものです。社会保険だけでは賄いきれない高額医療費の自己負担分などを保障してくれます。一人親方で入院や手術が必要となった場合、本来働くことで得られていた収入が途絶えてしまうこととなるため、その分を補填できる貯蓄が必要です。医療保険に加入しておくことで、急な病気やケガがあっても治療費や入院・通院にかかる細々とした費用について気にすることなく、安心して治療に専念できます。

生命保険

生命保険は、加入者本人に万が一のことが起きた際、本人または家族に対して適用されるものです。一定期間の保険料の支払いで、一生涯保障が続くタイプの保険が多く、残された家族にまとまった金額を残せます。一人親方の場合、危険を伴う仕事によって作業中の事故や急な疾患などが考えられます。自分自身のことだけではなく、家族が露頭に迷わないためにも、今のうちから働けなくなった時のことを想定し、備えておくのがベターです。

賠償責任保険

賠償責任保険は、誤って他人の身体や所有物を傷つけたり壊したりした場合に適用されるものです。火災保険や自動車保険などの特約として追加されることが多い制度です。一人親方の場合、特に作業中において重量のあるものを落としてしまったり、人に危害を加えてしまったりする可能性があり、損害賠償にはかなりの負担を要します。民間保険に加入する際、他人への賠償責任に適用される特約がついているか確認しておくとよいでしょう。

任意労災保険

任意労災保険は、民間企業が労災事故を保障するために提供しているものです。一人親方であれば国の労災保険が適用されるため、自身のために加入することはありません。ただし作業員や職人など一時的に従業員を雇う場合、作業中の事故があって損害賠償責任を負う可能性があります。責任が問われる問題で裁判に進展すると、相手への賠償に加えて弁護士費用や裁判所への交通費などがかかりますが、国の労災保険では補償されないため、加入を検討することをおすすめします。

一人親方の保険料を理解し、補償を充実させよう!

以上、一人親方が加入する義務のある社会保険と、さらに上乗せしておくと安心な民間保険の保障について解説しました。どのくらい認知されていたでしょうか。建設業は、力仕事や高所での作業など、身体に関わる様々なリスクが考えられるお仕事です。急な事故や病気で働けなくなった時、万が一のことがあった時に、ご自身やご家族をリスクから回避できるよう、必要な保険に加入したり定期的な見直しを行い、将来に備えておきましょう。