建設業の営業所移転には届け出が必要?手続きや期限を徹底解説!

 

建設業を営んでいると、さまざまな事情で営業所を移転しなくてはならない状況になることもあります。このとき、手続きに不備があると営業に大きな影響をもたらすことになります。不備により罪に問われ、事業の存続が難しくなる可能性もあることを考えると、作業を不備なく進めていかなくてはなりません。
そこで、建設業の営業所移転に必要な届け出について、必要な知識をまとめました。手続き作業やスケジュールを計画するときにお役立てください。

建設業許可取得後の営業所の住所変更には手続きが必須

建築業許可には、営業所の所在地も登録されています。営業所の住所を変えるには、登録変更手続きが必要です。
登録には登記簿謄本が必要なため、法人で本店所在地が変更になった場合は、会社の登記内容を再登録してから手続きを行う必要があります。該当する場合は、法務局で新しい登記簿謄本を手に入れるところから取りかかりましょう。

建設業の営業所移転の届け出をしないと罰則の可能性も

営業所の変更にはさまざまな手続きが必要です。ほかの作業に追われ手続きをしないでいると、罰則を受ける可能性があります。
罰金や懲役が下されてしまうと、その日から5年間建設業許可を受けられなくなります。さまざまなトラブルを招く原因になるだけでなく、罰則を受けることによって会社の信用を著しく落とすことにもなるでしょう。事業の存続自体が危ぶまれることも十分考えられます。
許可の更新時など変更届を出していないことが分かり次第さかのぼって処理できる場合もありますが、手続きを抜かすことはできません。移転スケジュールを立てる際は、手続きを行う日程も忘れず組み込みましょう。

建設業の営業所の住所移転の3つのポイント

建築業の営業所移転の際は、以下3つのポイントをおさえておくことが大切です。

  • 住所移転届けは30日以内に提出する
  • 都道府県に変更がない場合の手続きを把握する
  • 主たる営業所を移動する際の手続きを把握する

それぞれの内容について解説します。

住所移転の届出は必ず30日以内に行う

営業所の住所転移届けは、複数のパターンがありますが、どれも移転する30日以内に行わなくてはなりません。提出期限は必ず守りましょう。
なお、届出の対象となるのは、登記上の本店所在地と営業所です。それ以外の設備を設置・移転する際は必要ありません。

都道府県に変更がない場合

建設業許可は、主たる営業所と従たる営業所がすべて同じ都道府県にある場合、営業所がある都道府県知事に申請を提出します。都道府県の変更がない場合も同様です。申請先は同じですが、移動する営業所により必要になる手続きや注意点は変化します。混同しないよう、それぞれのケースで行う手続きについて知っておきましょう。

主たる営業所の移動の場合

主たる営業所を変更する場合は、登記事項証明書などの提出が必要なため、法務局での手続きから始めます。なお、登記上の本社所在地が移転などで変更になった場合は、20日以内に手続きをする必要があります。スケジュール管理に注意しましょう。
個人事業主の場合、登記はしないため法人であっても本店所在地と主たる営業所の住所が異なることもあります。このケースでは、営業所が移転していることを証明できる資料も用意しなくてはなりません。
営業所としている物件により必要書類は異なるため、手続きの前に必要書類を確認しておきましょう。

 従たる営業所の移動のケース

従たる営業所の手続きも、登記事項証明書に登記されている内容により手続きが変化します。登記簿謄本に支店登録している場合、主たる営業所同様、登記変更が必要です。
登記簿謄本に未登録の場合は、営業所が入っている事務所の書類を添付しなくてはなりません。こちらも物件によりそれぞれ必要となる書類が異なるため、手続きの際は事前に確認・用意しておきましょう。

都道府県を変更する場合

営業所の住所変更で、都道府県から変更する場合は特別な手続きを行わなくてはなりません。これが「許可換え新規」手続きです。必要事項は新規申請するときと同じなため、過去に提出した際の書類に不備がなく、欠格要件に該当しなければ書類提出だけで通ったケースもあります。
とはいえ、作業工程は増えてしまう分、スケジュール管理も必要です。事業の状況により、新たに用意しなくてはならない書類なども発生する場合もあります。許可換え新規が必要な場合は、ご注意ください。

  許可換え新規とは

許可換え申請は、建設許可先を変更する際に必要な手続きです。新たに許可申請を行うのと同様の手続きを行うため、今までの建設業許可番号の引継ぎはできません。しい許可を申請した時点で、過去の許可は使えなくなるため、ご注意ください。
許可換え新規には申請手数料が必要です。許可権限者や取得する許可により費用が変わります。支払いは収入印紙で行うため、事前に用意しておきましょう。

  許可換え新規申請が必要な場合

許可換え新規が必要になるのは、以下の条件に合致する場合です。

ケース申請先
主たる営業所を異なる都道府県に移動する場合移動先の都道府県知事
別の都道府県に従たる営業所を新設する場合国土交通大臣
複数の営業所をひとつの都道府県にまとめる場合変更後の営業所がある県の都道府県知事

手続き自体は新規許可手続きと同じですが、許可を申請する先がそれぞれ異なる点にご注意ください。

建設業の営業所住所変更に必要な手続き

次に、手続きの具体的な流れを確認していきましょう。営業所の住所変更をする際に行う際に必要な作業について解説します。

変更届出の手続き

変更手続き書は、条件ごとに異なる提出先に申請します。申請内容に大きな変更はありません。共通のフォーマットに記入後、郵送または窓口に直接提出します。
なお、郵送の場合手続きした日は窓口が実施された日で登録されます。期日が迫っている場合は直接持っていった方が安心です。

 変更届け出の申請書と添付書類

変更届出の際には、申請書だけでなく添付書類も必要です。以下ふたつの資料を用意しておきましょう。

  • 商業登記簿謄本
  • 変更のあった営業所の写真(閉鎖の場合は不要)

また、変更届出書の第一面には、以下の内容を記載します。

記載事項内容
宛先変更届出書の宛先
届出者
  • 法人:届出を行う建築業者の住所・法人商号・代表者氏名・法人印
  • 個人事業主:個人事業者の住所・名称・氏名・印鑑
許可番号
  • 建設許可コード
  • 県知事許可と国土交通大臣許可の許可権限者区分「(般)一般建設業」と「(特)特定建設業」許可区分と許可取得年度分
  • 許可番号
許可年月日建設許可を受けた年月日
届出事項「営業所の所在地」と記載
変更前変更前の主な営業所の所在地住所
変更後変更後の主な営業所の所在地住所
変更年月日住所変更された年月日
主たる営業所の所在地主な営業所の住所
主たる営業所の郵便番号と電話番号主な営業所の郵便番号と電話番号
連絡先
  • 担当者所属部署名
  • 担当者氏名
  • 担当部署電話番号
  • 担当部署FAX番号

記入の際に必要な資料などがあれば、手元に用意しておいた方がスムーズです。こちらもあわせて確認しておきましょう。

許可換え新規の手続き

許可換え新規は申請先を変える関係から、手続きに必要な書類は大幅に増えます。しかし提出期限は30日のまま変わらないうえに、許可が下りるまでには標準処理期間がかかります。
これは、行政が定める処理を進めるのに必要な期間を指します。土日祝日は含まないため、実際の日数はもっとかかるとみてよいでしょう。

許可権限者提出先
都道府県知事主たる営業所を管轄する市区町村が運営する土木事務所・行政庁主管課など
国土交通大臣主たる営業所を管轄する許可行政庁

許可換え新規手続が完了するまでは、新しい営業所は使えません。よって、申請がとおるまでは申請前の営業所を使うのが一般的です。申請前に移転してしまうと、営業活動を留めなくてはならない日が発生してしまうため、ご注意ください。
また、変更後は変更前の営業所で許可が必要な営業行為はできません。営業所移転の作業は、これらの手続きも踏まえたうえで計画しましょう。

建設業許可換えの申請書と添付書類

建設業許可換え新規の必要書類は、既存の事業内容に応じて異なります。必要な書類や書類を記入するのに必要な情報は、申請前に用意しておきましょう。用意すべき書類などは、以下の図を参考にしながらご用意ください。

様式番号書類名称内容
第1号建設業許可申請書
  • 商号又は名称
  • 代表者情報
  • 営業所情報など
第1号(別紙)役員一覧表代表者や法人取締の役職名称・氏名など
同別紙2役員一覧表代表者や法人取締の役職名称・氏名など
第1号建設業許可申請書
  • 商号又は名称
  • 代表者情報
  • 営業所情報など
同別紙2営業所一覧表主な営業所およびそのほかの営業所の名称や所在地など
同別紙3収入印紙など申請に必要な料金分の収入印紙
同別紙4専任技術者一覧表専任技術者の配属営業所名称・氏名・専任工事の種類
第6号誓約書建設業許可要件のひとつである欠格要件に該当していないことを誓約する
第7号経営業務の管理責任者証明書
  • 経営業務の管理責任者氏名・住所・経営業務の管理経歴年数
  • 経営業務の管理責任者を証明する照明者の氏名・住所・捺印
  • 別紙で経歴書
第8号責任技術者証明書専任技術者の氏名・住所
第9号実務経験証明書専任技術者としての要件を実務経験で満たす場合に必要
第10号指導監督的実務経験証明書指導監督者要件として4,500万円以上の建設工事に特定建設業の元請技術者の元で2年以上指導監督的実務経験を行ったことを証明する資料
第11号建設業法施行第3条規定の使用人一覧表支店ごとの責任者氏名・所在地など
第12号許可申請者の住所生年月日などに関する調書許可換え新規申請者の氏名・住所・生年月日・役職・賞罰など
第13号建設業法施行第3条規定の使用人住所・生年月日などに関する調書支店・営業所の代表者・支店長・営業所長などの氏名・住所・生年月日・役職・賞罰など
第14号株主調書建設業許可を受ける建設業者が法人の場合、法人における5%以上の議決権を有する者もしくは5%以上の出資を行っている者の氏名や住所など
第15号貸借対照表建設業施行規則の規定に沿った財務諸表
第16号株主資本等変動計算書建設業許可を受ける建設業者が法人の場合、法人の純資産変動を株主資本等変動計算書にまとめ「注記表」「付属明細書」を添付する
第17号株主資本等変動計算書建設業許可を受ける建設業者が法人の場合、法人の純資産変動を株主資本等変動計算書にまとめ「注記表」「付属明細書」を添付する
第20号営業の変革事業者の操業からの許可取得や更新状況・賞罰などの沿革
第20号(2)所属建設業者団体所属している建設業者団体
第20号(3)健康保険加入状況
  • 健康保険
  • 厚生年金保険
  • 雇用保険の加入状況と登録番号
第20号(4)主要取引の金融機関名称主要取引の金融機関名称

【まとめ】建設業で営業所を移転した場合、必ず届け出を行いましょう!

営業所移転は、手続きする期間が決められているうえに移転する状況により行う手続きや必要書類が大きく変化します。移転する際は、これらの手続きにかかる時間や作業も含めたうえで計画しましょう。

 

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