大規模修繕工事の補助金・助成金制度とは?種類や確認方法を解説

大規模修繕 補助 金

マンションなどの大規模修繕工事では、国や自治体からの補助金を利用することがあります。しかし、こうした補助金を利用した経験がないと、どのような制度があるのか把握していない人も少なくありません。
そこで、今回はそうした大規模修繕工事における補助金や助成金について解説します。建物の劣化に伴う大規模修繕工事を計画している場合は参考になるので、ぜひ最後まで読んでみてください。

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大規模修繕工事の補助金・助成金制度とは

そもそも、大規模修繕工事で利用できる補助金と助成金とはどのようなものかを見ていきましょう。補助金と助成金は国や自治体からお金を貰って事業に活用する点では同じです。しかし、そこには若干の違いがあります。これからその違いを解説しますので、それぞれの意味合いを把握し、正しく利用する際の参考にしてください。

補助金とは

補助金とは簡単にいえば、申請して審査を通過すれば支給されるものです。申請するためには、それぞれの補助金が定める条件を満たさなければいけません。補助金は、条件を満たして申請しても審査に通過できなければ給付されません。審査基準は明確にされていませんが、補助金は必ずお金を受け取れるわけではないことを把握しておきましょう。

助成金とは

助成金は、制度が設けている条件を満たして申請すれば給付されるものです。審査が必要な補助金とは異なり、条件を満たしていれば申請すれば必ず給付されます。大規模修繕工事の規模が大きく、金銭的な負担を抑えた場合は、助成金の方が確実です。補助金との違いを把握し、適切な制度を利用しましょう。

大規模修繕工事の補助金・助成金の種類

ここからは、マンションなどの大規模修繕工事で利用できる補助金や助成金の一部を紹介します。計画中の大規模修繕工事の概要と照らし合わせて、次の4つの補助金・助成金が利用できないか検討してみましょう。

  • アスベスト除去など事業補助金
  • 劣化診断補助事業
  • 防災対策整備費補助金
  • 共用部分改修費用補助・助成制度

それぞれの制度について詳しく見ていきましょう。

アスベスト除去など事業補助金

アスベスト除去などの事業に関する補助金は、既存の建物に使用されているアスベストを除去する工事費用に利用できる制度です。
アスベストは人体に悪影響を及ぼすため、建物の利用者に影響を与えないためにも、制度を積極的に利用しましょう。金額は自治体や制度によって異なりますが、上限額が1億円のものもあります。国土交通省や各自治体のホームページから、制度の内容を確認しましょう。

劣化診断補助事業

劣化診断補助事業は、大規模修繕工事前に行う建物の劣化状態を診断する費用の一部を補助・助成する制度です。劣化診断の費用だけに対して行うものから、建物の適正な管理、計画的な修繕を促進するための制度もあります。例えば、東京都文京区ではマンションの劣化診断費用を、50万円を上限に助成する制度があります。制度が定める条件を確認し、申請してみましょう。

防災対策整備費補助金

防災対策整備費補助金は、マンションなどの防災対策や安全管理を促進することを目的とした制度です。防災対策工事の費用を助成するものから、防災マニュアル作成の専門家を派遣するなど、支援の形は事業によって異なります。

東京都中央区の事業では、工事費用に対して1,000万円を上限に助成を行っています。対象となる工事は指定があるため、利用する際は事前に詳細を確認しましょう。

共用部分改修費用補助・助成制度

共用部分改修費用補助・助成制度は、文字通りマンションなどの共用部分の工事費用を補助・助成するための制度です。補助や助成の目的は共用部分の維持管理から防災対策までさまざまです。中には、共用部分のバリアフリー化工事費用に対する補助・助成の制度もあります。建物の利用者が不自由なく共用部分を利用するためにも、こうした補助や助成制度を活用しましょう。

大規模修繕工事の補助金・助成金以外の支援制度

大規模修繕工事を支援する制度は、補助金や助成金といった金銭的な支援だけではありません。中には、以下のようなかたちで大規模修繕工事を支援する制度があります。

  • マンション管理アドバイザー制度
  • マンション建替え・改修アドバイザー制度

それぞれの制度について解説しますので、制度の内容を把握し、大規模修繕工事の計画への活用を検討してみてください。

マンション管理アドバイザー制度

マンション管理アドバイザー制度は、マンションの適切な維持管理を目的として専門家を派遣したり相談を受けたりする制度です。マンションの維持管理には専門的な知識が必要なため、管理組合だけでは適切に行えない場合もあります。そのため、アドバイザーの意見を参考にすることで、大規模修繕工事を含めて適切な維持管理が可能になります。

マンション建て替え・改修アドバイザー制度

マンション建て替え・改修アドバイザー制度は、マンションの管理組合などに建て替え・改修工事のアドバイザーを派遣する制度です。この制度では、マンションの建替えや改修工事に対して必要な助言を受けたり、検討資料の作成補助を依頼できます。東京都の場合、相談内容によってコースが分かれているため、アドバイザーの支援を受けたい場合は制度の詳細を確認しましょう。

大規模修繕工事の補助金・助成金を確認する方法

国や自治体が設けている補助金や助成金はさまざまな種類があるため、申請を検討する段階で内容を確認することが重要です。大規模修繕工事の補助金・助成金を確認するためには、以下の2つの方法でチェックしましょう。

  • 自治体のホームページを確認する
  • 補助金・助成金を掲載しているサイトを確認する

ここからは、それぞれの確認方法について解説します。

自治体のホームページを確認する

大規模修繕工事の補助金・助成金を確認する際、まずチェックすべきなのは自治体のホームページです。補助金や助成金を給付するのは国や都道府県、市町村などの自治体です。事業主体である自治体のホームページは、補助金や助成金に関して最も確実な情報が手に入ります。自治体のホームページを見ても分からない場合は、インターネットで自治体名の後に「大規模修繕工事 補助金 助成金」などを入力して検索してみてください。

補助金・助成金を掲載しているサイトを確認する

自治体のホームページ以外にも、補助金や助成金などの制度をまとめて掲載しているサイトもあります。こうしたサイトを利用すれば、各自治体が支援している補助金や助成金の制度を容易に見つけられます。
ただし、掲載されている情報が常に最新とは限りません。そのため、サイトで見つけた補助金や助成金の制度は、各自治体のホームページで確認することが重要です。

大規模修繕工事の補助金・助成金を受けるときの注意点

最後に、大規模修繕工事で補助金や助成金を受ける際の注意点を解説します。補助金や助成金を申請しても、思わぬ見落としで給付されない可能性もあります。補助金や助成金を受ける場合は、以下の注意点を事前にチェックして申請を行いましょう。

  • 工事着工前に申請する必要がある
  • 納税履歴を確認される

それぞれの注意点について見ていきましょう。

工事着工前に申請する必要がある

ほとんどの自治体が行っている制度では、大規模修繕工事の補助金や助成金は、工事の着工前に申請しなければなりません。予算の都合で補助金や助成金の制度が早期に受付を終了することもあります。そのため、なるべく早く書類を揃えて申請することが重要です。
補助金や助成金の交付が決まって、通知が送られてくるまでには1ヶ月ほど時間がかかります。その間は工事の着工もできないため、それを踏まえて申請しましょう。

納税履歴を確認される

自治体から大規模修繕工事の補助金や助成金を受ける際は納税履歴をチェックされます。自自治体の補助金や助成金は、納税された税金を元手に行われる制度です。そのため、チェックされた際に税金を納めていないと、補助金や助成金の給付を受けられない場合があります。申請者が個人の場合は住民税や所得税を、法人の場合は法人税や法人事業税の納税状況をチェックされるため、申請前に確認しておくと安心です。

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【まとめ】大規模修繕工事の補助金・助成金制度を上手に活用しよう!

マンションなどの建物で大規模修繕工事を行う場合は、多額の費用がかかります。この費用は修繕積立金だけでは賄えないこともあります。そうした際は、今回紹介したような補助金や助成金を利用しましょう。大規模修繕工事に利用できる補助金や助成金は自治体ごとにさまざまな制度として定められています。まずは自治体のホームページを確認し、利用できる制度を探してみましょう。

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