建設業経理士1級を取得するメリットを紹介!試験内容なども解説

建設業経理士1級 メリット

建設業界で働く経理職は、一般的な簿記にプラスして特殊な知識が必要になります。

業務を円滑に行うために、「建設業経理士」という資格があり、中でも1級を取得すれば経理分野で大いに役立つでしょう。しかし、建設業経理士1級の取得は学習時間の確保が必須なこともあり、2級を取得すれば十分なのではないかと考える方もいるかもしれません。

今回は建設業経理士1級を取得するメリットについて紹介します。また、具体的な試験内容も解説していきましょう。

建設業経理士とは?

建設業経理士とは、建設業界の特殊な知識を持つ経理のプロフェッショナルを指します。
財団法人建設業振興基金が実施する「建設業経理検定」で1級または2級に合格した際に、取得できる称号です。

建設業は受注してから完成引き渡しまでに長い月日がかかる事情があり、一般的な経理の知識のみでは処理できない部分が発生します。適切な会計処理ができないと、企業の運営にも支障をきたすかもしれません。

建設業経理士1級は建設業に関わる会計学や原価計算、簿記などを修得し、経営分析の知識もある証明であり、経理分野で大いに活躍できるでしょう。

建設業経理士1級を取得するメリット

建設業経理士1級を取得する主なメリットは以下があげられます。

  • 建設業で就職・転職するときに有利
  • 有資格者がいれば会社側もメリットを得られる
  • 一生使える

建設業経理士は建設会社にとってメリットの多い人材です。需要も高く、これからも長く建設業界の経理に携わっていくのなら、取得して損はない資格だといえそうです。取得しているだけで、給与にプラスの評価をする企業もあります。

それぞれのメリットについて詳しくお話していきましょう。

建設業で就職・転職するときに有利

建設業経理士を取得する最も大きなメリットは、就職や転職で有利になる点です。建設業界で働くにあたり、建設業経理士の資格は必須ではありません。実際に、簿記の資格だけで働く方も多いです。

一方、建設業経理士取得者は業界の経理に特化した専門的な知識とスキルを有する人物だと評価され、即戦力として採用されるケースが多々あります。

とくに建設業経理士1級は業界の経理におけるプロフェッショナルだと判断され、採用される可能性が上がるでしょう。

有資格者がいれば会社側もメリットを得られる

建設業経理士1級または2級取得者が在籍する企業は、公共事業への入札の際、「経営事項審査」の加点評価対象になります。在籍している建設業経理士の数に応じて、公共工事を受注する審査では大きなアドバンテージになるのです。

近年では各地で公共インフラの老朽化が問題になっており、公共工事の需要が高まると予測されています。建設業経理士は採用する企業側にも大きなメリットがあり、今後はますます需要の高い資格になりそうです。

一生使える

建設業経理士は簿記の資格と同様に、一度取得すれば更新の必要はありません。有効期限がないため、一生使える資格だといえます。

また、1級または2級資格取得者には一般財団法人建設業振興基金が運営する登録制度があります。登録することによって「登録1級建設業経理士」または「登録2級建設業経理士」になり、5年ごとの登録講習会の修了が必須になります。

未登録でも経営事項審査には影響しません。ただし、資格取得後も積極的な自己研鑽をしている証になるでしょう。

建設業経理士試験の概要や合格率

建設業経理士は、一般財団法人建設業振興基金が実施している建設業経理試験であり、いわゆる民間資格です。この試験に合格することで、建設分野の経理に詳しいと証明できるメリットがあります。ここでは実際の試験内容や日程、合格率などを紹介します。

  • 建設業経理士試験の受験資格
  • 建設業経理士試験の内容
  • 建設業経理士試験の日程
  • 建設業経理士試験の合格率や難易度

建設業経理士に興味のある方は、ぜひチェックしてください。

建設業経理士試験の受験資格

建設業経理士試験は、年齢や学歴・国籍などの制限はなく、誰でも受験できます。初回から建設業経理士1級に挑戦できるでしょう。ただし、1級はその他の級と試験時間が重なっており、併願は難しいです。1級の複数科目を同日にまとめて受験することはできます。

受験料は級ごとに、以下の金額が必要です。

  • 1級(1科目):8,120円
  • 1級(2科目同時):11,420円
  • 1級(3科目同時):14,720円
  • 2級:7,120円
  • 3級:5,820円
  • 4級:4,720円
  • 2級と3級併願:12,620円
  • 3級と4級併願:10,220円

建設業経理士試験の内容

建設業経理士の試験内容は以下です。建設業経理士1級だけは、「財務諸表」「財務分析」「原価計算」の3科目で合否が判定されます。合格は最長5年間の有効期限が設けられているのが特徴です。すでに合格科目は5年間免除されるため、学習範囲を絞って対策できます。

試験内容
建設業経理士1級 財務諸表・財務分析・原価計算

※3科目それぞれ合格が必須

建設業経理士2級 建設業の簿記・原価計算・会社会計
建設業経理士3級 建設業の簿記・原価計算
建設業経理士4級 簿記の仕組み

建設業経理士試験の日程

建設業経理士試験は1~2級は年2回、3~4級は年1回実施されます。具体的な時期は以下です。

上期 下期
建設業経理士1級 9月 3月
建設業経理士2級 9月 3月
建設業経理士3級 実施ナシ 3月
建設業経理士4級 実施ナシ 3月

申し込みには2つあります。
・インターネットから申し込む
R5下期 インターネット受験申込 – 建設業経理検定試験
https://www.keiri-kentei.jp/exam/secondhalf/internet.html
・書面で申し込む
各都道府県建設業協会の窓口または郵送請求で受験申込書を入手する方法
郵送請求先:〒105-0001 東京都港区虎ノ門4-2-12 (一財)建設業振興基金 経理試験課 試験係

建設業経理士試験の合格率や難易度

建設業経理士試験の合格率は以下です。

【令和元年9月8日実施】

受験者数 合格者数 合格率
1級 財務諸表 1,517 311 20.5%
財務分析 1,276 387 30.3%
原価計算 1,580 253 16.0%
2級 8,635 3,578 41.4%

試験の難易度はやや高いといえます。とくに1級の原価計算は16.0%と狭き門です。しかし、テキストを読み、例題や過去問題で対策しておけば、合格できる可能性は十分あるでしょう。

また、建設業経理士1級は3科目に合格する必要があります。しかし、合格科目は5年有効なため、忙しい方でも無理なく取得できるでしょう。

建設業経理士試験の対策ポイント

建設業経理士試験の対策は、簿記の資格や知識を有しているかでも変わってきます。

まず簿記の学習経験がないのなら、建設業経理士試験対策と同時に簿記の基礎を学びましょう。「日商簿記1級+建設業経理士1級」「日商簿記2級+建設業経理士2級」のように、受験したい建設業経理士の級と同じ日商簿記を勉強すると、効率が良いです。

日商簿記を取得している方は、自分が有する級と同じ建設業経理士の級を狙います。ただし、学習の内容としては建設業経理士1級より日商簿記1級の方が難易度は高いでしょう。つまり、日商簿記2級を有する方が、建設業経理士1級の合格を目指すことも可能です。

出題傾向を把握する

建設業経理士の試験は過去問題と同じパターンが多い傾向があります。過去問対策は必須であり、市販の問題集を使って多くの問題を解くのが、合格への最短ルートです。過去問対策をしておけば、主題形式や問題文の理解に迷うことはなくなるでしょう。

とくに建設業経理士1級は、毎回1問目に200~300文字で回答する記述式の理論問題が出題されます。問題の傾向を把握しておかなければ、的確な試験対策はできません。

解答の正確性とスピードを上げる

建設業経理士の試験では、スピード感も合格を左右します。建設業経理士試験では簿記の試験と同様に、電卓などを使用した計算問題も出題されます。計算問題は設問数も多く、正確かつスピーディーに解答しなくてはなりません。何度も問題演習をして、スピードを上げる訓練をしましょう。

また、建設業経理士1級の各科目では、200~300文字で解答を記述する問題が出題されます。時間と文字数の制限が課せられるため、記述式に注力した対策も必要になるでしょう。

建設業経理士を取得する際の注意点

建設業経理士の資格を取得する際の注意点をまとめました。

  • 建設業以外では汎用性が低い
  • 日商簿記も取得しておくと効率的

このように、建設業経理士は建設業界での需要は高い一方で、他業界への汎用性が高いとはいえません。建設業界以外での認知度は低く、就職や転職ではアピールポイントになりにくいでしょう。

そのため、合わせて日商簿記の取得がおすすめです。以下では汎用性が低い理由や日商簿記を取得するメリットについて詳しくお話していきます。

建設業以外では汎用性が低い

建設業経理士の資格はたとえ1級であっても、建設業界以外の汎用性は低いです。建設業経理士は建設業界に特化した資格であり、他業界への就職・転職では有利に働かないケースがほとんどです。さらに、他業界での認知度は高いとはいえません。他業界でも通用する経理の資格取得を目指すなら、日商簿記検定の受験がおすすめです。

ただし、建設業界で有利になることは間違いないため、転職をしても同じ業界を考えているなら、取得して損はないでしょう。

日商簿記も取得しておくと効率的

将来的に建設業界以外への転職を考えているなら、建設業経理士と同時に日商簿記も取得しておきましょう。資格が建設業経理士のみの場合、他業界以外の経理に転職しようとしたとき、有利にならないケースがあるためです。

どちらの資格もベースは経理事務に関わるものであり、学習する内容も共通する箇所が多く見られます。建設業経理士では、従来の経理事務に特殊な会計方法や用語が盛り込まれる違いがあります。まずは日商簿記を先に学習し、そのあとに建設業経理士を勉強すると効率的に合格を狙えるでしょう。

【まとめ】建設業経理士1級は建設業界で活躍する資格

建設業経理士1級は雇用する企業側のメリットも大きいため、今後も建設業界の経理関係で働こうと考えているのなら、取得をおすすめしたい資格です。建設業経理士に有効期限はなく、一度試験に合格すれば一生使える資格でもあり、キャリアアップにも役立ちます。

試験の難易度としては、それほど高くはありません。建設業界特有の知識や用語の対策をして、過去問題をしっかり解いておけば、まとまった学習時間の確保が難しい方でも十分合格を狙えるでしょう。

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