資金繰り表の作り方とは?活用方法も徹底解説

資金繰り表

資金繰りでは、借入金の返済時期がわからず混乱したり、予定外の支出で資金不足になったりと悩みが尽きないこともあるでしょう。
資金繰り表を正しく作成していると、将来の資金の動きを予測して、計画的に資金管理できます。本記事では、資金繰り表の作り方や必要な書類、注意点まで徹底解説します。
資金繰り表を使いこなすことで、企業は健全で安定した経営が可能になります。

資金繰り表とは?

資金繰り表は、企業が健全に運営するために必要な資金管理の書類です。目的によって様々な種類の資金繰り表があり、使い分けて収支計画を立てます。
具体的に資金繰り表の特徴を解説します。

資金繰り表には3つの種類がある

資金繰り表は、目的によって以下3つの種類に分けられます。

  • 日次(短期資金繰り表):社内の手元資金の管理用
  • 月次(中期資金繰り表):社内や銀行提出用、借入金返済計画用
  • 年次(長期資金繰り表):社内の長期事業計画や設備投資計画用

企業資金の収支計画を立てるため、目的ごとに資金繰り表があります。一般的には月次資金繰り表が使用されています。

資金繰り表とキャッシュフロー計算書の違い

資金繰り表とキャッシュフロー計算書は、どちらも企業の資金の動きを表す表です。2つの違いをまとめます。

資金繰り表:将来の資金状況を予測して資金調達や借入金の判断材料となる
キャッシュフロー計算書:過去の実績を示し、財務分析や経営判断の材料となる

資金繰り表は、現金がいつ入って、いつ出ていくのかを記録して、日々の現金残高を確認します。キャッシュフロー表は、一定期間の収支状況を表したものです。

資金繰り表の目的は資金管理であることに対し、キャッシュフロー計算書の目的は経営分析のため全く異なるものです。ただし、キャッシュフロー計算書の作成を補填するために資金繰り表が使用されることはあります。

資金繰り表を作成する5つのメリット

資金繰り表は、企業が資金管理するために欠かせないツールです。将来の資金動向を予測して、様々な経営判断に役立ちます。

資金繰り表で得られる主なメリットは次の5つが挙げられます。

  • 企業の資金の流れを把握・予測できる
  • 経営判断の支援ツールとして活用できる
  • 資金不足を未然に防ぐことができる
  • 金融機関への信用にも繋がる
  • 投資・資金調達の判断材料となる

企業の資金の流れを把握・予測できる

資金繰り表を作成すると、企業の資金がいつ入って、いつ出ていくのかが把握できます。資金運用の基礎であり、資金の流れを予測するには必要不可欠です。
具体的には以下の情報を把握できます。

  • 売上金入金の時期
  • 支払期日
  • 現金残高の推移

資金の動きを予測して、現金残高が想定内に動いているか目視できます。想定外の収支があればすぐに気づけ対応が可能です。

経営判断の支援ツールとして活用できる

資金繰り表は、経営分析としても利用できます。キャッシュフロー計算書の補填としても活用できるほど重要な判断材料です。

例えば、以下のような判断・検討に活用します。

  • 新規事業立ち上げ時期の検討
  • 設備投資の判断
  • 事業拠点の増減の検討
  • 人員確保の計画判断

これらの経営判断を下すには資金の流れの理解と、予測が必要です。運営のために投資して一時的に資金が減っても、長期目線で資金を回収し、プラスに向けて進めるか判断します。その材料として、資金繰り表が役立ちます。

資金不足を未然に防ぐことができる

資金繰り表は、将来の一時的な資金不足を予測できます。経営判断で新規事業や設備投資などにより、資金が減る時期がわかるので、そのときに備えて動けます。

具体的には、以下のような対策です。

  • 資金の予備の確保
  • 金融機関からの資金調達
  • 支出の振替、先送り

このように、資金不足に陥るリスクを最小限に抑えられます。企業の大きな戦略があるときは資金の変動が大きく、資金不足になる可能性があるので、資金繰り表を活用してリスク回避すべきです。

金融機関への信用にも繋がる

資金繰り表を細かく作成しておくと、金融機関からの信用力が高まります。資金需要を具体的に示して、返済計画も明確にできるためです。

結果的に、金融機関からの資金調達に成功しやすいだけでなく、有利な条件で資金調達できる可能性もあります。

投資・資金調達の判断材料となる

資金繰り表は、設備投資や企業の合併・買収の際も重要な判断材料となります。投資に必要な資金を調達する時期や金額を明確にできます。

投資後、一時的に資金が減りますが、その回収計画を立てる際も資金繰り表は重要です。将来の資金の出入りを把握し、回収や返済計画を立て、いつ資金が戻ってくるのかが分かりやすくなります。

銀行提出用の資金繰り表とは?

資金繰り表は、金融機関から資金を借り入れる際に必要となる場合が多いです。銀行が企業の資金繰り状況を確認して、返済できるのか判断するためです。銀行提出用の資金繰り表の特徴を詳しく解説します。

銀行融資に必要

銀行から融資を受けるとき、資金繰り表の提出を求められる可能性が高いです。銀行は、資金繰り表からその企業に必要な資金と返済能力を判断します。資金繰りの計画が適切かどうか判断して、融資の可否を決定しています。

提出するのは月次資金繰り表

銀行提出用に準備するのは月次資金繰り表です。社内用には直近の資金需要を判断するために日次資金繰り表を活用しますが、銀行提出用には中期的な資金の動きを把握できるように月次資金繰り表を用意します。

売上金の入金予定や各種支払予定、借入金の返済予定などの情報から、銀行は資金調達の必要性と返済能力を見極めます。

資金繰り表の見方・読み方

資金繰り表から、資金の動きを見て将来の経営判断に一石を投じます。適切に資金繰り表を読み解いて、必要な対策を講じましょう。

正しい資金繰り表の見方・読み方について解説します。

経常支出がプラスかマイナスか

資金繰り表でまず見るのが、経常支出です。経常支出とは、毎月発生する仕入れ代金や人件費、経費などのことです。プラスかマイナスかで運営状況を把握します。

  • 経常支出がプラス:経営活動で資金が生み出されている状態
  • 経常支出がマイナス:経営活動で資金を使いすぎている状態

経常支出に借入金は含まれないので、企業の経営活動による純粋な収支を読むことができます。本当に利益が出ているのか判断するために経常収支は大事な指標です。

3カ月後の翌月繰越がプラスかマイナスか

資金繰り表では通常、3カ月先までの収支予測が記載されています。今後3か月の資金の動きから、3か月後の翌月繰越金を確認し、プラスになっているか判断します。
マイナスであれば資金不足に陥るので、予備資金確保や資金調達などの対策が必要です。

借入金返済と財務収支のバランスが悪くないか

資金繰り表から、借入金の返済計画を確認します。財務収支は、銀行からの借入金や投資による収支のことです。このバランスが整っていると計画的に借入金返済できます。

借入金返済が財務収支を上回っていると、企業資金のバランスが悪い状態です。資金不足が予想され、次の資金調達を考えなければいけません。

余剰資産・資金残高が確保されているか

資金繰り表から、一定の余剰資産があり、資金残高が蓄えられていることを確認します。資金運用の安全性を考えるうえで余剰資産は重要です。予測不能な支出や社内ミスによる支払遅延など、様々なリスクが考えられます。不測の事態に備えて余剰資産を確保しておく必要があります。

資金繰り表の作成で必要な書類

資金繰り表を正しく作成するために、複数の書類が必要です。現金の出入りを確認する現金出納帳だけでなく、借入金を管理する返済予定表など、資金に関するあらゆる書類を使用します。

資金繰り表の作成のために、すべての収入と支出の内訳を整理して、適切に管理しましょう。必要な書類を詳しく解説します。

月次試算表

資金繰り表を作成するには、月次試算表が必要不可欠です。月次試算表には以下の情報が含まれています。

  • 月初残高
  • 売上高・経費などの収支内訳
  • 純利益・純損失
  • 月末残高

この情報を元に、資金の動きを把握できます。月次試算表のデータを基に、当月から将来までの資金の流れを予測して、必要な資金を確保します。

受注・売上管理台帳

資金繰り表で、将来の入金予定金額を確認するために、受注・売上管理台帳が必要です。受注・売上管理台帳には以下の情報が含まれます。

  • 受注日
  • 受注者
  • 受注内容
  • 受注金額
  • 入金予定日
  • 入金確定日

いつ、誰から何を受注して、入金日が何日になるのかが一連の流れで理解できます。入金予定日は、出来高支払なら毎月続きますし、単発なら翌月が多いです。
この受注・売上管理台帳から、将来の入金日を確認して資金の流れを把握します。

現金出納帳

資金繰り表で現金の動きを正確に把握するために、現金出納帳を活用します。現金出納帳は、現金の受取・支払を日付順に記録した帳簿です。具体的には以下の項目が記入されています。

  • 収入または支出の内訳
  • 収入または支出の金額
  • 発生した日付
  • 現金残高

内訳は詳しく記載するので「〇月〇日の高額な収入は何?」と疑問があったとき、すぐに「○○の大口の売上代金」とわかります。

資金繰り表で現金の収支を詳しく把握するために必要な帳簿です。

借入金返済予定表

借入金返済予定表は、借入金の返済スケジュールを一覧にまとめた予定表です。今後の借入金の返済時期がわかるので、資金繰り表で今後の計画を立てやすくなります。借入金返済表には以下の項目が記入されています。

  • 借入先
  • 借入日
  • 借入金額
  • 返済金額
  • 返済期日
  • 残高

返済金額には、元金に利息が加算されています。返済期日が近い順に記載されていると、返済の計画が立てやすく、資金繰り表でも活用できます。

長期借入金と短期借入金があるので、わけて表を作り、抜け漏れのない返済スケジュールを立てましょう。

預金通帳

資金繰り表を作成するとき、現金残高を確認するために預金通帳が必要です。現金出納帳もありますが、エビデンスとして預金通帳を確認します。入出金の記録と口座残高を確認して、記入漏れや不正処理がないか確認します。

定期預金など、他の預金口座がある場合もすべて確認して、残高と満期日を把握しましょう。満期で現金化できるので資金繰り表にも記載します。

資金繰り表の作り方

資金繰り表の作り方を手順に沿って解説します。無料フォーマットがあるので、経理処理の未経験者でも簡単に作成できます。
正しい書類を準備して、正確に数字を入力していきましょう。手間を省きたい場合は会計ソフトの利用もおすすめです。

資金繰り表の作り方を詳しく解説します。

1.無料テンプレート・フォーマットを入手する

資金繰り表は、一から作る必要はありません。無料でダウンロードできるテンプレートやフォーマットがあります。
エクセルやPDFなどのタイプがありますが、簡単に入力しやすいエクセル形式がおすすめです。エクセルなら、すでに項目と計算式が入っているので、数字を入力するだけです。

経営者向けのサイトや金融機関・行政のサイトで入手できるので、いくつかダウンロードして使いやすいものを選びましょう。

2.エクセルに項目を入力

実際に、ダウンロードしたエクセルに項目を入力していきます。必要な書類や帳簿を準備していれば、数字を入れるだけなので簡単です。入力項目を詳しくみていきましょう。

前期繰越金

前期繰越金は、資金繰り表の最初に入力します。直前の月や四半期などの最終残高を入力して、新しい期へ繰り越しします。

金額は、前期の現金残高がわかる帳簿から確定してください。現金出納帳や預金通帳から判断して正しく記載しましょう。

営業収支

営業収支は、資金繰り表で最も重要な項目です。事業活動の収入と支出を詳しく入力します。

収入は、売上金や受取手形、債権回収などの現金収入です。支出は、仕入れ金や外注費、人件費などの支払金額です。

収入と支出の差額が営業収支なので、プラスであれば黒字となります。マイナスであれば資金が減少しているので、黒字化に努めて動きます。

財務収支

財務収支は、資金の借入や返済による資金の増減を表しています。
収入は、借入金や社債発行などです。支出は、借入金の返済や配当金支払などです。

営業収支でマイナスになった場合は、この財務収支から資金を調達する場合があります。借入金収入があればプラスです。ただし、収支が大きすぎると資金管理が圧迫されるのでバランスよく資金が保たれている状態を目指しましょう。

翌月繰越金

翌月繰越金は、資金繰り表の最終行に記載します。当月期首の残高に、当月の収入総額を加算し、支出総額を差し引いて計算します。

当月のすべての収支を計算したあとの現金残高なので、プラスで推移することが理想です。
この翌月繰越金を次の資金繰り表の前期繰越金として記入しましょう。

3.現金残高の計算

資金繰り表の現金残高の計算は、エクセルを使用すれば自動計算されます。その計算方法を正確に理解しておけば、計算が合わないときに対応しやすいです。以下の計算式と内訳を確認しておきましょう。

現金残高=前月繰越現金残高+当月収入総額-当月支出総額

当月収入総額は、営業収支・財務収支で入力した売上金や借入金などです。当月支出総額は、仕入れ金や借入金返済などです。
現金残高を正しく理解して、どのような対応が必要か検討します。

会計ソフトを使うのもおすすめ

「資金繰り表をエクセルで手作業で作成するのが大変」という方には、会計ソフトもおすすめです。最新の会計ソフトには、資金繰り表を自動で作成できるタイプもあります。売上や支出を入力するだけでよいので簡単です。

会計ソフトなら、手間が省けるだけでなく、計算ミスや記載ミスがなくなり、データを一元管理できるというメリットもあります。
ただし、導入コストが発生するので、初期費用や月額費用の支払いが必要です。コストがかかっても、資金繰り表を自動化できるメリットは業務効率化としても大きいので、検討する価値はあります。

資金繰り表を作るときの注意事項

資金繰り表の作成は正確性が重視されている分、致命的なミスが発生すると大きな修正が必要です。日々正確に入力していても、予想外の収支があれば適切に判断し、対応しないといけません。資金繰り表を作成するときに必読の注意点を解説します。

消費税項目の見落とし

資金繰り表の作成では、消費税の控除や還付に関する見落としに注意してください。
収入発生時の売上金には、消費税が上乗せされています。売上金額から消費税を差し引いた額が実際の収入となるので、消費税額を引かないといけません。
支出発生時の仕入れや経費には、消費税が含まれています。納税後に還付を受ける対象となるので、支出から引かずに記入します。

収入と支出で消費税の取り扱いが異なるので違いを理解しておきましょう。また、消費税率が変わった時期は、どのタイミングで税率を変更するのか十分に注意して入力してください。

経費計上漏れ

経費の計上漏れが発生すると、資金繰り表で支出が過少に計上されます。資金残高が実際よりも多くなり、使いすぎて資金不足に陥る危険性があります。

例えば、消耗品費や旅費交通費、修繕費など、不定期に発生するものが見落としされやすいです。毎日のデータを管理して、収支が合っているか確認する必要があります。

予定外の収支の発生

資金繰り表の作成で特に注意すべきなのが、予定外の収支の発生です。計画通りに進めるのが資金繰り表ですが、計画外の収支があれば資金繰りが狂ってしまいます。

例えば、大口受注が臨時で発生して思わぬ収入が発生する場合があります。もしくは、設備故障や災害による損失などの予期せぬ支出が起きる可能性もあり、支出の痛手は大きいです。

予定外の収支が発生した場合は、すぐに資金繰り表を修正して今後の資金への影響を見積りしましょう。支出が多ければ、備蓄資金に手をつける可能性もあります。将来の残高予測を速やかに修正して、健全な資金管理に努めましょう。

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【まとめ】資金繰り表は未来の経営や資金管理に重要な書類!

本記事では、資金繰り表の基礎知識から作り方、注意点までを徹底解説しました。資金繰り表は企業の資金の収入と支出をまとめた表で、資金管理や経営判断に役立ちます。

資金繰り表の作成で、専用のフォーマットを活用すれば、数字を入力するだけなので簡単です。営業収支や財務収支を正確に入力して、翌月繰越金を算出しましょう。現金残高のプラス・マイナスによって資金管理法が変わります。将来の資金管理を把握するために、資金繰り表は重要です。
計算式の入ったエクセルフォーマットや会計ソフトを使用して、正しく資金繰り表を作成しましょう。

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