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施工要領書とは、下請け業者が工事前に作成する書類の1つです。施工要領書を作成する際に、どのように書けばよいのか、施工計画書とどう異なるのか悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は施工要領書の概要や施工計画書の作成手順、作成する際の注意点などを徹底解説します。初めて作成する方も、改めて基本を確認したい方もぜひご覧ください。
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施工要領書と施工計画書の違い
前述したように、施工計画書は元請け企業が工事をどう進めるべきかや組織の全体図や安全衛生対策などについてまとめたものです。対して施工要領書は、下請け企業が施工計画書をベースに作成した、自社が工事を進めるための機材や資材の計画や人員の配置をまとめたものになります。
「施工要領書は施工計画書をもとに下請けが自社の施工手順や方法について記載したもの」という認識です。
ここでは、施工要領書と施工計画書についてより詳しく解説します。
施工要領書とは
下請け企業が工事に利用する材料や工事の内容、安全への対策などをまとめ、元請け企業に報告するための書類を施工要領書と言います。
下請け、元請け双方の工事に対する認識の違いを防ぎ、スムーズに工事を進めるために非常に重要です。施工要領書について、以下の3つに分けてさらに詳しく説明します。
施工計画書とは?必要な項目や作成手順などをわかりやすく解説施工要領書が必要な工事
基本的に、あらゆる工事において施工要領書は必要になります。例えば、基礎工事や鉄骨工事、躯体工事などの建物の基礎となる工事はもちろん、電気工事や溶接工事、空調工事や塗装工事にも必要です。工事の規模や種類を問わず、必ず作成しなければならない書類として覚えておきましょう。
施工要領書が必要な理由
「なぜ元請けが作った施工計画書があるのに、わざわざ施工要領書を作る必要があるのか」と思う方もいるのではないでしょうか。施工計画書は、あくまで元請けが作成した作業の手順や流れをまとめたものです。
これを元に元請けが自社の資材や人員の配置を加味したうえで、より具体的に作成したものが施工要領書になります。施工要領書は下請けの作業員が作業内容をイメージするためだけでなく、元請けに作業の進め方を説明するためにも必要な書類なのです。
施工要領書に必要な記載事項
施工要領書の書式や、記載すべき内容は特に定められていません。しかし、以下の項目を記載することが一般的です。誰が見ても分かるように、5W1Hを意識して書くと良いでしょう。
- 工事の概要
- 施工時期や場所
- 担当する業者名
- 工事に使用する機材や資材
- 施工手順
- 安全対策
- 組織図
施工要領書についてはこちらの記事でより詳しく解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
施工要領書とは?記載内容や読み方、作成手順などを解説施工計画書とは
施工要領書と良く混同される書類の1つに、施工計画書があります。施工計画書とは元請けが作成する工事の進行に関する書類です。施工要領書と同様に、あらゆる工事において作成する必要があります。基本的に、工事が開始する前に作成され元請け企業などに共有されます。
施工計画書が必要な理由
施工計画書が必要な理由は、法律によって作成と提出を義務付けられているためです。施工計画書は、工事の内容を明らかにして施工をスムーズに行うために必要な書類です。施工計画書を作成する目的は以下の通りです。
- 工事で利用する資材や機械を詳細に確認することで不正を防止する
- 工事契約金額を確定して不当な下請け発注を防止する
- 成果物のクオリティを確保する
施工計画書により、事前に情報を明確にしておくことで発注者と請負業者の間でのトラブルを減少でき、円滑に工事を進められます。
施工計画書に必要な記載事項
施工計画書に記載すべき項目に関しても、法や規則による規制はありません。しかし、一般的には施工要領書に記載する工事の概要や安全対策、使用する機材などに加えて以下の項目の記載が求められます。大規模な現場で仮設工事が必要な場合、仮設計画についても記載しましょう。
- 工程表
- 施工の方針や方法、施工計画
- 緊急時の連絡体制
- 再生資源の利用方法や副産物の処理方法
- 現場の運営表や組織表
- 総合評価に関する事項
施工計画書の提出期限
施工計画書の提出期限は法律や規則で明確に定められていません。しかし、施工計画書が作成されなければ、積算や施工要領書の作成ができないことを考えると、工事が始まるぎりぎりに作成することは好ましくありません。一般的に、工事に着手する3週間前までには作成します。
施工要領書の作成に施工計画書が必要
前述したように元請け企業が作成した施工計画書があってはじめて、下請け企業は施工要領書を作成できます。
工事に関するあらゆる情報が記載された施工計画書は非常に重要で、出来によって工事の完成度が左右されるといっても過言ではありません。完成度の高い施工計画書を作成するためにはどうすれば良いのでしょうか。
施工計画書の作成手順
施工計画書は、一般的に以下の4つの手順で作成されます。それぞれの手順を確認して、しっかりと行うことが質の高い施工計画書の完成につながります。
1.工事書類と内容を把握する
工事の全体像を把握するために、工事に関する書類をチェックしていきます。まず、図面、設計書などを見て施工手順や必要な機材についてまとめていきます。
また、請負金額をチェックするために契約書にも目を通しておきましょう。ここで適切な工期や施工スケジュールを立てることで、工事を順調に進められます。
2.工事現場の状況を確認する
出来る限り直接足を運び、現場の状況を確認します。なぜなら、現場を直接見ることで、工事車両の出入りが可能か、駐車できるスペースがあるか、資材の置き場があるか、現場事務所の設営は可能かなどあらゆることを確認できるからです。
また、実際に施工手順をシミュレーションすることで、工程の内容を精査できるというメリットもあります。
3.発注者と協議する
施工計画書の作成に本格的に取り掛かる前に、発注者と協議する時間を設けましょう。施工の方針や計画に認識の違いがないか、完成形に間違いはないかなどを確認し認識のズレを解消することで、後の工事のやり直しによる工期の遅れや事故などのリスクを回避できます。施工前に懸念する事項や疑問がある場合は、この段階で発注者に伝え解決しておくことも大切です。
4.施工計画書のひな形を用意する
記載すべき内容がおおよそ決まったら、施工計画書のひな型を準備しましょう。オリジナルで1から作成しても問題はありませんが、必要の記載事項が漏れてしまう可能性もあるので、既存のひな型を使うことを推奨します。
発注者の指定があればそのひな型を利用し、ない場合は各自治体や整備局のホームページからダウンロードしましょう。
5.施工計画書を作成する
入手したひな形を利用して、必要項目を記入していきます。作成段階で修正や確認が必要なる箇所が出る可能性もありますし、添付書類が必要なケースもあるので早めに取り掛かることをおすすめします。
また、工事は悪天候や資材の遅れなどで思うように進まないケースが非常に多く見受けられることから、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
施工計画書を作成する方法
施工計画書は従来手書きで作成されていましたが、現在はPCで作成するケースがほとんどです。作成方法は「エクセル」あるいは「専用ソフト」のいずれかであるケースが多いです。また、BPOを活用する方法も増加傾向にあります。それぞれの特徴ついて以下で解説します。
エクセル
エクセルなどの表計算ソフトやワードなどの文書作成ソフトを活用し、施工計画書を作成するのは、文書の共有や保管がしやすいというメリットがあります。
また、エクセルやワードはMicrosoft officeを搭載しているPCであれば初期投資なく利用できるうえ、無料の施工計画書や他の建設業の書類のテンプレートが多く存在しています。
事務作業で使用するソフトのため、特別な研修や操作説明がなくても始められるのも魅力です。しかし、リアルタイムで複数人で情報を共有できない、社外へ共有するときにセキュリティ対策が難しいというデメリットがあります。
専用ソフト
近年、建設業のバックオフィス業務を効率化するための専用ソフトやアプリが多くリリースされています。
施工管理専用のツールも多く、必要事項を入力するだけで簡単に工程表の作成や業務の進捗管理、図面の修正などができ、安全に社内外でリアルタイムの情報共有ができるようになりました。
しかし、導入費用やランニングコストがかかる、操作方法を社内の人間に研修する必要があるなどのデメリットも考慮する必要があります。
BPOサービスの活用
施工計画書を作成する際は、BPOサービスを活用する方法もあります。BPOとは、業務プロセスの一部を専門業者に外部委託するサービスです。
現場作業に加えて施工計画書を作成する必要がある場合は、手間や負担がかかり残業につながる可能性が高いです。そのような場合、BPOサービスを活用することで現場作業に集中できます。
業務を効率化して残業時間を減少できるでしょう。また、専門的な知識を持っているため、施工計画書の作成をスムーズに行えます。
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施工計画書を作成するときの注意点
質の高い施工計画書を作成するために、以下の3点に注意しましょう。
- 現場の負担を考慮しながら作成する
- 実現可能な品質を見極める
- わかりやすい内容で作成する
現場の負担を考慮しながら作成する
現場の安全や交通整備に力を入れるあまり、現場の作業員への負担が増えないようにしましょう。
例えば、安全衛生管理は大切ですが「必ず〇人で作業開始前にチェックする」「〇人は必ず交通整備をする」などの規制を設けると、肝心の作業がスムーズに進まず、時間外労働などの負担を現場の作業員に強いる可能性があります。
現場作業員の立場に立って、工期を守り快適に作業できる範囲の安全対策を設けましょう。
実現可能な品質を見極める
工事の評価は、施工計画書の内容に対する達成度で行われます。つまり、施工計画書であまりに高いクオリティを求めると、達成することが困難になり下請けの評価が下がってしまうのです。
用意できる人員や材料、機械や工期などを考え、実現可能な品質を見極めて記入することで、関連会社の評価アップにつながり、信頼関係が構築されます。
わかりやすい内容で作成する
専門用語や略語を避け、誰が見ても分かりやすい内容を意識しましょう。読み手によって解釈が異なるような文章だと、認識のずれや事故につながるリスクがあります。
「誰が」「いつ」「どこで」「何を」「なぜ」「どうやって」の5W1Hを意識した文章で、誰が読んでも認識に相違がない内容にしましょう。
【まとめ】施工要領書と施工計画書の違いを理解しよう!それぞれの役割を理解し活用しよう
施工要領書は元請けが作成した施工計画書をもとに、下請け企業が作成する工事の施工手順や安全対策についてまとめた書類です。
施工計画書を適切に作成することで、下請け企業が施工要領書を作成でき、工事の品質の維持や安全の確保につながります。それぞれの違いや注意点を理解して、活用していきましょう。
施工要領書の記載内容や読み方、作成手順はこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
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