アルコール検知器を使ったアルコールチェックの義務化はいつから?対象企業やチェック方法も解説

アルコールチェックは緑ナンバーの車のみ対象でしたが、2022年4月からは一般的な車両である白ナンバーの車にもアルコールチェックの義務化が始まりました。また2023年12月からは検知器を使用したチェックの義務化も始まります。本記事ではアルコールのチェック方法や罰則などを紹介しますので、参考にしてください。

アルコールチェックの義務化とその内容

警視庁からの「飲酒運転による交通事故件数」によると、飲酒による事故の件数は以下の通りです。
・2020年度・・・2,522件
・2021年度・・・2,198件
飲酒運転の交通事故は現在でも多くの死者が発生しています。警視庁はこうした飲酒運転や飲酒運転に伴う事故をなくすためにアルコールチェックの義務化をはじめています。

2022年4月以降に義務化された内容

「安全運転管理者の義務(道路交通法施行規則第9条)」が2022年4月に改正されました。2022年4月までは「緑プレートナンバー」の運転者に対してのみ、アルコールチェックが義務付けられていました。2022年4月以降は一般的な車両である「白プレートナンバー」の運転手もチェックの対象になりました。

・チェックの内容を記録して1年間保存しておくこと
・運転する前と後の運転者がお酒を飲んでいないかを目でしっかり確認すること
こちらが2022年4月に決定された内容です。

2022年の10月以降に義務化された内容

2022年10月以降はアルコール検知器を使った体内のアルコール濃度の測定が義務化される予定でしたが、2023年12月に変更されました。2022年の10月より後に発表された内容は、国が定めたアルコール検知器を各営業所に常備し使用することです。営業所から遠く離れた土地での作業の場合は、使用者に持ち運びができる検知器を渡します。アルコール検知器がどんな時でも使える状態にしておくためにも、管理する人は毎日「正常に使えるかをチェックする」、そして週1回は下記の状態を確認することが定められています。
【チェック内容】
・お酒を飲んでいない人がアルコール検知器を使用した場合、アルコールを検知しないこと
・アルコールを含む液体、濃度が低いアルコールを口の中に入れた状態でアルコール検知器を使ったときアルコール有の表示がされること

アルコール検知器を使用したチェックの義務化はいつから?

アルコール検知器を使用したチェックの義務化は2022年10月から実施される予定でしたが、2022年9月に警視庁からの発表があり無期延期とされていました。しかし、2023年6月8日に警視庁から「アルコール検知器を使用したアルコールチェックの義務化を2023年12月から実施する」と発表がありました。

それに合わせてパブリックコメントの募集も始まっています。パブリックコメントとは国の行政機関が省令や政令を定めるときに、あらかじめその内容を発表して国民から情報や意見を募集することです。国民の意見を多く聞き、柔軟に対応することで行政運営が公平にたもてるほか、透明性が得られることを目的としています。募集期間が終わると提出したすべてのコメントが公表されます。そのコメントを参考にし、大きな問題がなければ2023年12月から正式に、アルコール検知器を使った飲酒チェックの実施が決定します。

アルコールチェックのやり方とは

アルコールチェックを実施することになった企業はチェック方法を確認しましょう。アルコールチェックをするタイミングや記録内容などを紹介します。

準備するもの

アルコールチェックをする際は用途に応じてさまざまな機器が必要になります。アルコールを検知する機器は法律で特定の機器が決められているわけではありません。しかし、アルコール検知器を使って確認する場合は、警告音や数値などで表せる機能がある機器の使用が推奨されています。センサー方式の機器には半導体センサーと電気化学式センサーの2種類があり、耐久力、検知精度、値段などが違います。検知器はさまざまなメーカーから販売されているので、自分の会社に合わせた商品を選びましょう。そのほかにもカメラ、モニター、携帯アルコール検知器、スマホ、携帯電話など会社や使用する検知器によって必要になる場合があります。

行うタイミング

飲酒のチェックを行うとき、対面と遠隔どちらも確認するタイミングは一緒ですが使用方法が異なります。

対面で直接行う場合

アルコールチェックを直接行う場合は、仕事を始める前と後にチェックが必要です。対面の場合は安全運転管理者が運転する前後に目視で運転者を確認し、その結果をクラウドのシステムやエクセルなどに記録します。検知器などは使わなくても問題ありませんが、運転者の対応や顔色、息などを直接確認します。

遠隔で行う場合

アルコールチェックを遠隔で行う場合も、仕事を始める前と後にチェックを行います。遠隔の場合は持ち運びができる検知器を使いチェックを行います。その際、運転者の状況が分かるようにカメラやモニターなどを使い、顔色やなりすましがないかをしっかり確認します。

チェック方法

アルコール検知器のチェック方法は3つあります。
1、アルコール検知器で確認する
息をアルコール検知器に吹きかけて測定を行います。2023年12月より後からはアルコール検知器でのチェックが義務化される予定です。
2、目視で確認する
チェック者と運転者を対面にし、息で飲酒チェックを行います。その際体調なども一緒に確認しましょう。ただし、確認のみのチェックは2023年12月からは法令違反なので注意が必要です。
3、スマートフォン、携帯電話、カメラ、モニターなどで確認する
遠隔や直行直帰の仕事をしている場合、なりすましを防ぐために警視庁からカメラやモニターの使用が推奨されています。さらにしっかり確認を行うためにも、携帯型アルコール検知器もおすすめです。

記録の仕方

チェックした結果は記録して残しておきましょう。書式などはありませんが、最低限のチェック項目を紹介します。
①確認した人の名前
②運転する人の名前
③確認した日時
④運転する人が乗る自動車登録番号や識別記号など
⑤確認方法(対面や遠隔確認またはアルコール検知器を使用したかなど)
⑥酒気帯び運転の有無
⑦備考欄
⑧そのた必要な事項

記録する際の注意点

アルコールチェックの記録をした後は1年間保管しなければなりません。ノートやアプリなどでも保管が可能ですが、警視庁のサイトには無料でダウンロードできるPDFやエクセルがあるので、そちらもおすすめです。会社に合わせた保管方法にしましょう。

アルコールチェックが義務付けられる対象企業とは

2011年から緑ナンバーの車はアルコールチェックが義務付けられていました。緑ナンバーはタクシー、トラック、バスなど人やものを運ぶ車両、運賃、報酬を受け取る事業者が使用しています。2022年4月からは白ナンバーも対象になりました。白ナンバーとは自家用車、自社の備品運搬、業務に使用する車を使用する車のことを指します。
下記の内容が2022年4月以降にアルコールチェック義務化の対象企業となりました。
・安全運転管理者の義務がある事業者
・11人以上乗れる自動車を1台以上使っている
もしくは
・乗車定員が10人以下の自動車を5台以上使用している(自動車がマイカーの場合でも業務に使う場合はカウントされます)
※原付自転車以外の自動二輪車は1台0.5台として計算されます。

アルコールチェックを行わなかった場合の罰則

アルコールチェックを行わなかった場合は安全運転管理者の業務違反にあたります。行政処分や罰則もあるので注意しましょう。

行政処分内容

行政処分内容は3つに分類されています。
①酒酔い運転の場合
基礎点数は35点で1回で免許取り消し処分です。
②酒気帯び運転(0.25mg以上)の場合
基礎点数は25点です。こちらも1回で免許取り消し処分です。
③酒気帯び運転(アルコール濃度が0.15mg~0.25mg未満)の場合
基礎点数は13点で、90日間の免許停止処分です。

罰則

飲酒運転の罰則は主に3つのパターンがあります。
①車を運転した人
酒酔い運転の場合、100万円以下の罰金もしくは5年以下の懲役
酒気帯び運転の場合、50万円以下の罰金もしくは3年以下の懲役
②車などを提供した人(事業所など)
車の運転者が酒酔い運転をした場合、100万円以下の罰金もしくは5年以下の懲役
車の運転者が酒気帯び運転をした場合、50万円以下の罰金もしくは3年以下の懲役
③お酒を提供した人、一緒に乗っていた人
車の運転者が酒酔い運転をした場合、50万円以下の罰金もしくは3年以下の懲役
車の運転者が酒気帯び運転をした場合、30万円以下の罰金もしくは2年以下の懲役

建設業のアルコールチェックで注意すること

ここでは建設業がアルコールチェックを行う際に注意すべき点について、以下の3つに分けて解説します。それぞれの項目をチェックしましょう。

・アルコールチェックをマニュアル化する
・アルコールチェック機器の管理
・アルコールチェックの必要性と教育

アルコールチェックをマニュアル化する

アルコールチェックを行う際の手順をマニュアル化しておきましょう。明確な基準を設けることで、日々のチェックや緊急時の対応がスムーズに行えます。マニュアルには以下の項目を記載すると良いでしょう。

・チェックは誰がいつ、どのように行うか
・検査結果の保管年月日、保管場所
・トラブルや緊急時の対処法

Q&A方式などを用いると、読みやすくなります。

アルコールチェック機器の管理

アルコール検知器などの機器の管理はしっかりと行いましょう。適切に管理しなければセンサーの性能が劣化し、正確な測定結果が出ない可能性があります。以下の保管場所は避けましょう。

・直射日光が当たる
・タバコや芳香剤などの強い匂いがする
・トイレの近く
・湿度が高い
・暖房器具が近い
・アルコール製品が近くに置いてある

アルコールチェックの必要性と教育

従業員の中には「二日酔いのまま運転した」「運転するまでに時間が空いているので大丈夫」という考えの人もいるかもしれません。しかし、従業員が飲酒運転を行った場合、運転者だけでなく代表者や運行管理責任者も、5年以下の懲役あるいは100万円以下の罰金が科される可能性があるのです。アルコールが体内に微量でも残ったまま運転するリスクや事故が起きた際の罰則や責任を従業員にしっかり伝え、アルコールチェックを行う必要性を周知しましょう。

【まとめ】アルコール検知器を使用したチェックの義務化は2023年12月から!
業務違反や罰則にならないようアルコールチェックをしっかり行いましょう!

運転者が飲酒運転をした場合、安全運転管理者が業務違反になり、会社の代表者や運行管理者も罰則になる可能性があります。また、2023年12月からアルコール検知器を使用したチェックが義務化されるので、すぐに導入できるように対策を行いましょう。

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