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これから設計事務所の運営を行いたいと考えているのであれば、利益率について無視することはできません。実は設計事務所の利益率というのは、それほど高くはないのです。
同じような業種と比べると、工務店などは30%前後となっているのに対して、設計事務所は10%程度しかないので、少ないことがわかるでしょう。
では、どうすれば利益率を高められるのかを解説していきます。
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設計事務所の利益率ってどれくらい?
まずは利益率とは何なのかという点について説明します。
利益率というのは、利益額から売上金額を割り、100倍した数値のことです。例えば売上金額が5000万円あったとします。そして利益額が1500万円だったとしましょう。
この場合には1500万円÷5000万円×100となるので、利益率は30%となるのです。設計事務所の場合には、この利益率が10%前後であるため、あまり高い方とは言えません。
それに対して工務店やハウスメーカーなどでは30%前後あるのです。
設計事務所が利益率を考えなくてはいけない理由
設計事務所の運営を行うのであれば、利益率は重要視しなければいけない点の1つとなります。なぜ重要視する必要があるのかというと、1つは明確な利益額を把握するためです。
多くの会社では、利益率よりも売り上げを重要視することが多いでしょうが、売り上げが増えたとしても、その分多く出費していたのでは意味がありません。利益がなければ人件費や光熱費などの支払いができなくなるので、利益率を重要視する必要があるのです。
2つめは激務・薄利多売を避けるためです。利益率が少なければ、従業員に残業や休日出勤などの激務をお願いしなければいけません。労働環境の悪化を防ぐためにも、利益率を意識することはとても大切なのです。
利益率が低い設計事務所の特徴
設計事務所を運営している人の中には、利益率がどうしても上がらないと悩んでいる会社もあるでしょう。特に近年は増税や物価高の影響で、中小企業や個人事業主はかなり厳しい環境に置かれている状態です。
そんな中だからこそ、何とかして利益率を高めていきたいと思う人も多いでしょうが、改善されないのには必ず理由が存在しています。
原因を改善しない限り、いつまで経っても経営状況が改善されることはありません。そこで利益率がどうしても高くならない設計事務所の特徴をいくつか紹介していきます。
下請け受注が多い
いくら頑張っても利益率が上がらない場合、どこからどのように仕事を受注しているのかを見直してみましょう。
下請け受注が多くなっている、もしくは下請け会社のさらに下請けという状態で仕事を得ているのであれば、可能な限り元請けとして仕事を受注するべきです。なぜなら下請けは定期的に仕事を受注できる可能性が高いですが、その分単価が安くなります。
逆に元請けは仕事を受けるのが難しいというデメリットがある反面、単価が高くなるのがメリットです。
価格競争で勝負している
設計事務所の中には、価格帯で勝負をしているところもあるでしょう。実は価格帯で勝負をしていることが、利益率が上がらない原因である可能性もあります。
もし競合している会社が多い場合、価格を下げなければ受注が難しくなります。その結果、単価自体が安くなってしまうため、いくら仕事を頑張っても利益率が上がらなくなるのです。
価格競争で勝負をするよりも、高度な技術を取り入れるなど、サービスの内容などで競争をしていくのがよいでしょう。
設計事務所の利益率を高める8つの方法
利益率を高めることができないと、経営がどんどん苦しくなってしまうので、早急に対策が必要です。
では、どうすれば設計事務所の利益率を高められるのかというと、現在の経営体制を改善していく必要があります。さらに今度どういった方法で運営していくのか、しっかりと戦略を練るのがよいでしょう。
具体的にどのような方法があるのかを、8つに分けて紹介していきたいと思います。利益率を高めたい場合には、参考にしてみて下さい。
1.原価管理を徹底的に行う
経営体制を改善する方法はいくつかありますが、まずは原価管理を徹底して行いましょう。現在の利益率がどの程度なのかを算出し、目標となる利益率を設定します。目標の利益率は、あまり高すぎると達成するのが難しくなるので、無理のない範囲で設定しないといけません。
現在では原価管理を行うツールがいくつか存在しています。例えばアラジンオフィスや本家シリーズがよく知られていますが、これらのツールを使用することで、効率よく原価管理ができるようになります。
2.ターゲットを絞ってアプローチする
利益率を高めるためには、アプローチをすることが重要ですが、その前にターゲットを明確に絞り込む必要があります。
ターゲットを絞り込まずにアプローチをしても、価値をきちんと伝えられないからです。単価を上げるためにはある程度値段が高いサービスでも利用してもらわなければいけません。
そのため、できるだけ費用を安くしたい人にアプローチをしても意味がないので、金額が多少高くても、高い技術力を求めている人、自由度の高いサービスを求めている人にアプローチをしましょう。
3.ブランディングを強化する
利益率は一時的に高めても意味がないので、継続して長期的な利益を生み出さなければいけません。そこで重要になるのが、ブランディングを強化することです。
設計事務所であれば品質の高さや性能のよさ、自由度の高い設計やデザイン力を高めるのがよいでしょう。
特化した技術などの売りがあれば、景気の悪化や物価高の影響も最小限に抑えられ、長期的に安定した利益率を得ることが可能になります。
そのためには事前に計画を立て、長期的な対策を講じる必要があるのです。
4.設計力・デザイン発想力を高める
利益率を上げるには、基本となるサービスの向上が欠かせません。設計事務所であれば、デザイン力や設計力が必要不可欠です。他では実現ができない、もしくは実現が難しいデザインを導入するなど、他の業者との差別化を図ることで、単価を上げても顧客離れを防ぐことができます。
同じサービスが受けられるのであれば、大半の人は価格の安いところを利用するでしょう。
価格を下げてしまうと利益率を上げることはできませんので、自社の強みを活かすことが大切です。
5.案件受注数を増やす
利益率を増やす最も単純な方法は、受注を増やすことでしょう。いくら単価が高くても、受注数が少なければ利益率を高めることはできません。逆に単価が安くても、十分な受注数があれば、長期的に高い利益率を維持することもできます。
では、どのようにして受注数を増やすかですが、営業代行サービスを利用するという方法があります。
営業代行を利用する手法は、多くのメリットを持っています。具体的には下記です。
- プロの営業担当が業界全体の動向やニーズを把握したうえで営業活動が行うので、効果的なアプローチが可能
- 他の重要な業務に集中でき、事業全体の成長につながる
- コスト面でも、営業人材を正社員として採用・維持するよりも低コストで営業活動ができるケースが多い
営業代行を利用する際は、代行会社とのコミュニケーションが大切です。自社のビジネスや価値観を理解してもらい、適切な営業活動を行ってもらうようにしましょう。
さまざまな営業手法がある中で、営業代行は、効果的でコストパフォーマンスが高いと言われています。
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6.原価・固定費を下げる
売り上げ=利益率ではないので、いくら売り上げを多く得たとしても、出費がかさんでしまえば利益率は下がります。そこで重要になるのがコストの削減です。
主な方法としては、外注費を抑える、人件費を抑える、仕入れ額の見直しを行うなどがあります。ただし、必要な経費はきちんと使用しないと、作業効率の低下や品質の低下にも繋がるので、使うべきところはしっかりと経費を導入しましょう。
原価や固定費を下げられれば、現在と同じ売り上げでも利益率を上げることができます。
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書類作成や事務作業、図面作成など、建設業に必要な幅広い業務に対応可能です。サービスの詳細はぜひこちらからご確認ください。
7.販売単価を上げる
利益率を高めたいのであれば、販売単価を上げるのも1つの方法です。しかし、この方法だと顧客が離れてしまい、最終的には売り上げが下がってしまう可能性があります。
顧客が離れないようにするためには、単価を上げても利用したいと思ってもらう必要があります。それには他の業者にはない魅力や高い技術を持っているなどの強みがあるのが理想です。
単価を上げる前に、何か自社に強みがないか、他では行っていないサービスを導入できないかなどを検討していましょう。
設計事務所の役員報酬を決める際の基本的ルール
会社経営の責任者、取締役や監査役などに支払う給料を役員報酬と言いますが、役員報酬もきちんと決めておかなければいけません。
役員報酬の決め方には基本的なルールが存在しているので、確認していきましょう。
それは定額であること、決算日から数えて3ヶ月以内に決めること、賞与の支給は難しいことです。
ちなみに役員報酬は、1度決めると変更ができなくなるので注意しましょう。
役員報酬は多いと赤字に、少ないと税金が高くなるため、慎重に決める必要があります。
設計事務所の利益率は約10%!様々な対策を行い利益率を高めよう
設計事務所を運営するのであれば、利益率についてしっかりと考える必要があります。
なぜなら利益率が少ないと、会社が成長できないだけではなく、運営自体が難しくなるからです。
しかし、設計事務所の利益率は、他の業界に比べて低くなる傾向にあるのですが、それは下請けで仕事を受けることが多い、単価自体が安いことが挙げられます。
これらの原因を改善し、自社の強みを出していくことにより、利益率を高めることができるでしょう。
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