建設業倒産が過去10年最多、人手不足の現実

建設業倒産が過去10年最多、人手不足の現実

2025年に発生した建設業の倒産件数は2,021件となり、前年比6.9%増と過去10年で最多を記録しました。2,000件を超えるのは12年ぶりで、倒産件数は4年連続の増加です。この調査は帝国データバンクが実施したもので、建設業界が抱える構造的な課題が改めて浮き彫りになりました。

背景にあるのは、人手不足による人件費の上昇、工期の長期化、そして建材価格の高騰といった複数のコスト増です。仕事そのものは、住宅やインフラ修繕、設備工事など一定の需要があり、受注環境が極端に悪化しているわけではありません。しかし、請負単価への価格転嫁が追いつかず、売上が伸びても手元資金が不足し、資金繰りに行き詰まるケースが増えています。

特に「人手不足倒産」は113件と前年から増加しました。加えて、経営者の高齢化も深刻で、病気や死亡をきっかけとした倒産は2000年以降で最多となっています。建設業は以前から高齢化が指摘されてきましたが、事業承継が進まないまま経営リスクが顕在化しています。

地域別では9地域中6地域で倒産が増加し、中小・零細事業者の苦戦が目立ちます。負債規模5000万円未満が全体の約6割を占めており、体力のある企業との差が広がっています。

業種別では、とび工事業や解体工事業など人手に依存する分野で倒産が急増しました。

今回の動向は、単なる景気の問題ではなく、働き手の確保や適正な価格設定、事業体制の見直しが不可欠であることを示しています。人材確保の工夫や業務効率化、無理のない受注判断が、今後の安定経営に直結する重要なポイントとなりそうです。

参考:https://www.tdb.co.jp/report/industry/1lm_mer_4e/