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九州地方整備局は2026年2月5日、南海トラフ巨大地震による津波被害を想定し、ハイブリッドドローンを活用した被災状況調査の実証実験を宮崎県内で実施しました。電動バッテリーと内燃型エンジンを併用するハイブリッドドローンは、従来のドローンと比べて長時間・長距離飛行に強みを持つ機体です。
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実証では、延岡市から日向市までの沿岸約36kmを約2時間30分程度かけて往復飛行し、港湾施設などの空撮映像と3D点群データの取得に成功しました。飛行は補助者を配置しない無人地帯での完全目視外飛行となる「レベル3・5飛行」で行われました。ハイブリッドドローンによる同レベルの飛行は国土交通省として全国初の試みとなります。
使用した機体は幅約1.3m、高さ約60cm、重量12.7kgで、最大飛行距離は約100km、巡航速度は時速30〜40kmです。前方および側方を撮影できるカメラを搭載し、飛行中には4K対応の高精細な映像を取得しました。実証前日に行った試験飛行では、約7000枚の空撮画像から3D点群データを生成しており、今後はこれらのデータ精度や被災調査への実用性を検証していく予定です。
九州整備局は2025年2月にも、同様のルートでVTOL型固定翼ドローンによる飛行実証を行っています。VTOL型は飛行速度に優れている一方、強風時のバッテリー消耗や点群データの精度に課題がありました。今回の実証では、機体ごとの特性を踏まえた使い分けの重要性が改めて示された形です。
災害発生時は、人が立ち入れない広範囲を短時間で把握することが求められます。今回の取り組みは、被災状況調査の迅速化・精度の高度化に向けたDXの一例といえるでしょう。今後は建設現場でも、点検や調査業務においてドローンを前提とした業務設計が、より現実的となる可能性があります。

