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株式会社竹中土木は、国土交通省東北地方整備局発注の国道121号湯野上2号トンネル工事(福島県下郷町)において、山岳トンネル工事で使用する重機の遠隔操作に成功しました。遠隔操作した重機は、自由断面掘削機(ブーム・ヘッダー)とエレクター付コンクリート吹付機の2機種です。掘削土砂や岩盤が崩れ落ちる「肌落ち災害」の防止と、生産性向上が目的です。
建設業では1997年をピークに就業者が減少し、技能者不足が深刻化してます。こうした課題を背景に、2024年には国土交通省が「i-Construction2.0」を策定し、自動施工やICT活用による省人化と安全性向上を打ち出しました。今回の取り組みは、i-Construction2.0が推進する自動施工の具体的な現場実装例といえます。
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自由断面掘削機は、切羽から約150m離れた遠隔操作室から操作します。広角マルチカメラや俯瞰映像をリアルタイム伝送するため、超低遅延での操作信号反映が可能です。電子制御により、実機と同様の操作感覚で作業できます。粉塵や高騒音環境から作業員を隔離できるため、作業環境の改善につながります。
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吹付機も同様に遠隔化されました。従来は切羽直近での立ち作業となり、落石やコンクリートの跳ね返りリスクがありました。今回のシステムでは、PTZカメラ3台と360度カメラの映像を用い、遠隔室から安全に操作します。さらにLiDARによる出来形計測や鏡面押出量のリアルタイム監視を実装し、一定値を超えた場合は警報を発する仕組みも整えました。
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通信はWi-Fiと光回線を活用し、坑内だけでなく数km離れた事務所からの操作も可能です。今後は他工種への応用も視野に入れ、労働災害ゼロと働き方改革の推進を目指すとしています。
現場で重要なのは、遠隔化を単なる設備導入で終わらせないことです。操作訓練、通信環境の安定化、出来形データの活用体制まで含めて設計することで、安全性と生産性の両立が期待されます。


