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ゼネコン業界は社会的に大きな意味を持つだけでなく、様々な視点から注目されています。業界やその企業で活躍するには、社会的な需要や企業の特徴だけでなく、業界全体が抱えている課題や動向についても知っておかなくてはなりません。
本記事では、ゼネコンがそもそもどういう業界なのかという基礎知識から、就職難易度などの就活に役立つ知識まで、幅広い内容をまとめました。興味をお持ちの方は、ぜひご覧ください。
ゼネコンとは?
業界の将来性を見極めるには、まず業界についての基礎知識を知っておく必要があります。ゼネコンの役割やそれを踏まえた業界変化について解説するので、自分の知識を振り返ってみましょう。
ゼネコンの役割
ゼネコンとは、大手の総合建設会社を指します。総合請負業者として土木工事や建設を請負契約で受注しているのが特徴です。
大規模な公共工事を手がけますが、ゼネコンが工事を一手に引き受けるわけではありません。必要な設備・作業ごとに専門業者が工事をします。ゼネコンが元請になり、これらの専門業者を下請けの形で業務を発注します。
ゼネコンには複数種類があり、以下のように分類できます。
- スーパーゼネコン:企業としての売上が1兆円を超え、従業員数5,000人以上の規模の企業
- サブコン:ゼネコンから仕事を受け、現場作業や専門技術が必要な部門を担う企業
スーパーゼネコンは建築と土木の両方の事業を遂行していますが、特に建築の割合が高めな傾向にあるのが特徴です。技術力の高さと信頼性から、政府や大企業からの大型プロジェクトを多数受注しています。日本の経済成長や社会基盤発展に大きく貢献しています。
サブコンはスーパーゼネコンから仕事を発注してもらう側です。技術領域における高い専門性を持ち、建築物の品質や工事進捗に大きく影響を与える企業でもあります。近年は建築物の高度化や複雑化に伴い、重要視されています。
ゼネコン業界の変化
日本の経済や社会発展において重要な要素を占めているゼネコンですが、近年3つの大きな変化を迎えました。それぞれの内容を解説します。
景気回復
2008年のリーマンショックによる不景気や2011年の東日本大震災など、ゼネコン業界は収益が減少する状況が長く続いていました。その後の震災からの復旧やオフィスビルなどの建築需要が、2012年に発足した「アベノミクス」による景気回復の影響を受け、好調に転じます。
さらに、東京オリンピックによって、インフラの整備や都心の再開発、民間ホテルの整備などで需要が高まり、建築業界にいい影響をもたらしたといえます。
建設業界内のバランス変化
影響はこれだけではありません。新型コロナウイルスの影響により、テレワークが普及し、ゼネコンが注力してきたオフィスビルの建築要素が減少してしまいました。
コロナ禍前に、とある大手企業がゼネコン準大手の買収に取りかかった影響もあり、業界再編の流れが生まれています。
大規模ハウスメーカーなどが需要減少中のゼネコンを買収する流れがあったなかで迎えたコロナ禍の影響を考えると、この動きはより加速すると予想されています。
受注競争の激化
上記の動きの影響を受け、受注競争の激化も発生しており、これも見逃せない動きの1つです。
元々、ゼネコンは年間で受注金額目標を定めています。多くの企業がこの目標を達成すべく競争を繰り広げていますが、近年はコロナ禍などの影響から建築物の需要が減少しています。
本来なら準大手ゼネコンが受注する規模の入札にまで大手ゼネコンが参加する事態となり、見積金額や利益率の低下など、新たな問題が発生するようになりました。
ゼネコン業界の市場規模
いくつか心配になる要素がありますが、実際の市場規模はどのような状態なのでしょうか。
2023年度におけるゼネコン業界の市場規模は、国土交通省の発表したデータによれば、2024年度の建築投資は前年度比2.7%増の約70兆3,200億円に達しており、未だ日本経済において重要な位置を占めています。
2014年度から建築業界への投資額も年々上昇していることを考えると、ゼネコン業界を含む建築業界は、堅調傾向にあるといえるでしょう。少しずつ成長を続けていることを考えると、業界へのよくない影響が多少あっても今後もこの状態が続くと予想できます。
ゼネコンの将来性
ゼネコンの現状をおさえたところで、次は将来性についてみてみましょう。ゼネコンの将来性やそれに関連する要素について解説します。
大阪万博などの大規模工事
国内の建設需要は分野により幅がありますが、東京オリンピックに続き大型案件が多数控えています。
- 2025年開幕大阪万博
- 2027年開業リニア新幹線
- 都市再開発
- 耐震防災工事
このように、特定地域での建築需要が高まっているのが現状です。また、地方の建築需要もリニア開発による建築工事や都市再開発の影響を受け、都市部の人口流出の食い止めや地方との地域格差を解消する効果も期待されています。
これらの要素から、ゼネコン業界はこれからも高い需要を維持できるでしょう。
インフラメンテナンス
現在、道路や橋梁などの維持・修繕・建て替えの需要が高まっています。2025年1月に発生し、2月現在も救助をはじめとした対応が続いている八潮市の交差点で発生した道路陥没事故の影響から、道路やその下にあるインフラ点検・修理も進められるようになりました。
インフラメンテナンスには多額の費用が掛かることから、ゼネコン業界の受注の急増が予想されています。
海外進出
このほか、日本の高い技術力を活かし、経済発展が著しい地域、アジア諸国などのインフラ整備の技術輸出も加速しています。主力としてあげられているのが、以下の技術です。
- 日本独自の水道技術(インフラ整備や浄水処理技術・漏水防止技術など)
- 火力発電や原子力発電
- 情報通信技術
これらの技術、特に水道技術はゼネコン以外の自治体の水道局も参入するなど、活発な動きを見せています。
このほか、新幹線や高速道路などの技術も盛んに輸出されています。これらもゼネコン業界の需要を支えている要素です。
ゼネコンの課題と動向
不安な要素もありながらも着実に需要を伸ばしているゼネコンですが、課題や新しい動きもあります。需要に賢く乗るにはこれらの要素も知っておかなくてはなりません。次は、現在のゼネコンが抱えている課題と動向を解説します。
人材不足
現在ゼネコン業界では深刻な人手不足が問題となっています。建築現場は過酷な労働環境や長期労働が一般的です。多くの企業が改善に取り組んでいるものの、未だ若年層の離職率の高さが問題視されています。
新規参入が少なければ熟練労働者の知識や技術を次世代に伝える機会も満足に得られません。この事による技術力の低下も危惧されています。
また、人手不足の要因はこれだけではありません。建築業界全体的にニーズが高まっている影響から、専門的な知識や技術を持つ人材が別業界へ流出するケースが増加していることも問題です。
現状を打破するには、若年層が働きやすい職場環境の整備や労働時間をはじめとした条件改善が求められています。大手ゼネコンだけでなく、その下請である中小企業も取り組んで行かなくてはなりません。
生産性の向上
技術者の高齢化や人手不足の影響から、生産性の向上もまた課題のひとつとして取り上げられています。この課題の打破につながる施策として推進されているのが国土交通省が推進している「i-Construction」です。
「i-Construction」はコンピューターをはじめとした最新技術を用いることで、生産性向上を図ろうとしています。具体的には、以下のような取り組みです。
- ドローンなどによる測量
- 情報通信技術を用いたICT建機による施工
- パソコンの3Dデータを用いて行う検査
これらの導入により、知識や技術の伝達が期待できない・人手不足などの状況でも、今までと同じような仕事ができるようになります。このことから、多くのゼネコンが注目・導入しています。
他社との差別化
日本のゼネコン業界はすでに成熟した市場です。市場規模が大きく成長しているわけではありません。市場自体は安定して推移すると予想されていますが、少子高齢化による人口減少や建築投資の減少などのリスクの影響を受ける恐れもあります。
そのため、ゼネコン企業の多くは新しい技術の開発やビジネスモデルの革新など、変化に対応できる柔軟な姿勢が求められています。これもまた、ほかの要素と同じく課題として捉えるべき要素です。
再生可能エネルギーの活用
現在、地球温暖化や資源の枯渇といった環境問題が深刻化しています。多くの業界がこの問題に取り組んでおり、ゼネコン業界も例外ではありません。
- 年間エネルギー消費量を実質ゼロにする建物
- 建築廃棄物のリサイクル
- 二酸化炭素排出量削減
これらの環境技術を積極的に取り入れる姿勢も求められています。持続可能な社会実現への貢献もまた、ゼネコン業界に求められている要素です。
DX化の推進
DX化とは、デジタルトランスフォーメーションの略称で、デジタル技術を用いて人の生活や企業の働き方をよりよいものにするための試みです。
ゼネコン業界は人手不足などの影響から、DX化の進行が求められており、多くの企業が様々なデジタル技術を導入しています。
DXを用いて業務を効率化し人手不足に対応することで、今後も増加するであろうゼネコン業界への需要にも対応できるようになります。このことから、DXをどれだけ取り入れられるかによって、企業の成長は大きく変わるといえるでしょう。
ゼネコンの就職難易度
人手不足が危ぶまれているゼネコンは、新卒採用意欲も高く、一般的な就職難易度自体はそれほど高くはありません。しかし、スーパーゼネコンに該当する企業は例外であるといえます。
スーパーゼネコンは給与水準が高く、福利厚生も充実していることから、就活生の人気が高い企業の1つです。そのため一般的な企業に比べて採用プロセスも厳格に設けられている傾向があります。
建築業界に就職して活躍したいなら、企業規模にばかり目を向けるのではなく、自分のスキルや希望に応じた就職先を選ぶ必要があります。大手だから・給与や福利厚生が他よりいいからといった理由で選択するのは避けましょう。
ゼネコンの平均年収
ゼネコンは建築業界の中でも高収入な傾向にあります。これは研究や設計などの専門知識・技術が求められる資格を持つ社員が多いことが関係しています。また、業務上残業が多くなりがちなため、現場手当をはじめとする各種手当が豊富なことも理由の1つです。
スーパーゼネコンに該当する会社では、おおよそ950万円が平均年収といわれています。準大手となるとバラツキがあり、高い所で900万円越え、低い所で800万円半ばとなるようです。
企業規模により数百万円の差があるものの、全体的な平均年収と比べると滝亜部類に入ります。
ゼネコンに就職するためには
では、ゼネコンに就職するためには何をすればいいのでしょうか。次は就職で有利になるための活動について解説します。
自己分析をする
自己分析は就職を成功させるための重要な要素です。ゼネコン業界の場合も例外ではありません。以下の要素を振り返り、自分が持っているスキルや学びを整理しましょう。
- 長所や短所
- 現在所有している資格やスキル
- 価値観
- 過去の経験
自己分析の結果はエントリーシートの作成や面接対策の効果にも直結します。具体的なエピソードを用いて、自分の強みや業界への適性を明確に伝えましょう。
また、自分を振り返ることで、自分がゼネコン業界そのものに向いているか、向いているならどのような職種に就くべきかが分かるようになります。自分の特性が活かせる場所を選ぶのも、就活を有利に進めるうえでは重要なポイントです。
業界・企業を研究する
自己分析と同じくらい大切なのが、業界・企業研究です。
- 業界のビジネスモデル
- 業界全体の現状や課題
- 今後の動向
- 収益構造
これらを研究することで、志望動機や面接での回答に具体性を持たせられるようになります。
また、競争が激しいゼネコン業界では、各企業が差別化を図るための戦略を練り、実施しています。これらを理解したうえでのアピールを構築することも大切です。
資格を取得する
資格においては、特に専門的な知識や技術が求められるものを取得することで、就職を有利に進められます。
例えば、ゼネコン総合職では大卒以上の学歴が求められるほか、設計や現場指揮など、業務に応じた専門知識や資格が必要です。技術者として就職したいなら、希望の業種で必要な資格はマストといえるでしょう。
また、営業職などの特に専門的な知識や資格が求められない業種でも、業界における最低限の知識は必要です。入社後でも得られる知識や技術ではありますが、その前に取得していることをアピールできれば、その分有利に就活を進められるでしょう。
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【まとめ】ゼネコンに将来性はある!チャレンジする際は自分や業界を分析しよう
ゼネコンはいくつかの課題を抱えているものの、高い需要を誇る業界です。よりいい条件で就職するには、自分や業界研究とそれを用いての的確な就職対策が必要となります。まずは自己分析から始めて、自分がゼネコンで活躍できるかをチェックするところから始めましょう。
ゼネコンの仕事内容やゼネコンの施工管理についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
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