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新しく作業員が現場入りする際記入してもらう書類の1つが、新規入場者調査票です。作業員管理上必要な書類ですが、これらの書類を扱う方のなかには、その必要性や記入すべき内容がいまいちわからない方もいらっしゃるでしょう。
そこで、新規入場者調査票の必要性や記入事項をまとめました。書類作成や管理の際にお役立てください。
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新規入場者調査票とは
新規入場者調査票とは、安全衛生管理のために提出する調査票です。現場入りする作業員の緊急連絡先をはじめとした情報が記入されています。
作成・提出するタイミングとしては、現場に新しく入る作業員に用紙を渡し、現場事務所で記入と不備確認後にもらうのが一般的です。用紙は現場監督が会社ごとにファイリングして管理します。万が一の事態が発生したら、これをもとにしかるべきところに連絡する仕組みです。
新規入場者調査票が必要な理由
新規入場者調査票が必要な理由は複数あります。不備なく記入・管理するためにも、調査票が必要とされる理由を押さえておきましょう。
元請の現場監督が作業員を把握できる
現場における労働災害の被害を受けやすい人が持つ特徴の1つに、現場ルールや慣習に慣れていない新規の作業員が挙げられます。
これを受けて、建設現場では「新規入場者教育」と呼ばれるルールが設けられています。現場では、このルールに沿って状況や工程をはじめとした、作業やその前後に必要な情報を教育しなくてはなりません。
また、建設現場は通常の環境よりも危険なため、作業員同士でコミュニケーションを密に取る必要があります。そのためには、名前をはじめとした情報を知り、それをもとにした声かけなどを心がけなくてはなりません。新規入場者調査票は、これらの情報を得るために必要なものです。
労働者死傷病報告等を滞りなく記入・提出できる
新規入場者調査票は、万が一の事態が発生したときの手続きを、滞りなく進めるためにも必要です。
事業者は労働災害などにより労働者、建設現場でいえば作業員が死亡または休業した場合、遅延なく「労働者死傷病報告」などを労働基準監督署長に提出しなくてはなりません。
これらの書類に記載する情報は、新規入場者調査票に一部記載されています。新規入場者調査票をあらかじめ用意しておけば、万が一の事態が発生して本人に必要な情報を聞けない状態になっても、書類をもとに報告に必要な情報をそろえられるようになります。
新規入場者調査票の書き方
新規入場者調査票が必要な理由を押さえたら、次は実際の書き方を覚えましょう。必要事項とその書き方について解説します。
作業所名
現場名を記入する部分です。具体的には、以下のように記入します。
- ○○作業所
- △△ビル改装工事
- ●●家新築工事
ほかの現場と間違えないようにしましょう。
新規入場日
作業者が現場入りした日時を記入します。現場で施工を開始した日などと混同しないようにしましょう。間違いがないように、作業者と確認しながら記入してください。
元請確認欄
元請会社が確認後サインをする部分です。サインが必要になるまでは記入してはなりません。
作業員の基本情報
現場入りする作業員の基礎情報である、以下の内容を記入します。
- 作業員の氏名
- 生年月日
- 血液型
- 現住所
- 電話番号
作業員が万が一の事態に遭遇した場合に必要な情報です。誤字や脱字はもちろん、漢字表記なども併せて確認しましょう。間違いがあると、身分証の照合などが上手くいかず、現場入りできない恐れや、治療やその支払い手続きなどの際に支障が出る恐れがあります。
確認の際は免許証や資格証明書などの写しを用いて確認しましょう。正確な表記で記入しているか確認してください。
なお、18歳未満の作業員が現場入りする場合、元請会社に年齢が証明できる書類を提示しなくてはなりません。また、労働基準法で働ける時間や業務のうち、一部制限があることも覚えておきましょう。
緊急連絡先
作業員が万が一の事態に遭遇した場合の連絡先です。電話番号だけでなく、以下の内容を記入します。
- 緊急時対応してくれる人の氏名
- 緊急連絡先の電話番号
- 緊急時対応してくれる方の住所
- 作業者との続柄
記入する続柄は人により異なりますが、配偶者や両親・兄弟などを記入するのが一般的です。
あなたが働いている会社との関係
作業員が働いている会社との関係を記入します。具体的には、以下の内容です。
- 事業者名
- 雇用された年月日
- 所属会社名
- 雇用契約書取り交わしの有無
- 職種
事業者名や所属会社名などを混同しないようにしましょう。
アンケート
安全かつ法律を順守して働けるかをチェックするためのアンケートです。アンケート内容は事業者などにより異なりますが、主な内容だと以下のものがあります。
- ひとり親方または中小事業主か
- ひとり親方の場合労災保険に特別加入しているか
- 建設会社で働き始めた年数
- 健康診断を受けているか
- 健康状態は働くうえで万全か
- 送り出し教育を受けたか
- 建設業退職金共済手帳を持っているか
アンケートに記入する際あった方がいい情報や書類は、事前に伝えておくと親切です。
資格について
保有している資格を記入するための欄です。チェックシートになっていると記入しやすいでしょう。調査票でチェックされる資格は現場や会社ごとに異なりますが、主な資格は以下のものが多い傾向にあります。
技能講習(作業主任者・作業者)
主に法律で作業するために取得すべき資格をチェックします。
- ガス溶接
- 玉掛け
- コンクリート破砕器
- 地山の掘削
- 石綿
- 有機溶剤
- 足場の組立て
- ボイラー取扱
- コンクリート造の工作物の解体
- 酸素欠乏危険
記入漏れなどが無いよう、チェック内容をよく確認しましょう。
技能講習(運転士)
クレーンやフォークリフトなど、現場で活用する特殊な車両などに関する資格の有無を調べるための欄です。
- 1t以上5t未満の移動式クレーン
- 3t以上の車両系建設機械
- 3t以上の自走する基礎工事用機械
- 3t以上の解体用機械
- 1t以上の不整地運搬車
- 10m以上の高所作業車
- 1t以上のフォークリフト
- 1t以上のショベルローダー
どれも作業において重要な働きをするものばかりです。こちらも漏れが無いよう注意しながら記入・チェックしましょう。
特別教育(運転者・作業者)
作業や現場入りにおいて、特別教育を受けているかも重要なチェック項目です。こちらも欠かさず記入してもらいましょう。
- 酸素欠乏危険作業
- 3t未満の車両系建設機械
- 3t未満の自走しない基礎工事用機械
- ローラー
- コンクリート打設用車両系建設機械
- 3t未満の解体用機械
- 1t未満の不整地運搬車
- 10m未満の高所作業車
- ボーリングマシン
- 1t未満のフォークリフト
- 1t未満のショベルローダー
- 巻上げ機または建設用リフト
- 1t未満の玉掛け
- ゴンドラ
- アーク溶接
- 研削砥石の取替え
- 電気扱い
このほかにも、必要な資格があれば調査票に盛り込んでおきましょう。
回答者直筆サイン
誓約書内容を確認し、回答者、この場合は現場入りする作業員が自筆でサインする欄です。以下の内容を確認し、サインしてもらいます。
- 当作業所新規入場者教育を受けている
- 小さなケガでも当日に報告する
- 危険または有害個所を発見した場合は直ちに責任者などに報告する
- 個人情報の取扱についての了承
ここまで漏れがないか確認したら、書類をファイリングして管理しましょう。
【まとめ】新規入場者調査票は安全衛生管理のための重要な書類!書き方を理解し漏れなく記入しよう
新規入場者調査票は、現場入りする作業員の安全を守り、万が一のときに対応するために必要なものです。また、その作業員ができることや、きちんと法令を遵守して現場入りしているかを確認できるものでもあります。新しい作業員が現場入りする際は、必ず記入してもらいましょう。
新規入場時等教育実施報告書の作成方法・義務についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
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