※記事内に広告を含みます
人手不足を理由とする倒産が、これまでにない水準に達しています。帝国データバンクの調査によると、2025年に発生した人手不足倒産は427件となり、3年連続で過去最多を更新しました。年間400件を超えたのは今回が初めてです。

業種別で特に目立つのが建設業です。倒産件数は113件に達し、初めて100件を超えました。物流業も52件と高水準で、いずれも人に頼る割合が高い業界で深刻さが際立っています。建設業では、作業員の高齢化や若手の採用難に加え、2024年からの時間外労働の上限規制も重なり、人材確保が一層難しくなっています。

また、倒産企業の約77%が従業員10人未満の小規模事業者でした。少人数の職場では、1人が退職するだけでも現場が回らなくなり、受注の継続が困難になるケースが少なくありません。人手不足が、直接経営リスクにつながっている現実が浮き彫りになっています。
一方で、明るい材料もあります。いわゆる「年収の壁」が段階的に引き上げられ、非正社員が働く時間を抑える必要性は弱まる見込みです。これにより、パートやアルバイトの就業時間が増え、人手不足の緩和につながる可能性があります。
しかし同時に、賃上げの波も強まっています。2025年の春闘では、大企業を中心に平均5%を超える賃上げが実施されました。人材確保のためには賃上げが有効ですが、体力の限られた企業では簡単に追随できません。今後は、賃上げができずに人材が定着しない「賃上げ難型」の人手不足倒産が増えると見られています。
建設業にとっては、賃金だけに頼らない対策が重要になります。業務の標準化やIT活用による省人化、未経験者でも働きやすい教育体制づくりなど、小さな改善の積み重ねが人手不足への備えになります。今回の調査結果は、人材戦略を見直す必要性を強く示しているといえるでしょう。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001232.000043465.html

