防水工事に必要な資格は?試験内容や将来性などをわかりやすく解説

防水工事 資格

防水工事は建物を雨水や雨漏りから守るために施工される工事です。施工に必要な資格などはありませんが、専門的な知識や技術を求められます。防水工事に関する資格を取得していれば、その実力を分かりやすく証明できるでしょう。
本記事では、防水工事に必要な防水施工技能士や防水施工管理技術者資格について解説します。また、防水工事の基本的な流れも取り上げますので、そちらもお役立てください。

防水工事に必要な資格とは

防水工事の知識や技術を証明するのに有効な資格に、以下2つの資格があります。

  • 防水施工技能士
  • 防水施工管理技術者

それぞれの内容を解説します。

防水施工技能士

防水施工技能士は、防水工事における一定の技術力があることを証明する国家資格です。防水工事にはアスファルト防水・ウレタン防水など、複数の方法があるため、防水施工技能士も技術ごとに資格が認定されます。
取得していれば、防水工事に関する一定の知識と技術を持っていることを分かりやすく証明できます。そのため、企業により資格取得者には特別手当を出しているところもあるようです。
資格は2級・1級に分かれており、それぞれ試験内容や難易度が異なります。受験する際はご注意ください。

防水施工管理技術者

防水施工管理技術者は、防水工事における専門的かつ高い知識と技術を持っていることを証明する資格です。こちらは国家資格ではなく、一般社団法人「全国防水事業協会」が実施している民間資格になります。こちらも区分が分かれており、以下のようになります。

  • Ⅰ種:屋根・屋内・地下・水槽などを対象にする
  • Ⅱ種:外壁などを対象とする

受験の際は自分が主に行っている施工内容に該当するものを選ぶといいでしょう。

防水施工技能士の資格をとる方法

防水施工技能士の資格を取得するには、受験条件を満たさなくてはなりません。また、受験対策も入念に行う必要があります。防水施工技能士の資格内容を解説するので、受験の参考にしてください。

受験資格

受験資格は等級ごとに異なるほか、学歴によっても変化します。内容をまとめたのが、以下の図です。

等級 受験資格
1級 “7年以上の実務経験
2級合格後2年以上の実務経験”
2級 “2年以上の実務経験
※学歴により必要実務経験年数が異なる”

2級は学歴により必要な実務経験年数が異なります。詳しい内容を確認したい場合は、公式サイトにて確認しましょう。

公式サイト:技能検定のご案内:中央職業能力開発協会

試験内容

防水施工技能士の試験は学科と実技に分かれており、それぞれ内容が異なります。テキストを覚えるだけでなく実際の施工を通して学ぶ必要もあるため、試験対策の際は計画的かつ効率的に取り組みましょう。

学科試験

学科試験は1級・2級共通で、真偽式と選択式問題が採用されています。全50問・25問ずつ出題される仕組みです。試験内容をまとめると、以下のようになります。

試験の種類 問題数 試験内容
真偽式 25問 建設一般
製図
関係法規
安全衛生
選択式 25問

(いずれか選択して回答)

アスファルト防水施工
ウレタンゴム系塗膜防水施工法
アクリルゴム系塗膜防水施工法
合成ゴム系シート防水施工法
塩化ビニル系シート防水施工法
セメント系防水施工法
シーリング防水施工法
改質アスファルトシートトーチ工法防水施工法
FRP防水施工法

選択問題は自分が普段施工している内容のものを選びましょう。

実技試験

実技試験も学科の選択科目同様、9つの施工内容の中から自分が普段行っているものを選択します。

  • アスファルト防水工事作業
  • ウレタンゴム系塗膜防水工事作業
  • アクリルゴム系塗膜防水工事作業
  • 合成ゴム系シート防水工事作業
  • 塩化ビニル系シート防水工事作業
  • セメント系防水工事作業
  • シーリング防水工事作業
  • 改質アスファルトシートトーチ工法防水工事作業
  • FRP防水工事作業

なお、1級・2級ともに選択する施工内容の大まかな内容は同じです。しかし、実際に行う作業はそれぞれ異なります。例えば、アスファルト防水工事作業の場合、以下のような違いがあります。

  • 1級:試験台の平場及び立ち上がり及び貫通配管周りの各部にアスファルト防水工事作業を行う
  • 2級:試験台の平場及び立ち上がりの各部にアスファルト防水工事作業を行う

試験内容は工事により異なりますが、上級試験に該当する1級の方が難易度が高めの傾向にあります。受験資格を満たせる程実務経験があるなら問題ない作業がほとんどではありますが、油断は禁物です。

試験の日程

試験日程は公式サイトにて公開されています。前期と後期があるため、申し込みや受験の際は、日程を間違えないようにしましょう。
試験対策のスケジュールを立てるときは、受験申込時期や学科・実技の試験日から逆算して計画するのがポイントです。

公式サイト:実施日程|技のとびら-技能検定制度のポータルサイト

防水施工技能士が向いている人

防水施工技能士は、短くても2年、最低でも7年の実務経験を求められます。受験資格を満たすには、根気強さや勤勉さが求められる資格です。
実際の作業は試験会場の問題のように、問題点や施工場所が整った状態で用意されているわけではありません。炎天下や真冬の環境下で作業することも求められるでしょう。このことを考えると、体力も必要であるといえます。
また、専門的な知識を実際の業務から吸収する向上心も大切です。受験を検討しながら作業する場合、実務や周りの先輩たちから知識や技術を吸収できるかも合否につながる要素といえるでしょう。

防水工事が大規模な場合は建設業許可も必要

防水工事には基本資格は不要ですが、施工内容により例外があります。
請負金額が500万円以上の工事を行うには、建設業許可が必要です。取得には経理業務の管理責任者や、専任技術者を配置しなくてはなりません。配置する人員にも条件が決められています。
また、建築業許可も4,000万円以上の下請契約を結ぶ「特定建設業許可」とそれ以外の「一般建設業許可」に別れているため注意しましょう。

防水工事の流れ

キャリアアップや実力を示す資格について学んだら、実際の施工についても振り返っておきましょう。次の章では防水工事の大まかな流れを解説します。

1.洗浄する

防水工事を始める前に、施工を妨げるほこりや泥・コケなどの汚れを落とす作業です。
汚れが付着した状態で施工すると、剥離やふくらみで施工の耐久度が下がる恐れがあるため、下地を高圧洗浄機などで洗浄します。

2.下地の処理を行う

洗浄した下地が傷んでいる場合は、施工前に補修します。
ひび割れや凹凸・欠けはモルタルで補修し、下地自体が傷んでいる場合は剥がし、傷んだ部分の撤去を行うのが主な作業です。
汚れ同様、下地の劣化や破損も防水処理の耐久度を低下させてしまうため、丁寧に修復してから作業しましょう。

3.プライマーを塗る

防水施工に使うシーリング材の付きをよくするために、下地であるプライマーを塗る作業です。
プライマーはシーリングの密着度を高めるだけでなく、樹脂などの防水建材が下地に吸収されるのを防ぐ役割も果たしています。防水工事の耐久性を向上させるのに、欠かせない作業です。

4.必要に応じてシートや脱気筒を取りつける

通気緩衝工法の場合、プライマーを塗った後に防水シートや通気シート・脱気筒を取り付けます。取り付けには専用の接着剤などを用いるのが一般的です。
脱気筒は、防水層と下地の間に発生する湿気を逃がす役割を果たします。主に屋上の防水施工で用いられる建材で、防水層の劣化を防ぐ効果があります。

5.ウレタン材やトップコートを塗る

ローラーやこてを使って防水効果のあるウレタンや、トップコート剤を塗る作業です。職人の腕により仕上がりに差が出る作業でもあります。
樹脂を塗ったら乾燥するまで待機し、再度塗り直します。最後に塗料の剥がれやシートの接続部分からの浸水を防ぐ、トップコート剤を塗布して完成です。

防水施工技能士の将来性

防水工事は家屋やビルはもちろん、大型商業施設や病院などの生活に必要な施設や、橋などのインフラ等にも施工されている工事です。生活の場を支えるためには、欠かせない工事でもあるといえます。
防水施工技能士資格は受験条件に数年分の実務経験が求められるなど、受験ハードルの高い資格です。しかし、転職やキャリアアップの際有利にもなるため、防水工事に関わるなら取得しておくべき資格です。

【まとめ】防水工事に必要な資格を取りスペシャリストを目指そう

防水工事には、特別な資格は必ずしも必要なわけではありません。しかし、その実力を証明する資格を取得しておけば、キャリアアップや顧客の信頼を勝ち取るうえで有利にすすめられるでしょう。
防水工事のスペシャリストを目指すなら、ぜひ資格の取得をご検討ください。

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