大規模修繕工事の進め方は?流れや注意点をわかりやすく解説

大規模修繕 進め方

大規模修繕工事は12年から15年の周期で実施します。実施するには業者の選定や住民への説明など、やることが多くあります。進め方を間違えると、思わぬトラブルを引き起こすこともあるので注意しましょう。

大規模修繕工事の進め方は?流れや注意点をわかりやすく解説

大規模修繕工事には多額の費用がかかります。また、住民が生活している状態で行うので、正しい進め方で行わないと、トラブルになる場合もあるでしょう。工事を実施する前には、修繕委員会の発足や業者の選定など、色々とやることがあります。
そこで大規模修繕工事の進め方について、さらに注意するべき点はどこなのかを紹介していきます。

大規模修繕工事とは

大規模修繕工事とは、マンションの価値を維持するために12~15年くらいの周期で行う大きな工事のことを指します。
マンションは年月の経過とともに、徐々に劣化していきます。劣化すると建物の価値も下がります。そこで大規模修繕工事を行うのです。工事の内容は名前の通り規模が大きく、外壁塗装や防水工事など、まとめて色々な部分を修繕します。

大規模修繕工事の進め方

大規模修繕工事の進め方は以下の通りです。

  1. 管理組合内で体制を整える
  2. 工事の発注方式を決定する
  3. 建物診断を実施する
  4. 修繕の基本計画・予算を立てる
  5. 施工会社を選定する
  6. 総会で決議する

それぞれ詳しく解説していきます。

1.管理組合内で体制を整える

マンションには管理組合が存在しています。管理組合とは、マンションの維持管理を行う組織のことです。分譲マンションを購入した場合、管理組合の組合員とならなくてはいけません。
管理組合には大規模修繕工事の計画や実施という役割もあります。大規模修繕工事を行うためには、管理組合での体制づくりも必須となります。どのように体制づくりをするのか、以下で詳しく紹介します。

理事会の主導

管理組合の体制には、理事会が主導となって行う方法があります。どの箇所を工事するのかというところから、依頼をする会社までを理事会が主導で行います。理事会主導の場合、工事にかかるまでの日数が短縮できる、効率的に物事が決められるなどのメリットがあります。ただし、工事に精通している人がいないと、話し合いが難航することもあります。

理事会・修繕委員会の協働

理事会が主導で行う方法以外には、修繕委員会を設置して協働で行う方法もあります。まず理事会の専門委員会として修繕委員会を立ち上げます。主なメンバーはマンションの居住者です。
そして、大規模修繕工事の検討を修繕委員会が行い、意見をまとめます。意見がまとまったら理事会で総会決議にかけるという流れです。
専門性の高いメンバーを集めれば、より品質の高い工事を行うことが可能です。しかし、意見をすり合わせるのに時間がかかる場合もあります。

2.工事の発注方式を決定する

大規模修繕工事の発注方式は、責任施工方式と設計監理方式が存在しています。責任施工方式は、施工を行う会社のみで進めていく方法です。管理組合から依頼を受けたら、工事会社が責任をもって施工します。

設計監理方式は、施工を行う会社にコンサルタントが加わります。さらに4つに細分化することもできますが、どのような進め方なのか、どういった特徴があるのか紹介していきます。

コンサルタントへ委託する

管理組合から大規模修繕工事の依頼を受けた会社に加えて、コンサルティング業者とも契約する進め方もあります。主に物件の調査や診断、工事の管理や業者の選定に至るまで委託契約します。設計業者と施工業者が異なるので、適正な管理ができるのがメリットです。しかし、2社に協力してもらうため、費用が多く発生するのがデメリットです。

管理会社へ委託する

マンションには管理会社が存在しています。この管理会社に物件の修理や工事までを全て任せる方法もあります。管理会社に全てを委託することで、理事会や修繕委員会の負担が軽減されるのがメリットです。ただし、相談業務が管理に含まれていない場合、さらに追加で費用が発生します。事前にしっかりと確認しておきましょう。

施工会社へ委託する

管理会社に全て任せてしまいたいけれど、施工会社は管理組合で決めたい場合もあるでしょう。このようなときには、施工会社に委託する方法もあります。施工会社は修繕工事をはじめ、建設業のプロです。豊富な知識と経験があるので、技術面に関してはとても頼りになります。施工会社の委託先を決めるときは、実績や経験を事前に調べてからにしましょう。

管理組合が自ら進める

費用をできる限り抑えたいという人に最適な進め方が、管理組合が自ら施工会社の選定をする方法です。最もコストを抑えて大規模修繕工事を行える方法ですが、管理組合に工事に関する知識がある人がいないと厳しいでしょう。もし管理組合に大規模修繕工事に関する知識や経験がある人が在籍していれば、自分たちで進めていくのもおすすめです。

3.建物診断を実施する

建物診断も大規模修繕工事を行う前に、必ず実施しておくべきものです。どこの部位が劣化しているのか、本当に修繕が必要な状態なのかを詳しく調べます。目視でも行いますが、専用の機械を使用して、詳しく診断することで、発見できない不具合などを見つけることができます。
ここからは、もっと詳しく目視や打診について、機械調査の方法などを見ていきましょう。

目視や打診のみ

建物の状態によっては、目視や打診のみの診断に留める場合もあります。例えばマンションが建設されて、初めて建物診断を実施する場合などです。外壁の状態や廊下、屋上などに関しては、目視や打診のみでもある程度把握できます。目視や打診のみで済ませることで、費用を大きく抑えることができます。ただし、ある程度築年数が経過したら、機械調査も行う方が安心です。

機械調査まで実施する

目視や打診だけでは、マンションの劣化具合を正確に把握するのは難しいでしょう。特に築年数がある程度経過してくると、目に見えない部分以外も劣化してきます。そこで活躍するのが機械調査です。例えばコンクリートの深度試験、塗装部分やタイルなどの付着力試験などが当てはまります。費用が高額になる場合もあるので、理事会で費用や工事内容の決定が必要です。

4.修繕の基本計画・予算を立てる

建物診断を行い、現在どういった状態なのかを把握できたら、次は工事の内容や実施時期を決めます。さらに予算の使い方も検討します。では、どのようにして予算を立てていくのか、計画の進め方などを詳しく見てみましょう。

修繕の基本計画を立てる

修繕工事を行うためには、基本計画を立てることが重要です。基本計画はコンサルタント会社や施工会社と相談しながら行います。また、診断の結果を確認し、優先純度が高い箇所から修繕を実施します。
緊急性の高いところから工事を実施し、ある程度状態がよいところは次回の大規模修繕に持ち越されます。要望の多い箇所も優先的に工事を行います。

予算を立てる

大規模修繕を行うには、十分な予算が必要です。基本計画を立てたら、予算内で工事が可能か検討を行います。マンションでは修繕積立金の支払いが義務付けられているので、その中から予算を組みます。しかし、建物の状態によっては、予算内に収まらないこともあります。このような場合は、融資や一時金の徴収などが行われます。

5.施工会社を選定する

マンションは管理組合が管理を行っています。しかし、管理組合が自ら工事を行うことはできません。そこで管理組合は、工事を施工してくれる会社に依頼をする必要があります。どこに工事を依頼するのかも、きちんと話し合って決めないといけません。
まずは公募を行い、書類選考をします。その後ヒアリングや会社の状態などをチェックして選定していきます。

6.総会で決議する

大規模修繕工事は、施工会社が決まったらすぐに作業を開始するわけではありません。総会を開催して、組合員に対して工事の計画内容を詳しく発表します。発表する内容は、

  • 工事の期間
  • 依頼先の会社
  • 必要な予算
  • 修繕工事の概要

以上の点を報告し、承認を得なければいけません。承認が得られて初めて大規模修繕工事の発注が可能になります。

7.工事説明会を実施する

総会で承認を得たら、今度は住民に対して説明会を行わないといけません。住民がマンションで生活をしながら工事が実施されるので、できるだけ詳しく説明を行います。工事の準備や説明会について、下記で詳しく見ていきましょう。

工事の準備

総会で決議されたら、住民に対する説明会を行う前に、施工会社と契約を行います。契約をするにあたって、取り決めも行う必要があります。主に

  • 工事の内容
  • 工事の期間
  • 工事に必要な費用
  • 工事後のアフターサービス
  • 万が一のときの保証内容

などです。契約が完了しても、すぐに作業が開始されることはありません。人員の配置や資材の手配なども行わないといけないからです。

工事説明会の実施

施工会社と契約を済ませたら、住民に対して説明会を実施します。準備から施工、さらに完了までの流れや期間はもちろんですが、安全面などの注意点も説明します。説明が不十分だと、苦情が殺到する可能性もあります。説明会だけでは十分理解してもらえないと感じたら、掲示板やチラシなどを活用して追加で説明し、住民に不安を感じさせないようにしましょう。

8.工事を実施する

住民に詳しく工事の概要を説明したら、いよいよ工事を実施します。工事の際には足場が建設され、シートがかぶせられることが多いです。車両もたくさん来ますし、騒音も発生します。そのため、着工中にも住民への配慮や説明が必要不可欠です。施工会社や理事会、修繕委員会と連携し、品質チェックなどを行う必要もあります。

品質チェックを実施する

発注サイドは工事期間中に、適切に作業が進められているかチェックをします。施工会社からの報告や確認は当然行いますが、さらに現場の巡回も行います。巡回の際には施工会社の代理人などと一緒に行動します。なぜなら事故などを防ぐためです。きちんと指示に従って行動しないと、思わぬ事故や作業の遅れに繋がるので注意しましょう。

9.工事の完了を確認する

大規模修繕が終わることを竣工と言いますが、竣工前には検査、確認が必要です。万が一検査で不具合が発見された場合には、施工会社と相談して追加工事を行います。
その際には追加工事の内容や日程、金銭の負担についても話し合います。検査の結果、問題がなければ引き渡しをします。引き渡しの際には必ず書類にサインをします。

10.アフター点検を実施する

大規模修繕の際に検査を行い、問題がないと判断されたとしても、のちに不具合が発覚する恐れもあります。そのため、竣工後も定期的に点検を行わなければいけません。メンテナンスもきちんと実施しなければいけないため、竣工後に受け取った竣工図書は、きちんと保管しておきましょう。工事会社とも末永く付き合うことになるので、よい関係を保てるように心がけましょう。

大規模修繕工事を実施するときの注意点

大規模修繕工事を行う前には、きちんと計画を立ててから実施します。しかし、予期せぬ事態が発生する可能性もゼロではありません。そこで大規模修繕工事を実施する際には、どのような点に注意が必要なのかを確認していきましょう。

計画通りに進むとは限らない

大規模修繕工事は、綿密に計画を立てても予定通り進められるとは限りません。例えば台風や地震、大雪などで延期を余儀なくされることもあります。災害は事前に予想できない場合が多いので、説明会では予定よりも工事期間が長くなる可能性があることを説明しなければいけません。説明の際にはチラシの配布や掲示板でお知らせする場合が多いです。

騒音・振動の対策を実施する

大規模修繕工事を行うときは、かなり大きな音が発生します。夜間に実施することはありませんが、人によっては夜勤の仕事をしていて、昼間に睡眠をとる場合もあるでしょう。振動も発生するため、騒音や振動の対策はしっかり行わないといけません。現場では防音シートなどが使用されますが、それでも音や振動が発生するので、住民側にも対策をしてもらうようにお願いすることも大切です。

安全面の対策を実施する

工事は危険と隣り合わせです。事故が発生すると、作業員だけではなく住民にも被害が出ることがあります。そのため、大規模修繕工事の際には安全面に配慮し、できる限り事故の発生を抑える対策が必要です。住民に対しても、危険な部分には立ち入らないための呼びかけや、看板の設置などを行います。危険物などは厳重に保管し、適切に管理しましょう。

防犯・プライバシーの対策を実施する

大規模修繕工事の際には、事前に足場を設置します。足場は高所にも設置されるため、窓の外から作業員が部屋の中をのぞけるようになります。部屋の中をのぞかれれば、住民は嫌な思いをするでしょう。事前にプライバシーについても住民に説明を行い、対策をお願いします。透けにくいカーテンを使用する、それでも心配なら窓に補助錠を使うなどの対策がおすすめです。

【まとめ】大規模修繕工事の進め方をよく知って失敗やトラブルを防ごう

ここまで大規模修繕工事の進め方や、注意点について解説してきました。進め方を間違うと、住民とトラブルになるケースや、事故が発生する可能性もあります。周りへの配慮も必要ですし、業者選びも重要です。理事会を中心に、修繕委員会や施工会社などと十分に話し合いを行い、失敗を防ぎましょう。住民とのトラブルを防ぐために、納得してもらえる説明も必要です。

※弊社の営業代行サービスであるツクノビセールスでは、
【効果が出なければ全額返金プラン】を新たにスタートさせました!

詳しくは👆👆👆のバナーをクリック!!