大規模修繕工事をタワーマンションに行うのが難しい理由などを解説

大規模修繕 タワー マンション

タワーマンションの大規模修繕工事を行うのは非常に難しいです。しかし、年月が経てば必ず劣化が訪れるので、大規模修繕工事は避けられません。そのため、タワーマンションの大規模修繕工事に対して不安を抱えている方も多いでしょう。

そこで今回の記事では、大規模修繕工事をタワーマンションに行うのが難しい理由や、タワーマンションの大規模修繕工事を成功させる秘訣について解説していきます。

タワーマンションの大規模修繕工事とは

タワーマンションの大規模修繕工事とは、老朽化した建物の欠陥部分を補修でき、安心安全な生活を維持するための工事のことです。タワーマンションの大規模修繕工事は時間も手間がかかります。高額な費用がかかるからといって後回しにしていると、かえって費用がかさんでしまうなど、金銭的にも精神的にも大きなダメージを受けてしまうことになるでしょう。適切な時期に、適切な方法でタワーマンションの大規模修繕工事を行うことで、長期間快適に過ごせる状態を維持できるのです。

タワーマンションと中低層マンションの大規模工事で異なる点

タワーマンションと中低層マンションの大規模修繕工事には違いがあります。タワーマンションと中低層マンションの大規模修繕工事で異なる点は、以下の通りです。

  • 特殊な足場を利用する
  • かかる費用が違う
  • 工事の期間が異なる

特殊な足場を利用する

タワーマンションの大規模修繕工事では、中高層マンションの大規模修繕工事で使用するものとは違う、特殊な足場を利用します。そもそも足場とは、鋼管などで組み立てた、上に上がって高い場所で作業できるようにするための仮説構造物のことです。タワーマンションの大規模修繕工事では、「鉄製足場」「ゴンドラ」「移動昇降式足場」の3つを利用します。

鋼製足場

20階建て程度までのタワーマンションの場合、鉄製足場を利用して大規模修繕を行うことがあります。
しかし、21階建て以上の場合は作業員の転落事故が起きてしまうリスクがあり、安全面を確保できないので、鉄製足場の利用ができません。そのため、21階建て以上のタワーマンションでは、ゴンドラや移動昇降式足場を使うことが多いです。

ゴンドラ

タワーマンションの大規模修繕でゴンドラを利用する場合、屋上からワイヤーロープで吊り下げた足場に作業員が乗り、移動させながら大規模修繕を行います。
ゴンドラを使用すると、鉄やネットなどで建物を覆う必要がないので、居住環境にストレスを与えることなく作業できます。ただし、100%安全とは言えないので、安全を確保するためにも事前に十分な調査をする必要があるでしょう。

移動昇降式足場

21階建て以上のタワーマンションの場合、移動昇降式足場が利用されることもよくあります。移動昇降式足場とは、地面から屋上までレールを配置し、その間を作業員が乗った箱形の足場が移動するもののことです。ただし、移動昇降式足場は足場を地面から上下に移動させるレールを配置するので、免震装置のあるタワーマンションの場合は使用できないことがあります。

かかる費用

タワーマンションの大規模修繕工事は、一般のマンションよりも工事費が高くなることがあります。一般のマンションの場合、工事費用の相場は1戸当たり100万円ほどですが、タワーマンションの大規模修繕工事の費用の相場は1戸当たり125万円ほどです。
このように、タワーマンションの大規模修繕工事にかかる費用は一般のマンションに比べて20〜30%ほど高くなっているので、修繕積立金が足りなくなってしまうという問題が起こりやすいです。

工事の期間

100戸を超えるタワーマンションの場合、工期は6ヶ月~1年程度が目安です。
タワーマンションは、工事の期間も中低層マンションの大規模工事と異なります。タワーマンションは高層なので、どうしてもその日の天候の影響を受けやすく、工事できない日も出てきてしまうので、中低層マンションの大規模修繕工事に比べて長期に及びます。
また、ゴンドラや移動昇降式足場を使用する場合は、一度に乗れる人数が少ないうえに移動に時間がかかってしまうということもタワーマンションの大規模修繕工事が長期間に及んでしまう原因といえます。

タワーマンションの大規模修繕工事は難易度が高い

タワーマンションの大規模修繕工事は難易度が高いと言われているのですが、その理由は以下の通りです。

  • 合意形成が難しい
  • 劣化診断が難しい
  • 工事の難易度が高い
  • 工事費用の積立金が不足する場合が多い

合意形成が難しい

タワーマンションは世帯数が多いので、合意形成を取ることが難しいです。また、高層階と低層階では、大規模修繕に対する考え方のズレが生じることも多く、このことは合意形成が難しくなる原因となりやすいでしょう。さらに、大規模修繕工事を行うと、足場によってタワーマンションの魅力でもある外観の素晴らしさを損なうことがあります。このことも、合意形成が難しい理由の1つです。

劣化診断が難しい

大規模修繕工事を行う際、その建物がどれくらい劣化しているのかを事前に確認する必要があります。中低層マンションは目で確認することでどれくらい劣化しているのかをある程度把握できますが、タワーマンションの劣化状況を目視で確認することは難しいです。ゴンドラを利用すれば劣化診断できますが、費用も多くかかってしまいます。

工事の難易度が高い

タワーマンションは利便性が高く、多くの設備が備わっていることが魅力です。しかし、大規模修繕工事を行うときにはこのことが障壁となってしまいます。タワーマンションに備わっている設備は特殊な構造なので、修繕工事を行うには専門的な技術が必要になり、難易度が高くなってしまうのです。
また、タワーマンションの工事例はまだあまりなく、ノウハウが作り上げられていないことも工事の難易度が高い原因となります。

工事費用の積立金が不足する場合が多い

工事費用の積立金が不足する場合が多いということもタワーマンションの大規模修繕工事の難易度が高い理由となります。一般のマンションの場合は、建物の状況に合わせて積立金の値上げをするなど、将来不足することを予想して計画的に積み立てられています。しかし、タワーマンションの場合は、大規模修繕工事の実例が少ないので、劣化の速さや設備の材料の値上がりなどの予測が難しく、見積もりが甘くなってしまうことが多いです。そのため、工事費用の積立金が不足する場合が多くなってしまいます。

タワーマンションの大規模修繕工事周期

国土交通省が定めたマンションの大規模修繕工事の周期の目安は12年です。しかし、このガイドラインが定められたのは2008年のことで、近年では技術や材料の品質が向上しているので、周期が長くなっているマンションも多いです。タワーマンションにおいても、18年周期で大規模修繕工事を行うことが多くなっています。

タワーマンションで大規模修繕工事を成功させる秘訣

タワーマンションで大規模修繕工事を成功させるための秘訣は以下の通りです。

  • 工事の2~3年前から検討を進める
  • 実施の2年前には調査や点検を行う
  • 事前準備など全員に協力を仰ぐ

工事の2~3年前から検討を進める

タワーマンションの大規模修繕工事を成功させるためには、工事の2〜3年前から検討を進める必要があります。
工事費用の積立金不足はタワーマンションの大規模修繕工事において、最大の課題とも言えますが、工事の2〜3年前と、早い段階から検討を進めることで積立金不足を予防できます。また、前述の通り、タワーマンションの大規模修繕工事では合意形成が難しいので、早いうちに住民からの理解を得るための行動を取ることも重要です。

実施の2年前には調査や点検を行う

大規模修繕工事実施の2年前には調査や点検を行うことも、工事を成功させるために重要なことです。なぜ2年前には調査や点検を行う必要があるのかというと、どこにどのような劣化があるのかを早めに知ることで、「いつ工事を実施するか」「費用は具体的にどれくらい必要か」などを決定できるからです。調査の結果、劣化があまり進んでいなかった場合は、工事の時期を延期することもあるでしょう。

事前準備など全員に協力を仰ぐ

タワーマンションの大規模修繕工事を成功させるためには、居住者全員に協力を仰ぐことも必要です。居住者に工事について十分に説明し、協力してもらうことで工事日程に支障をきたすことを防げます。
例えば、ベランダで作業を行う際、ベランダに荷物が置いてあるとその日にする予定だった作業ができなくなります。しかし、住民に事前に説明し、その日はベランダに物を置かないように協力してもらうことで、こういった不都合が起きることを予防できるでしょう。

【まとめ】大規模修繕工事をタワーマンションへ行う場合は長期的な計画が重要

この記事では、タワーマンションに大規模修繕工事を行うのが難しい理由や、タワーマンションで大規模修繕工事を成功させるための秘訣について解説してきました。タワーマンションは工事の難易度が高いことや、一般のマンションよりも費用がかかることなどが原因で、大規模修繕工事を行うことが難しいということが分かっていただけたと思います。タワーマンションの大規模修繕工事を成功させるためには、早いうちから準備を進めておくことが重要なので、長期的な計画を立てるようにしましょう。

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