レイタンスとは?放置するリスクや除去方法をわかりやすく解説

レイタンス

「レイタンスってなに?」
「レイタンスは除去が必要?」
「レイタンスって発生頻度が少ないから除去は必要ない?」

このような方に向けて、今回の記事では、レイタンスについて・レイタンスを放置するリスク・レイタンスの除去方法について紹介していきます。レイタンスについて、いまいち理解できない方・放置している方・除去したい方は、この記事を読むことでレイタンスについての理解が深まります。ぜひ参考にしてみてください。

レイタンスとは

レイタンスとは、コンクリートを打ち砕いた際に、セメントや砂が原因となり、表面に堆積してできた薄い膜のことを言います。

コンクリートを打設すると、濁った水(ブリージング水)が表面に浮くようにして現れるのが特徴です。ブリージング水の中には砂など微細な粒子が混ざっており、濁った水(ブリージング水)が蒸発してしまうと、砂などが残って堆積し、コンクリートの表面に層が現れます。この層をレイタンスと言います。

レイタンスを放置するリスク

レイタンスは、セメントや砂が原因となって、表面に堆積してできた薄い膜のことを言います。そのため、非常にもろくて弱くなっています。

レイタンスを除去せずに塗装してしまうと、塗膜面に力が加わった際、レイタンスの層が壊れてしまい、ひび割れや浮きの原因になってしまいます。また、水漏れが発生してしまう原因にもなってしまいます。

コールドジョイントとの違い

コールドジョイントとは、古いコンクリートと新しいコンクリートとの間が、完全に一体化しない繋ぎ目のことです。

コールドジョイントが発生してしまうと、コンクリートの曲げ・強度・温度に影響を及ぼしてしまいます。曲げは健康なコンクリートと比べて、約70%以下になってしまうのが特徴です。

コールドジョイントが起こる原因としては、下記のことが原因として挙げられます。

  • バイブレータを垂直に挿入できていない
  • バイブレータを下層のコンクリートに10㎝未満で挿入している
  • バイブレータの挿入間隔が50㎝以上ある

打ち継ぎと打ち重ねの違い

「打ち継ぎ」と「打ち重ね」の違いは、古いコンクリートの状態によって変わります。下記をご覧ください。

  •  打ち継ぎ・・・硬くなったコンクリートの上から、新しいコンクリートを足すこと
  • 打ち重ね・・・硬くなる途中のコンクリートに、新しいコンクリートを足すこと

コンクリートが硬くなる前と後で言い方が違ってくるので、ぜひ覚えておきましょう。

レイタンスの除去方法

「レイタンスは時間がかかるから、除去するのはめんどくさい」
「レイタンスの発生は少ないから除去は必要ない」

このように考えている建設業の方も多いのではないでしょうか?レイタンスの除去を怠ってしまうと、後からひび割れや浮きの原因になってしまいます。レイタンスの除去をしなかったためにひび割れや浮きが生じてしまい、余計に時間がかかってしまった、という事例もあります。

とくにダム・止水性や水密性がある構造物を建てる際には、レイタンスの除去は必須と言えるでしょう。

レイタンスはワイヤーブラシでこすると簡単に除去が可能です。下記では、レイタンスを除去する5つの方法を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

レイタンス除去は硬化前と後どちらも可能

「レイタンスの除去は硬化前と硬化後、どちらがいいの?」

このような疑問を持っている方も、多いかと思います。結論から言うとコンクリートの硬化前と硬化後どちらでも可能です。

ですが硬化前に除去しておけば、作業の手間が比較的少ないので効果的と言えるでしょう。コンクリートの硬化前にレイタンスを除去することを「グリーンカット」と言います。省略すると「GC」と呼んでいる現場もあります。

また、コンクリートの硬化後のレイタンスを除去する場合は、特殊な機械を使用して削りながら落とす必要があります。

レイタンスを除去する5つの方法

硬化前のレイタンスを除去する5つの方法として、代表的なものが下記の通りです。

  • ブラッシング
  • 電気ハンマー
  • 高圧洗浄
  • 凝固遅延剤
  • 特殊合成樹脂エマルジョン

ブラッシングなど簡単に手作業でできる方法や機械を用いて除去する方法など、現場によって違ってきます。

下記で紹介する5つの方法のメリットやデメリットを理解しておくことで、現場に最適なレイタンス除去が行えるでしょう。

ブラッシング

レイタンス除去を手作業で行いたい場合は、ブラッシングが有効です。ブラッシングで除去していくと手で擦った際、コンクリートのカスがポロポロと剥がれ落ちていきます。

レイタンス硬化前であれば、柔らかいため簡単に落とすことが可能でしょう。ですが、ブラッシングは人の手での作業であるため、広い面積の除去を行いたい場合は不向きです。ブラッシングで除去する場合は、比較的小規模な施工に向いています。

電気ハンマー

コンクリートの表面にできたレイタンスの層を削り取る方法として、電気ハンマーが挙げられます。コンクリートの表面を削り取るのに有効なため、比較的小規模の部分に向いています。

一部分をピンポイントで除去したい場合におすすめです。大規模で広い範囲を除去したい場合には、下記で紹介している方法でぜひ試してみてください。

高圧洗浄

コンクリートが硬化する前にレイタンスを除去したいなら、高圧洗浄が効果的です。ですがコンクリートが柔らかい状態で行うと、落としすぎてしまうため作業時は気をつける必要があります。

高圧洗浄は、比較的労力を使わずに除去できるメリットがあります。コンクリートを打設して1日以内であれば、高圧洗浄機で除去が可能です。しかし、暑い夏場などは打ち継ぎ目処理剤と一緒に使用するのが望ましいでしょう。

凝固遅延剤

コンクリートが硬化する前にレイタンスを除去したいなら、凝固遅延剤が効果的です。凝固遅延剤は、コンクリートの硬化や凝固を遅らせる働きがあります。

また、確実にレイタンスを除去したいなら、凝固遅延剤がおすすめです。多くの場合、高圧洗浄機と一緒に使用する場合が多いです。使用方法としては、原料のまま使用し、コンクリートの表面にある濁った水(ブリージング水)が引いてから使用するようにしてください。

特殊合成樹脂エマルジョン

レイタンスを洗い流すことなく除去を簡単に行いたいなら、特殊合成樹脂エマルジョンが向いています。特殊合成樹脂エマルジョンをコンクリートの表面に散布すると、コンクリートの表面がポリマーコーティングされます。

ポリマーコーティングされると、レイタンスの層を強力にし、ひび割れを防いでくれるのが特徴です。水が使えずレイタンスの層を除去できない場合におすすめします。

【まとめ】レイタンスをきちんと除去して品質を保とう

いかがでしたか?レイタンスを放置したまま作業を進めてしまうと、びひ割れや浮きが発生してしまう可能性があります。

「レイタンスは時間がかかるから除去はめんどくさい」
「発生する頻度が少ないし、除去は必要ない」

このように考えている現場の方も多いかと思います。レイタンスは、面倒な作業ではありますが、建造物の強度を保つためにもしっかりと除去しましょう。また現場によって、レイタンスの除去方法は違ってきます。現場の指示に従って適切なレイタンス除去を行いましょう。

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