緑化工法とは?施工目的や依頼できるおすすめ企業10選などを紹介

緑化工法は植物の生育によって法面を保護し、自然環境と調和した景観を形成する手法です。雨水浸食や風化を防ぎ、さらにCO2の吸収効果による地球温暖化対策にも貢献します。しかし、崖崩れのリスクがある場合は構造物による補強が必要です。

この記事では、緑化工法の概要や施工目的、依頼できるおすすめ企業10社をご紹介いたします。ぜひ参考にしてください。

緑化工法とは

緑化工法とは、法面を植物で覆うことで保護を図る工法の総称です。植物の生育に適した地盤を整える基礎工で、主に土壌の安定と改良を行います。

必要に応じて排水工や防風工も含まれ、斜面では土壌の崩壊を防ぐために水路工や被覆工、擁壁工などが実施されることもあります。

緑化工法の目的

緑化工法の目的は、ヒートアイランド現象や温暖化の抑制、空気の浄化などを通じて環境改善を図ることです。侵食防止を通じて法面を保護するだけでなく、夏場の緑の確保や周辺景観との調和などの機能も求められます。

自然植生の回復を目指す場合、このプロセスには約60年の時間がかかるとされるため、計画的なアプローチが不可欠です。緑化の目的や求められる機能、植物の回復目標を明確に定めることが大切です。

主な緑化工法

主な緑化工法の種類は5つあります。

  • 種子散布工
  • 客土吹付工
  • 植生基材吹付工
  • 植生マット工
  • 植生シート工

それぞれの工法を正しく理解して、適切な方法を選定しましょう。

種子散布工

種子散布工は、散布する材料の厚さが1cm未満の薄い層で、のり面勾配が1:1.0より緩い箇所に適用される工法です。
主に種子や高度化成肥料、水や木質繊維(ファイバー)などが使用されます。しかし、施工直後の耐浸食性が低いため、粘着材や被膜剤などが浸食防止に使用されることもあります。

客土吹付工

客土吹付工は、種子肥料・土・水を混ぜたもの(種肥土)を、モルタルガン・エアーシーダーなどを使用して、1cm~3cmの厚みで吹付ける工法です。緑化基盤材(バーク堆肥)が使用され、種子の発芽率向上や法面表面の浸食防止に効果があります。

基礎工には、繊維網が使われ、1:0.8より緩勾配の箇所に適用されます。植物の種子だけでなく木本類の種子も使用でき、礫質土などの硬度の高い地盤にも施工可能です。

植生基材吹付工

植生基材吹付工(厚層基材吹付工)は、基盤材や種子、肥料、土、接合材、水を混ぜたものを、モルタルガン・ポンプなどを用いて3cm~10cmの厚みで吹付ける工法です。有機質系と土砂系に分かれます。

硬質基盤吹付工と軟質基盤吹付工が岩盤や礫質土(れきしつど)などの条件に応じて使用されます。最後に、発芽・生育までの時間が長くかかるため、注意が必要です。

植生マット工

植生マット工は、植生マットを法面にアンカーピンや止め釘などで地面と密着固定する工法です。施工直後から法面全体で大きな耐浸食性効果が期待でき、切土法面で主に用いられます。

植生マットは厚みと重さがあり、土壌硬度が27mm以下の粘性土や硬度が23mm以下の砂質土、法面勾配が1:0.8より緩勾配の場合に最適です。植生マットの材料には厚みのある不織布、紙、わら、すだれ、フェルトなどが使用されます。

植生マットには種子、肥料、生育基盤材が組み込まれており、一般的には一定間隔に肥料袋が取り付けられています。

植生シート工

植生シート工は、植生シートを法面に止め釘などで地面と密着固定させる工法です。植生シートはわら、むしろ、不織布、化繊ネット、水溶性紙などで構成されています。

適用できる勾配は、法面勾配が1:1.5より緩勾配が最適です。浮いている部分から浸食が起こる可能性があるため、施工方法には注意する必要があります。植生シートには種子・肥料・生育基盤材が限られており、肥料袋などの付属品は使用できません。

緑化工法を依頼できるおすすめ企業10選

ここからは緑化工法を依頼できるおすすめの企業10選をご紹介します。

日特建設株式会社

日特建設株式会社引用元:日特建設株式会社

日特建設株式会社の「自生種回復緑化工法」は、森林表土から採取した埋土種子を活用して、自然の植生を回復する革新的な工法です。生物多様性の保全に貢献し、地域の植生を再生する際に、他の地域からの植物材料を使用せずに済みます。

特に郷土種や自生種の再生が求められる場所や、外部からの植物の導入が禁止されている国立・国定公園の特別保護地区などに適しており、自然林など樹木に囲まれた地域でも有用です。

\ 1分でお問い合わせ完了 /
まずは無料相談してみる

ムサシ建設工業株式会社

ムサシ建設工業株式会社引用元:ムサシ建設工業株式会社

ムサシ建設工業株式会社は昭和47年の設立以来、常に新しい技術の研究・開発を推進し、道路・鉄道・ダムなどの公共事業を含む多様な建設プロジェクトを支えてきた企業です。独自に開発した多くの特許工法が、工事の省力化や環境保全の面で理想的な解決策として注目されています。

「強く、美しく」というコンセプトを全ての発想の出発点に据え、法面保護工事の分野に積極的に取り組み、その力を発揮しています。

東急建設株式会社

東急建設株式会社引用元:東急建設株式会社

東急グループである東急建設株式会社は、生活者に安心で快適な生活環境を提供することをモットーに幅広い事業を展開してきた企業です。その一環である「クラピア緑化工法」は、被覆後の雑草低減や生態系保全、多様な条件の土壌でも生育可能なメリットを持っています。

この工法は、大面積への低コストな植栽を可能にする吹付工法(NETIS登録番号KT-180151-A)として確立され、20万㎡の実績があります。さらに、中小面積に適したミキシング工法やマット工法も開発され、様々なニーズに対応可能です。

東興ジオテック

東興ジオテック引用元:東興ジオテック

東興ジオテックは高松コンストラクショングループの一員として、専門性の高い技術を持ち、建築・土木プロジェクトに参画しています。同社が提供する「原風景緑化工法」は、国内産の在来草本種子を利用し、地域の生態系と生物多様性に配慮しながら、法面を素早く緑化します。

イネ科外来牧草類と同様の速さで緑化が可能な上、日本の原風景である草原の景観を再現できます。外国産在来種を使用せず、国内産の在来草本種子を採用するため、地域の生態系と生物多様性に配慮した法面緑化が可能です。外来イネ科牧草類を用いないため、法面が野生動物の餌場となるリスクが大幅に低減できます。

富士見工業株式会社 環境緑化事業本部

富士見工業株式会社 環境緑化事業本部引用元:富士見工業株式会社 環境緑化事業本部

富士見工業株式会社は設立75年以上の歴史を持ち、有機肥料分野では業界トップクラスのシェアと知名度を誇っています。企業理念は「土から生まれたものを土に返す」であり、さまざまなニーズに合わせた緑化工法を提供しています。全国各地に支店があるため、依頼が容易である点も魅力です。

ライト工業株式会社

ライト工業株式会社引用元:ライト工業株式会社

ライト工業株式会社は、斜面防災や地盤改良、インフラ施設の補修・補強、土壌汚染対策などの特殊土木と呼ばれる分野において優れた技術を持つ企業です。

同社の提供する「のり面緑化工法」は、植生基盤をのり面に造成して植物を生育させ、雨水による浸食を防ぎます。さらに、地表面の温度変化を和らげ、寒冷地でののり面の凍結・融解による表層崩壊を防止します。

株式会社大林組

株式会社大林組引用元:株式会社大林組

大林組は世界的な技術力を持つスーパーゼネコンであり、特に高層ビルの施工においての能力が顕著です。平成28年度、「木片コンクリートによる斜面の緑化対策技術の研究」にて土木学会賞を受賞した経歴を持ちます。

同社が提供する「チップクリート緑化工法」は、強酸性土壌や岩盤などの斜面でも緑化が可能です。伐採材チップをセメントミルクでコーティングし、チップクリートとして固結させます。これにより、斜面やコンクリート面に植生基材を吹き付けることができ、従来難しかった緑化が可能になります。

イビデングリーンテック株式会社

イビデングリーンテック株式会社引用元:イビデングリーンテック株式会社

イビデングリーンテック株式会社は、法面事業を主軸に活躍している企業です。国内の主要都市に複数の事業拠点を持っています。法面事業の他に、造園事業や土木事業、造園資材の販売を行っています。

法面事業においては「イビコンポグリーン工法」や「ウィングロック植生工法」など、顧客のさまざまなニーズに合わせた工法を複数提供しています。

中部緑化株式会社

中部緑化株式会社引用元:中部緑化株式会社

愛知県を拠点とする中部緑化株式会社は、法面保護工事を主力とした事業展開を行っています。緑化資材の販売や造園工事も手がけ、種子散布(吹付)工や客土吹付工など、多岐にわたる法面工事を提供しています。幅広い実績を有する企業です。

イガリ建設株式会社

イガリ建設株式会社引用元:イガリ建設株式会社

北海道に本社を構えるイガリ建設株式会社は、すき取り土の有効活用に注力しています。同社が提供するOM緑化工法は、E・C・S工法と併用し、一般廃棄物として処理されていたすき取り土を再利用して法面緑化工事の植生基盤材(客土)として活用します。

この取り組みにより、省資源・省エネルギーなど循環社会の理念に則った緑化工事が実現可能です。他にもさまざまな緑化工法を提供しています。

【まとめ】緑化工法は自然環境や景観維持・地球温暖化対策に有効

緑化工法は、自然環境や景観維持、地球温暖化対策としても非常に有効です。植物の生育によって法面を保護できるので、自然環境と調和した景観を形成できます。

しかし、自然を相手にした工法であるため、計画的なアプローチが不可欠です。事前に緑化の目的や求められる機能、植物の回復目標を明確に定めましょう。不安点はプロの業者に相談してみるのも有効です。

※弊社の営業代行サービスであるツクノビセールスでは、
【効果が出なければ全額返金プラン】を新たにスタートさせました!

詳しくは👆👆👆のバナーをクリック!!