建設業のドローン導入に使える補助金・助成金6選!注意点も解説

建設業 ドローン 補助金

建設現場の作業の効率化や、安全性向上のために、ドローンの活用を考える建設業者が増えてきています。しかし、導入コストや運用ノウハウが不足していて、ドローンの導入を諦める方も多いでしょう。

実は、建設業界にドローンの導入を後押しする様々な補助金・助成金が用意されています。本記事では、建設業でドローンを導入するときに活用できる6つの補助金・助成金を紹介します。申請時の注意点も解説するので、ぜひ最後まで読んでみてください。

建設業でのドローンの活用方法

建設業におけるドローンの活用は、業務の効率化と安全性の向上に役立ちます。その用途は多く、現場の様々な場面で活躍します。

注目すべき活用方法は、施工管理や点検・メンテナンス、そして測量作業です。これらの作業でドローンを導入すると、人手不足の解消や作業時間の短縮、危険箇所の作業リスクの軽減が可能です。それぞれのドローン活用の具体例を解説していきます。

施工管理

ドローンを活用すると、高所からの視点で現場全体を把握できるため、地上からの目視確認では難しかった場所の確認が簡単にできます。

施工管理では日々の現場状況の確認が重要であり、直接足を運ぶとなると現場監督者の労力や時間が奪われ、非効率でした。ドローンを使えば、高所からの画像や動画によって現場を把握できるため、施工管理が効率的に進みます。主に、以下の業務が短縮されます。

  • 工事進捗状況の記録・管理
  • 現場全体の安全確認を短時間で実施
  • 空からの視点で資材の配置状況を確認
  • 効率的な動線計画の立案

これらをドローンで活用することで、現場監督者の負担軽減と施工品質の向上に期待できます。ドローンを施工管理に導入すれば、建設現場全体の効率作業を高めることができます。

点検やメンテナンス

建築物の点検・メンテナンスにおいて、ドローンの活用は現場担当者の安全性を高めるのに役立ちます。他にも、足場を組み立てる費用の削減や時間短縮ができることもメリットです。具体的に以下のように活躍します。

  • 危険な場所に立ち入る必要がなく、転落などのリスクを軽減
  • 足場の設置や特殊車両の手配が不要になり、費用削減
  • 広範囲を短時間で撮影・点検できるため、作業時間を短縮
  • 高解像度カメラやズーム機能により、細部まで記録可能

ドローンを活用することで、橋梁やダムの点検・高層ビルの外壁検査・太陽光パネルの劣化診断などあらゆる場面で作業効率が上がります。早期の異常発見と対策が可能となり、ドローンの恩恵を最大限活用できます。

測量

ドローンを活用すると、従来の測量方法と比べて、より迅速かつ正確なデータ収集が可能です。具体的に以下のように活躍します。

  • 広範囲を短時間で測量可能
  • 人が立ち入りにくい危険な場所でも測量可能
  • 高精度な3Dマッピングが可能
  • データの取得から処理までの時間短縮

地形測量や土量測量が広範囲で可能なので、現場担当者が足を運ぶ必要がありません。3Dモデルを作成すれば、地形や土量を正確に計算できます。
このようにドローンは、建設業における様々な場面で活用されます。

建設業のドローン導入に使える補助金・助成金6選

建設業界でのドローン活用が広まる中、導入したくてもコストの課題に直面する企業も少なくありません。

そこで、政府や地方自治体は、ドローン技術の普及を後押しするため、様々な補助金や助成金制度を設けています。

ここでは、建設業におけるドローン導入を支援する6つの補助金・助成金制度をご紹介します。これらの制度を活用することで、初期投資の負担を軽減し、ドローン活用で業務効率向上を実現できるでしょう。

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者の製品・サービス開発や生産プロセスの改善を支援する制度です。建設業におけるドローン導入にも活用可能です。ドローン導入への適用例としては、以下の方法があります。

  • ドローンを使用した新しい建設管理手法の開発
  • AI技術とドローンを組み合わせた自動点検システムの導入

申請する際は、具体的にどのような生産性向上や競争力強化が見込めるかを明確に示します。単なる機器の購入ではなく、新たな事業展開や業務改善につながることを強調する必要があります。

ものづくり補助金を活用することで、建設業におけるドローン導入の初期コストを抑え、より効率的な事業展開を図れます。ただし、競争率が高い補助金のため、事業計画の独自性や実現可能性を十分に検討し、説得力のある申請を行うことが重要です。

対象

ものづくり補助金の対象となる事業者は以下の通りです。

  • 製造業、建設業、運輸業:資本金3億円以下、常勤従業員300人以下
  • 卸売業:資本金1億円以下、常勤従業員100人以下
  • サービス業:資本金5,000万円以下、常勤従業員100人以下
  • 小売業:資本金5,000万円以下、常勤従業員50人以下
  • ゴム製品製造業:資本金3億円以下、常勤従業員900人以下
  • ソフトウェア業又は情報処理サービス業:資本金3億円以下、常勤従業員300人以下
  • その他の業種:資本金3億円以下、常勤従業員300人以下

建設業においては、多くの中小企業や個人事業主がこの対象に該当するため、ドローン導入を検討している場合は積極的に申請を検討してみてください。

補助金額

ものづくり補助金の補助上限額は通常1,000万円で、補助率は原則1/2です。ただし、小規模事業者や特定の条件を満たす事業者は2/3の補助率となる場合があります。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者の販路開拓等の取り組みを支援する制度です。建設業におけるドローン導入にも活用可能で、ものづくり補助金の対象にならないような小規模事業者のドローン活用に使用できます。

ドローン導入への適用例としては、空撮サービスの新規展開によるPR活動やドローンを活用した測量・点検サービス、工事現場の進捗管理のためのドローン導入などです。経営計画書を提出して、年に数回の公募に応募します。事業の成長や効率化に繋がる計画であることが重要です。商工会や商工会議所のアドバイスを受けながら、効果的に申請を進めましょう。

対象

小規模事業者持続化補助金の対象者は、商業・サービス業で従業員5人以下、製造業その他では20人以下の事業者です。

補助金額

補助金額は以下の通りです。

  • 通常枠:補助上限50万円、補助率2/3
  • 賃金引上げ枠:補助上限、200万円、補助率/3
  • 卒業枠 ・補助上限200万円、補助率2/3
  • 後継者支援枠:補助上限200万円、補助率2/3
  • インボイス枠:補助上限100万円、補助率⅔

賃金引上げや事業承継などの計画がある場合は、より高額の補助を受けられる可能性があります。

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、新型コロナウイルスの影響を受けた事業者が、新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取り組みを通じて、事業を再構築することを支援する制度です。建設業におけるドローン導入にも活用可能で、ドローンを活用した新たな測量・点検サービスの立ち上げ、AI技術とドローンを組み合わせた自動化システムの導入などで使用できます。

申請は、事業計画を作成し「新しい取り組み」であることを示す必要があります。付加価値額の年率平均3%以上の増加など、数値目標の設定が必要です。

対象

事業再構築補助金の対象となる事業者は、再構築の定義にあてはまる企業です。要件は以下の通りです。

  • 申請前の直近6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している
  • 事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む必要がある
  • 補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%以上増加、または従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定する

申請時点で事業を実施していることが条件となります。建設業においても、これらの条件を満たす事業者であれば申請が可能です。ドローン導入を通じた事業再構築を検討している場合は、自社が対象となるか確認してみてください。

補助金額

事業再構築補助金の補助金額は、申請する枠や企業規模によって異なります。以下に主な枠と補助金額をまとめます:

  • 通常枠:中小企業100万円~8,000万円(補助率2/3)、中堅企業100万円~1億円(補助率1/2)
  • 大規模賃金引上枠:中小企業8,000万円超~1億円(補助率2/3)、中堅企業:1億円超~1.5億円(補助率1/2)
  • 回復・再生応援枠:中小企業100万円~1,500万円(補助率3/4)
  • グリーン成長枠:中小企業100万円~1億円(補助率1/2)、中堅企業100万円~1.5億円(補助率1/3)
  • 最低賃金枠:中小企業100万円~1,500万円(補助率3/4)
  • 産業構造転換枠:中小企業100万円~1億円(補助率1/2)、中堅企業100万円~1.5億円(補助率1/3)

補助金額は申請内容と審査結果により決定されます。建設業でドローン導入を検討する場合、事業計画の規模や目的に応じて最適な枠を選択してください。

IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等の生産性向上を目的として、業務効率化やデジタル化を支援する制度です。建設業におけるドローン導入にも活用可能で、ITツールの導入やPC・タブレット等のハードウェア購入などに充てられます。

ドローン導入への適用例として、ドローン運用管理ソフトウェアの導入や空撮データ解析・3Dモデリングソフトの購入などで活用できます。

IT導入補助金は、建設業におけるドローン活用を効果的に支援する制度です。特に、ドローンの運用に必要なソフトウェアやクラウドサービスの導入に適しています。ただし、ドローン本体の購入には使用できないため、他の補助金と組み合わせて活用することも検討しましょう。

対象

IT導入補助金の対象となる事業者は中小企業者や小規模事業者で、以下の通りです。

  • 製造業、建設業、運輸業他:資本金3億円以下または従業員300人以下
  • 卸売業:資本金1億円以下または従業員100人以下
  • サービス業:資本金5,000万円以下または従業員100人以下
  • 小売業:資本金5,000万円以下または従業員50人以下
  • 小規模事業者:商業・サービス業では従業員5人以下、製造業その他では従業員20人以下の事業者

建設業においても、これらの条件を満たす事業者であれば申請が可能です。

補助金額

IT導入補助金の補助金額は、申請する枠によって異なります。主な枠と補助金額は以下の通りです:

  • 通常枠:補助額5万円~450万円、補助率:1/2
  • セキュリティ対策推進枠:補助額5万円~100万円、補助率:1/2

他にも、インボイス制度に対応した補助金もあり、内容によって異なりますが最大350万円以下で補助金を受け取ることができます。

働き方改革推進支援助成金

働き方改革推進支援助成金は、中小企業・小規模事業者等が労働時間の短縮や生産性の向上に向けた取り組みを行う際に、その費用の一部を助成する制度です。建設業におけるドローン導入にも活用可能で、遠隔操作によるドローン活用で移動時間の削減などで活用できます。

申請時は、具体的な労働時間短縮や生産性向上の計画を立てる必要があります。ドローン導入を通じて作業効率を上げ、労働時間の短縮や労働環境の改善を図る建設業者であることを伝えましょう。

対象

働き方改革推進支援助成金の対象となる事業者は以下の通りです。

  • 製造業、建設業、運輸業ほか:資本金3億円以下または従業員300人以下
  • 卸売業:資本金1億円以下または従業員100人以下
  • サービス業:資本金5,000万円以下または従業員100人以下
  • 小売業:資本金5,000万円以下または従業員50人以下

申請要件としては、労働保険に加入していて、定められた要件を満たしていることです。例えば、特定の労働管理制度の導入などです。

補助金額

働き方改革推進支援助成金の補助金額は、設定した成果目標によって異なります。3つの成果目標を立てて、達成状況により支給されます。成果目標は以下の通りです。

  • 1:36協定について、時間外・休日労働時間数を縮減し、月60時間以下、又は月60時間を超え月80時間以下に上限を設定
  • 2:年次有給休暇の計画的付与の規定を新たに導入
  • 3:時間単位の年次有給休暇の規定を新たに導入し特別休暇の規定を導入

補助金額について、成果目標1は100万円~200万円、成果目標2と3では25万円です。

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金は、従業員のスキルアップや能力開発を目的とした教育訓練を実施する制度です。建設業におけるドローン操縦者の育成にも活用可能です。

職業能力開発促進法による認定訓練や一般訓練コースなどがあり、ドローンにおいては、ドローン操縦技能講習の受講やドローンを活用した測量技術の研修などで活用できます。

ドローン技術の急速な進歩に対応するため、継続的な従業員のスキルアップが求められる中、費用の一部を助成してくれるこの制度は大きな支援です。

対象

人材開発支援助成金の対象となるのは、雇用保険に加入している事業主であることです。具体的には、以下の業種ごとの資本金と従業員の基準によります。

  • 製造業、建設業、運輸業ほか:資本金3億円以下または従業員300人以下
  • 卸売業:資本金1億円以下または従業員100人以下
  • サービス業:資本金5,000万円以下または従業員100人以下
  • 小売業:資本金5,000万円以下または従業員50人以下

建設業においても、これらの条件を満たす事業主であれば申請が可能です。

補助金額

人材開発支援助成金の補助金額は、申請するコースや企業規模によって異なります。主なコースと補助金額は以下の通りです。

  • 特定訓練コース:経費助成45%、賃金助成960円(時間)
  • 一般訓練コース:経費助成:30%、賃金助成380円(時間)

建設業でドローン操縦者や関連技術者の育成を計画する場合、訓練の内容や対象者に応じて最適なコースを選択して補助金を受け取りましょう。例えば、専門的なドローン操縦技術の習得であれば「特定訓練コース」、基本的なドローン知識の習得であれば「一般訓練コース」が適しています。

建設業のドローン導入に使える補助金・助成金の注意点

建設業のドローン導入に使える補助金・助成金の注意点を解説します。補助金・助成金の申請は、申請書類の準備、審査、交付決定などあらゆる手順を踏んで助成金を受け取ります。ドローン導入の計画を立てる際は、この時間的な遅れを考慮する必要があります。注意点を詳しく解説します。

補助金が交付されるまで時間がかかる

補助金・助成金の申請から交付までは、予想以上に時間を要します。一般的な流れは以下のようになります。

  1. 申請書類の作成と提出(1〜2ヶ月)
  2. 審査期間(2〜3ヶ月)
  3. 交付決定の通知(審査後約1ヶ月)
  4. 事業の実施(計画による)
  5. 実績報告書の提出(事業完了後1〜2ヶ月)
  6. 確定検査(1〜2ヶ月)
  7. 補助金の交付(検査後1〜2ヶ月)

このように、申請から実際に補助金が交付されるまでに半年から1年以上かかることも珍しくありません。そのため、ドローン導入を計画する際は、時間を考えて進めて、自己資金での先行投資や、つなぎ融資の活用なども検討する必要があります。

事務処理は適切に行う

補助金・助成金の申請・管理には、適切な事務処理が必要です。誤記や不備は審査の遅延や不採択の原因となるので注意してください。領収書、請求書、納品書などすべての関連書類を適切に保管しないといけません。もし、事業計画に変更が生じた場合は、速やかに助成機関に報告して承認を得ましょう。

虚偽申請や目的外使用は厳しく罰せられるため、ルールを厳守してください。

対象期間に注意する

補助金・助成金には、通常、対象期間が設定されています。この期間外に発生した費用は、補助の対象とならないため注意が必要です。

対象期間は通常、交付決定日から事業完了日までですが、制度によっては申請日以降の費用を認めるものもあります。計画時には、機器の納入時期や工事の完了時期などを考慮して、対象期間内に全ての事業が完了するようにしましょう。

測量におすすめの測量用ドローンレーザー機は「Zenmuse L2」

Zenmuse L2(ゼンミューズエル2)はDJI社製の測量用ドローンレーザー機です。飛行ルートの自動生成や測量の際の離陸から着陸も自動でできるため、誰でも操作しやすいのが特徴です。また、出来形測量の要求精度を満たす高精度を誇るだけでなく、従来のドローンと比較してコストも10分の1と安価に導入できるのも魅力です。

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【まとめ】建設業でドローン導入するときは補助金や助成金を上手に活用しよう!

建設業でのドローン導入は、業務効率化や安全性向上につながります。しかし、初期投資のコストが壁となる場合もあります。そこで、各種補助金・助成金を賢く活用することが重要です。

本記事で紹介した6つの補助金・助成金は、それぞれ特徴があり、ドローン導入の様々な側面をサポートしています。適切な補助金・助成金を選択し、要件を満たした上で申請することで、ドローン導入のコストを抑えつつ、建設業の生産性向上に期待できます。

これらの制度は定期的に変更されるため、最新の情報を常にチェックしてください。
ドローン技術の進化は建設業に大きな影響をもたらします。補助金・助成金を上手に活用し、積極的にドローンを導入しましょう。

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