建設業法とは?目的や違反したときの罰則をわかりやすく解説!

建業法は、建設業者の資質向上や工事契約の適正化を目指して作られた法律です。

建設業に携わる人々にとって非常に重要な法律ですが、内容を正確に理解していない人もいるのではないでしょうか。もし法律に違反した場合のリスクや影響について不安や疑問を持っている人もいるでしょう。法律を理解していなかった場合、知らないうちに建設業法違反で告発されることもあるかもしれません。

そこで今回は、建設業法の概要や目的、違反したときの罰則などをわかりやすく解説します。建設業法について学びたい方は、ぜひ参考にしてください。

建設業法とは?わかりやすく解説

建業法とは、建設業者の資質向上や、建設工事請負契約の適正化等を図るための規制を定めた法律です。

安全で安心な工事環境を確保し、発注者と受注者の間での適切な見積もりや依頼について詳細に規定しています。

建設工事における契約の適正化は、工事の適正な実施を確保し、下請け業者や取引業者などを保護することにつながります。建業法には罰則があり、違反した場合は厳しい刑罰が科されることもあります。

そのため、事前に建設業法の内容を把握しておくことが重要です。

建設業法の目的

 

建設業法は公共の福祉を増進することを最終目的としており、目的達成のための理念として以下の2つが挙げられています。

  1. 建設業者の資質向上
  2. 建設工事に関する契約の適正化

建設業者の行動規範を確立することで、財務基盤の強化や統治体制の整備に役立ちます。

建設業は、他の産業とは異なる特性があり、また、中小・零細企業が多く、古いやり方が残っている場合もあります。元請業者と下請業者の間で問題が起きることもあるため、建業法はトラブルを予防することにも役立ちます。

建業法を遵守することで、建設業者の資質向上と契約の適正化が促進され、最終的には公共の福祉の増進に生かせます。

2020年の法改正

2020年10月1日に建設業法が改正されました。約25年ぶりとなる大幅な改正となり、働き方改革の促進や、現場の生産性向上のための項目が追加されています。

改正の背景となったのは、建設業界の人手不足問題です。

厚生労働省の資料によれば、現在、建設業に従事している労働者のうち、60歳以上が26%を占め、29歳以下の若年層は11.6%です。高齢化が進み、10年後には大量離職が見込まれることから、将来の担い手不足が懸念されています。

そこで建設業界でも「働き方改革」を取り入れ、労働環境を改善して人材確保を目的とし、建設業法が改正されました。

また、法改正に伴う11のポイントは以下の通りです。

  1. 不当に短い工期による請負契約の締結禁止
  2. 工期に影響を及ぼす事項については事前の情報提供の義務を課す
  3. 工事工程の細目を明らかにして見積もりを提示する努力義務を課す
  4. 下請け代金のうち労務費相当分を現金での支払い義務を課す
  5. 契約書面内に工事を施工しない日・時間帯を定める
  6. 施工現場の技術者(監理技術者・主任技術者)のルール合理化
  7. 認可行政庁が、資材製造業者に向け改善命令や改善勧告を行える
  8. 許可要件から5年以上の経験者を除外。経営義務管理責任者に係るルールを合理化
  9. 合併や事業譲渡等の際の事前認可手続きを新設。円滑な事業継承を推進する仕組み構築
  10. 下請け業者が違法行為を告発した場合、下請け業者が不利益を被る取り扱いを禁止
  11. 工事現場における下請け業者の建設業許可掲示義務を緩和する

法律は時代の経過とともに度々改正されるため、その内容を常に把握しておくことが大切です。

建設業法の3つのルール

建設業法は建設業の根幹を成す法律のため、ありとあらゆるルールが定められています。

違反した場合には罰則が科されることがあります。

ここでは、その中でも主要な3つのルールを紹介します。

  1. 建設業の許可
  2. 建設工事の請負契約に関する規制
  3. 監理技術者や主任技術者の配置

国土交通省が発行しているガイドラインでは、具体的に取るべき行動や法律違反となってしまう行動などが明記されています。詳細を知りたい方は、ぜひご参照ください。

建設業の許可

建設業を始める場合は、建設業法の第三条に基づいて建設業を行うための許可を取得する必要があります。

ただし、軽微な建設工事のみを請け負う場合は許可は不要です。また、自分で使う建物の工事などで建設請負契約を結ばない場合も、許可は必要ありません。

建設業は29種類の業種に分かれており、各業種ごとに許可を取得する必要があります。

一部の業種の許可を持っていても、該当しない業種の工事を請け負う場合は、別途許可が必要ですので注意してください。

請負契約の内容

工事請負契約書に記載する内容は、建設業法で定められています

建設業法(同法19条1項)では、以下の16項目について必ず書面を作成して交付することが義務付けられています。

  1. 工事内容
  2. 請負代金の額
  3. 工事着手の時期及び工事完成の時期
  4. 工事を施工しない日・時間帯
  5. 請負代金の全部又は一部の前金払又は出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期及び方法
  6. 当事者の一方から設計変更又は工事着手の延期若しくは工事の全部若しくは一部の中止の申出があつた場合における工期の変更、請負代金の額の変更又は損害の負担及びそれらの額の算定方法に関する定め
  7. 天災その他不可抗力による工期の変更又は損害の負担及びその額の算定方法に関する定め
  8. 価格等の変動若しくは変更に基づく請負代金の額又は工事内容の変更
  9. 工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担に関する定め
  10. 注文者が工事に使用する資材を提供し、又は建設機械その他の機械を貸与するときは、その内容及び方法に関する定め
  11. 注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並びに引渡しの時期
  12. 工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法
  13. 工事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任又は当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置に関する定めをするときは、その内容
  14. 各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金
  15. 契約に関する紛争の解決方法
  16. その他国土交通省令で定める事項

ただし、5.10.13に関しては、特定の行為を定める場合にのみ記載が必要になるため、特に定めない場合は記載する必要はありません。

また、契約書のタイトルは「工事請負契約書」とし、契約の旨を明記します。各条項を記入し、最後に日付を入れ、当事者の住所と氏名を記入し、押印します。

主任技術者・監理技術者の専任義務

建設業者は、工事を行う際に技術管理のために主任技術者を配置する必要があります。また、請負金額が一定以上の場合は監理技術者も配置する必要があります。

主任技術者は、現場作業の責任者であり、工事の技術的な管理を担当します。このポジションには、特定の試験に合格した人、あるいは一定の実務経験を積んだ人、または国土交通省からの認定を受けた人が必要です。

監理技術者も同様に、工事現場における技術的な管理を担当しますが、主任技術者よりも上位の資格にあたります。

建設業法に違反したときの罰則(ペナルティ)

建設業法に違反・規定を守らなかった場合には、ペナルティの対象となる場合があります。主なペナルティは以下の通りです。

  • 建設業許可の取り消し
  • 営業停止処分
  • 刑事罰

業者名や処分内容が建設業者処分簿に記載され、国土交通省及び各都道府県の閲覧所に設置され誰でも閲覧可能になります。営業停止や許可の取消については、官報や公報にも公告されます。

顧客の信頼を失うだけでなく、元請会社や下請会社からの賠償問題など甚大な損害が発生する可能性があります。

違反に対する罰則は厳しいため、しっかりと遵守するよう努めましょう。

建設業許可の取り消し

建設業法に違反したり重大な規定違反があったり、営業停止処分に違反した場合、国土交通大臣や都道府県知事によって建設業許可が取り消されることがあります。

また、建設業としての許可基準を満たしていない場合や、1年以上の営業休止期間がある場合も、取り消しの措置が取られます。

建設業許可を失うことは、業者にとって非常に厳しいペナルティです。

建設業許可が取り消されてしまうと、最悪の場合には5年間再取得できないこともあるため、自社の事業の継続が難しくなるでしょう。

そのため、建設業者は建設業許可を維持できるように事業体制を管理していくことが大切です。

営業停止処分

建設業法の規定に違反した場合、一定期間の営業停止処分が出されます。

通常、営業停止処分を受ける前に、国土交通大臣もしくは都道府県知事から是正のための指示が通達されます。その指示に従わない場合、営業停止処分を受ける可能性があります。

また、一括下請負禁止規定違反、独占禁止法や刑法など他の法令に違反した場合には、指示処分無しで営業停止処分を受けることもあります。

営業停止処分を受けると、一定期間(1年以内)、建設業での営業を行えなくなります。

なお、営業停止処分に従わずに営業をしていたり、不正な手段で建設業許可を取得した場合 などには、建設業許可の取消がされます。

極めて悪質な指示処分や営業停止処分の場合、いきなり許可の取消処分を受ける場合もあります。

刑事罰

建設業法に重大な違反がある場合や、刑事的な違反がある場合、業者や関係者には刑事罰が科せられることがあります。

建設業法違反により科される罰則と、具体的な違反行為の内容は以下の通りです。

3年以下の懲役または300万円以下の罰金 ・建設業許可を受けずに無許可営業
・特定建設業許可を受けずに下請契約を締結
6か月以下の懲役または100万円以下の罰金 ・建設業許可の申請書等に虚偽内容を記載
・変更届が未提出
100万円以下の罰金 ・主任技術者や監理技術者の無配置
10万円以下の過料となる場合 ・建設業を廃止後30日以内の廃業届が未提出

重大な違反行為に対しては、かなり重い罰則が科されます。

他にも建設業での詐欺や建築基準法の重大な違反、安全規定の無視などが該当します。

【まとめ】建業法とは建設業者が円滑に業務を行えるようにするための法律!

本記事では、建設業法の概要、目的、主な規制内容、違反した場合の罰則などを一挙に紹介しました。

建業法とは、建設業法の略で、建設業者の資質向上や建設工事の契約適正化を促進するために制定された法律です。建設業者は国土交通省や都道府県知事から許可を受け、建業法の規定を順守しなければなりません。

違反すると、行政処分などのペナルティが科せられる可能性があります。

これらの罰則は、建設業の規制と安全確保を目的としています。法の順守は非常に重要であり、罰則は法の守りを促進するために存在します。

法律をしっかり理解し、守ることが重要です。

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