一人親方が仕事中に怪我をした場合の労災申請の手順とは?申請時の3つのポイントも徹底解説!

一人親方 労災保険 手順

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仕事で予期せぬ怪我をしてしまった際に利用する労災保険。会社員の方には当然適用されますが、一人親方の場合も利用できるのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

一人親方が労災保険を利用するには、いくつか手順が必要です。事前に確認し、もしもの時に備えておきましょう。

今回の記事では、一人親方が仕事中に怪我をした際の労災申請の手順についてご紹介します。申請時に抑えておきたい3つのポイントや必要な書類も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

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そもそも一人親方が仕事中に怪我をした場合、労災保険って適用されるの?

「そもそも一人親方って労災保険が適用されるの?」と思う方も多いでしょう。会社に雇われていれば、労災保険への加入が義務となっています。しかし、一人親方の労災保険への特別加入は任意です。

一人親方が労災保険に特別加入していれば保険は適用されます。しかし、加入していなければ当然保険は適用できず、補償も受けられません。そのため、一人親方として仕事を請け負い工事などを行おうと考えている方は、もしもの時のために必ず労災保険に特別加入しておくのがおすすめです。

ここからは保険が適用される詳しい条件などをご紹介します。

元請の労災保険は適用不可

一人親方は請負契約をして仕事を行いますが、元請会社の労災保険は原則として適用されないので注意しましょう。元請会社の労災保険が適用されるのは、雇用契約をしている従業員のみになります。

ただし、一人親方が仕事で怪我をした際は、元請に事故報告をするのが必須です。元請に過失があった場合、損害賠償の請求先にできる可能性もあります。

労基署が認めた場合は適用可能

仕事中に起きた業務災害・通勤災害が労災保険の対象となるかどうかは、労働者災害補償保険法などで定められており、労働基準監督署が認めた事由のみ労災の対象となります。

対象になる業務・通勤災害は、一人親方と雇用契約をしている従業員とで異なりますので、現場では労災の対象にならない作業を行わないようにしましょう。

一人親方が労災保険に特別加入していれば適用

一人親方が労災保険を利用する場合は、労災保険への特別加入が条件になります。特別加入とは、会社員以外の方でも例外的に入れる保険制度です。国から労働者として認められていれば、任意で加入できるのがポイントです。

労災保険に特別加入できるのは、第一種〜第三種に該当する方たちです。一人親方は第二種に該当するため加入できますが、業種が限定されているので注意しましょう。

また、怪我をしたあとに特別加入の手続きを行っても、労災保険は適用されません。一人親方として仕事を始めようとしている方は、事前に特別加入しておく必要があるので注意しましょう。

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一人親方が労災保険に加入するには

一人親方が労災保険に加入するためには、特別加入団体に所属して申請を行う必要があります。これは、特別加入団体が事業主となり、一人親方をいわば労働者とみなすことで、個人事業主である一人親方にも労災保険が適用される仕組みとなっているためです。

特別加入制度を利用すれば、一人親方であっても、労働者と同様の労災保険で労働災害による怪我などをフォローできます。

一人親方が仕事中に怪我をした場合の労災申請の手順

一人親方が仕事中に怪我をしてしまった際は、3つの手順で労災申請を行いましょう。主な手順は、

  1. 医療機関で労災保険の使用を申告
  2. 労災保険の特別加入団体に事故の報告と書類請求をおこなう
  3. 必要書類を受け取り、提出後に給付の請求

です。それぞれ詳しくご紹介します。

手順①医療機関で労災保険の使用を申告

一人親方が怪我をして医療機関を利用する際、まず初めに「労災保険を使用する」と伝えましょう。仕事中に起こった事故で病院などの医療機関を利用するときは、健康保険ではなく労災保険が適用されます。治療を受ける際に、あらかじめその旨を医療機関に伝えましょう。

手順②労災保険の特別加入団体に事故の報告と書類請求をおこなう

次に、労災保険の特別加入団体に事故の報告・書類請求を行います。報告を行う際は「労災事故報告書」を記入して提出しましょう。
主な記入内容は、

  1. 氏名・住所・職種
  2. 怪我をした日時・場所
  3. 災害が起きた原因・当時の災害発生状況
  4. 受診した病院・医療機関名
  5. 工事名・元請連絡先などの工事の詳細

です。特別加入団体ごとに書式が異なりますので、電話で問い合わせるかHPでテンプレートをダウンロードしてください。

手順➂必要書類を受け取り、提出後に給付の請求

その後、必要書類を特別加入団体に提出します。労災保険を適用させるには特別加入団体の証明が必須なので、必ず団体宛に書類を提出しましょう。

最終的には労基署に給付の請求を行いますが、加入団体によっては団体経由で労基署へ書類を提出してくれるところもあります。あらかじめ確認しておくと手続きをスムーズに行えます。

労災保険の給付請求に必要な提出書類

一人親方が仕事中に怪我をして労災保険を請求する場合、怪我の程度や休業する期間に合わせた書類提出が必要です。書類の種類は主に3つです。

  1. 療養補償給付
  2. 休業補償給付
  3. その他保険給付

それぞれの書類を労働基準監督署に提出し、承認されると給付金を受け取れます。1つずつ詳しくご紹介していきます
※詳しい内容は厚生労働省が発表している資料をご覧ください。

療養補償給付

業務災害・複数の業務要員災害によって労災保険を利用する際は「療養補償給付」の書類を提出します。特別加入団体に事故報告書を提出すると、後日「療養補償給付たる療養の給付請求書」が届くので、必要事項を書いて提出しましょう。

書類の提出場所は、治療を受けた病院・医療機関などの窓口です。労災保険指定医療機関などで療養を受けた際もこの書類を提出します。

休業補償給付

仕事中の怪我により一人親方が4日以上休業する場合は、「休業補償給付」書類を提出しましょう。加入団体の事務担当がこの書類を作成し、後日一人親方宛てに郵送してくれます。

請求書が届いたら、治療を受けた医療機関や病院の窓口に提出してください。休業補償給付書類は診療担当者に証明欄を記入してもらい、加入団体に返送する必要があります。

特別加入団体が返送された書類を確認した後は、労働基準監督署へ提出・給付金の受け取り手続きを行います。

療養補償給付・休業補償給付以外の給付

療養補償給付・休業補償給付の他にも「障害補償給付」「遺族補償給付」「葬祭料」「傷病補償年金及び介護補償給付」などの労災保険があります。どれも労働基準監督署へ書類の提出が必須です。

障害補償給付は、仕事中の怪我で障害が残った際に給付されるものです。遺族補償給付・葬祭料は、業務中の事故で亡くなった方の遺族が受け取れる給付金になります。業務災害による怪我が一定期間治らず、業務に障害がある場合は、傷病補償年金及び介護補償給付が適用されます。

一人親方が労災保険で受けられる補償

一人親方が労災保険で受けられる補償は下記の通りです。

  • 休業給付
    休業給付は怪我によって4日以上仕事に従事できない時に受けられる補償です。受けられる補償額は以下の通りです。 補償額=給付基礎日額×日数×0.6
  • 療養給付
    労災で被った怪我の治療費が全額補償されます。指定病院以外での治療は、返金などに関して手続きが複雑です。
  • 遺族一時金・遺族年金
    労災を原因として一人親方が死亡した際に遺族が受けられる補償です。遺族年金の補償額は遺族の人数によって変動します。4人以上であれば基礎日額の245日分、3人以上は223日分の額が支払われます。また、遺族一時金は遺族年金を受領する遺族がいない際に受けられる一時金です。補償額は給付基礎日額の1000日分です。
  • 障害一時金・障害年金
    怪我の治療後に障害が残った場合に補償されます。障害一時金は障害等級の8級から14級に応じて、障害年金は1級から7級に応じて支払われる補償額が決定されます。

一人親方が労災保険の申請をする際の3つのポイント

一人親方が労災申請する際の注意点をご紹介します。主な注意点は、

  1. 労災保険を使用する旨をしっかりと伝える
  2. 健康保険証は使わない
  3. 積極的に労災指定病院を受診する

の3つです。
労災が発生して病院や医療機関を受診する場合は、誤った手順をとってしまわないよう上記の3つに注意しましょう。

労災保険を使用する旨をしっかりと伝える

業務災害・通勤災害後に病院や医療機関を利用する際は、「労災保険を使う」としっかり伝えるのがポイントです。医療機関を受診したときに労災加入者証がない場合でも、労災保険として処理してくれます。

国民健康保険を使用してしまった場合は、後日労災保険への変更手続きが必要になり手間がかかってしまうので注意しましょう。

健康保険証は使わない

医療機関を受診すると保険証の提示が求められます。もしも国民健康保険証を持っていても、健康保険証を使用しないようにしましょう。

もしも国民健康保険を使って医療機関を受診した場合は、特別加入団体や組合にそれぞれ連絡して後日手続きを行いましょう。

積極的に労災指定病院を受診する

仕事中に怪我をして医療機関を受診する場合は、できるだけ労災指定病院を受診しましょう。労災指定病院とは、都道府県労働局長が指定した医療機関を指します。

労災指定病院を利用すれば、申請書類提出後に無償で治療を受けられます。一般的な病院では一時的に治療費を負担することになりますが、労災指定病院なら金銭の負担が減るのがポイントです。

一人親方が労災保険に特別加入するメリット

一人親方が労災保険に特別加入するかどうかは任意ですが、加入することで多くのメリットを享受できます。例えば、以下のようなメリットがあります。

  • 働けない期間に給付を受けられる
  • 自己負担なしで治療を受けられる
  • 仕事の幅が広がる

ここでは、それぞれについて解説します。

働けない期間に給付を受けられる

一人親方が労災保険に特別加入するメリットとして、怪我などで働けない期間に給付を受けられる点が挙げられます。業務上の怪我や病気により働けなくなった期間も、給付により生活費などをカバーできるため、万が一のリスクに備えられます。

特に、家族を養っている一人親方にとって、給付を受けられるのは大きなメリットとなるでしょう。ただし、業務と関係のない怪我や病気の場合は労災保険の対象外となります。

自己負担なしで治療を受けられる

一人親方が労災保険に特別加入すると、業務が原因で怪我や病気により働けなくなった場合、自己負担なしで治療を受けられます。給付基礎日額に関わらず、治療にかかる医療費自体が支給されるためです。支給される医療費の主な範囲は以下の通りです。

  • 診察・処置・手術
  • 薬剤や治療材料
  • 病院や診療所への入院・看護
  • 自宅における療養上の管理・看護
  • 移送費

また、治癒するまで医療費は支給されます。

仕事の幅が広がる

労災保険に特別加入すると、一人親方の仕事の幅が広がる可能性があります。一人親方は、様々な現場に入り作業を行います。しかし、現場によっては、労災保険へ加入していることが現場に入る条件となっているためです。

例えば、大手ゼネコンが工事を発注する際、安全書類に労災保険加入番号の記載を求める場合があります。この場合、労災保険に特別加入していなければ番号を記載できないため、現場に入れません。

しかし、労災保険に特別加入していれば、このような現場にも入れます。結果として仕事の幅を広げられます。

【まとめ】一人親方が怪我をしても焦らないために、労災保険の申請手順を確認しておこう

一人親方が怪我をしてしまった際の労災保険の利用方法・必要書類についてご紹介しました。一人親方は請負から現場仕事まで一人で行う機会が多いため、いざ怪我をすると焦ってしまいがちです。

そうならないためにも、一人親方として仕事を始めようと思っている方は、事前に労災保険の手順を確認して特別加入するようにしましょう。

労災様式5号の記入例についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。

労災様式5号の記入例を解説!提出方法や種類も紹介

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