造園業の一人親方にも労災保険は必要?メリットなど徹底解説

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社会保険労務士 佐藤弘樹
社会保険労務士 佐藤弘樹

平成28年に社会保険労務士試験に合格。経理・財務や人事・労務といったバックオフィスシステムを手掛ける会社で16年間の営業経験を積む。その後、北海道札幌市にて「社会保険労務士事務所みらい経営アシスト」を開業し、オンラインでの人事・労務管理に関する相談サービス『どこでも社労士』を提供。「働くすべての人が、豊かで幸せな毎日を送れるように」というミッションを掲げ、企業の労務管理をサポート。豊富な実務経験と専門知識を活かし、クライアント企業の成長に貢献。プライベートでは双子の娘を持つパパの顔も覗かせる。北海道社会保険労務士会会員登録番号:第01180056号。『どこでも社労士』:https://www.dokodemo-sr.com/

「造園業におすすめの労災保険は?」
「一人親方が労災保険に加入するメリットを知りたい」
「労災保険の選び方が分からない」

とお困りの方はいませんか?一人親方は労災保険法における「労働者」には該当しませんが、一定の条件を満たせば任意で労災保険に加入できます。

しかし、造園業の一人親方にも労災保険は必要なの?と疑問に思う方もいるかもしれません。

今回は造園業の一人親方が労災保険に加入するメリットについて解説します!おすすめの労災保険についても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

そもそも一人親方とは?

一人親方は自分だけで事業を営む人のことを指します。従業員を雇わない人だけでなく、自分とその同居する家族が一緒に働く場合も一人親方に含まれます。

一人親方として認められるためには、原則として従業員を雇わずに自分一人で事業を行っていることが必要です。

建設業に従事する一人親方は現場に入る際に労災保険の加入を求められることも多いです。労災保険に加入するには、都道府県労働局長の承認を受けた一人親方等の団体(特別加入団体)に加入しなければなりません。

造園業ってどんな仕事があるの?

造園業の主な仕事は「植栽業務」「剪定業務」「造園業務」の3つです。個人の庭から公園やマンション・ビル・ホテル等の庭園まで幅広く工事を行います。

造園業は屋外で仕事をすることが多く、体力のいる仕事です。造園業の3つの業務内容について詳しく説明します。

植栽業務

植栽業務は植木や花を植える作業です。植栽には植木の周りに土を入れる作業(泥入れ)も含まれます。基本的に運び入れる際や植える際も手作業で行いますが、大型の植木の場合はショベルカー等の重機を使用します。

剪定業務

剪定業務は植木のメンテナンス作業です。手入れをしないで放っておくと、植木はどんどん成長します。庭園の庭木や街路樹も成長に合わせて定期的に整えなければなりません。

剪定業務では専用の鋏やチェーンソーなどを使って、不要な枝を切り落としたり、植木の形を整えたりします。景観に調和するように整えるにはデザイン性や剪定のスキルが必要です。

造園業務

造園業務は庭園を作る業務です。個人庭のほか、料亭やホテルの庭園などで仕事をします。仕事先によって求められるデザインや雰囲気は異なるため、設計士やデザイナーと一緒に作り上げていきます。

施工計画から地盤整備、外構工事などを行い、大規模なものだと不動産会社や専門事業者が担当することもあります。

造園業で労災事故っておきるの?

造園業の労災事故にはどのような事例があるでしょうか。造園業は屋外の作業が中心で、道具を使用する機会も多いです。

ショベルカーやチェーンソーを扱うこともあり、安全には十分注意しなければなりません。実際にあった造園業の事故事例を3つ紹介します。

事故事例1

一つは移動式クレーンから墜落した事例です。移動式クレーンのジブ(先端)に人が乗ったカゴを取り付けて、リモコンで操作しながら剪定作業をしていたところ墜落してしまいました。

法律では移動式クレーンでの人の運搬は厳格に制限されており、特定の条件下でのみ許可されています

決められた使用方法と異なるやり方は危険を伴います。特に重機を扱う際は十分注意してください。
(事例7埼玉:参考「クレーン車から転落」埼玉新聞)

事故事例2

二つ目は作業中に熱中症を発症した事例です草刈りの補助作業を行っていたところ、熱中症を発症して倒れてしまいました。

造園業は屋外で長時間作業することも多いです。とくに夏場は気温が高く、直射日光を浴びるため長時間の作業は熱中症の危険にさらされます。

熱中症は命に関わる重大な病気です。高温環境ではこまめに水分補給をするだけでなく、適切な休憩時間を設ける、涼しい場所での休息を確保するなどの対策を講じてください。
(事例12神奈川)

事故事例3

三つ目は作業中に脚立から墜落した事例です。松の芽摘み作業を行っていたところバランスを崩し、10段の三脚脚立から墜落してしまいました。

造園業は植木の手入れなど高所で作業する機会も多いでしょう。脚立は身近な道具ですが、落下の危険もあるため使用の際には注意が必要です。

誤った使い方や劣化した梯子では、怪我のリスクが生じます。定期的に梯子の点検やメンテナンスをするようにしてください。
(事例5群馬)

一人親方にオススメの労災保険5選

一人親方になると労災保険に特別加入できます。労災保険は業務等による病気や怪我に対して労働者に補償する保険制度です。主な補償内容は怪我で仕事を休んだ際の休業補償、怪我で障害が残った際の障害補償、死亡補償などがあります。

造園業の労災事故の事例を見ても、もしもの際に入っておくと安心です。今回はおすすめの労災保険を5つ紹介します。

一人親方労災保険組合

一般社団法人一人親方労災保険組合引用元:一般社団法人一人親方労災保険組合

一人親方向けの労災保険で一番おすすめなのは、一人親方労災保険組合の労災保険です。主な特徴は、以下の通りです。

  • 全国の加入組合員数は90,000人と業界トップクラス
  • 月額組合費が500円と業界最安値
  • 組合員様限定の優待サービスが多数
入会費 1,000円(初回のみ)
組合費 500円/月

組合員数が全国90,000人以上と、業界No.1の加入者で実績のある労災保険です。さらにレストランやカラオケ、映画館など全国で20万ヵ所以上の施設のクーポンや割引などが適用される組合員様限定の優待サービスもあります。友達紹介を利用すれば、更新時の組合費も最大無料になるため、知り合いの一人親方と加入するのも良いでしょう。

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一人親方団体労災センター共済会

一人親方団体労災センター共済会は初期費用を抑えたい方におすすめです。初期費用には入会金(1,000円)と年会費(3,600円)の計4,600円と労災保険料がかかります。給付基礎日額の選択肢は3,500円・5,000円・7,000円・10,000円の四つです。

3,500円を選択する人が一番多く、特別な希望がなければ四段階でも十分対応できるでしょう。支払い方法はクレジットカードでの月額払いが可能です。他にも銀行払い・コンビニ払いから選べます。スマートフォンやPCから簡単に申し込みできます。

一人親方団体労災センター

一人親方団体労災センターは全体的に見てバランスの良い保険です。初期費用には入会金(1,000円)と組合費(6,000円)の計7,000円と労災保険料がかかります。

給付基礎日額は16段階と幅広く、追加費用なしで最短で翌日に労災保険に加入が可能です。短期加入も可能のため、様々なケースに対応できます。また申し込み方法はインターネット・郵送・FAXから選べます。

楽々親方

楽々親方は加入を急ぐ方におすすめです。平日の13時までにお支払いいただくと当日に労働保険番号を取得し、翌日から加入できます。楽々親方は最短1ヶ月から加入できるため必要な期間だけ入れます。

組合費の月額は450円からとお安く、なるべく経費負担を減らしたい人におすすめです。手続きや更新の際も適切なサポートが受けられ、初めての方でも安心して加入できるでしょう。

申し込み方法は公式ホームページから専用フォームを送信し、最短5分で手続きが完了します。

一人親方労災保険RJC

一人親方労災保険RJCは短期加入をしたい方におすすめです。短期加入は1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月から選べます。入会金は無料のため、費用を安く抑えたい方にもおすすめです。

安い保険料で必要なときに必要な期間だけ、特別加入することができます。労災保険が不要な際は保険料を支払う必要がなく、何度でも特別加入が可能です。

また短期加入の延長もできるため、仕事のスケジュールが変更した際にも対応できます。一人親方労災保険RJCは希望の費用や期間に合わせて自由に選択できる保険です。

【まとめ】造園業の一人親方も労災保険への加入を検討しよう

いかがだったでしょうか。今回は造園業の一人親方に必要な労災保険について解説しました。造園業は主に「植栽・剪定・造園」の三つの業務があります。

植栽で植木を植え、剪定で手入れをし、造園で庭を作り上げます。屋外で仕事をする際はチェーンソーやショベルカー、鋏、梯子など道具を使用することも多いです。大型の植木を扱う場合、高所で作業するため安全には注意が必要です。

実際に誤った使用方法による重機の事故や、バランスを崩して梯子から落下する事故が発生しています。事故や怪我のリスクを考えると、労災保険は加入した方がよいでしょう。

一人親方の場合、建設現場に入る条件として労災保険の加入が求められることもあります。休業補償や障害補償などがあるため、もしもの際に備えておくと安心です。

特別加入団体によって入会金や組合費、給付基礎日額に違いがあります。自分に合った労災保険を選べるよう、費用や補償内容を比較しながら検討してみてください。

こちらの記事では、庭師・造園業の平均年収について解説しています。

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