工務店が経営で抱える6つの課題や改善に役立つポイントなどを解説

建築業界は慢性的な人材不足や資材の価格高騰など、数多くの難題に直面しています。こうした問題は、地場の工務店も同様です。そのため、工務店を経営している人の中には、悩みを抱えている場合も多いのではないでしょうか。

この記事では、そうした工務店経営者の人が抱える課題を解説します。また、課題だけでなく、解決する方法についても詳しく紹介します。この記事を読めば工務店経営の課題を解決するアイデアを生み出す参考になるため、ぜひ最後までご覧ください。

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工務店経営の実情

建築業を含む建設業界は、人々の生活を支える社会的に重要な役割を果たしています。また、工事費用が基本的に多額になるため、日本経済への影響も小さくありません。しかし、近年の建設業界を取り巻く状況は、決して良いとは言えません。

特に、新築住宅の着工棟数が年々減少している建築業界は、小規模な工務店が倒産してしまうケースも多くあります。そのため、大手ハウスメーカーも小規模な工務店も、リフォームに力を入れるなどさまざまな方法で生き残りを模索しています。

工務店が経営で抱える6つの課題

ここでは、数多くの工務店が抱える経営上の以下の6つの課題を詳しく解説します。

  • 高齢化・若者の減少により働き手が不足している
  • 3Kのイメージが強く残っている
  • 資材や物価が上昇している
  • 注文住宅の着工戸数が減少している
  • 需要が変化している
  • 集客方法が変化している

それぞれの課題を根本から理解し、解決策を考える際の参考にしてみてください。

高齢化・若者の減少により働き手が不足している

数多くの工務店が抱える最大の課題は、人材不足です。建築以外の各種建設業も人材不足は同様で、現場で作業するのは高齢の作業員が中心で、20代や30代の若い世代は少ない状況です。

国土交通省が発表した「最近の建設業を巡る状況について」によると、平成9年には685万人いた建設業の就業者は、令和3年には482万人まで減少しました。現場で働く作業員の3割以上は55歳以上と、ベテラン作業員が工事を支えています。このままでは、建設業界全体で働き手不足となるため、工務店経営において若い就業者を増やすことは急務となっています。

3Kのイメージが強く残っている

工務店などの建築業を含む建設業界は、昔から「キツい・汚い・給料が安い」という3Kのイメージが持たれてきました。現在は、こうしたイメージが改善されつつありますが、未だに3Kのイメージは完全に払しょくしきれていません。

他の業種と比べて、建設業界は身体をハードに使い、時には汚れることもあります。給料の安さも、経験が短く技能がない作業員の場合、安いという事実は否定できません。しかし、こうした状況は年々改善されています。

資材や物価が上昇している

工務店経営において、特に厳しい課題が建築資材や物価の高騰です。2021年のウッドショックや、今も続くロシアとウクライナの問題が工務店経営に欠かせない資材や機材の価格を圧迫している状況です。

資機材の価格が上下することは珍しくはありません。資機材の価格の変動が大きい場合は、原価管理が特に重要です。最近では、原価管理を効率化するツールも提供されており、利用する工務店も増えています。

注文住宅の着工戸数が減少している

工務店経営の中でも、長年頭を悩ませているのが、着工棟数の減少です。国土交通省の調査によると、令和5年の新築注文住宅の着工棟数は、平成11年と比較して半分ほどまで落ち込んでいます。

着工棟数は、人口の影響を大きく受けます。日本は少子高齢化が叫ばれて久しいため、着工棟数が今後大きく回復する見込みはありません。新築住宅の注文を確保するためには、他社との差別化と独自性の強化が必要です。

需要が変化している

工務店の経営者の課題として、需要の変化という点も挙げられます。新築の注文住宅は高額なため、敬遠する人も少なくありません。新築住宅の代わりに、近年注目を集めて注文が増えているのが、リノベーションやリフォームです。

人口減少に伴い、空き家が増えていることから、政府も空き家活用のためのリフォームを支援しています。こうした環境を踏まえて、工務店経営においても、リノベーションへの対応が必要となります。

集客方法が変化している

工務店経営において、課題となっているのは集客面にもあります。従来の工務店の集客方法は、チラシやハガキといった紙媒体やテレビCMが主体でした。しかし、インターネットが日常的となった現代では、集客方法はSNSへ変化しています。

XやInstagramといったSNSや口コミサイトなどで工務店を知る人は、少なくありません。そのため、SNSを使った自社の宣伝や口コミサイトで高評価を得るために、より丁寧な顧客対応などが求められます。

工務店の新しい経営戦略

工務店経営には、数多くの課題がありますが、放置していては事業が立ち行かなくなります。そのため、以下のような時代に合わせた新しい経営戦略が必要です。

  • 自社の状況を分析する
  • ターゲットを明確にする
  • 認知度を高める

ここからは、上記の経営戦略を詳しく解説します。それぞれの経営戦略を把握して、今後の工務店経営の参考にしてみてください。

自社の状況を分析する

工務店の経営戦略に欠かせないのが、自社の状況の分析です。自社を分析するために特に効果的なのが、「SWOT分析」です。SWOT分析は、自社の強みや弱みと外部要因などを整理します。

例えば、自社にどのような強みがあり、どの部分が弱点となるかを洗い出します。また、需要や他社の動向といった、自分たちではどうしようもない部分を把握することも重要です。このように、自社と経営環境を取り巻く状況を分析することで、経営課題の解決につながります。

ターゲットを明確にする

また、工務店の経営戦略では、ターゲット層の明確化も重要です。ターゲットを明確にすることをペルソナの設定と呼び、ペルソナを具体的にすることで、効果的なアプローチが可能となります。ペルソナを設定するためには、次の情報を取得する必要があります。

  • 名前
  • 性別
  • 年齢
  • 家族構成
  • 職業
  • 住んでいる地域
  • 趣味・嗜好
  • 収入額
  • よく使うSNS
  • 1日の生活様式

アンケートやヒアリングを通じてこうした情報を取得することで、ターゲットに響くアプローチで、効率的に受注できます。

認知度を高める

工務店の新たな経営戦略として、認知度の向上も重要です。どのような会社でも、知ってもらわなければ、注文を得られません。そのためには、既存のアピール手段に加えて、SNSやwebサイトを使ったPRも必要です。

特に、近年はSNSやwebサイトを使ったPRが一般化しています。SNSやwebサイトは、これまでの方法よりも幅広い顧客層にアプローチが可能です。そのため、インターネットツールを使った宣伝方法の工夫が重要です。

工務店の経営改善に役立つ5つのポイント

工務店の経営状況を改善するためには、新たな経営戦略に加えて、以下のようなさまざまな工夫が必要です。

  • オンライン集客を取り入れる
  • チラシなど紙媒体での広告を活用する
  • 資金調達力を高める
  • 業務の効率化に取り組む
  • コミュニケーション力を高める

これから紹介する経営改善に役立つ工夫を把握して、自社の事業に組み込む方法などを検討してみてください。

オンライン集客を取り入れる

工務店の経営改善に役立つ方法の1つが、オンラインでの集客です。住宅を注文する世代の中心は30代から50代です。この世代は、インターネットの利用が生活の前提にあるため、これまでのような紙媒体などによる集客方法では大きな効果が見込めません。

そのため、現役の子育て世代やファミリー層に効果的にアプローチするためには、以下のような手法が効果的です。

  • ホームページを作成する
  • SNSを活用する
  • オンラインセミナーを活用する

それぞれの手法を詳しく解説します。

ホームページを作成する

ホームページは、オンラインの集客方法の中でも、最も多くの情報を発信できる手法です。ホームページでは、自社の手掛ける住宅の特色を細かく紹介できるほか、施工事例なども掲載できます。

職人を紹介している工務店もあり、どんな人が家を建ててくれるかを、確認できます。

工務店の住宅づくりの特徴やこれまでの実績を確認できれば、ターゲット層は理想の住まいをイメージしやすくなります。ホームページは、作成に手間と費用がかかりますが、多くの情報を発信できるオンラインツールです。

SNSを活用する

オンラインを使った集客方法として、最も手軽に取り組めるのが、SNSです。中でも効果が見込めるのが、XやInstagram、YouTubeといったSNSです。

若者に人気のTikTokなどもありますが、利用者の年齢が若いため、工務店経営でどこまで効果が見込めるかは不透明です。

その点、XやInstagramは幅広い年齢層が利用しているため、住宅を建てる世代にもアプローチできます。特に、画像の活用が得意なInstagramを使えば、施工実績などを効果的にアピールできます。

オンラインセミナーを活用する

オンラインを使った集客方法には、オンラインセミナーという手法もあります。オンラインセミナーは、ミーティングツールなどを使って、住宅づくりに興味があるターゲットにアプローチできる方法です。

オンラインセミナーは、SNSやホームページと違って、新しく住宅を構えようとするターゲットに具体的な情報を提供できます。質問の時間を設けることで、どのようなニーズがあるかを引き出すことも可能です。こうしたことから、真剣に住宅建築を検討しているターゲットに、特に効果がある手法です。

チラシなど紙媒体での広告を活用する

工務店の経営改善において、紙媒体での広告も効果があります。現在の集客方法としては、SNSなどのインターネットを通じた手法がメインに移行している工務店も少なくありません。しかし、従来のチラシや新聞広告といった方法も未だ影響力があります。

紙媒体は、特に高めの年齢層に効果的な広告手段です。紙媒体には、折り込みチラシや電車やバスの広告、ポスティングといった方法があります。新聞の折り込みチラシなどは、高い年齢層に高い宣伝効果が見込まれます。

資金調達力を高める

経営改善には、広告宣伝以外にも、資金調達力の強化なども重要です。特に、キャッシュフローは、工務店の信用に関わります。資金繰りが悪いと取引先から信頼を得られず、取引を停止される恐れもあります。

キャッシュフローを把握するためには、現場の管理が重要です。予算や納期、作業員の配置など、現場のスケジュールを的確に把握して管理します。そして、無駄なく資金を売後隠すことで、キャッシュフローが健全に維持できます。

業務の効率化に取り組む

工務店の経営改善のために、取り組みたいポイントとして、業務の効率化が挙げられます。現場作業でも事務作業でも、業務を効率化することで、余裕が生まれます。工務店の業務を効率化するためには、以下の方法が効果的です。

  • ITツールを活用する
  • ドローンを活用する

ここからは、それぞれでどのように業務の効率化ができるかを解説します。解説する内容を参考に、自社で取り組む方法を検討する材料にしてみてください。

ITツールを活用する

ITツールの活用は、事務作業の負担を大きく軽減できます。事務作業は、ITツールで代用できる業務が数多くあります。そのため、導入することで、生産性を改善した業務の進行が可能です。

また、ITツールの導入は、現場での管理業務を効率化する効果もあります。現場の管理は、やるべきことが多いため、効率化がそのまま生産性の向上につながります。そのため、ITツールの活用は、事務と現場双方の業務効率の改善に効果的です。

ドローンを活用する

工務店経営においては、ドローンの活用も業務の効率化に一役買います。ドローンは、ホビーの側面が大きかったツールですが、現在は数多くの建設会社などで使用されています。主に定期的な点検や現地調査で、人が入りにくい環境で活躍しています。

例えば、屋根の現状や壁の高い位置の状況の確認は、人間がやるには準備が必要です。しかし、ドローンを使えば、人が入りづらい環境でも手軽に調査ができます。ドローンの導入は、作業員の安全確保と効率的な点検に高い効果を発揮します。

コミュニケーション力を高める

工務店の経営改善には、ツールの導入や広告宣伝といった方法と同様に、顧客とのコミュニケーションが重要です。顧客はもちろん、取引先や従業員と密接にコミュニケーションをとることで、会社としての信頼性が向上します。

特に、地域に密着した工務店では、顧客とのコミュニケーションが重要です。コミュニケーションを通じて信頼を得られれば、新しい顧客を紹介してもらえるケースもあります。信頼性を高めるためには、顧客満足度の向上も重要です。

顧客満足度を上げる

顧客満足度は、口コミという形で現れます。口コミは、地域に特化した工務店では特に重要です。なぜなら、同じ地域の中で口コミが広がることで、営業に力を入れなくても受注できる場合があるからです。

良い口コミが広がれば、特別な広告や宣伝をしなくても、注文につながります。反対に、対応や工事の品質が悪ければ、悪い口コミが広がることもあります。顧客満足度は、受注に大きな影響を与える要素です。そのため、問い合わせから工事、アフターフォローなど全ての業務において真摯に対応することが重要です。

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【まとめ】工務店が経営で抱える課題は新しい戦略を立てて改善しよう!

この記事では、工務店の経営における課題やその解決方法、経営改善の手法を解説しました。工務店の経営には、人材不足や資機材の価格高騰など、多くの課題があります。そうした課題を解決するためには、会社に適した経営戦略と改善のための工夫が重要です。

今回解説した内容を参考にすることで、経営状況が悪い工務店でも改善するためのヒントが得られます。努力がなかなか結果に結びついていない工務店の経営者の人は、この記事の内容を参考に、新たな経営指針を検討してみてください。

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