真空ポンプおすすめランキング12選!選び方やメーカーを解説

真空 ポンプ おすすめ

真空ポンプは真空状態を作り出せるポンプです。真空ポンプを使えば真空の特性をいかした加工や製造ができます。真空ポンプの種類は駆動方式や性能の違いなど様々です。今回は真空ポンプの種類や選び方についてまとめてみました。おすすめのメーカーや作業目的に合わせたおすすめ商品について説明しますので、購入の際に参考にしてください。

真空ポンプとは

真空ポンプとは空気吸引で作り出した真空状態を利用して加工や製造を行う装置です。エアコンの配管作業や液晶ディスプレイ、フリーズ食品の製造などに利用されます。エアコンは室外機と室内機をつなぐ配管に空気や水が残っていると効率よく冷気を得られません。

そこで、真空ポンプを使って配管内を真空に近づけ空気を抜いてエアコン本来の性能を引き出します。液晶ディスプレイやフリーズ食品などを製造する際には真空状態を作り出すことが必須です。

真空ポンプの選び方

この項目では真空ポンプの選び方について説明します。選び方の基準になるのは次の5項目です。

  • 電源方式から選ぶ
  • 排気速度から選ぶ
  • 真空到達度から選ぶ
  • 吸入ポートから選ぶ
  • 機能性から選ぶ

以下、順に詳しく説明します。

電源方式から選ぶ

真空ポンプの選び方について最初に取り上げるのは電源供給方式の違いです。真空ポンプの供給電源には大きく分けて充電式とコード式の2種類があります。購入にあたっては、使用する現場環境やコストを考慮に入れて検討しましょう。

エアコンの配管工事や液晶ディスプレイの製造など使用する用途の見極めも必要です。

以下に、選択する際のポイントについて詳しく説明します。

充電式

充電式は充電バッテリーで駆動する真空ポンプです。専用バッテリーを搭載したものは少なく、ほとんどがマキタやパナソニック製の充電バッテリーを使用します。コードレスなので電源を確保する必要がありません。

コンセントのない場所や高所作業でも利用でき、移動しながら利用することも可能です。コスト面では割高になりますが、既に他の工具で使っている充電バッテリーを併用すれば低価格で導入できます。

コード式

コード式真空ポンプは家庭用コンセントなど一般的な100v電源で駆動するタイプです。充電切れの心配がないので、連続して真空ポンプを使用する際に安定して駆動できます。

充電式より低価格なので機動性よりもコスト面を重視する場合はコード式を選択するとよいでしょう。小型の機種から大型まで様々な機種が市販されています。

排気速度から選ぶ

排気速度は真空ポンプの基本的な機能を示す指標です。1分間に排気できる空気量のことで、L(リットル)/minで表記されます。数値が大きいほど短時間で排気作業が可能で、大型の空調設備などにも対応できます。

下表は排気速度と適用できる空調設備の目安です。

排気速度 適用できる空調設備
~49L/min ルームエアコン・小型パッケージエアコン
50~69L/min 大型ルームエアコン・カーエアコン・小型~中型パッケージエアコン・冷蔵庫
70~129L/min 中型パッケージエアコン
130L/min~ 大型パッケージエアコン・冷蔵倉庫

真空到達度から選ぶ

真空到達度とは、排気速度と同様に真空ポンプの能力を示す指標です。絶対真空にどこまで近づけられるかを数値表示したもので、ミクロンやPa(パスカル)で表示されます。

数値が小さいほど絶対真空近くまで真空引きできるので高性能です。一般的な真空ポンプは375ミクロン(50Pa)以下ですが、高性能な機種の中には7.5ミクロン(1Pa)のものもあります。

吸入ポートから選ぶ

真空ポンプ内にガスを取り込む吸入ポートには2種類あります。環境にやさしい新冷媒用の5/16″フレアと従来の旧冷媒用1/4″フレアです。新旧冷媒に併用できる2種類のポートが搭載されているものもあります。

真空ポンプを購入する際に確認が必要ですが、ほとんどの機種では変換アダプターが付属しているのであまり気にしなくてもよいでしょう。

機能性から選ぶ

真空ポンプには性能を向上させるために様々な付加機能が搭載されているものがあります。真空ポンプを選ぶときに付加機能も確認しておきましょう。ここで紹介する機能は次の3点です。

  • 2ステージ方式
  • モーター
  • ガスバラストバルブ

以下に詳しく説明します。

2ステージ式

真空ポンプには、一般的なシングルステージと2ステージがあります。違いは内部のローターの数です。シングルステージは1つのローター、2ステージでは直列につながれた2つのローターで吸気と圧縮を行います。

2ステージはシングルステージに比べてパワーが強く、より高い真空度を得られます。また、2ステージではローターへの負荷を抑えることもできます。

モーター

真空ポンプのモーターには一般的な2ポールモーターと4ポールモーターの2種類があります。ポールとは電極のことです。2ポールは2つの電極、4ポールは4つの電極を備えています。4ポールモーター駆動は2ポールモーターに比べてより低回転・高トルクで高性能な運転が可能です。

また、回転数が低いことから熱を持ちにくく静音効果が高い特徴があります。家庭用のポンプなら2モーターで十分です。大型空調機器や冷蔵倉庫など長時間の真空引きが必要な場合には4ポールモーターが適しています。

ガスバラストバルブ

ガスバラストバルブとはローター内に混入した冷媒や空気を真空ポンプのオイルと分離する弁のことです。冷媒や空気がローター内に入ると圧縮されて液化し、オイルと混ざる可能性があります。

オイルに液化した冷媒などが混入すると真空度の低下やオイルの劣化などの悪影響を起こすので注意が必要です。ガスバラストバルブがあれば真空引きの前後で空気を吸わせて冷媒や空気とオイルとの混入を未然に防げます。

真空ポンプのおすすめメーカー

この項目では真空ポンプのおすすめメーカーを紹介します。ここで取り上げたメーカーは次の3社です。

  • 株式会社イチネン
  • アサダ株式会社
  • マキタ

いずれのメーカーも、真空ポンプの取り扱いに実績があり多くの商品を取り扱っています。以下に詳しく説明しますので商品選択時の参考にしてください。

イチネン

イチネンは大阪に本社を構える会社です。1930年に個人商店として石炭販売業を開業し、1969年に株式会社イチネンに改名しました。

現在では一部上場をはたし、イチネンホールディングスとして多くの関連会社を展開しています。中核となる自動車関連事業だけでなく、真空ポンプも含めた機械工具事業や、ケミカル合成樹脂など幅広い分野で事業展開する企業です。

アサダ

名古屋に本社を構えるアサダ株式会社は配管に関連する機器や工具を製造販売する会社です。1953年に日本で初めて配管用可搬式電動バルブマシンの開発に成功しました。創業時に販売した、丸棒にねじ切りを施す可搬式ボルトねじ切り機「ボルトマシン」は有名です。

現在では、パイプマシンや冷凍機のフロンガス回収シェアで世界トップクラスの実績を誇っています。

マキタ

マキタは日本最大の電動工具メーカーです。その歴史は古く1915年に創業しました。日本初の携帯電気カンナを開発したことでも知られています。日本だけではなく海外にも積極的に事業展開しているのがマキタの強みです。

1971年にはアメリカ進出を実現し、現在では電動工具メーカーとしてアジア・ヨーロッパ・中近東・オセアニアでも知られています。日本においても全国各地に営業所を展開しており細かいアフターサービスも好評です。

真空ポンプおすすめランキング12選!

ここからは、おすすめの真空ポンプ機種をランキング方式で紹介します。ここでは12機種を選びました。前述した排気速度特性や電源の種類、価格などにも言及していますので真空ポンプ購入の際に参考にしてください。なお、価格は参考価格で全て税込みです。

1.イチネンTASCO ウルトラミニツーステージ真空ポンプ TA150SW

価格:36,000円
電源:コード式
排気速度:40L/min
サイズ:(W)100mm×(D)245mm×(H)160mm
重さ:3.75kg
小サイズでありながら2ステージ式を採用した真空ポンプです。25ミクロンまで真空引きできます。軽量タイプでしっかり真空引きしたい方におすすめです。ガスバラストバルブ付きで空気吸入によりフロンなどのガスの流入が防止できます。

2.イチネンTASCO ウルトラミニシングルステージ真空ポンプ TA150SV

価格:31,000円
電源:コード式
排気速度:40L/min
サイズ:(W)120mm×(D)215mm×(H)160mm
重さ:2.95kg
業界最小最軽量の真空ポンプです。排気速度40L/minで95ミクロンまで真空引きできます。家庭用エアコンの取り付けには十分な性能を持つ機種です。ガスバラストバルブは付いていませんが軽量で持ち運びしやすいのでエアコン取付専用の作業におすすめです。

3.イチネンTASCO 真空ポンプ ツーステージ TA150XD

価格:48,000円
電源:コード式
排気速度:40L/min
サイズ:(W)110mm×(D)280mm×(H)220mm
重さ:6.1kg
このサイズで2ステージ方式を採用しガスバラストバルブも搭載した高性能の真空ポンプです。真空到達度も15ミクロンと高く比較的軽量なため持ち運びも可能です。家庭用ルームエアコンから小型のパッケージエアコン、家庭用冷蔵庫まで対応できます。

4.アサダ VP150 充電式真空ポンプ 1.5CFM-BN(バッテリなし)

価格:38,170円
電源:充電式
排気速度:50L/min
サイズ:(W)93mm×(D)268mm×(H)172mm
重さ:2.9kg
小型軽量の充電式真空ポンプです。なお、バッテリーは付属していません。マー充電式なので電源コードを取り扱うわずらわしさがなく高所作業も楽にこなせます。ルームエアコン取り付け作業に適しています。

5.【アストロプロダクツ】AP シングルステージ真空ポンプ

価格:16,390円
電源:コード式
排気速度:42L/min
サイズ:(W)100mm×(D)255mm×(H)208mm
重さ:4.3kg
アストロプロダクツから販売されているカーエアコン専用の真空ポンプです。吸入ポートは変換アダプターが付属しているので幅広いマニホールドゲージに対応できます。シングルステージで連続使用時間は1時間です。

6.イチネンTASCO 高性能ツーステージ真空ポンプ TA150XE

価格:60,000円
電源:コード式
排気速度:76L/min
サイズ:130mm×355mm×265mm
重さ:10.4kg
イチネンが販売している2ステージ方式の真空ポンプです。排気速度が76L/min、真空到達度15ミクロンと高性能で小型から大型までの空調冷凍機器の真空引きまで対応できます。4ポールモーター駆動なので静音性に優れ長時間運転可能です。

7.マキタ(Makita) 真空ポンプ (本体のみ) VP180DZ

価格:41,040円
電源:充電式
排気速度:50L/min
サイズ:(W)93mm×(D)263mm×(H)172mm
重さ:3.5kg
マキタの販売する充電式真空ポンプです。なお、バッテリーは付属していません。シングルロータリー方式で真空到達度は20Paです。家庭用エアコンの真空引きに適していています。コードレスなので持ち運びに便利です。

8.イチネンTASCO ウルトラミニツーステージ真空ポンプ TA150SC

価格:41,000円
電源:コード式
排気速度:40L/min
サイズ:(W)105mm×(D)260mm×(H)170mm
重さ:4.1kg
真空レベルゲージとタイマーを搭載したイチネンの超小型真空ポンプです。このサイズでも2ステージ方式なので静音性も高く長時間運転できます。電源オンと同時にタイマーが作動するので真空引き作業時間のモニターが可能です。真空レベルゲージで気密漏れも判断できます。

9.イチネンTASCO TA150YA オイル逆流防止弁付ツーステージ真空ポンプ

価格:54,000円
電源:コード式
排気速度:54L/min
サイズ:(W)192mm×(D)325mm×(H)223mm
重さ:9.2kg
2ステージモーターで静音性に優れ長時間の作業ができます。オイル逆流防止弁が搭載されていてガス逆流によるゲージ破損の心配もありません。オイルミストも抑えられるので狭い空間でも現場を汚すことなく作業できます。

10.イチネンTASCO 高性能ツーステージ真空ポンプ TA150XD-B

価格:59,700円
電源:コード式
排気速度:40L/min
サイズ:(W)110mm×(D)280mm×(H)220mm
重さ:6.1kg
2ステージ方式で真空到達度15ミクロンの高性能真空ポンプです。小型軽量であらゆる現場にも楽に持ち運びできます。ルームエアコンや家庭用冷蔵庫、小型パッケージエアコンまで対応可能です。

11.イチネンTASCO ウルトラミニツーステージ真空ポンプ TA150SW-B

価格:32,151円
電源:コード式
排気速度:40L/min
サイズ:(W)100mm×(D)245mm×(H)160mm
重さ:3.75kg
コンパクトなデザインで真空到達度は25ミクロンと高性能です。2ステージ方式で静音性に優れ長時間作業できます。ガスバラストバルブ付きでオイルとガスの混合を防ぎ最高の状態で作業可能です。

12.【Amazon.co.jp限定】 真空ポンプ本体のみ(マキタ仕様) RP-225-H-M

価格:39,203円
電源:充電式
排気速度:50L/min
サイズ:(W)86mm×(D)193mm×(H)105mm
重さ:3.4kg
2ステージ方式で真空到達度22.5ミクロンと高性能なマキタ製充電式の真空ポンプです。あマキタ製のバッテリーで駆動できます。充電式なのでコードを気にせず持ち運びが可能です。ブラシ式DCモーターを搭載しています。

真空ポンプを使用するときの注意点

真空引きをする作業は手順が複雑なので、間違えないように気をつける必要があります。特に真空引き作業終了後の手順には気をつけましょう。

エアコン取り付け時の真空引き後の作業手順は次のとおりです。

  1. ゲージマニホールドと室外機を接続しているホースの封鎖ツマミを絞める。
  2. 室外機のゲージマニホールドと接続していない方のバルブを解放する。
  3. ゲージマニホールドと接続している側のバルブを解放する。
  4. 真空状態だった冷媒管にガスが充満するのを待つ。
  5. 再度バルブを締め直してそれぞれのバルブキャップをはめ込む。
  6. ホースを取り外す。

手順を誤るとゲージマニホールドの破損や冷媒管への空気が侵入するなどで作業のやり直しの可能性もあるため、手順を守って行いましょう。

ウォーターポンププライヤー鉄工ヤスリのおすすめについてはこちらの記事で紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。

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【まとめ】自社に合わせた真空ポンプで作業効率を向上させよう!

真空ポンプはエアコンや冷蔵庫などのガス抜きなどの作業に使われる電動工具です。購入する際は駆動方式や排気速度、真空到達度などの仕様を十分吟味して選びましょう。

特に排気速度については、真空ポンプを使用する機器の種類や規模によって対応できる仕様が決まっているので注意が必要です。自社の現場の環境によって充電式やコード式を選択し作業に適合した真空ポンプを採用して作業効率を向上させましょう。

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