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建設業界で働く人にとって、工具は欠かせない相棒です。数ある工具の中でも、特に使用頻度が高いのが、トルクドライバーです。トルクドライバーは便利な電動工具ですが、メーカー各社から販売されていて、どれが良いか悩む方も多いのではないでしょうか。
今回は、そうしたトルクドライバーについて解説します。選ぶ際のポイントやおすすめのトルクドライバーをランキング形式で紹介します。トルクドライバー選びで悩んでいる人は、参考になるのでぜひ最後まで読んでください。
トルクドライバーとは
まずは、トルクドライバーがどのような工具かを見ていきましょう。ここでは、トルクドライバーを次の2点に分けて解説します。それぞれの内容を把握して、トルクドライバーを選ぶ際の参考にしてください。
- 主な用途
- トルクスドライバーとの違い
主な用途
トルクドライバーは、規定数値のトルクでねじを締められる工具です。トルク値を管理できれば、ねじを締めすぎたり緩めすぎることもないため、ねじ自体の消耗を抑えられます。
トルクドライバーは、主に次のような作業で使用されます。
- 配電盤ブレーカーなど、配線圧着端子ネジの締付け
- 各種工作機械の先端部品交換
- センサーや精密電子機器の組み立て
- 自転車などの精密部品整備
トルクスドライバーとの違い
トルクドライバーと間違われやすい工具として、「トルクスドライバー」があります。トルクスドライバーは、トルクスねじを締めるための工具です。トルクスねじとは、「いたずら防止ねじ」や「ヘックスローブ」などとも呼ばれる特殊なねじです。
トルクスねじはヘッドの形状が通常のねじとはことなるため、トルクスドライバーでなければ、締められません。トルクスねじは、パソコンやスマートフォンなどの精密機器や自動車部品の組み立てに使われます。そのため、トルクドライバーもそうした機器の製造現場で使われることが多い工具です。
トルクドライバーの選び方
続いては、トルクドライバーの選び方を見ていきましょう。トルクドライバーを選ぶ際は、主に次のポイントに注目して、適切な工具を選択しましょう。
- 用途から選ぶ
- シグナル式の種類から選ぶ
- 直読式の種類から選ぶ
- 駆動タイプから選ぶ
- 機能性から選ぶ
それぞれの選び方のポイントを詳しく解説します。
用途から選ぶ
トルクドライバーを選ぶ際は、用途から選ぶことが重要です。トルクドライバーを用途別に選ぶ場合、次の2つのタイプのうちいずれかになります。それぞれのタイプの特徴を把握して、適切なトルクドライバーを選べるようになりましょう。
- シグナル式
- 直読式
シグナル式
シグナル式のトルクドライバーは、規定のトルク値以上には締められないドライバーです。規定のトルク値よりきつく締める恐れがないため、ねじの締め付け作業に使われることの多いタイプです。
シグナル式のトルクドライバーにはいくつか種類があるため、用途に適した工具を選ぶことが重要となります。シグナル式のトルクドライバーの種類については後ほど詳しく解説します。
直読式
直読式トルクドライバーは、持ち手部分にトルクを読み取るための機械が付属しています。文字通り直接トルク値を読み取れるため、あらかじめトルク値をセットしなくても、トルク管理が可能です。
ねじを締めながらトルク値をチェックできるため、測定や検査作業に使用されることが多い、工具です。直読式もいくつかの種類に分かれますが、後ほど詳しく解説します。
シグナル式の種類から選ぶ
先ほども解説したとおり、シグナル式のトルクドライバーには種類があり、それぞれ特徴が異なります。ここでは、以下の4タイプの、シグナル式トルクドライバーの違いを解説します。それぞれの特徴を把握して、適切な工具を選ぶための知識を身につけましょう。
- 空転型
- プリセット型
- 単能型
- 絶縁型
空転型
空転型のトルクドライバーは、ねじを締めて規定のトルク値に達すると、空回りして締まらなくなります。規定値以上に締まることがないため、ねじの締めすぎを防止できます。
空転型であれば、ねじの締めすぎを考慮する必要がありません。そのため、工場などで同じねじを何度も締めるような、物量の多いねじ締め作業に適しています。
プリセット型
プリセット型は、あらかじめ設定したトルク値にあわせてねじを締めるタイプのトルクドライバーです。設定するトルク値を変更できるため、幅広いねじ締め作業に使用できます。
プリセット型は設定を使い分けてねじを締められるため、複数のトルク値を管理する必要がある作業に適しています。繊細なトルク値の調整が苦手なものの、調整が容易なため、使い勝手の良い工具です。
単能型
単能型は、1つのトルク値でしかねじを締められないタイプのトルクドライバーです。単能型は、空転型やプリセット型のように、トルク値を変更できません。そのため、幅広い作業には適さない工具です。
しかし、固定のトルク値でねじを締めることに特化しているため、同じねじを大量に締める作業に適しています。また、安価なため購入しやすい点がメリットです。
絶縁型
絶縁型は、ねじを締めるビット部分と持ち手が、絶縁されているトルクドライバーです。電子機器などのねじ締め作業中に、静電気による機器の故障などを防いでくれます。
万が一、ねじ締め中に電気が流れても、作業者に影響が出ることはないため安全な作業が可能です。こうした特徴があるため、電気機器や自動車などの組み立てに活躍する工具です。
直読式の種類から選ぶ
ねじを締めながらトルク値をチェックできる直読式には、次の2つのタイプがあります。それぞれの特徴が異なるため、違いを把握して適切なトルクドライバーを選べるようになりましょう。
- ダイヤル型
- デジタル型
ダイヤル型
ダイヤル型は、トルクドライバーに付属する目盛がアナログ式の工具です。回転するダイヤルを目視で確認するため、かかっているトルクをチェックしやすい点が特徴です。
ダイヤル式は、既に締められたねじの検査などに用いられるケースが多くあります。ただし、厳密に読み取ることは難しいため、精密な検査などには不向きな工具です。
デジタル型
デジタル型は、トルクドライバーにデジタル表示式の目盛がついてる工具です。トルクドライバーに取り付けられたセンサーで、トルク値を検知して、数値を表示します。センサーによる検知のため、正確な数値でトルク値の管理が可能です。
正確な数値を読み取れる一方で、デジタル型は本体価格が高価な点がデメリットとなっています。
駆動タイプから選ぶ
トルクドライバーは駆動のタイプで選ぶことも可能です。トルクドライバーは、電気でねじを締める「電動式」か人力でねじを締める「手動式」のいずれかに分かれます。
電動式は、電気の力でねじを締めるため誰でも容易に使えます。手動式は人力でねじを締めなければいけないため、力の弱い人には扱いが難しい工具です。電動式は、本体価格が高いこともあるため、金額と作業性を比較して選びましょう。
機能性から選ぶ
数あるトルクドライバーには、製品ごとに異なった機能があります。例えば、精度が高く、厳格なトルク管理に適したトルクドライバーも少なくありません。また、異なる測定モードを搭載したトルクドライバーもあります。
本体価格が高いトルクドライバーは、便利な機能を多数搭載していることも少なくありません。重要なのは搭載した機能が必要かどうかです。作業に適した機能を有するトルクドライバーを選びましょう。
トルクドライバーのおすすめメーカー
トルクドライバーを製造するメーカーはいくつかありますが、ここからは特におすすめの次の3社を紹介します。それぞれの特徴を解説するので、特徴から違いを把握して自分に適したトルクドライバーのメーカーを探してみてください。
- カノン
- 東日製作所
- SK11
カノン
カノンは、株式会社中村製作所が展開する工具のブランドです。カノンでは単能型とプリセット型や空転型、ダイヤル型とデジタル型のトルクドライバーを製造・販売しています。
デジタル型は、トルクドライバー本体とデジタル表示機器が分かれているため、ドライバーとしての使い勝手に優れています。また、カノンのトルクドライバーは、形状がシンプルで扱いやすい点が特徴です。
東日製作所
東日製作所は、シグナル式トルクドライバーと直読式トルクドライバーを幅広く展開している会社です。今回解説した全てのタイプのトルクドライバーを製造・販売しているため、幅広いアイテムから最適な工具を選べます。
さらに、ねじを締めた後にマーキングして締め忘れを防止する機能が付随するタイプもあります。トルクドライバーに利便性を求める人におすすめのメーカーです。
SK11
SK11は、工具などの専門商社である藤原産業株式会社が展開しているオリジナルブランドです。SK11として製造・販売されているトルクドライバーは、空転型のみですがコンパクトなため使いやすい点が特徴的です。
ビットやブレードなど交換用の部品を幅広く扱っていることから、幅広いタイプのねじを締める作業に適しています。
トルクドライバーおすすめランキング13選!
ここからは、おすすめのトルクドライバーを13本紹介します。以下のトルクドライバーを比較検討して、自分に適した1本を見つけてみてください。
- ケーエスツールズ(KS Tools) 空転式トルクドライバー CN300LTDK
- 良匠 FIRSTINFO TOOLS トルクドライバー
- Jneit トルクドライバー
- Leolee トルクドライバー
- Socpuro トルクドライバー
- SK11 トルクドライバー
- 良匠 FIRSTINFO TOOLS トルクドライバー
- イチネンTASCO TA771TD 絶縁トルクドライバー
- 東日製作所 TOHNICHI(トーニチ) トルクドライバー FTD200CN2-S
- 中村製作所 (KANON) カノン トルクドライバーN6LTDK N6LTDK
- TOHNICHI(トーニチ) トルクドライバー FTD2CN-S
- GEDORE 単能型トルクドライバー Minor 015200
- Wera(ヴェラ) 05027913001 | 300 トルクドライバー 4.0(ピストル型)
1.ケーエスツールズ(KS Tools) 空転式トルクドライバー CN300LTDK
価格:13,542円(税込)
種類:空転型
トルク調整範囲:0.4~30Nm
サイズ:35 x 25 x 13cm
重さ:260g
簡単な説明:CN300LTDKは、KSToolsの空転式トルクドライバーです。設定したトルク値を固定できるため、途中でズレることがありません。そのため、繰り返し同じトルクでねじを締める作業に適しています。
2.良匠 FIRSTINFO TOOLS トルクドライバー (0.1-1.2 Nm)
価格:11,900円(税込)
種類:プリセット型
トルク調整範囲:1~6 Nm
サイズ:26 x 7 x 7cm
重さ:250g
簡単な説明:FIRSTINFO TOOLSの空転式プリセット型トルクドライバーは、ワンタッチでビットの着脱が可能です。そのため、サイズの違うねじを締める際も効率的な作業が可能です。
3.Jneit トルクドライバー
価格:7,980円(税込)
種類:プリセット型
トルク調整範囲:0.4~2.4Nmまたは1~8Nm
サイズ:18.8 x 14.8 x 6.2cm
重さ:760g
簡単な説明:Jneitのトルクドライバーは、ヘッドが合金鋼で作られているため、非常に耐久性が高くなっています。トルク設定の精度が非常に高いため、精密機器のねじを締める作業に適しています。
4.Leolee トルクドライバー
価格:7,224円(税込)
種類:直読式デジタル型
トルク調整範囲:0.3~6Nm
サイズ:30 x 12 x 5cm
重さ:850g
簡単な説明:Leoleeのトルクドライバーは、極めて高い精度でトルク管理が可能です。デジタル表示が見やすい設計のため、ねじ締めはもちろんトルク検査にも適したトルクドライバーです。
5.Socpuro トルクドライバー
価格:3,899円(税込)
種類:プリセット型
トルク調整範囲:1~7 Nm
サイズ:16 x 4 x 4cm
重さ:340g
簡単な説明:Socpuroのトルクドライバーは、炭素鋼製のビットが20個付属します。そのため、幅広いねじのトルク管理に適しています。本体重量が軽いため、作業性の良いトルクドライバーを探している人におすすめです。
6.SK11 トルクドライバー
価格:8,589円(税込)
種類:空転型
トルク調整範囲:1~6Nm
サイズ:8.1 x 23 x 5.8cm
重さ:520 g
簡単な説明:SK11のトルクドライバーは、小さい範囲内でのトルク管理を得意としています。設定範囲内で必要となるビットが10個付属するため、ビットを別に用意する必要はありません。
7.良匠 FIRSTINFO TOOLS トルクドライバー
価格:26,900円
種類:直読式デジタル型
トルク調整範囲:0.1~2Nm
サイズ:31 x 12 x 6cm
重さ:549 g
簡単な説明:良匠FIRSTINFO TOOLSのトルクドライバーは、国際標準をクリアした、高精度なデジタル型のツールです。設定トルクの90%でブザーとLEDで知らせてくれるため、容易に締めすぎを防止できます。
8.イチネンTASCO TA771TD 絶縁トルクドライバー
価格:25,656円(税込)
種類:絶縁型
トルク調整範囲:1~5Nm
サイズ:20.9 x 5.2 x 5.2cm
重さ:410g
簡単な説明:イチネンTASCOのトルクドライバーは、本体重量の軽量な絶縁型です。トルクが設定値に達すると空転するため、オーバートルクを防止できます。サイズもコンパクトなため、細かいねじ締めに適しています。
9.東日製作所 TOHNICHI(トーニチ) トルクドライバー FTD200CN2-S
価格:18,518円(税込)
種類:直読式ダイヤル型
トルク調整範囲:0.3~2Nm
サイズ:27.2 x 9 x 9cm
重さ:370g
簡単な説明:東日製作所のトルクドライバーFTD200CN2-Sは、わかりやすいダイヤル型のツールです。左右に目盛があるため、増締めや戻しトルクによる検査も容易に行えます。
10.中村製作所 (KANON) カノン トルクドライバーN6LTDK N6LTDK
価格:10,418円(税込)
種類:空転型
トルク調整範囲:0.05~0.6Nm
サイズ:13.31 x 3.3 x 3.3cm
重さ:145g
簡単な説明:カノンのトルクドライバーN6LTDKは、本体サイズが小さく重量も軽いため、持ち運びに便利なツールです。空転型のため、規定値に達したら手ごたえですぐに適正トルクを判断できます。
11.TOHNICHI(トーニチ) トルクドライバー FTD2CN-S
価格:24,557円(税込)
種類:直読式ダイヤル型
トルク調整範囲:0.003~0.02Nm
サイズ:15.2 x 9 x 9cm
重さ:140g
簡単な説明:TOHNICHIのトルクドライバー FTD2CN-Sは、締まっているねじの検査用に最適なツールです。置針が標準装備されているため、最大値の読み取りも容易です。ビットは市販品を使用できるため、幅広いねじの検査に利用できます。
12.GEDORE 単能型トルクドライバー Minor 015200
価格:12,882円(税込)
種類:単能型
トルク調整範囲:0.14~1.35Nm
サイズ:20.8 x 5.4 x 4.4cm
重さ:210g
簡単な説明:GEDOREの単能型トルクドライバーMinor015200は、アルミ製で非常に軽量です。そのため、繰り返し作業に適しています。特に電子機器や自動車の組み立てに使われることの多いトルクドライバーです。
13.Wera(ヴェラ) 05027913001 | 300 トルクドライバー 4.0(ピストル型)
価格:12,302円(税込)
種類:単能型
トルク調整範囲:5Nm
サイズ:19.8 x 6.1 x 3.1cm
重さ:233.3g
簡単な説明:Weraのトルクドライバー 4.0は、持ち手部分がピストル型のツールです。他のトルクドライバーとは異なる持ち方が必要ですが、人間工学に基づいているため、作業性に優れています。
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解説したように、トルクドライバーはトルク管理の方法が異なるため、作業に適した1本を選ぶことが重要です。今回紹介したトルクドライバーの中には、ビットが付属するタイプも多いため、購入後すぐに作業を行えます。
適切なトルクドライバーの選び方で迷う人は、今回解説した内容を参考に、選んでみてください。そして、適切なトルクドライバーで効率的な作業を行いましょう。
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