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配管工事に欠かせない工具の1つに、パイプレンチがあります。パイプレンチと一言にいっても、様々な形状やサイズのものがあるためどれを購入すれば良いか分からないという方も多いのではないでしょうか。そこで、今回はパイプレンチの選び方を、おすすめの製品のランキングと併せて紹介します。パイプレンチの購入を検討している方はぜひ参考にしてください。
パイプレンチとは
パイプレンチとは、円形の管の継ぎ手を締めたり取り外したりするために使われる工具です。建設業では、水道管工事や配管作業においてよく使用されています。
パイプレンチは、先端にあるパイプの締め付けを行うジョーという鋸歯状の調整可能なアゴ部分と、パイプを回すためのハンドルで構成されています。力を込めやすく、パイプを傷つけにくい形状になっているので、女性や初心者でも扱いやすいのも魅力です。
パイプレンチの選び方
建設業だけでなく一般家庭にも普及しているパイプレンチですが、様々な種類のものが販売されているため目移りしてしまう方も多いでしょう。自分の業務に適した製品を選ぶために、以下の5点に注目して選んでください。
- パイプの種類から選ぶ
- パイプ径のサイズから選ぶ
- ハンドルのサイズから選ぶ
- 本体の素材から選ぶ
- 使いやすさから選ぶ
パイプの種類から選ぶ
パイプの種類は、用途や形状によって以下の3種類に分けられます。
- 白管タイプ
- コーナータイプ
- 被覆管タイプ
白管タイプ
薄肉鋼管のガス管や水道管の作業や家庭用に使用されるのが、白管タイプのパイプレンチです。パイプを傷つけないように上あごや浮け歯が荒い歯形になっているのが特徴です。表面積が多いため、軽量でありながら強力なグリップを実現しています。
コーナータイプ
通常のパイプレンチでは作業が困難な、届かないような狭い場所や障害物、角度のある場所での作業のために作られたのがコーナーレンチです。ハンドル部分に対して口開き部分が90度開く仕様になっています。コンパクトな設計で狭い場所でも回しやすく、初心者でも取り扱いやすいのが特徴です。
被覆管タイプ
被覆管とは、炭素鋼管の外面に硬質塩化ビニルを接着剤で被覆している水道管やガス管のことです。キズが付きやすい被覆管にも使える、パイプを傷つけにくい仕様になっているのが被覆管タイプのパイプレンチです。開口部の溝が細かくつくられているため、1つの溝に加わる力が分散されます。
パイプ径のサイズから選ぶ
業務で使用するパイプの直径を測り、それに合ったサイズのものを選びましょう。口開き部が掴めるパイプの外径サイズは一般的にmmで表示されます。パイプレンチの開口部は調整可能ですが、大きすぎるとパイプレンチ自体のサイズも大きくなり、使いづらくなる可能性があります。
また、口開幅の下限があるものもあるので、細いタイプの配管にも使用したい場合は、そちらもチェックしましょう。
ハンドルのサイズから選ぶ
パイプレンチの全長は「呼び寸法」と言い、一般的にmm単位で表示します。呼び寸法は150~1200mmまで豊富に展開されていますが、1本目を選ぶのであれば300mmや450mmタイプのものが、使いやすいでしょう。
JIS規格では呼び寸法に対する開口部のサイズが定められていますが、JIS規格品でないものはその対象でないので選ぶ際に注意する必要があります。
本体の素材から選ぶ
パイプレンチの素材は、「金属製」か「アルミ製」の大きく2つに分類できます。炭素鋼を中心に鋳鉄などを採用した金属製のパイプレンチは、重量はありますが、強靭で頑丈なため熟練の職人に好まれています。対して、アルミ製は耐久性にはやや劣りますが軽量で扱いやすいという特徴があります。長時間使用する方や初心者の方はアルミ製のものを選ぶと良いでしょう。
使いやすさから選ぶ
サイズや素材や形状だけでなく、使いやすい+αとなる機能や特徴があるかどうかも、重視しましょう。パイプレンチを選ぶ際には、以下の3点をチェックしましょう。
- 目盛り
- グリップの素材
- 耐久性
目盛り
開口部に目盛りがついているものであれば、作業をしながらパイプの直径を計測できます。メジャーでは測りづらく読み間違えのリスクもあるパイプの直径を、瞬時に測定できる機能は様々な大きさのパイプを扱う職人の方におすすめです。工具を持ち替え計測する手間を削減できるので、作業効率を大幅に上げてくれます。
グリップの素材
グリップの素材も、使いやすさに大きく影響します。長時間作業だと掌に汗をかきやすくなるため、パイプレンチが滑り作業の質を下げたり、落下事故を起こすリスクが発生するからです。樹脂コーティングされているグリップであれば、汗による滑りのリスクも軽減できますし、冬場は冷えづらいためオールシーズン快適に利用できます。また、強く握っても掌が痛くなりづらいというメリットもあります。
耐久性
頻繁に作業で使用する方や、長く大切に使いたいという方は耐久性も重視しましょう。錆びづらく摩耗しづらい特殊な加工が施されている製品だと、通常のパイプレンチより耐久性が格段にアップします。焼入れなどの熱処理が施された炭素鋼製の製品や、錆びづらいアルミやステンレス製のものを選ぶのも良いでしょう。
パイプレンチのおすすめメーカー
パイプレンチを選ぶ際に、信頼できるメーカーの製品を選びたいという方のために、おすすめのメーカーを紹介します。
- トネ
- ロブスター
- MCC
トネ
TONE株式会社は1938年創業の、東京都に本社を持つ作業工具やトルク管理機器、ボルト締結機器の開発、製造、販売を行うメーカーです。軽量のアルミ素材のパイプレンチが使いやすいと職人から定評があります。全長248mm直径45mmのものから全長774mm直径140mmのものまで、6種類の製品が販売されています。
ロブスター
ロブスターは1888年創業の、大阪府に本社を持つ老舗工具メーカーの株式会社ロブテックスが販売する工具の名称です。耐久性に優れた強力なパイプレンチが、9種類ものサイズ展開で販売されています。質の良いものを長く使いたいという方におすすめのメーカーの1つです。
MCC
株式会社松阪鉄工所(MCC)は、1916年創業の三重県に本社を持つ作業工具、電動工具、配管用機器などの開発、設計、製造を行うメーカーです。スタンダードなパイプレンチから被覆管用、アルミタイプ、倍力タイプなど様々な形状の製品を展開しています。特にコーナーレンチは定評があるので、お探しの方はチェックしましょう。
パイプレンチおすすめランキング15選!
パイプレンチの選び方やおすすめのメーカーを紹介してきましたが、
「パイプレンチがすぐに必要になったため選ぶ時間がない」
「プロの職人が勧めている製品が知りたい」
という方も多いのではないでしょうか。
そこで、おすすめのパイプレンチを以下でランキング形式で紹介します。
- 高儀(Takagi) M&M 軽量パイプレンチ 300mm
- トップ工業 (TOP) パイプレンチ SW-300-H ※シール包装品
- 高儀(Takagi) GISUKE パイプレンチ JIS付 200mm PW-200J
- トネ(TONE) アルミパイプレンチ ALPW-250
- ロブテックス パイプレンチ(強力型) 150mm
- LSLANSOON パイプレンチ 大小2本セット
- Generic パイプレンチ 多機能万能レンチ
- 東邦工機 HIT アルミパイプレンチ 600mm ALP600
- トップ工業 (TOP) パイプレンチ LMW-280
- MCC コーナーレンチ アルミAD 350 CWALAD35
- 東邦工機 HIT アルミパイプレンチ 350mm ALP350
- MCC コーナーレンチ スリムワイド 350 CWT-350
- HFS(R) パイプレンチ 250mm
- HIT 被覆管用ブルーアルミコーナーパイプレンチ ACPW 300-J
- インターナショナルトレーディング アルミパイプレンチ 24インチ
1.高儀(Takagi) M&M 軽量パイプレンチ 300mm
価格:¥1,200税込
対応パイプ径:約10~32mm
本体の素材:鉄(FCD材)、その他:炭素鋼
サイズ:3x7x27cm
重さ:858g
一般的なパイプがくわえられる鉄製のパイプレンチです。リングを回してハンドルを上げ下げするだけで簡単に調整できるため、初心者の方にもおすすめの製品です。
2.トップ工業 (TOP) パイプレンチ SW-300-H ※シール包装品
価格:¥3,960税込
対応パイプ径:19~43mm
本体の素材:
サイズ:36.8×25.8×6.9cm
重さ:689.46g
パイプだけでなく、丸形状や四角形状のものや潰れてしまったナットも廻せる汎用性の高いレンチです。配管作業だけでなく、工場機械設備の点検や補修にも利用できます。
3.高儀(Takagi) GISUKE パイプレンチ JIS付 200mm PW-200J
価格:¥845税込
対応パイプ径:20mm
本体の素材:鋳鉄
サイズ:19.1×5.2×2.2cm
重さ:390g
抜群の喰い付き力がある、スタンダードなタイプのパイプレンチです。サイズ調整ができないので、使用するパイプの直径が一定という方におすすめです。
4.トネ(TONE) アルミパイプレンチ ALPW-250
価格:¥1,904税込
対応パイプ径:最大口開き45mm
本体の素材:アルミニウム合金
サイズ:25×11.2×4.4cm
重さ:530g
アルミニウム合金製の軽量で丈夫なパイプレンチです。アゴ部分には目盛りがついており、片手でパイプ直径の計測も行えます。握りやすく滑りにくいグリップが魅力です。
5.ロブテックス パイプレンチ(強力型) 150mm
価格:¥3,027税込
対応パイプ径:6~27mm
本体の素材:
サイズ:16x3x0.99cm
重さ:158.76g
JISの強度をクリアしている、高い耐久性と安全性を兼ね備えた高品質のパイプレンチです。コンパクトながら握りやすい形状なので、狭い場所の作業におすすめの製品です。
6.LSLANSOON パイプレンチ 大小2本セット
価格:¥2,200税込
対応パイプ径:30~60mm/14~30mm
本体の素材:高炭素鋼
サイズ:小/全長26.5cm、大/全長38cm
重さ:小/約500g、大/約880g
大・小2つのパイプレンチのセットです。アゴ部分は自動ロック式を搭載しており、サメの歯のように返しがついているので噛み付く構造です。グリップにはTPRコーティング仕様が施されており、握りやすく使いやすい仕様です。
7.Generic パイプレンチ 多機能万能レンチ
価格:¥1,899税込
対応パイプ径:56-80mm
本体の素材:アルミニウム合金、ABSハンドル
サイズ:27x8x4.8cm
重さ:560g
軽量で携行性に優れた、99%以上の水栓ナットに対応できる汎用性の高いパイプレンチです。スプリングが内蔵されておりスイッチを押すことで開口サイズが調整できます。3つのカードスロットアクセサリや、握りやすいABS素材のハンドルなども搭載しているハイスペックなパイプレンチです。
8.東邦工機 HIT アルミパイプレンチ 600mm ALP600
価格: ¥11,372税込
対応パイプ径:20~106mm
本体の素材:本体/アルミ合金、歯部/工具用特殊鋼
サイズ:56x15x5cm
重さ:2kg
JIS規格で強力級が保証されている高耐久、高品質なパイプレンチです。本体はアルミ合金で軽量ですが、アゴ部のみ工具用の特殊鋼を使用しているため強度が強いのが魅力です。
9.トップ工業 (TOP) パイプレンチ LMW-280
価格:¥3,293税込
対応パイプ径:0~70mm
本体の素材:真鍮, プラスチック, 金属
サイズ:33.5×9.8×2.4cm
重さ:440g
大型サイズながら厚さ8ミリの薄型設計で肉抜きをしているので、従来品と比較して30%の軽量化に成功したモデルです。プッシュウォーム機構を搭載しているため、本体の溝にフィットしガタが来ず、素早い口幅調整も可能なハイスペックなモデルです。
10.MCC コーナーレンチ アルミAD 350 CWALAD35
価格:¥6,597税込
対応パイプ径:21~51mm
本体の素材:アルミ
サイズ:37.1×17.3x4cm
重さ:700g
亜鉛メッキ鋼管の締め付けに適したパイプレンチです。アルミ鍛造にさらに熱処理を施しているため、耐久性や強度に優れており、JIS強力級の基準を満たしています。
11.東邦工機 HIT アルミパイプレンチ 350mm ALP350
価格:¥6,092税込
対応パイプ径:10~72mm
本体の素材:アルミ合金
サイズ:33.3×9.6×3.7cm
重さ:949.99g
JIS強力級保証の耐久性と強度を持ちながら、上アゴが薄く狭い場所でも使いやすい設計です。携帯しやすいため、現場移動が多い方にもおすすめです。
12.MCC コーナーレンチ スリムワイド 350 CWT-350
価格:¥5,576税込
対応パイプ径:21~60mm
本体の素材:金属
サイズ:34.2×12.4×1.6cm
重さ:820g
JIS普通級相当の強度を持つ、歯幅わずか13mmの薄型のパイプレンチです。従来モデルではくわえられなかった継手にも、ワイドな口開きで対応しています。
13.HFS(R) パイプレンチ 250mm
価格:¥880税込
対応パイプ径:最大開口約φ20mm
本体の素材:鋳鉄
サイズ:19.05×6.35×2.29cm
重さ:410g
耐久性と携行性に優れた軽量モデルのパイプレンチです。鋸歯状のジョーと調整可能なナット、握りやすいハンドルなど様々な機能を搭載しているコストパフォーマンスに優れた製品です。
14.HIT 被覆管用ブルーアルミコーナーパイプレンチ ACPW 300-J
価格:¥7,986税込
対応パイプ径:10~32A
本体の素材:亜鉛, 合金鋼
サイズ:29.5×10.2x3cm
重さ:600g
通常のパイプレンチより歯のピッチが細かく、被覆管を傷つけにくい仕様です。従来のレンチでは難しい狭い場所の作業にも適しています。
15.インターナショナルトレーディング アルミパイプレンチ 24インチ
価格:
対応パイプ径:最大口開き約88mm
本体の素材:アルミニウム,、炭素鋼
サイズ:約545×約103×約45mm
重さ:約2kg
歯がしっかりパイプにくい込むため、丸いパイプでもガタつかず回せる仕様です。ナットを回すだけで口径が簡単に調整できるので、初心者でも使いやすい製品です。
パイプレンチを上手に使用するコツ
パイプレンチを使いこなせるまで時間がかかる方も多くいます。「うまくパイプをくわえられない」「回そうとしてもガタついてしまう」という方のために、上手に使用するコツを以下で説明します。
- パイプを掴むとき
- パイプレンチを回すとき
- パイプを外すとき
パイプを掴むとき
まず、開口部の調節部分であるナットを回し、対象のパイプより大きくなるように緩めておきます。パイプレンチをパイプに対して垂直に持ち、レンチのアゴ部分がしっかりくわえられるようにセットし、ナットを締めてしっかりと固定していきます。
パイプレンチを回すとき
回転方向に押すように力を加え、パイプレンチを回していきます。滑ってガタついてしまう方は、この時に力を加える方向が誤っている可能性が高いです。力を加える方向は一般的に締めるときは右回しです。作業中は常に一定方向に力を加えましょう。
パイプを外すとき
ナットを締めるときとは反対方向(一般的には左回し)に力を加えナットを回転させ、緩めて外していきます。あるいは、締め付ける回転方向とは逆の方向へ持ち上げるように回します。ハイスペックなパイプレンチでは、上アゴ部分をプッシュするだけでレンチを外せるものもあります。
パイプレンチのお手入れ方法
パイプレンチを長く使うためには、適切な手入れを行うことが大切です。アゴ部分の歯の隙間に油汚れやシール材が溜まると、パイプの締め付けが悪くなってしまいます。定期的に油拭き布(ウェス)やワイヤブラシで歯の間を掃除して、綺麗な状態を保てるようにしましょう。
鉄工ヤスリや真空ポンプのおすすめについてはこちらの記事で紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。
鉄工ヤスリおすすめランキング15選!選び方やメーカーを解説真空ポンプおすすめランキング12選!選び方やメーカーを解説【まとめ】用途に合わせたパイプレンチで作業効率を向上させよう!
パイプレンチはパイプの継ぎ手やナットの締め付けや緩めに使用する工具で、配管作業や水道管工事で主に使用されています。パイプレンチを選ぶ際には、持ち手の長さやパイプ径のサイズ、レンチの種類や機能など様々な点をチェックすることをおすすめします。業務で使用するパイプに合うスペックのパイプレンチを選び、業務効率化を目指しましょう。
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