単管足場とは?枠組足場との違いや主要部位・組み方などを解説

単管足場とは

建設現場では、「足場」が必要不可欠です。この足場には、単管足場や枠組足場など、様々な種類があります。しかし、

  • 単管足場とはいったいどんなものなんだろう
  • 枠組み足場と単管足場は何が違うんだろう

などと疑問に思う方もいるのではないでしょうか。そこで今回の記事では、単管足場とはどのようなもののことを指すのかや、枠組み足場との違い、主要部位・組み方などについて解説していきます。

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単管足場とは

単管足場とは、単管という直径48.6mmの鉄パイプを使って組み立てる足場のことをいいます。形状を変化させられるくらい柔軟性が高く、狭いところでも使用できるというのが単管足場の特徴です。また、付属品が少ないので比較的容易に組み立てられるというメリットもあります。一方で、強度や安全度はあまり高くないというデメリットもあるので、注意が必要です。

枠組足場の違い

枠組み足場は、鉄やアルミニウム製の矩形、フレームなどを使って建設される足場のことをいいます。枠組み足場は建物の外壁に設置されることが多く、安定性と耐久性が高いという特徴があり、建築工事や大規模なメンテナンス作業に使用されるのが一般的です。それに対して単管足場は、前述の通り強度や安全度はあまり高くなく、低層の外壁塗装などに使用されることが多いです。

単管足場の労働安全衛生規制について

〈労働安全衛生規制 第571条9〉
一 建地の間隔は、けた行方向を一・八五メートル以下、はり間方向は一・五メートル以下とすること。二 地上第一の布は、二メートル以下の位置に設けること。三 建地の最高部から測つて三十一メートルを超える部分の建地は、鋼管を二本組とすること。ただし、建地の下端に作用する設計荷重(足場の重量に相当する荷重に、作業床の最大積載荷重を加えた荷重をいう。)が当該建地の最大使用荷重(当該建地の破壊に至る荷重の二分の一以下の荷重をいう。)を超えないときは、この限りでない。四 建地間の積載荷重は、四百キログラムを限度とすること。
全国仮設安全事業協同組合「足場に係る改正労働安全衛生規則等について」

単管足場を構成する名称・役割

単管足場を構成する名称・役割は、以下の通りです。

  • 建地
  • 腕木
  • 筋かい
  • 根がらみ
  • 敷板
  • 作業床
  • 手すり
  • 中さん
  • 幅木

建地

建地は、足場などの仮説構造物の支柱となる垂直材のことを指し、建地と書いて「たてじ」と読みます。支柱である建地が曲がってしまうと足場全体に影響を与えるので、建地は単管足場において重要な役割を負っています。垂直でないと足場が歪んでしまうため、事故などを防止し、安全に作業を行うためにも建地は必ず垂直に建てるようにしましょう。

布というと、衣服などに使用する布を想像することが多いですが、ここでの布はそれとは違い、水平材や水平補強材のことを指します。水平材は、建地と建地を水平方向に固めるための部材のことです。現場で実際に耳にすることが多い「地上第1の布」は、足場の一段目の水平材のことで、地上から高さ2m以下にしなければならないと決められています。

腕木

腕木とは、支柱である内側と外側の2本の建地の間をつないで固定する横材のことを言います。2本の建地を固定する腕木は、歩み板や布丸太(足場を横につなぐための部位)などの作業板を設置するためにも必要な部位です。水平という意味から、「転ばし」や「転がし」と言われることがあります。

筋かい

筋かいは、足場の構造を強化するために柱と柱の間に斜めに入れる重要な部材です。「筋交い」もしくは「筋違い」と表記されることもあり、英語では、「ブレース、ブレス(brace)」とも呼ばれます。地震などの影響で足場が衝撃を受けた場合、接合部の強度が弱かったら変形してしまう可能性があります。そこで、筋かいを入れることで強度を強くし、変形を防止してくれるのです。

根がらみ

根がらみもまた、足場においてなくてはならない重要な部材です。根がらみは、名前のように絡まっている状態を示す言葉ではなく、足場工事の専門用語で支柱のはめ込み穴を切り取ったような形をしています。根がらみの役割は、足場の根元を固めて強度を高め、部材の位置ずれによる崩壊などを防ぐことです。根がらみは足場を構成する部材の中でも特に欠かせないものです。

敷板

敷板とは、足場が地面で滑ったり沈んでいったりするのを防ぐために、地面に敷く木製の足場板のことをいいます。敷板の長さは、目安として3〜4m程で、幅の目安は30cm程です。敷板と間違えやすいものとして、敷角や敷盤などがあります。しかし、敷板と敷角や敷盤には違いがあるので、混同しないように気を付けましょう。

作業床

作業床は、その名前の通り、作業するための床のことです。作業床は、高さ2m以上の場所で作業を行う場合、落下等を防ぐために設置しなければならないと厚生労働省で決められています。建築業界では、作業床の他にも、「踏床」や「足場板」と言われることもあります。作業床の要件は、幅40cm以上、床材間の隙間は3cm以下、床材と建物の隙間は12cm未満です。

手すり

足場作業における手すりとは、作業床を歩くときや作業をするときなどに、墜落を防ぎ安全を確保するために設置する手すりのことをいいます。高さ2m以上の足場で作業を行う際には、高さ75cm以上の手すりを設置しなければなりません。しかし、現代人の平均身長は昔よりも高くなっているため、75cmだと低く、不安が残ってしまいます。そのため、多くのゼネコンでは適正な手すりの高さは、95cm以上と決められているのです。

中さん

中さんは、作業床と手すりの間に備え付ける部材のことを言います。中さんの「さん」は「○○さん」という敬称ではなく、「桟」のことを示します。「中さん」の他にも「下さん」というものがあり、これは交さ筋かいの下に取り付ける桟のことです。中さんは、高所からの転落事故や墜落事故などを防止するために平成27年から設置することが義務付けられました。

幅木

幅木は、足場の床の外側のへりに備え付ける板材のことで、作業床から足を踏み外して転落しないようにするためのサッシみたいなものです。幅木も「中さん」と同じように、労働者の墜落事故などを防ぐために平成27年に設置が義務化されました。幅木は高さが15cm以上で、簡単に外れない構造である必要があります。「幅木」の他に、「巾木」や「つま先板」と言われることもあります。

単管足場に用いる主要部材

単管足場に用いる主要部材は、以下の通りです。

  • 足場板
  • 単管パイプ
  • 固定ベース
  • クランプ
  • 単管ブラケット
  • ジョイント

足場板

足場板は、現場で作業するときの作業床のことで、作業員が歩く場所のことを言います。高い場所で作業するときに使用されることが多く、従業員の体重を支える必要があるので、高い強度が必要です。枠組足場では、鉄製布板が足場板と同じ役割を果たします。布板という名前ではありますが、フックの有無以外には大きな差異がありません。

単管パイプ

単管パイプは、鋼鉄製のパイプのことです。単管パイプの直径は48.6mmと決められています。別名、「単管」や「パイプ」と呼ばれることもあります。単管パイプは足場専用の部材ではありません。そのため、足場以外にも色々なことに使用されており、ホームセンターでも売られているほど価格が安いというのが特徴です。

固定ベース

固定ベースは、単管パイプを地面に建てるために使う資材のことを言います。固定ベースを地面に設置することで、単管パイプを固定しつつ、足場の強度を高められるのです。固定ベースは付け根が動きにくく、根元に可動性があるものは自在ベースと呼ばれています。固定ベースの大きさも単管パイプと同じで、48.6mmです。

クランプ

クランプは英語で「締める」という意味を表し、単管同士をしっかりと結び付けるために使う部材です。クランプの種類は単管パイプのつなぎ方によって異なり、「直交クランプ」、「自在クランプ」、「3連クランプ」の3種類があります。特に直交クランプと自在クランプが使われることが多く、強度や重荷によって選び分けています。

単管ブラケット

ブラケットは、単管パイプと足場板に結び付けることで、足場板の安全度を向上させるための部材です。2つの取り付け金具によって組み立てられており、形状により、一定の長さがある「固定型ブラケット」、伸縮できる「伸縮型ブラケット」、支えがプラスされた「張り出し型ブラケット」に分けられます。ブラケットは作業員の安全を確保するために重要な役割を担っています。

ジョイント

ジョイントは、単管パイプを延長するために使う機材のことです。先ほど解説した「クランプ」は単管パイプが重なったときに使う固定具のことです。それに対してジョイントは、単管パイプの端っこと端っこを接続するために使われます。ジョイントの種類には「直線ジョイント」「マルチジョイント」「ドブメッキジョイント」「手すり用ジョイント」があります。

単管足場の組み立て方

単管足場の組み立て方は、以下の通りです。

  1. 敷板・敷角を設置する
  2. 支柱を組み立てる
  3. 枠を組み立てる
  4. 壁繋ぎで固定する

1.敷板・敷角を設置する

初めに、支柱と地面が設置しているところに敷板・敷角を設置します。こうすることで、足場が滑ってしまったり、沈下してしまったりすることを防げるのです。

2.支柱を組み立てる

設置した敷板・敷角の上に単管ベースという底が平面になった金具を基準にして、最初に縦方向の単管パイプの支柱を垂直に組み立てます。支柱と支柱を連結させるためには、先ほどご紹介した「根がらみ」という布材が必要です。ただし、長尺の敷板にベースを釘止めした際には、滑動防止および沈下防止としての効果があるので、根がらみを省けます。

3.枠を組み上げる

クランプなどの緊結金具を使用して枠を組みあげます。このときに注意しなければならないことは、クランプの締め付けトルクです。枠組みの安定性を保持するためにもクランプの締め付けトルクを標準値にし、できる限り均一に締めることを意識しましょう。枠組みが終了したら、足場板を渡して単管に固定していきます。

4.壁繋ぎで固定する

最後に、単管を壁繋ぎを使用して固定します。壁繋ぎで固定することによって、足場の倒壊を防げます。足場の倒壊防止として、「筋交い」の設置も必要です。筋交いは枠外に斜めに固定することで補強していきます。現場の状況によって足場板同士の隙間が埋められない際には、落下防止用ネットなどの設置が義務化されているので、注意が必要です。

単管足場を使用するときの注意点

単管足場を使用するとき、事故を起こしてしまう可能性もあります。そのため、単管足場を使用するときには注意しなければならないことがあります。まず、足場の重量には制限があり、床1.8mあたりの最大重量は400kgです。そして、安全に作業を行うためには、材料も必要不可欠です。材質に経年劣化などによる傷が見られる場合、単管足場の材料として使用してはいけません。

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【まとめ】単管足場は柔軟性が魅力!狭い場所や低層建物に最適

この記事では、単管足場とはどんなものなのかや枠組み足場との違い、主要部位・組み方などについて解説してきました。単管足場の魅力は柔軟性が高いところで、狭い場所や低層建物に適しているということが分かっていただけたと思います。また、単管足場を使用するときには事故を引き起こしてしまう危険性もあるので、注意しなければならないこともあります。

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