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TRD工法は、地中に連続した壁を掘削造成するときに採用される工法です。掘削能力が高く精度の良い連続壁の造成ができます。今回は、TRD工法の特徴や施工手順、主な適用例についてわかりやすくまとめてみました。地中掘削による止水壁や土留め壁の造成が必要な場合や、液状化対策が必要になったときの参考にしてください。
TRD工法とは
TRD工法とは、地中に建て込んだ巨大なチェーンソー型のカッターポストを横移動させ、できあがった池中溝に、掘削液や固化剤を流し込んで連続した壁を造成する工法です。カッターポストはベースマシンと接続され、地中溝の深さに合わせて継ぎ足されます。H型の鋼などでできた芯材を建て込めば、地下掘削作業の土留止水壁や遮水壁工事に適用できます。
TRD工法の特徴
この項目ではTRD工法の特徴について解説します。主な特徴は以下の4項目です。
- 安全性に優れている
- 優れた掘削能力
- 目違いのない連続性
- 深度方向に均質な壁品質
以下、順に説明します。
抜群の安定性
TRD工法は、ベースマシンの全長が従来工法に比べて低いので、安定性が高いというメリットがあります。従来工法では、全長15メートルから30メートルのベースマシンが必要でした。TRD工法のベースマシンは、全長が10メートル前後、しかも低重心になるように設計されています。また、施工中はカッターポストが常に地中に挿入されているので転倒する心配もなく安定性は抜群です。
優れた掘削能力
掘削能力が優れていることもTRD工法の特徴です。従来工法では先行掘削が必要な硬質地盤(砂礫、土丹、軟岩など)など、広範囲な地盤・地質でも高い掘削能力を発揮します。掘削能力が高いので工期の短縮が可能です。施工コスト削減にもつながるでしょう。また、カッターポストに組み込まれた多段傾斜計管理装置でリアルタイムに施工管理できるので、直進性や垂直性に優れた高精度な掘削が可能です。
目違いのない連続性
TRD工法では、地下に挿入したチェーンソー型のカッターポストを動作させながら、地中壁を造成します。カッターポストが周回しながら横移動して、固化液や掘削液と原位置土を混合攪拌する方式です。そのため、全体的に目違いのない連続壁が造成できます。TRD工法で造成された連続壁は、壁面全体に継ぎ目がありません。そのため、止水性が高く高品質な地下連続壁が実現します。
深度方向に均質な壁品質
TRD工法では、深度方向に均質で品質の高い壁が造成されます。ベースマシンから挿入されたカッターポストは鉛直方向のすべての土質を同時に混合攪拌します。そのため、土質や強度がちがう地層が交互にあるような場合でも、深度方向に均質で高品質な地下壁が造成可能です。横方向の連続性と深度方向の均質性から、TRD工法で造成される地下連続壁は他の工法と比べても高品質だといえます。
TRD工法の施工手順
ここからは、TRD工法による地下連続壁造成の施工手順について説明します。TRD工法の主な手順は以下の3つの工程です。
- カッターポスト(チェーンソー状)の建て込み
- TDR壁の造成
- カッターポストの引き抜き
以下順を追って解説します。
カッターポストの建て込み
第一段階はカッターポストの建て込みです。建て込みは次の手順で行います。
- TRDベースマシンに先端部のカッターポストを接続し施工開始位置に建て込む。
- 建て込んだカッターポストをベースマシンから切り離す。
- あらかじめ用意された預け穴に次のカッターポストを準備する。
- ベースマシンを移動し次のカッターポストを接続する。
- 先端部を打ち込んだ場所に移動してカッターポスト同士を接続させ建て込む。
なお、建て込み時にカッターポスト先端から掘削液や固化剤を吐出し攪拌混合します。所定の深度に到達するまで、2から5をくり返しカッターポストの建て込みは収量です。
TDR壁造成
カッターポストの建て込みが終了したら、TDR壁の造成です。次の手順で行います。
- 施工開始位置からベースマシンと接続したカッターポストを横移動しながら、チェーンを周回させて掘削する。
- 掘削時に掘削液や固化剤を吐出して攪拌混合する。
- ベースマシンを横移動させ、掘削と戻り掘削をくり返しながら施工終了位置まで掘削する。
- 掘削しながら所定の芯材をクレーンで建て込む。
芯材は固化剤や掘削液が凝固する前に建て込みます。施工終了位置まで掘削が終了したらTDR造成は終了です。
カッターポストの引き抜き
最後にカッターポストを引き抜きです。次の手順で行います。
- 施工終了位置でベースマシンとカッターポストを切り離す。
- 複数建て込まれたカッターポスト同士を切り離しながら、クレーンでカッターポストを引き抜く。
- ベースマシンを移動させて、残りの芯材を施工範囲全体に建て込む。
以上で、施工は完了です。TRD工法では芯材間隔が自由に設定できます。
TRD工法の主な適用例
TRD工法の主な適用例について、代表的な例を紹介します。
- 地下施設や下水処理施設、地下鉄駅舎などの土留め壁施工
- 雨水調整施設や地下ダムなどの止水壁造成
- 産業廃棄物処分場などの遮水壁や汚染土壌封じ込め壁
- 建築物の基礎や河川堤体基礎の液状化対策
- 鉄道に近接した箇所の掘削による変状防止対策
- 河川堤防補強や堤体下部浸水の止水壁造成
- 自然河川の浸食対策
【まとめ】TRD工法は継ぎ目のない優れた品質の壁体が造成可能
TRD工法は、地中に止水性の高い連続壁を造成する施工方法です。従来工法に比べてベースマシンの全長が低く低重心なので安定性があります。チェーンソー型の掘削カッターポストは、作業中常に地中に挿入されているので転倒の心配もありません。造成された地下連続壁は、継ぎ目がなく高品質な止水壁になります。工期も従来と比べ短くなりコストを抑えることも可能です。TRD工法は、地下施設の土留め壁や、産業廃棄物処分場などの止水壁、河川堤防の護岸工事などに適用されます。
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