全建が高市首相に緊急要望、資材高騰を上回る公共事業予算を要請

全国建設業協会が5月29日、高市首相に公共事業予算の緊急要望を提出

全国建設業協会(全建)の今井雅則会長らが、2026年5月29日、高市早苗首相に対して公共事業予算の拡充を求める緊急要望を提出しました。柱は、2025年度補正予算と2026年度当初予算の合計を上回る予算規模の確保です。資材価格や人件費の上昇を「上回る」増額を求め、2026年度を超える実質的な事業量の確保を強く要請しました。背景には、物価高で公共工事の実質投資額が目減りし、発注件数そのものが減っている現状があります。中東情勢による原油供給不安で、塗料・塩ビ管・接着剤・シーリング材など石油化学系資材の安定供給にも懸念が広がっています。

予算が増えても、価格転嫁と工期・支払い条件が変わらなければ下請けは苦しい

影響を受けるのは、公共工事を担う土木・舗装・とび土工などの中小建設業です。注目したいのは、要望が「予算を増やせ」だけで終わっていない点です。公共・民間を問わない適切な価格転嫁、柔軟な工期延長、そして部分払いによるキャッシュフロー改善まで踏み込んでいます。つまり、発注総額が増えても、価格転嫁と支払い条件が改善しなければ、現場の資金繰りは楽になりません。日々の契約交渉でこそ効く論点です。

今の契約交渉で「価格転嫁・工期延長・部分払い」を発注者に申し入れる

この要望は、業界団体が国に対して正式に求めた内容です。同じ理屈を、自社の進行中の契約交渉にそのまま使えます。資材が上がった分の単価改定、無理な工期の延長、出来高に応じた部分払いを、元請けや発注者に書面で申し入れてください。「業界全体が国に求めている話」という後ろ盾があります。社内チャットでも「全建が国に価格転嫁・工期延長・部分払いを要望した」と共有し、交渉の材料にしましょう。

7月の「骨太の方針」に盛り込まれるかが当面の焦点

全建は、この要望を政府が7月にまとめる「骨太の方針」に反映するよう求めています。ただし、仮に予算が増えても、人手不足で工事を消化できるかは別問題です。予算と現場の体力、その両方の動きを追う必要があります。

出典: 日刊建設工業新聞「全建・今井雅則会長ら、高市首相に緊急要望/公共事業予算、資材高騰上回る規模を」(2026年6月1日) / 全国建設業協会「公共事業予算の確保等に係る緊急要望について」