※記事内に広告を含みます
何が起きたか
メーカー側で既に確定している動き
田島ルーフィングは4月1日に二段構えの価格改定を発表しています。
- アスファルト系防水材料・断熱材(ポリスチレン/ウレタン):5月1日納品分から40〜50%値上げ(RBボードのみ4/1〜40%)
- 屋根下葺材・外壁下張材・雨仕舞材・屋根材全般:5月1日納品分から40〜50%値上げ
さらに需給逼迫が進み、
- 4月9日11:00〜:アスファルト系下地剤・プライマー・防水保護塗料・ビュートップ関連の特定品目で受注一時停止
- 4月10日17:30〜:住宅建材全製品の新規受注停止
旭ファイバーグラスは4月1日発表で、屋根材「リッジウェイ」と専用部材を7月1日出荷分から約30%値上げ。
このほか、断熱材(カネカ4月〜40%、デュポン・スタイロ5月〜40%、マグ・イゾベール7月〜25%以上)、シンナー(日本ペイント3/25〜75%、関西ペイント4/2〜50%以上)、シーラント・塗料・石膏ボード・鋼材までナフサショックが業界横断で進行中です。
業界団体の動き(要請段階)
4月23日、日本アスファルト乳剤協会と日本改質アスファルト協会が連名で国土交通省道路局長宛に要望書を提出。コスト上昇分を取引価格に反映してほしい、という内容です。日本アスファルト合材協会も別途、国交省へ価格転嫁協議の円滑化を要請中。
これらは業界が公的な場で声を上げた段階であり、要望書そのものが値上げを確定させるものではありません。
国交省側で既に動いている救済措置(公共工事)
国交省は中東情勢を踏まえ、直轄工事における単品スライド条項の運用を各地方整備局に通知済み。都道府県・指定都市・各省庁の発注者にも同通知が出ています。
単品スライド条項の対象にはアスファルト混合物・アスファルト乳剤・ストレートアスファルトが含まれ、残工期2か月以上の工事で品目毎の変動額が請負代金の1%超なら請負代金の変更を請求できる仕組みです。国交省は「中東情勢関連対策ワンストップポータル」も設置。

現場への影響
- 舗装業者:ストレートアスファルトと乳剤の価格上昇直撃。公共工事中心なら単品スライドで救済可。民間工事で再見積条項がない契約は粗利を削る
- 防水業者:田島のアスファルト系防水材が5月〜40〜50%値上げ+特定品目受注停止。改修・新築問わず工程直撃
- 屋根業者:リッジウェイ7月〜30%値上げ+田島ルーフィング住宅建材全品の新規受注停止。シングル系・ルーフィング系ともに玉切れリスク
今後やること
1. 進行中案件の影響試算
受注済み案件のうち5月以降納品分を抽出。アスファルト系防水材は40〜50%、リッジウェイは30%、断熱材は40%を目安に上振れ試算。
2. 公共工事は単品スライド条項を申請
残工期2か月以上で品目変動額が請負代金1%超なら、国交省通知を根拠に発注者へ単品スライド条項の適用申請。発注者側も通知を受けているので対応せざるを得ない状況。手続きの起点を逃さない。
3. 民間工事は契約上の正規ルートで対処
再見積条項がない進行中案件は、メーカーの確定リリース(田島4/1付・旭ファイバーグラス4/1付)を根拠に施主と協議を申し入れ。値上げ要請ではなく事実共有が先。協会要望書を交渉カードに使うのは要望が通って国交省通知などに反映された後で十分です。
4. 新規見積の防衛策
- 有効期限を60日→30日に短縮
- 「原料価格の急変動・主要メーカーの供給停止が生じた場合は再見積もりとする」条項を明記
- 田島・旭ファイバーグラス系品目は値上げ後単価で積算
5. 代替メーカー・在庫確認
田島の新規受注停止が長引く前提で、商社経由で代替メーカーの在庫を確認。値段以前に物が入らないので納期確保が最優先。
この先の注目点
- 協会要望書が国交省の追加通知やスライド条項適用要件の緩和に反映されるか
- メーカー値上げ・受注停止の波が舗装・防水・屋根以外(設備・塗装系)に広がるか
- 中東情勢関連対策ポータルでの追加救済策の更新
舗装・防水・屋根業者にとっては値上げ転嫁の正当性を主張するフェーズではなく、契約条項とスライド条項で身を守るフェーズ。値上げ交渉の根拠は協会要望書ではなく、メーカーの確定リリースと国交省通知に置くのが筋です。
出典: 建設通信新聞「アスファルト価格反映を要望」(2026年4月28日)
安全書類・施工計画書の業務代行はツクノビBPOへ

