前田道路ら3社、VFCコンクリートで橋梁補修を効率化

国内の道路橋は高度経済成長期に集中して整備されたものが多く、今後一斉に老朽化を迎えます。その維持管理・補修を効率よく進める技術が求められる中、前田道路・前田建設工業・エスイーの3社が、合成繊維を用いた新しいコンクリート床版補修工法を開発し、実用化の段階に達したと発表しました。

道路橋の「床版」とは、車両が直接走行するコンクリート製の板状の部分です。経年劣化によりひび割れが生じ、そこから水や塩化物が浸入することで内部の鉄筋が腐食し、橋梁全体の寿命を縮める原因となります。これまで主流だった鋼繊維補強コンクリート(SFRC)工法では、打ち継ぎ界面からの水の浸入が課題として残っており、付着切れや浮き・はく離といった変状が繰り返し発生していました。

今回開発された工法は、合成繊維「ESCON-UR(VFC)」を配合した高強度コンクリート(圧縮強度100N/mm²以上)を既存床版の上に薄く打ち重ねるものです。合成繊維は鋼繊維と異なり腐食しないため、長期にわたる耐久性が期待できます。薄層施工のため床版の重量増加が少なく、隣接する既設区間との段差も生じません。前田道路つくばテクノセンターでの試験施工では、機械・人力ともに打込み・締固め・仕上げが良好に実施できることが確認されており、2026年度内の実用化を目指しています。

老朽インフラの維持管理は、建設業界が今後数十年にわたって対応し続ける重要課題です。補修の質を高めながら施工を効率化できる工法の実用化は、限られた人員と予算の中で多くの橋梁を維持していくための力強い選択肢になりそうです。

参考:https://www.maeda.co.jp/news/2026/03/30/5731.html