鹿島建設と島根大学、光ファイバ計測器を従来比3分の1の価格で開発

老朽インフラの維持管理に、より手軽で高精度な監視技術が登場しました。鹿島建設と島根大学は産学連携により、光ファイバセンシングを用いた新しい計測器「SensRay(センスレイ)」を開発しました。従来製品と比べて価格を約3分の1に抑えながら、0.2秒間隔での動的ひずみ計測を実現しており、橋梁をはじめとするインフラ構造物の維持管理への普及が期待されます。

SensRayの最大の特長は、汎用の光ファイバを使って最長1kmの距離にわたり、最速150ヘルツ(1秒間に150回)でひずみを連続計測できる点です。橋梁の主桁下面にファイバを敷設して大型車両走行時のひずみ応答を計測する実証も行われており、車両の通過による微細な構造変化を精密に把握できます。従来の光ファイバ計測ではレーザ光の位相雑音が精度の障害となっていましたが、島根大学の伊藤教授が考案した「位相雑音補償OFDR」アルゴリズムによってこの問題を解決しました。

国内のインフラ構造物は高度経済成長期に建設されたものが多く、老朽化による維持管理の負担が増大しています。点検・計測コストの高さが課題となる中、SensRayのような廉価かつ高性能な計測器の普及は、限られた人員でより多くの構造物を継続的に監視する体制づくりに貢献します。製造はアルネアが担い、アンリツを通じて販売される予定で、建設分野以外にも自動運転や航空機分野での活用も見込まれています。

参考:https://www.kajima.co.jp/news/press/202603/31c1-j.htm