バックホウ遠隔施工を実証|安全性向上と人手不足解消へ

バックホウ遠隔施工を実証|安全性向上と人手不足解消へ

前田建設工業株式会社と前田製作所は、石川県珠洲市で進められている斜面復旧工事において、バックホウを遠隔操作する施工の実証を実施しました。これは、建設現場の安全性と人手不足解消の両立につながる取り組みです。

今回の実証では、現場から約500キロ離れた茨城県取手市の研究施設から、遠隔操作システム「Smart Construction Teleoperation」を用いてバックホウを操作しました。対象となった工事は、斜面崩壊により不安定な土砂が堆積しており、落石や転石による事故のリスクが高い現場です。従来は作業員が危険区域近くで作業せざるを得ず、安全確保が大きな課題となっていました。

遠隔操作の導入により、作業員は安全な場所から建機を操作でき、危険区域への立ち入りを避けられます。実証の結果、掘削や土砂の集積、仮置きといった基本的な作業は、俯瞰カメラを併用することで遠隔でも問題なく行えることが確認されました。一方で、細かな整形作業や急斜面での走行、高速な流れ作業については難易度が高いことも分かり、今後の技術改良が課題として挙げられています。

また、作業効率を示す歩掛りは有人施工の約0.5倍となりましたが、安全性を最優先とする災害復旧工事では十分に検討価値のある結果といえます。通信環境にはStarlink Businessが活用され、264Mbps・遅延120msを達成し、十分な通信速度と低遅延が確保されました。特にアンテナ設置位置によって通信の安定性が左右される点が明らかになり、現場条件に応じた工夫の重要性も示されています。

この取り組みは、危険作業の削減だけでなく、熟練オペレーターが遠隔地から複数現場を支援できる可能性を示しています。人手不足が深刻化する建設業において、遠隔操作技術は今後の現場運営を支える有力な選択肢となりそうです。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000046240.html