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建設業として営むには、国や自治体からの建設業許可が必要です。その中でも溶接工事は、特別な資格が多く、様々な作業があります。「溶接工事として営業するための建設業許可の申請手続きは面倒なのか」と不安に思う方は多いでしょう。
本記事では、溶接工事で必要とされる建設業許可の種類や取得するための要件、申請手順などを詳しく解説します。溶接工事の業務を適切に進めて、トラブルなく運営できる体制がわかるので、ぜひ最後まで読んでみてください。
溶接工事とは
溶接工事とは、鉄筋などの金属を高温で溶かし、接合する作業です。建設現場では、鉄骨を使用する配管工事やタンクの製作など、様々なシーンで溶接が使用されています。
溶接には種類があり、アーク溶接やガス溶接、抵抗溶接があります。アーク溶接は電極と溶接物の間に発生するアーク熱を利用する方式で、近年需要が高くなっています。溶接は、ボルトやナットでつなぐ必要がないので、部品や作業工程を減らせるのがメリットです。
鍛冶工事との違い
溶接工事と似ている作業に鍛冶工事があります。鍛冶工事は、金属を加熱・加工して別の形状に作り上げる作業です。例えば、階段やバルコニーの手すり、照明のアーム部分、フェンスなどの強度が必要な鉄製製品を作ります。鍛冶工事の目的は成型加工であり、幅広い加工物に対応しています。
対して溶接工事の内容は、金属同士を高温で溶かしてつなぎ合わせる作業なので、主な目的は接合です。鍛冶工事の工程の一つとして溶接工事が行われることも多いです。
溶接工事で必要な建設業許可の種類
溶接工事を行うには、国土交通省により定められた建設業許可を取得する必要があります。溶接作業の内容や規模によって求められる許可の種別が異なるので、作業内容に合わせた許可を取得しましょう。作業内容ごとの業種について解説します。
作業内容によって業種が異なる
溶接作業は、建築物の新築工事や橋梁工事、機械設備の製作など様々な作業があります。その中で、何を溶接するのかによって以下の業種に分類されます。
- トビ・土工工事業
- 鋼構造物工事業
- 鉄筋工事業
それぞれ特徴を解説します。
トビ・土工工事業
トビ・土木工事業は、建築物の基礎工事や解体工事を行う業種です。溶接工事としては、くい打ちの鋼管の溶接や、鉄骨・鉄板の加工物の溶接による組み立てなどを行います。基礎工事の重要な溶接なので、技術と安全管理が求められる作業です。
鋼構造物工事業
鋼構造物工事業は、鉄骨造りの建築物や橋梁、タンクなどの鋼構造物の組み立て工事を行う業種です。溶接工事としては、鋼構造物の製作・加工という中心的な作業工程を担います。
鉄骨部材の製作や、部材の溶接など、現場での仕事が多く、鋼構造物の耐久性や安全性も求められる重要な存在です。
鉄筋工事業
鉄筋工事業は、鉄筋コンクリートの建築物の鉄筋加工・組み立て工事を行う業種です。溶接工事では、鉄筋同士の接合や、鉄筋とコンクリートの付着などの作業をします。
鉄筋の溶接、組み立て時の溶接といった基本的な溶接接合の技術が求められる現場です。
溶接工事で建設業許可を取得する要件
溶接工事を実施するために、作業内容に応じた建設業許可を取得します。取得のためには、一定の要件を満たす必要があります。
特に重要なのが、溶接施工を適切に管理する体制です。管理責任者や一定の資格を保有する溶接作業者を確保しないといけません。トビ・土工工事業、鋼構造物工事業、鉄筋工事業の3種類に共通する取得要件は以下の通りです。
- 経営を行う管理責任者を配置すること
- 専門の資格を持つ技術者を配置すること
- 請負契約に誠実性があること
- 財産的基礎や金銭的な信用があること
- 管理責任者は、許可を得たい業種で5年以上の実務経験があるか、それ以外の建設業で6年以上の実務経験があること
- 欠格要件に該当しないこと
このように、溶接工事を行うための様々な要件があります。さらに、管理責任者や技術者の配置の観点について解説します。
経営を行う管理責任者の配置
溶接工事を含む業種の建設業許可を受けるには、経営を行う管理責任者(常勤役員)の配置が義務付けられています。管理責任者には以下のような実務経験が求められます。
- トビ・土工工事業:本業種での役員経験が5年以上あること、もしくはそれ以外の建設業で6年以上実務経験があること
- 鋼構造物工事業:本業種での役員経験が5年以上あること、もしくはそれ以外の建設業で6年以上実務経験があること
- 鉄筋工事業:本業種での役員経験が5年以上あること、もしくはそれ以外の建設業で6年以上実務経験があること
どの業種も、経営業務に関して5年以上の管理責任者としての経験があれば問題ありません。他の業種の場合は、建設業の経営業務管理責任者で、6年以上の経験が必要です。
資格を保有している技術者の配置
溶接工事を含む業種の建設業許可を受けるには、専門の国家資格を保有している技術者の配置が必要です。各業種で必要な資格をまとめます。
トビ・土工工事業
トビ・土工工事業で必要な専任技術者の要件は以下の通りです。
- トビ・土工工事業の実務経験が10年以上あること
- 建築学または土木工学の学科を卒業+トビ・土工工事業の実務経験があること(高卒5年以上、大卒3年以上)
- 専門の国家資格を有すること(一級建設機械施工技師や一級土木施工管理技士など)
1から3のいずれかに該当する者を常勤で配置しないといけません。建設業を申請する営業所単位で配置してください。
鋼構造物工事業
鋼構造物工事業で必要な専任技術者の要件は以下の通りです。
- 鋼構造物工事業の実務経験が10年以上あること
- 建築学または土木工学の学科を卒業+鋼構造物工事業の実務経験があること(高卒5年以上、大卒3年以上)
- 専門の国家資格を有すること(一級建築施工管理技士や一級土木施工管理技士など)
建設業を申請する営業所単位で、1から3に該当する者を配置してください。
鉄筋工事業
鉄筋工事業で必要な専任技術者の要件は以下の通りです。
- 鉄筋工事業の実務経験が10年以上あること
- 建築学または土木工学の学科を卒業+鉄筋工事業の実務経験があること(高卒5年以上、大卒3年以上)
- 専門の国家資格を有すること(一級建築施工管理技士や二級建築施工管理技士など)
各業種ごとに取得する資格が違うので、どの資格が必要か確認しておきましょう。
溶接工事の建設業許可の申請方法
溶接工事を行うための建設業許可を取得するには、申請書類を準備して、管轄する地方整備局に申請します。申請手順や期間、費用について解説します。
申請手順
申請手順として、まず必要書類一式を準備します。一般的に以下の書類が必要です。
- 建設業許可申請書
- 経営業務の管理責任者の経歴書
- 専任技術者の経歴書および資格証の写し
- 本店・支店・営業所の図面や賃貸借契約書の写し
- 決算関係書類
- 印鑑証明書
- その他業種に応じて必要な書類
不備があると審査に時間がかかるので、事前に必要書類をすべて洗い出しておきましょう。
許可が下りるまでの期間
建設業の許可が下りるまで一定の期間がかかります。標準的な審査期間は以下の通りです。
- 都道府県知事許可:1か月程度
- 国土交通大臣許可:3か月程度
不備がなく、スムーズに審査が完了しても1か月以上はかかると考えておきましょう。
許可申請にかかる費用
建設業の許可申請にかかる費用は以下の通りです。
- 都道府県知事許可:9万円
- 国土交通大臣許可:15万円
その他にも謄本取得料や、納税証明書を取得する代行料が発生する場合もあります。
許可の有効期限
建設業許可の有効期限は5年間です。5年経過後は失効するので、その前に更新手続きをしないといけません。有効期限の6ヶ月前から更新手続きができるので、最新の必要書類を準備しておきましょう。
建設業許可番号とは?見方や取得するメリット・手順などを解説の記事はこちら
建設業許可番号とは?見方や取得するメリット・手順などを解説【まとめ】溶接工事の建設業許可は作業内容によって業種が異なる!事前に決めておこう
この記事では、溶接工事の特徴と必要な建設業許可の種類、建設業許可の申請手順などを解説しました。溶接工事を行うための建設業許可は、主にトビ・土工工事業、鋼構造物工事業、鉄筋工事業の3種類があります。
溶接工事の対象物や作業内容によって、必要な建設業許可が異なります。各業種によって、求められる資格や配置が必要な技術者などの要件も変わってくるので、作業内容に応じて的確に判断しましょう。
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