BIM/CIMを外注できる依頼先やメリット・デメリットを解説!

BIMやCIMを活用した設計・施工が進む中、「社内で人材や時間が足りず、外注を検討している」という企業が増えています。しかし、どのような依頼先があるのか、費用や品質面での違いがわからないという声も少なくありません。

この記事では、BIMやCIMの外注先の種類・特徴・相場、さらにメリット・デメリットを詳しく解説します。BIMの外注を検討している方にとって非常に参考になります。ぜひ最後までご覧ください。

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BIM/CIMを外注できる依頼先

BIMやCIMの外注先は、対応範囲や得意分野によって大きく異なります。そのため、ここでは外注できる依頼先ごとの特徴を紹介します。BIMやCIMの外注は、以下の3種類の業者が選ばれることが一般的です。

  • 請負業者
  • フリーランス
  • アウトソーシングサービス

それぞれの特徴や違いを把握して、自社が外注する際の参考にしてください。

請負業者

BIMやCIM業務を外注する際に最も多く利用されているのが、BIMやCIMモデリングを専門に行う請負業者です。

請負業者は企業として体制が整っており、複数の技術者がプロジェクトチームを組んで作業を行います。そのため、品質・納期・サポートが安定しやすい点が特徴です。

請負業者の多くは、建設業や土木業、設備設計などに精通しています。そのため、企画段階から施工・維持管理フェーズまで一貫した対応が可能です。BIMデータを活用した数量算出・干渉チェック・3D可視化など、幅広い業務に対応できる点も魅力です。

特徴

請負業者に依頼する最大の利点は、組織的な体制と高い再現性です。企業としてコンプライアンスやセキュリティを徹底しているため、情報共有やデータの安全性にも信頼が置けます。

請負業者は、社内に複数のBIMオペレーターやコーディネーターが在籍しています。そのため、Revit・Archicad・Civil 3Dなど主要BIMソフトに幅広く対応が可能です。

モデリング精度も高く、国土交通省が定めるガイドラインや要領等に準拠しているケースが多いのが特徴です。

利用料金の相場

請負業者にBIM業務を外注する場合、業務範囲や建物の規模・複雑度によって費用は大きく変動します。一般的な相場は以下の通りです。

プロジェクト規模 料金 請負業務内容
小規模 20万〜50万円程度 3Dモデリングのみ
中規模 50万〜150万円程度 モデリング
干渉チェック
数量拾い など
大規模 200万〜500万円程度 施工段階までの包括的支援

料金は、請負業者の専門性や地域性によって差があります。そのため、複数の会社から見積もりを取得して比較することが重要です。

フリーランス

BIMやCIMを外注する際の2つめの選択肢が、フリーランス(個人BIMモデラー)です。

BIMソフトに精通した個人技術者が、リモートでモデリングや修正業務を請け負うケースが増えています。特に小規模案件やスポット業務では、請負業者に比べてコストを抑えられる点が魅力です。

個人であるフリーランスは、直接やり取りができるため、意思疎通がスムーズでスピーディーな対応が期待できます。

一方で、納期管理やセキュリティ面では企業に比べてリスクがあるため、発注前にスキルや契約条件の確認が欠かせません。

特徴

フリーランスへの外注は、柔軟さとコスト効率の高さが大きな魅力です。案件ごとに条件を調整できるため、急なモデリング業務や部分的な支援を依頼したい場合に適しています。

ただし、フリーランスには個人差が大きく、スキルレベルや納品品質が一定ではありません。そのため、発注前にポートフォリオや過去実績をチェックし、対応できるBIMソフトを確認することが重要です。

また、大規模な案件には対応が難しい点も考慮しなければいけません。

利用料金の相場

フリーランスの料金は、業務内容やスキルによって大きく異なります。基本的なBIMモデリングであれば、1案件あたり10〜15万円程度が相場です。構造や設備を含む詳細なモデリングが必要な場合、20〜50万円程度が相場です。

CADデータ変換や設計意図の反映といった付加業務を依頼する場合は、別途追加料金がかかることもあります。請負業者よりリーズナブルに依頼できますが、品質やセキュリティ体制のチェックが欠かせません。

アウトソーシングサービス

BIMやCIM業務を効率化したい企業には、アウトソーシングサービスの活用も選択肢の1つです。アウトソーシングサービスは、BIMモデリングや図面作成などの一部業務を外部の専門企業へ継続的に委託する仕組みです。

単発の発注ではなく、一定の契約期間を設けて作業を依頼できるため、社内リソースを安定的に補完できます。

アウトソーシングは業務の平準化とコスト最適化を同時に実現できる手法として注目されています。そのため、BIMの導入期や人材不足が慢性化している企業におすすめです。

特徴

アウトソーシングサービスは、業務プロセスごとに外部委託できる柔軟性が魅力です。例えば、モデリング・レンダリング・数量算出・干渉チェックなど、必要な部分だけを切り出して依頼できます。主な特徴は次の通りです。

  • 社内の固定人件費を抑制できる
  • 専門企業のノウハウを活用し品質を標準化できる
  • 短納期や繁忙期のリソース補強に対応可能
  • セキュリティや秘密保持契約(NDA)も企業間契約で安心

このように、アウトソーシングは請負型とフリーランスの中間的な選択肢として、安定性と柔軟性を両立できるのが強みです。

利用料金の相場

アウトソーシングサービスの料金は、契約内容や作業範囲によって異なります。

一般的には、時間単価制または業務単位ごとの従量課金制で設定されます。業務単位ごとの場合、図面1枚当たり2万円から3万円程度が料金相場です。時間単価制の場合、1時間あたり1,500円以上が一般的です。

オフィスを人件費の安い国に構えることで、こうした相場より安い料金でサービスを提供する業者もあります。ただし、コミュニケーションが取りづらい可能性があるため、留意が必要です。

BIM/CIMを外注するメリット

BIMやCIMを外注することで、企業はリソース不足の解消・生産性の向上・品質の安定化といった多くの効果を得られます。特に、社内に専門スタッフがいない企業やBIM導入をこれから始めたい企業にとっては大きなメリットです。

ここでは、BIMやCIMを外注する以下の3つのメリットを紹介します。

  • 専門スキルを持った人材を活用できる
  • コストを削減できる
  • コア業務に集中できる

専門スキルを持った人材を活用できる

BIMやCIMを外注すれば、専門スキルを持った人材を活用できます。

BIM業務は、3Dモデリングソフトの操作だけでなく、設計・施工・維持管理の知識も求められる高度な領域です。外注を活用すれば、こうしたスキルを持つプロフェッショナルに業務を任せられます。

外注先によっては、BIMコーディネーションやCIM活用にも対応しています。そのため、最新の設計手法や国交省ガイドラインに準拠したモデリングが可能です。必要な時に必要なスキルを調達できる柔軟性は大きな魅力です。

コストを削減できる

コストを削減できるのは、BIMを外注する最大のメリットです。自社で専任スタッフを雇用・教育する場合、人件費・設備費・ライセンス料などの固定費がかかります。外注であれば、必要な業務だけを発注できるため、変動費化が可能です。

さらに、アウトソーシング企業を利用すれば、繁忙期だけリソースを増強する柔軟な運用もできます。これにより、業務量に応じたコストコントロールが実現し、経営資源の最適配分につながります。

コア業務に集中できる

BIMやCIMを外注することで、設計者や現場担当者が本来のコア業務に専念できる点も、大きな魅力です。BIMやCIMを外注すれば、設計提案や顧客対応といった付加価値の高い業務に専念でき、全体の工程短縮にもつながります。

また、外注によって作業工程が分担されることで全体の業務フローが効率化し、納期短縮にもつながる点もメリットです。BIMを外注することで、単なるコスト削減策ではなく、組織全体の生産性を底上げする戦略的施策として活用できます。

BIM/CIMを外注するデメリット

BIMやCIMを外注することで多くのメリットが得られる一方、注意すべきデメリットも存在します。なかでも社内の人材育成や情報管理、外部との連携面で課題が生じやすく、事前の準備と対策が欠かせません。

ここでは、BIM外注で発生しやすい以下の3つのデメリットを解説します。

  • 社内に知識やノウハウを蓄積しにくい
  • コミュニケーションが取りにくい
  • 情報漏洩のリスクがある

社内に知識やノウハウを蓄積しにくい

BIM業務をすべて外注に依存すると、自社にBIMやCIMのノウハウが蓄積されにくくなるという問題があります。モデリングやデータ管理を外部が担当すると、社内スタッフがBIMの仕組みや運用方法を十分に理解できなくなる恐れがあります。

その結果、将来的にBIMを内製化したいときに、教育コストや体制構築の手間が増加する点がリスクです。BIMやCIMを外注する際は、納品時に作業工程や設定内容を共有し、社内でもノウハウを蓄積できる体制を整えることが重要です。

コミュニケーションが取りにくい

社外のBIM担当者とやり取りする場合、設計意図や変更内容の共有に時間がかかることがあります。特にリモート対応や海外委託の場合、時差や言語の違いが影響し、意思疎通にズレが生じることも珍しくありません。

このような状況では、修正依頼や再確認の手間が増え、納期の遅延や品質低下につながる恐れがあります。そのため、外注を活用する際は連絡体制を整え、コミュニケーションコストを最小化する工夫が必要です。

情報漏洩のリスクがある

BIMデータには、建物構造・設備配置・設計情報など機密性の高い情報が多く含まれています。外注先とのデータ共有時にセキュリティ対策が不十分だと、情報漏洩や第三者アクセスのリスクが発生する可能性があります。

特に、海外のBIM外注先を利用する場合は、データ管理基準や契約条件が国内と異なるため対策が必要です。NDA(秘密保持契約)を締結し、明確なセキュリティポリシーを設定することが大切です。

BIM/CIMを外注できる依頼先の選び方

BIM外注を成功させるには、信頼できる依頼先の選定が重要です。選び方を誤ると、品質や納期、コストのバランスが崩れる恐れがあります。

依頼先を選ぶ際は、以下の3点が重要です。

  • 実績・対応分野の確認
  • 使用ソフト・データ形式の確認
  • コミュニケーション体制の整備

BIMやCIM外注の専門業者は、国交省ガイドラインやCIM要領に沿って納品が可能な場合が多く、公共案件にも適しています。

BIM/CIMを外注する際の注意点

外注を活用する際には、トラブルを防ぐための事前準備が欠かせません。特に次の3点を意識しておくと、円滑に進められます。

  • 契約内容を明確にする
  • 仕様書・データ形式を統一する
  • 連絡体制を整備する

これらを徹底することで、誤解や修正コストを減らし、スムーズな外注運用が可能です。BIMを内製化した場合、多くの課題を低減できます。将来的な内製化を視野に入れる場合も、上記の注意点を意識することが重要です。

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【まとめ】BIM/CIMは自社に合う外注先を選び業務を効率化しよう!

この記事では、BIMやCIMの外注先の特徴や選び方、注意点を解説しました。

BIMやCIMの外注は、専門人材の確保や業務効率化を実現する有効な手段です。請負業者・フリーランス・アウトソーシングサービスなど、それぞれの特徴を理解し、自社の目的に合わせて選定することが成功の鍵となります。

ただし、外注には情報共有やノウハウ蓄積などの課題もあるため、信頼できるパートナーとの連携と社内体制の整備が欠かせません。

自社のリソースやコスト、品質のバランスを踏まえて最適な外注方法を選び、BIM運用の効率化と競争力強化を目指してみてください。