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発注者が国や自治体の公共工事は、土木業者にとってメリットの大きい案件です。
民間工事ではできないような大規模な工事に携われるため、施工実績として会社の信頼度が向上します。さらに、安定した受注量が確約でき、工事代金を現金で受け取れるために未払いのリスクもありません。
しかし、公共工事を落札するためには幾つかのステップをクリアしなければなりません。今回は公共工事の入札に参加するための基本的な手順や落札のコツについて説明していきましょう。
公共工事とは
まずは公共工事の定義について説明します。公共工事は「国、特殊法人等又は地方公共団体が発注する建設工事」と、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律で定められています。
つまり、発注者が民間業者ではなく公的機関である工事が公共工事として定義されているのです。
特殊法人は、法人税法の「公共法人」と建設業施行規則の「国土交通省令で定める法人」の2種類に分類できます。公共工事の内訳は、国と自治体が8割、残り2割は特殊法人となっています。
公共工事の具体例
次に、公共工事の具体例について説明していきます。公共工事の代表的な例として挙げられるのは以下の3つです。
- ダムの築造
- 公民館の建築
- 道路の補修作業
まずダムの築造が挙げられます。10〜15年の年月をかけた大規模なプロジェクトで発注者は国であるケースが殆どです。
次に、地方自治体が発注する公民館の建築も公共工事の代表的な例です。憩いの場所だけではなく避難場所の役割を果たす公民館の建築は、それぞれの自治体からの需要が多いことで知られています。
また、道路の補修作業も公共工事の1つです。道路のひび割れによる交通事故を防ぐため、定期的に自治体によって発注がおこなわれています。
市場規模は14兆円以上!
公共工事の市場規模は非常に大きいことで知られています。東京オリンピックを控えた建設ラッシュで2020年までは15兆円を超えていましたが、近年では14兆円台をキープしています。
内訳は教育や水道などの生活基盤のインフラが45%、道路を中心とする産業基盤のインフラが35パーセント、残りは第一次産業や治山治水関連となっています。
どの建設工事も規模が大きいため、落札できれば経営の安定につながることは間違いありません。
公共工事の入札とは?
国や自治体が工事を発注する際に契約事項を公示して、複数の業者の中から価格や技術力などの条件を踏まえ、最も有利な条件の業者に発注する手法を「公共工事の入札」と言います。
ここでは、公共工事の入札について詳しく解説します。
公共工事の入札の概要
公共工事の入札の概要とは、国や自治体が契約条件を公示し最も有利な業者を選ぶ制度です。
複数の業者から価格や技術提案を競わせ、公共資金の適正な使用と透明性を確保することが目的です。
入札では公正な競争を通じてコスト削減や品質確保を目指し、不正行為を排除します。会計法では一般競争入札が原則とされ、予定価格制度で上限を設定し入札の公正性を守ります。
このように、公共工事の入札は社会資本を守るための重要な手続きです。
公共工事の入札の種類
公共工事の入札の種類には一般競争入札、指名競争入札、随意契約があります。
一般競争入札は不特定多数の資格業者が参加できる最も開かれた方式で、透明性と公平性が高い半面価格競争が激しくなります。
指名競争入札は発注者が実績や信頼性で特定業者を選び、その中で最も有利な条件を示した会社と契約する方式で、専門性の高い案件に適しています。
随意契約は緊急工事や特殊技術案件などで競争を行わず発注者が任意に業者を選定する方式で、柔軟性がある反面参加ハードルが高いのが特徴です。
最近は総合評価方式などが導入され、価格だけでなく技術や社会貢献度も評価されます。
民間工事との違い
公共工事と民間工事の違いは、発注者と目的にあります。
公共工事は国や自治体が発注し国民生活や地域発展を目的とするため、厳格な入札手続きと透明性が求められます。評価基準も価格だけでなく技術力や地域への貢献度など多面的に審査されます。
一方、民間工事は企業や個人が自由な交渉で契約を結び、柔軟でスピーディーな進行が可能です。
資金調達も公共工事は税金など公費が使われ、民間工事は民間資金が用いられる点が異なります。
公共工事の入札に参加するための4つの要件
公共工事の入札に参加するためには、以下の4つの要件を満たさなければなりません。
どちらか1つでも欠けている場合、入札資格は得られないため注意しましょう。全ての要件を満たしている業者のみが、「有資格者名簿」の登録申請を行えます。
ここでは、公共工事の入札に参加するための4つの要件について、詳しく解説します。
経営事項審査を受けている
経営事項審査は、公共工事に入札する業者に義務付けられている審査です。公共工事の審査は「客観的事項」と「主観的事項」の2つの側面がありますが、経営事項審査は後者の「客観的事項」に該当します。
経営事項審査は「経営状況分析」と「経営規模等評価」の2つの結果の総合評定値を算出して判定します。審査結果の有効期日は審査基準日から1年7か月となっており、この有効期間内に公共工事を請け負えます。入札できる期間ではないので混同しないようにしましょう。
経営事項審査の点数とは?点数の目安や点数をアップさせるコツについてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
経営事項審査の点数とは?点数の目安や点数をアップさせるコツをご紹介!
建設業許可を受けている
建設業許可は建設業法の第3条によって定められた、建設業を営む上で必要な許可です。
工事1件の請負代金の額が1,500万円未満の建築工事一式または延床面積が150平米未満の木造住宅工事、工事500万円以下の軽微な工事の場合は取得が不要なので、今まで小規模な工事のみを請け負ってきた業者は取得していない可能性があります。
さらに、元請として工事を受注しその工事が4,000万円以上(建築一式工事は6,000万円以上)の場合は特定建設業許可が必要になるので、公共工事の内容を確認して必要であれば取得しましょう。
欠格要件に該当しない
公共工事に入札するためには、定められた欠格要件に該当しないことも必須です。欠格要件とは法を遵守せず適正に業務を遂行していない業者を排除するための条件で、以下のような要件が該当します。
- 破産者で復権を得ていない
- 営業の許可を受けていない未成年者
- 成年被後見人
- 経営状況が著しく不健全
- 虚偽の申告をしている
など、契約の締結のための同意を得ていない未成年や被補佐者や被後見人、不正のある業者などは欠格要件に該当すると判断されます。
各種税金に未納がない
税金を完納していなければ、入札に参加できません。公共工事は殆どが国民の税金によって行われているので、税金未納者に入札の資格がないのは当然といえるでしょう。
また、税金を完納していることは、経営状況が健全であることの証明にもなります。税金を滞納していないことの証明のために、各種税金の完納証明書が必要となります。
入札時期が決算月と近い場合、スケジュールがタイトになり完納証明が間に合わないケースも見受けられるので、申告の前に納税証明書を取得しておくなどスケジューリングを工夫しましょう。
公共工事の入札の流れ
公共工事は、建設業許可を取得しており、欠格要件に該当せず、税金の完納を証明できる業者のみが入札に参加できます。さらに、経営事項審査で一定の評価を得ていることも求められます。
公共工事の入札の流れは、以下のとおりです。
- 入札参加資格審査申請を行う
- 入札公告を確認する
- 入札説明会に参加する
- 入札書を提出する
- 契約の締結・施工を行う
ここでは、それぞれのステップについて解説します。
1.入札参加資格審査申請を行う
公共工事の入札を行うためには入札参加資格審査申請が必要です。入札参加資格審査申請は実際の入札を行う前に、国や地方公共団体に行う必要があります。入札参加資格審査申請の時期は各団体によって異なるため事前の確認が重要です。
2.入札公告を確認する
入札公告を確認することは、公共工事入札の第一歩です。
公告は地方自治法施行令や会計令に基づき、工事内容や資格条件、提出期限などの重要事項を記載した公式告知で、公平性と透明性を担保します。
一般競争入札では入札期日の前日から起算して少なくとも10日前に公告することが義務付けられ、緊急案件でも5日前が最低期間です。
公告を見落とすと参加機会を失うため、官報や調達ポータルなど複数の情報源を定期的にチェックしておきましょう。
公告内容は後で訂正されることもあるので、最新版を確認する習慣が大切です。
3.入札説明会に参加する
入札説明会に参加することは、案件の詳細や発注者の意図を把握するために重要です。
説明会では発注者が要件や技術条件を正確に伝え、参加者が同じ情報を共有することで公平な競争が実現します。質疑応答を通じて隠れた要求や評価項目を直接確認でき、後日の見積もり誤差や契約トラブルを防げます。
電子入札では説明会への出席が参加資格の条件になる場合もあり、出席記録が審査対象となるので注意が必要です。
参加後は社内で情報を共有し、発注者の意図を提案戦略に落とし込むことで受注確率が高まります。
4.入札書を提出する
入札書を提出する際は、正しい形式と記載内容を守ることが不可欠です。
入札書は単なる価格提示ではなく契約意思を示す法的文書であり、金額や会社名の記入ミスや押印忘れがあると入札自体が無効になります。
封筒の表記や封緘方法にも細かいルールがあり、様式違反は失格の原因となるため注意しましょう。
紙の入札書は手作業によるミスが多いため、テンプレートやデジタルツールを活用しダブルチェックを行うと効果的です。
近年は電子入札が普及しており、システムへ入力することで提出作業が効率化され、誤記リスクを抑えられます。
5.契約の締結・施工を行う
契約締結・施工では開札から落札、契約締結までの流れを把握することが重要です。開札では入札書を開封し金額を公開します。
その後、書類と価格を審査して落札者が決定し、落札通知を受けたら契約書を作成し発注者と契約します。
契約後は発注者の監督や検査を受けながら適正に施工し、準備したチェック項目を順守することが求められます。
工事完成後には完成度や技術提案が細かく評価されるため、入札はゴールではなく丁寧で確実な仕事をすることが大切です。
公共工事の案件を選ぶポイント
続いて公共工事の案件を選ぶポイントを解説します。公共工事の案件を入札する際には、自社が入札可能な案件を的確に見つけることが重要です。公共工事の入札件数は数多く、闇雲に探して自社にマッチした案件は見つかりません。下記の観点から自社に最適の案件を探しましょう。
- 公共工事入札情報サイトを活用する
- 自社の運営地域にマッチした案件を探す
- 支払いが後払いかどうかを確認する
公共工事の入札で負けないためのコツ
公共工事の入札で負けないためには、確実に押さえたい3つのポイントがあります。それは仕様書を正確に読み込み、書類のミスを防ぎ、適切な入札価格を設定することです。
多数の業者が参加する中で差をつけるため、これらの準備を徹底することが成功への近道です。
ここでは、公共工事の入札で負けないためのコツについて詳しく解説します。
入札仕様書を読み込む
入札仕様書を読み込むことは、適切な提案と競争力ある価格設定に直結します。
仕様書は発注者が求める業務内容や品質基準を明確に記した公式文書であり、要件の理解不足は入札資格の喪失につながります。
主な記載内容には業務範囲・納期・品質基準があり、見積もりの基礎となるため、細部まで精査することが重要です。
仕様書は電子入札システムや発注機関の窓口で入手でき、最新の訂正公告を確認して常に最新版を確認するようにしましょう。
理解が難しい場合は発注者に質問し、誤解を解消することが後のトラブル防止に役立ちます。
提出書類のミスを防止する
提出書類のミスを防止するには、チェック体制を整えることが大切です。
入札書は形式や金額の記載ミス、押印忘れがあると無効となるため、複数人でのダブルチェックを行いましょう。封筒の表記や封緘手順など細かなルールにも注意し、記入漏れや押印漏れを防ぐためのチェックリストを活用します。
テンプレートや電子入札システムを利用することで書類作成の効率化とミス削減が期待できます。
提出前には仕様書の条件と照らし合わせ、必要な添付資料や証明書が揃っているかを確認することも忘れないようにしましょう。
適切な価格を設定する
適切な価格を設定することは入札成功の鍵であり、安さだけでなくコストと利益のバランスが重要です。
公共工事の入札では最低制限価格制度があり、過度に低い価格で入札すると失格となるため、材料費や人件費などの実費を正確に積算します。
技術力や品質、環境への配慮など多面的な評価項目も考慮し、適正価格と競争力を両立させることが求められます。
見積書には価格の根拠を明示し、過去の類似工事の実績や自社の強みを具体的に示すことで信頼性が高まります。
過度な低価格競争は品質低下や赤字を招くため、最低制限価格や総合評価制度を理解し、持続可能な価格を設定しましょう。
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