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建設現場で重機を使用する際、その安全性を証明し管理するための重要な書類が「持込機械等使用届」です。しかし、この書類の存在は知っていても、具体的にどのように記入すればよいのか戸惑う方も少なくないでしょう。工事の円滑な進行と安全の確保のためには、持込機械等使用届の正しい作成が不可欠です。
この記事では、持込機械等使用届の意義や記入時の留意点、提出方法などについて詳しく解説します。現場で重機を使用する際の必須知識として、ぜひ参考にしてください。
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車両系建設機械など持込機械等使用届とは
持込機械等使用届とは、建設現場に持ち込む機械を事前に点検し、その安全性を確認するために作成する書類です。実際に機械を使用する下請け業者が作成し、工事の発注者である元請会社に提出することで、現場における建設機械の適切な管理体制の構築を目的としています。
この書類の提出は、単なる事務手続きではありません。機械の使用前点検の実施状況や運転者の資格・経験、機械の設置場所や使用期間など、安全に関わる重要情報を網羅的に記録することで、工事関係者全員で安全意識を共有し、事故のリスクを最小限に抑えられます。
使用する書式
持込機械等使用届の書式は、一般的にはA3サイズの用紙1枚を横向きに使用するか、A4サイズの用紙2枚を使用します。ただし、工事の発注者である元請会社によって指定のフォーマットが用意されている場合もあるので、提出前に必ず確認しておきましょう。
元請会社指定の書式がない場合は、建設業界団体が提供している標準的な書式を使用するのが一般的です。代表的なものとしては、全国建設業協会が発行している「車両系建設機械等使用届」や、日本建設機械施工協会の「移動式クレーン使用届」などがあります。
機械をレンタルした場合
工事で使用する建設機械は、自社で保有している機械だけでなく、レンタル業者から借り受けた機械も少なくありません。その場合、持込機械等使用届の提出は必要なのでしょうか。
結論から言うと、機械の所有形態に関わらず、現場に持ち込むすべての建設機械について持込機械等使用届の提出が必要です。つまり、レンタルの機械であっても、自社所有の機械と同様に安全性の確認と使用状況の管理が求められます。
レンタル機械を使用する場合、機械の点検整備や運転者の手配などは基本的にレンタル業者が行います。しかし、現場における機械の安全管理の最終的な責任は、機械を使用する企業が負うことになります。
したがって、レンタル機械についても自社機械と同様に、使用前の点検や運転者の資格確認、使用期間や設置場所の明確化などを行い、持込機械等使用届に漏れなく記録しなければなりません。
車両系建設機械など持込機械等使用届の記入項目と書き方
持込機械等使用届は、大きく分けて「表紙」「機械明細」「点検表」の3つのパートで構成されています。以下、それぞれのパートの主な記入項目と、その記入方法について解説します。
欄外部分の記入項目と書き方
持込機械等使用届の表紙にあたる部分です。提出日や工事名、関係企業の情報などを記入します。
日付
持込機械等使用届の提出日を記入します。通常は工事開始前の提出が求められますが、具体的な提出期限については元請会社の指示に従いましょう。西暦表記、和暦表記のどちらで記入するかも、元請会社の指定に準じます。
書類名
「車両系建設機械等使用届」「移動式クレーン使用届」など、使用する機械に応じた書類名を記入します。複数の種類の機械を使用する場合は、それぞれの機械について個別に使用届を作成することが一般的です。
書類名は、通常は書式の上部に予め印字されています。該当する書類名を〇で囲み、該当しない書類名は二重線で取り消しましょう。
事業所の名称
工事現場の名称や、現場事務所の名称を記入します。「○○ビル新築工事」「△△道路改良工事 □□作業所」など、元請会社から指示された正式名称を記載します。
ここで記入する名称は、工事請負契約書や施工体系図などの他の工事関係書類に記載されている名称と統一します。表記の揺れは書類の混乱を招く恐れがあるので注意しましょう。
所長名
現場を統括する元請会社の所長(通常は現場代理人)の氏名を記入します。所長の氏名は、施工体系図などに記載されているはずです。姓と名の間は一文字分空け、姓の最初の文字に〇を付けるのが一般的な記入方法です。
なお、ここに記入するのは元請会社の所長名であり、機械を使用する下請け会社の所長名ではありません。下請け業者が書類を作成する場合でも、元請け所長名を記載するよう注意しましょう。
一次会社名
元請会社から直接工事を請け負う一次下請会社の正式名称を記入します。「株式会社○○工業」「△△建設有限会社」など、登記上の正式社名を略さずに記載しましょう。一次下請会社が複数ある場合は、機械の使用に関して元請会社と直接やり取りを行う企業名を記入します。
持込会社名
機械を現場に持ち込む会社の正式名称を記入します。先の項目と同様に、登記上の正式社名を記載します。
元請会社や一次下請会社とは別の会社が機械を持ち込む場合は、その会社名を記入します。その場合、「○次」欄にその会社が何次の下請けに当たるかを数字で記入しましょう。
自社が元請けまたは一次会社の場合は、「一次会社名」「持込会社名」両方の欄に自社名を記載し、「○次」欄は「1」と記入します。
代表者名
機械を持ち込む会社の現場責任者の氏名を記入します。実際の機械の運搬作業は下請け業者が行う場合でも、機械の手配から管理までの責任を負う立場の人物の名前を記載します。「所長名」の場合と同様、姓名の間は一文字分空け、姓の頭文字に〇を付けます。
電話
機械を持ち込む会社の連絡先電話番号を記入します。現場事務所の電話番号ではなく、本社または最寄りの営業所の電話番号を記載するのが一般的です。担当者の携帯電話の番号を記入する必要はありません。市外局番、市内局番を略さずに記入し、ハイフンで区切ります。
欄内部分の記入項目と書き方
次に、持込機械等使用届の本文にあたる機械明細部分の主な記入項目について説明します。
使用会社名
機械を実際に使用する会社の正式名称を記入します。機械の所有者と使用者が異なる場合、例えば機械をレンタルまたはリースして使用する場合などは、使用者である自社の名称を記載します。「持込会社名」とは異なることがあるので注意しましょう。
代表者名
機械を使用する会社の現場責任者の氏名を記入します。
機械の実際の運転は下請け業者の社員が行う場合でも、元請けに対して機械の使用全般について責任を持つ立場の人物の名前を記載します。氏名の記入方法は、「持込会社名」の項目の「代表者名」と同様です。
機械
持ち込む機械について、その詳細な情報を記入します。
「名称」欄には、機械の一般的な呼称を記載します。例えば「油圧ショベル」「ラフテレーンクレーン」「ホイールローダー」などです。機械の商品名や型式名ではなく、カテゴリー名を記入するのがポイントです。
「規格・性能」欄には、機械の大きさや能力に関する数値を記入します。油圧ショベルであれば「バケット容量○.○㎥」、ラフテレーンクレーンであれば「最大つり上げ荷重○○t」といった具合です。
持込年月日
機械を現場に搬入する予定日を記入します。機械の搬入は工事の開始に先立って行われるのが一般的ですが、工程の都合により開始後に搬入することもあります。いずれにしても、実際の搬入予定日を正確に記載しましょう。
年月日は西暦表記、和暦表記のどちらでも構いませんが、元請会社の指示に従います。
搬出予定年月日
機械を現場から撤去する予定日を記入します。工事完了日と同日というケースが多いですが、工事終盤に機械が不要になる場合は、それ以前の日付になることもあります。
ただし、工事の進捗次第で搬出時期が変更される可能性もあるため、現時点での予定日を記載すれば問題ありません。確定した搬出日が予定と異なる場合は、機械の搬出時に元請会社に連絡を入れるなどの対応が必要です。
使用場所
機械を使用する作業場所を記載します。現場内の具体的な地点や作業内容を示す表現で記入します。例えば「○○工区の掘削作業」「資材ヤードでの荷役作業」「△△棟屋上での揚重作業」といった具合です。
機械の使用場所が工事の進捗に伴って変更される場合は、「工事全般」などと記載することもできますが、可能な限り具体的に記入するのが望ましいでしょう。
自社・リースの区分
使用する機械の所有形態が自社所有なのか、リース(レンタルを含む)なのかを選択します。該当する方の□欄に✓やレ点を記入します。どちらにも該当しない機械、例えば下請け業者が所有する機械を借用して使用する場合などは、「リース」に✓を入れ、備考欄にその旨を記載しておくとよいでしょう。
運転者(取扱者)
機械の運転者および取扱者の氏名と、その人物が保有する資格・免許を記入します。「氏名」欄には、姓名を漢字で記入します。姓と名の間は一文字分空け、姓の頭文字に〇を付けます。
「資格の種類」欄には、その人物が保有する資格・免許の名称を記入します。例えば「車両系建設機械運転技能講習修了証」「移動式クレーン運転士免許」「玉掛け技能講習修了証」などです。
自主検査有効期限
建設機械の法定点検のうち、「定期自主検査」「特定自主検査」の有効期限を記入します。定期自主検査は、原則として1年に1回実施することが義務付けられています。
特定自主検査は、定期自主検査の対象機械のうち、特に事故の危険性が高いとされる機械について、国家資格を有する検査員による検査を義務付けたものです。検査の頻度は機械の種類によって異なります。
移動式クレーン等の性能検査有効期限
移動式クレーンを使用する場合、定期自主検査とは別に「性能検査」を受ける必要があり、その有効期限を記入します。
性能検査は、移動式クレーンの安全装置や過負荷防止装置などについて、専門の検査機関が行う検査です。検査に合格した移動式クレーンには「性能検査合格標章」が発行されます。検査の有効期限は、前項の自主検査と同様の形式で記入します。
自動車検査証有効期限
道路を走行する建設機械の場合、公道走行に必要な自動車検査証(車検証)の有効期限を記入します。トラッククレーンやトラック架装型の高所作業車など、車両系の機械に該当する項目です。それ以外の機械については記入不要で、斜線を引いて抹消します。
任意保険
自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)だけでなく、任意保険に加入している場合はその内容を記入します。建設機械の多くは自賠責保険の対象外のため、任意保険の加入が重要です。
接触防止措置等
機械の不用意な接触による事故を防止するために講じる措置を記載します。例えば「誘導員を配置する」「バックホーンを鳴らす」「接触防止センサーを設置する」といった内容です。
機械等の特性・その他その使用上注意すべき事項
当該機械の安全使用のために現場で留意すべき点を、機械の所有者・使用者の立場から記入します。機械の構造的な特性、過去のトラブル事例から得られた教訓、現場の地形や作業環境を踏まえた注意点など、起こり得る危険を具体的に記載します。
元請確認欄
元請会社の担当者が機械の受け入れを承認したことを示す欄です。「持込機械等使用届」は通常、工事開始前に作成・提出します。元請会社の現場担当者は、提出を受けた書類の内容を確認し、機械の仕様や管理体制に問題がないことを確認した上で、この欄に受け入れの可否を記入します。
受付番号
元請会社が「持込機械等使用届」を受理した際に発行する管理番号です。
受付番号は元請会社が機械の管理や書類の整理に使用する番号で、機械を持ち込む側が記入する欄ではありません。提出時点では空欄にしておきます。
受付確認者
元請会社が「持込機械等使用届」を受理したことを確認するための署名欄です。
元請会社の現場担当者が、提出された「持込機械等使用届」の内容を確認し、機械の搬入を承認した際に、この欄に署名または記名・押印します。
持込時の点検表の記入項目と書き方
「持込機械等使用届」には通常、機械の点検表が添付されています。ここでは、その点検表の主な記入項目と記入方法を説明します。
所有会社名・代表者名
点検表の冒頭には、機械の所有会社名とその代表者名を記載する欄があります。「持込機械等使用届」本体の「持込会社名」「代表者名」と同一の情報を記載します。会社名は略さずに正式名称で、代表者名は氏名を記載します。
機械の所有者と使用者が異なる場合でも、点検表に記載するのは機械の所有会社名であることに注意しましょう。
点検事項
点検表には、当該機械の点検項目が印刷されています。
点検項目は機械の種類ごとに若干の違いがありますが、概ね次のような内容が含まれています。
- ワイヤーロープの損傷の有無
- 油圧機器の作動状態
- 安全装置の作動確認
- 運転室の状態
- 警報装置の作動確認
- 各部の損傷、亀裂、変形の有無
- ボルト・ナットの緩みの有無
- タイヤの空気圧、損傷の有無
- 計器類の作動状態
- エンジン、電気系統の作動状態
これらの項目について、実際に機械の該当箇所を目視やテスター等で確認し、問題がなければ「良」の欄に、問題があれば「否」の欄にチェックを入れていきます。
点検結果
各点検項目の結果を踏まえ、機械の使用可否を総合的に判断し、「適・否」の該当欄にチェックを入れます。点検の結果、修理や部品交換の必要がある項目があった場合は「否」にチェックを入れ、具体的な不具合の内容を「不具合の内容・処置」欄に記入します。
点検者
点検を実施した日付と点検者名を記入します。点検日は機械の搬入予定日以前の日付になります。また、点検者は単なる運転手ではなく、機械の構造や点検方法について専門的な知識を有する人物であることが求められます。
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建設業界の事務代行会社おすすめ5選!選び方や活用事例なども紹介車両系建設機械など持込機械等使用届の提出先
作成が完了した「持込機械等使用届」は、工事関係書類一式とともに元請会社に提出します。提出のタイミングは機械の搬入予定日よりも前、通常は着工前の工事関係書類の提出と同時です。大規模工事の場合は数週間前から書類の提出を求められることもあるので、元請会社の指示に従いましょう。
車両系建設機械など持込機械等使用届の注意点
「持込機械等使用届」を提出する際は、添付書類の不備がないよう、十分に確認することが重要です。
通常、「持込機械等使用届」には次のような書類を添付する必要があります。
- 機械の自主検査記録簿(特定自主検査、定期自主検査)の写し
- 移動式クレーンの性能検査証の写し(移動式クレーンの場合)
- 任意保険の保険証券の写し
- 運転者の資格・免許証の写し
- リース契約書の写し(リース機械の場合)
これらの添付書類の不備は、機械の搬入承認の遅れや、工事の進捗に影響を及ぼす可能性があります。書類の準備は早めに行い、不明な点は元請会社の担当者に確認するようにしましょう。
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【まとめ】車両系建設機械など持込機械等使用届の書き方をよく理解しよう!
建設現場で車両系建設機械などの重機を使用する際は、「持込機械等使用届」の提出が義務付けられています。この書類は、現場で使用するすべての機械について、その仕様や点検状況、運転者の資格などを明らかにすることで、機械の安全管理を確実なものとすることを目的としています。
「持込機械等使用届」の作成に当たっては、記載項目が多岐にわたるため、慎重に内容を確認する必要があります。特に、法令で定められた機械の定期点検や運転者の資格要件などは、漏れや誤りがあってはなりません。
書類の作成は手間のかかる作業ですが、それ以上に重機災害のリスクは大きなものがあります。「持込機械等使用届」の意義をしっかりと理解し、正確な記載と適切な運用を行うことが、安全な建設現場の実現につながります。
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