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建設現場で大活躍するインパクトドライバーは大工職人必携の電動工具で、今や趣味のDIYでも使っている人が増えています。インパクトドライバーの用途は、穴を開けたりネジうちをするだけではありません。先端部のアタッチメントを交換することで用途がさらに広がります。今回は、インパクトドライバーのアタッチメントの種類や規格と用途の数々について解説します。
インパクトドライバーはアタッチメントで用途を広げられる
インパクトドライバーは、先端のアタッチメントを交換することで用途が大きく広がります。たとえば、ボックスソケットというアタッチメントを取り付ければレンチのような使い方が可能です。また、円状のカッターをアタッチメントに使えば、研削や研磨作業ができます。アタッチメントの種類と使い方を知っていれば、インパクトドライバーだけで様々な作業が可能です。
インパクトドライバーで使えるアタッチメントのビットの規格
アタッチメントを交換して作業するには、アタッチメントとインパクトドライバーのビット規格を知っておく必要があります。主なインパクトドライバーのビット規格は次の2つで、異なる点はビットのくびれ部分から末端部までの長さです。
- Aタイプビット くびれ部分から末端部までのサイズ 13mm 国内のインパクトドライバーはほとんどがこの規格です。
- Bタイプビット くびれ部分から末端部までのサイズ 9/9.5mm 主に産業用として使われるビットで、海外製のドライバーはこの規格です。
アタッチメントを購入する時は、手持ちのインパクトドライバーの規格に合う物を購入しましょう。規格が合わないとビット抜けの原因となり作業がうまくできません。
インパクトドライバーで使えるアタッチメントの種類
この項目では、インパクトドライバーで使えるアタッチメントの種類について解説します。主なアタッチメントは次の5つです。
- トーションビット
- スリムビット
- バネ付きビット
- 六角ビット・トルクスビット
- ボックスソケット
以下、順に詳しく説明します。
トーションビット
最初に挙げるビットはトーションビットです。トーションビットはビット中央部分に細い部分が設けられています。ネジ頭が着座したときに、この細い部分がねじれることで着座時の衝撃が吸収できることが特徴です。衝撃が吸収されるので刃先やネジ頭の破損を防げます。金属疲労も軽減されるので、ビットそのものの寿命を伸ばすことが可能です。
スリムビット
次に、スリムビットを解説します。スリムビットは先端部分が細くスリムに加工されていることが特徴です。先端が細いので、作業時に先端部分とネジ頭などの勘合部分がよく見えます。細めのビス頭などの作業が容易にできるのがメリットです。使い勝手が良いのでスリムビットを指定して購入されるユーザーも多く、人気のあるアタッチメントとして重宝されています。
バネ付きビット
バネ付きビットは、軸部分にバネが付いているのが特徴です。ビットの交換をするときにバネによる反発力が利用できるので交換しやすいメリットがあります。また、交換時にバネ部分を掴めば直接ビットに触ることがありません。作業終了時にはスライドリープ内が摩擦で熱くなっていることがあり、火傷などのアクシデントを防げます。
六角ビット・トルクスビット
六角ネジやトルクスのねじ止めに使用できるアタッチメントが六角ビット・トルクスビットです。六角ビットは六角レンチのような働きをします。1、2箇所の作業なら六角レンチでも問題ありませんが、作業数が多くなると時間がかかり効率的ではありません。このアタッチメントを使えば楽に六角ネジの脱着ができ、作業効率の改善が可能です。トルクスビットも同様の効果があります。
ボックスソケット
ボルトの脱着や締め付けは従来インパクトレンチを使っていましたが、インパクトドライバーでも可能です。インパクトドライバーを使用する場合にはボックスソケットのアタッチメントを装着します。インパクトレンチと同様に様々なサイズが用意されていて便利です。1つのビットで複数サイズの脱着が可能なアタッチメントもあります。
知っておくと便利なインパクトドライバーのアタッチメント
ここからは、更に便利に使用できるインパクトドライバーのアタッチメントを紹介します。この項で取り上げるアタッチメントは次の9種類です。
- インパクト用ドリルチャック
- インパクト用L型アダプター
- インパクト用ソケットアダプタ
- インパクト用SDSアダプタ
- フレキシブルシャフト
- エクステンションホルダー
- ビスキャッチ
- 研削・研磨系のアタッチメント
- 特殊用途代用系のアタッチメント
以下に詳しく説明します。便利な使い方なので参考にしてください。
インパクト用ドリルチャック
インパクトドライバーのアタッチメント装着部は、六角軸径6.35mmで設計されています。そのため、丸軸型のドリルビットを直接装着できません。そこで、ドリルチャックを利用します。ドリルチャックでは10mmか13mm径の丸軸ドリルまでチャッキングが可能なので、市販の丸軸ドリルはほぼ使用可能です。ドリルチャックを利用する際は便利なキーレスタイプをおすすめします。
インパクト用L型アダプタ
インパクト用L型アダプタは、ネジ締めなどの作業箇所が狭い場所で使用します。インパクトドライバー本体が入らずに作業しにくい場合に役立つアダプタです。アダプタの先端がL型に曲がっていて、ドライバーの回転を垂直方向に変換できます。アダプタが入る作業箇所なら曲がったアダプタの先端にアタッチメントを装着することで作業が可能です。
インパクト用ソケットアダプタ
ソケットアダプタは、手動のソケットレンチをインパクトドライバーで使用するためのアダプタです。ソケットレンチの取り付け部分は、四角形の角ドライブになっています。アダプタの頭部は角ドライブの仕様（6.3、9.7、12.7mm 共通規格）に合わせた形状で、ドライバーとの接合部は6.35mmの六角軸です。便利な首振りタイプを使えば、斜め方向の締め付けや狭い箇所での作業ができます。
インパクト用SDSアダプタ
SDSアダプタは、一般的なSDS軸ドリルをインパクトドライバーでも使用可能にするアダプタです。SDSシャンクを差し込む挿入口とドライバーへの接続可能な六角軸を備えています。ただし、SDSドリル径が6mmを超えるとアダプタや本体が負荷に耐えられない可能性があるのでおすすめできません。2から3mm程度の穴あけや、DIYでの使用であれば問題なく作業可能です。
フレキシブルシャフト
フレキシブルシャフトは、360度どの方向にも湾曲させられる柔軟性シャフトのアダプタです。先端のネジにドライバーの回転トルクを伝達して作業します。狭い空間やインパクトドライバーの届かない箇所の作業に便利です。ただし、曲がり具合や長さ、角度によって伝達効率が低減されるので注意しましょう。使用する頻度はそれほどありませんが、1本持っておくと重宝します。
エクステンションホルダー
エクステンションホルダーは、インパクトドライバーから作業箇所までの距離が長いときに使用する継ぎ足し用のアダプタです。長尺の棒状ホルダーの先端にインパクトドライバーと同じスライドスリープが付いています。全長150mmの長いプラスビットを使う方法もありますが、使用頻度との兼ね合いやコスト面を考えるとエクステンションホルダーを用いる方が良策です。
ビスキャッチ
ビスキャッチは、ビット先端でビスを保持するアタッチメントです。マグネットでビスを捉えて保持するのが主流ですが、ステンレスなど非鉄製のビスに対応したビスキャッチもあります。作業中のビス落下などが予防できるので持っておくと便利です。趣味のDIYなどではあまり使用機会はありませんが、プロの職人もよく使うアタッチメントなので携帯しておくと良いでしょう。
研削や研磨系のアタッチメント
ワイヤーブラシや研磨砥石などのアタッチメントを取り付ければ、研削や研磨作業にもインパクトドライバーが使用できます。研磨ディスクやカップブラシ、ダイヤモンドカッターなどのアタッチメントが代表格です。専門の電動工具ほどの能力は有りませんが、簡易的な金属切断や研磨、サビ落としなど幅広い用途で活躍しています。
特殊用途代用系のアタッチメント
専用のアタッチメントを装着すれば、特殊用途の代用としてインパクトドライバーを用いることも可能です。主な使用例を紹介します。
- インパクトドライバー用スクレイパー ドライバー回転を利用して、ハツリや剥離作業に使えます。
- インパクトドライバー用シャー ドライバーの回転で金属切断が可能です。専用のハンドシャーもありますがコスト的にもこちらを使った方が効率的です。
- 攪拌用ミキサー ドライバー回転を利用したミキサーです。塗料の攪拌などに効力を発揮します。
他に、DIY作業に適したものまで含めると様々なアタッチメントがあります。
インパクトドライバーとは？用語の意味を分かりやすく解説｜建築建設メディアのツクノビ
【まとめ】インパクトドライバーはアタッチメントを活用し作業できる幅を広げよう
今や、趣味のDIYでも使われているインパクトドライバーは、職人必携の電動工具です。代表的な用途はネジ締めや穴あけですが、アタッチメントを利用することで用途の裾野が広がります。今回の記事で紹介したアタッチメントだけでも、かなりの作業をインパクトドライバー1つで賄うことが可能です。アタッチメントをうまく活用して作業できる範囲を広げましょう。作業効率向上にも効果的です。
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