国交省、直轄営繕のBIM図面審査を原則化|民間も2026年4月から運用開始

直轄営繕、BIM図面審査の申請を原則化──3,000㎡以上の新築設計が対象

国土交通省は、直轄営繕事業の設計案件で「BIM図面審査」の申請を原則化する方針を示した(2026年5月13日付業界紙報道)。対象は延べ床面積3,000㎡以上の新築設計案件で、「実施設計図書(一般図等)の作成」がBIM活用の「指定項目」として位置づけられる。3,000㎡未満も含めて、すべての新営設計業務・新営工事には「EIR(発注者情報要件)」が発注段階で提示される。申請の有無・申請先・申請内容は受発注者間の協議で決定する運用となる。

背景には、2026年3月31日に最終改定された「官庁営繕事業におけるBIM活用ガイドライン(令和8年改定)」がある。改定後は、規模を問わず新営設計・新営工事にEIRが原則適用され、発注段階で「BIMで何を出してほしいか」が文書化された状態で受注側に渡る建付けに変わった。

公共・民間の二重圧──民間も2026年4月から確認申請でBIM図面審査が動く

動きは公共発注だけにとどまらない。民間の建築確認の領域でも、2026年4月1日から「BIM図面審査」の運用が始まっている。設計者(申請者)と特定行政庁・指定確認検査機関(審査者)の双方が対象で、BIMモデルから生成した図面を用いた審査申請が可能になる。公共は「発注段階のEIR+BIM図面審査の原則化」、民間は「確認申請段階のBIM図面審査」。同じ「BIM図面審査」という言葉が、公共・民間で文脈を変えながら同時に立ち上がっている。

直轄営繕の対象は限定的だが、地方公共団体や民間発注者が国の運用を参照するケースは多く、公共の先行運用が民間に波及するパターンは過去の制度改正でも繰り返されてきた。

設計事務所・設備・鉄骨ファブまで、巻き込まれ方が違う

中堅・中小の建築一式や設計事務所は、EIRが書かれた発注書を直接受ける立場として、発注段階の協議に備える必要がある。設備(電気・管・空調)は、意匠・構造のBIMモデルに統合される側として、納まり調整に巻き込まれる場面が増える。鉄骨ファブ・PC・型枠などの生産系も、BIMモデルからの拾い出し依頼が2D図面ベースの拾い出しと並走する形で入ってくる可能性がある。いずれも「BIMをやるかやらないか」ではなく、「BIMで来た情報をどこまで自社内で処理するか」の線引きを決めておく話になる。

中小がいま組むべき社内導線と、補助金の使いどころ

EIRが原則適用される以上、対象案件が来てから慌てるより、対応案件を1件選んで体制を作る方が早い。受発注者協議の場で「どの工程をどこまでBIMで対応するか」を交渉する経験を、社内に1サイクル通すのが先決になる。BIM対応に技術者の時間を回すには、社内に滞留している書類業務(経理・許可申請・経審・工事台帳)の負荷を、まず棚卸ししておくと体制設計が現実的になる。

BIM対応の費用負担を軽くする選択肢として、国土交通省の「令和8年度 建築GX・DX推進事業」がある。BIM活用型は「BIM活用による掛かり増し費用の1/2を補助」する建付けで、公募期間・補助上限額・対象事業者などの詳細は実施支援室の最新の募集要領で確認するのが安全だ。

出典:
日刊建設工業新聞 2026年5月13日付「国交省直轄営繕/設計案件のBIM図面審査、大規模新築は申請原則化」
国土交通省 官庁営繕事業におけるBIM活用
国土交通省 建築:BIM図面審査 制度説明会及び制度説明動画のご案内
国土交通省 令和8年度 建築GX・DX推進事業