建設業の倒産2,021件、過去10年で最多に

何が起きたか

さらに、東京商工リサーチの調査では、倒産とは別に建設業の休廃業・解散が10,283件と過去最多を更新。全産業の休廃業・解散67,210件のうち建設業が15.3%を占め、10産業で最も多い結果です。

帝国データバンクの調査によると、2025年の建設業の倒産件数は前年比6.9%増の2,021件となり、過去10年で最多を記録しました。2013年(2,347件)以来、12年ぶりに2,000件を超え、2000年以降では初めて4年連続の増加となっています。 さらに、東京商

 

なぜ倒産が増えているのか

要因別の推移を見ると、この4年間の変化が鮮明です。 物価高倒産は2021年の22件から2025年には240件と約11倍に急増。資材価格の高騰を価格転嫁できず、仕事はあるのに利益が出ない「コスト倒れ」が一気に広がりました。2024年の250件からはわずかに減少しましたが、依然として最大の倒産要因です。 人手不足倒産も2021年の39件から2025年には113件と約3倍に。建設業では初めて100件を超えました。 後継者難は2021年から106件→113件→132件→124件→120件と、一貫して100件超の高水準が続いています。経営トップの高齢化が進み、黒字でも廃業を選ぶケースが増えています。

物価高が22件→240件に急増 さらに注目すべきは「業歴30年以上」の倒産が617件(30.5%)を占めている点です。長年やってきたベテラン企業でも、コスト増と人手不足のダブルパンチに耐えきれなくなっています。一方で業歴5〜10年未満も460件(22.8%)と多く、若い企業も厳しい状況です。 倒産した企業の57.7%が負債5,000万円未満の小規模事業者。大手ではなく、現場を支える小さな会社から倒れている構造です。

現場への影響

下請けの倒産が増えれば、元請けの工程にも直接影響します。「いつも頼んでいた協力会社が突然なくなった」という事態が、今後さらに増える可能性があります。 地域別では中国地方(+18.8%)と中部地方(+17.8%)で倒産が急増。地方の中小建設会社ほど、価格転嫁が難しく影響を受けやすい状況です。

今日やること

協力会社リストを見直してください。主要な下請け先が3社以下なら、代替候補を1社探しておく。特に業歴の長い協力会社でも安心はできません。「あの会社は大丈夫」ではなく、万が一に備えたバックアップ体制の確認を推奨します。

この先どうなるか

2026年も資材価格の高止まりと人手不足は続く見通しです。改正建設業法で労務費の適正転嫁は進みつつありますが、末端の小規模事業者まで浸透するには時間がかかります。倒産・廃業の増加トレンドは当面続くと見られています。

出典: 帝国データバンク「建設業」の倒産動向(2025年)
出典: ダイヤモンド・オンライン「建設業の休廃業・解散、初の1万件超え」