電気防食工法とは?用語の意味を分かりやすく解説|建築建設メディアのツクノビ

「電気防食工法」とは、主に埋設されている鉄や鋼のパイプラインや構造物を腐食から守るための工法の一つです。この工法は、外部からの電流を利用して、金属の腐食を抑制する方法を指します。以下に、この工法の主な概要を説明いたします。

原理: 金属の腐食は、電化学的な反応によって起こるものです。電気防食工法は、この電化学的な反応を制御することで金属の腐食を抑える原理に基づいています。

陽極保護: 電気防食工法には「陽極保護」と「陰極保護」という2つの主な方法がありますが、建設業界でよく使用されるのは「陰極保護」です。陽極保護では、腐食する金属を陽極として働かせ、外部から供給される電流によって腐食を早めることで、他の部分の腐食を遅らせる方法です。

陰極保護: これは、埋設されたパイプや構造物(被保護金属)を陰極として働かせ、外部の電源から直流電流を供給し、被保護金属の腐食を抑制する方法です。特に、埋設されている鉄や鋼のパイプラインやタンクなどの長寿命化を目指す場面で使用されます。

電解質: 土中や水中などの導電性のある環境で、電気防食工法は効果的です。これらの環境を「電解質」と呼び、電解質の中での金属の腐食を抑制するのがこの工法の目的です。

犠牲陽極: 一部の電気防食工法では、犠牲陽極と呼ばれる他の金属(たとえば亜鉛やマグネシウム)を使用して、それが主に腐食することで被保護金属の腐食を遅らせる方法が採用されます。

電気防食工法は、油田、ガス田、水道、石油化学プラントなど、さまざまな場所でのパイプラインや構造物の腐食を予防するために重要な工法として採用されています。