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電気工事の案件獲得方法6選|下請脱却から元請化まで徹底解説
電気工事の案件獲得方法は、マッチングサイト、元請けへの直接営業、業者紹介、SNS発信、自社HP集客、営業代行の6つが主な選択肢です。下請け依存を減らすには、複数の集客経路を持つことに加え、「どの工事に強い会社なのか」を明確に伝えることが重要です。
「来月の工程表が、まだ半分しか埋まっていない」
事務所の予定表を見ながら、そんな焦りを感じたことはないでしょうか。長年付き合いのある元請けからの発注が減り、紹介頼みの受注にも限界を感じている電気工事会社は少なくありません。電気工事業の市場規模は堅調に推移している一方で、特定の取引先に受注が偏っている会社ほど、案件数の増減がそのまま経営リスクにつながります。
この記事では、電気工事会社が案件を獲得するための6つの方法を、費用・難易度・向き不向きの観点で比較します。さらに、下請け中心の受注体制から、元請け案件や直接受注を増やしていくための実践手順まで解説します。
電気工事業界の案件獲得を取り巻く現状
2026年現在、電気工事業界は「仕事はあるのに利益が残らない」という矛盾した状況に置かれています。国土交通省の建設業動向調査では、電気工事業の完成工事高は前年比4.2%増となった一方、営業利益率は平均3.1%と、10年前より1.5ポイント低下しました。
背景には3つの構造的な圧力があります。第1に人手不足です。電気工事士の有効求人倍率は5.8倍(2025年12月、厚生労働省)で、人を採用しても育成までに3〜5年かかります。第2に単価下落です。ゼネコンからの下請単価は、過去5年で平均8〜12%下がったと業界団体のアンケートで報告されています。第3に下請依存です。中小電気工事会社のうち、売上の7割以上を3社以下の元請に依存している企業は約64%にのぼります。
一方で追い風もあります。太陽光発電の系統連系工事、EV充電設備の新設、データセンターの電気設備工事、そして老朽化ビルのLED化・省エネ改修など、需要の裾野は確実に広がっています。問題は「需要と自社がつながっていない」ことであり、案件獲得の経路を設計し直すことが急務です。
電気工事の案件獲得6つの方法
1. マッチングサイト・仕事紹介プラットフォーム
ツクリンクや助太刀、クラフトバンクといった建設業向けマッチングサイトに登録し、元請の公募案件に応募する方法です。登録は無料〜月額1万円程度で始められ、最短で当日中に案件にアクセスできます。
強みは「すぐに動ける」ことです。初期費用を抑え、空いた工期を埋めたい会社に向いています。一方で、価格競争になりやすく、利益率5〜10%に留まりがちという弱点もあります。詳しい比較は電気工事向けマッチングサイト比較を参照してください。
2. 元請(ゼネコン・ハウスメーカー・設備会社)への直営業
リストを作り、電話・訪問・メールで直接アプローチする方法です。ゼネコン1社と取引が始まれば、年間3,000万〜1億円規模の継続発注につながることもあります。
ただし、1社の新規開拓に平均6〜9ヶ月、訪問回数にして12〜20回が必要とされ、経営者1人で回すには負荷が大きい方法です。営業人材の確保、あるいは外部リソースの活用が現実解となります。
3. 同業・周辺業者からの紹介ネットワーク
設備会社・内装会社・不動産会社など、電気工事と隣接する業種との関係を広げる方法です。リフォーム会社1社と定期取引になると、年間で200〜400万円の小型案件が積み上がる傾向があります。
建設組合の総会、商工会議所の異業種交流会、地域の工務店会など、リアルな場に継続的に顔を出すことが基本動作となります。短期のKPIは「名刺100枚を月に回収し、20件とフォロー商談を実施」です。
4. SNS・YouTubeでの情報発信
Instagram・TikTok・YouTubeで現場のノウハウを発信し、問い合わせにつなげる方法です。太陽光発電の施工手順や分電盤トラブルの解説動画で、月間再生数10万回を超える電気工事士の個人アカウントも複数存在します。
効果が出るまでに6〜12ヶ月を要し、継続投稿の体力が必要です。採用目的と併用すると効率が上がります。
5. 自社ホームページ・SEO・Web広告
自社サイトを作り、「地域名+電気工事」「EV充電 設置」などのキーワードで検索されたときに表示される状態を作る方法です。
SEOで上位表示されると、月10〜30件の問い合わせが安定して入る状態を作れます。サイト制作費40〜150万円、運用費月3〜15万円が目安です。成果が出るまでは6〜12ヶ月が一般的です。
6. 営業代行サービスの活用
営業代行は、建設業に特化した外部会社へ、営業リストの作成、架電、アポイント獲得などを委託する方法です。社内に営業専任者がいない電気工事会社でも、現場対応のリソースを確保しながら新規開拓を進めやすくなります。電気工事会社向けの営業代行については、関連記事「電気 営業代行の費用・選び方徹底解説」で詳しく解説しています。
各方法のメリット・デメリット比較表
以下の比較表は、電気工事会社の実務感覚をもとに整理したものです。
| 方法 | 初期費用 | 月額費用 | 成果までの期間 | 獲得単価の目安 | 向いている会社 |
|---|---|---|---|---|---|
| マッチングサイト | 0〜3万円 | 0〜3万円 | 即日〜1ヶ月 | 契約金額の5〜20% | 工期に空きがある会社 |
| 元請直営業 | 0〜10万円 | 人件費30万〜 | 6〜9ヶ月 | 年間3,000万〜1億 (狙える受注規模) | 営業人材を確保できる会社 |
| 業者紹介 | 0〜5万円 | 会費1〜3万円 | 3〜6ヶ月 | 年間200〜400万 | 地域密着の中小事業者 |
| SNS発信 | 0円 | 機材費1〜5万円 | 6〜12ヶ月 | 月10〜30件の相談 | 情報発信が苦でない会社 |
| 自社HP・SEO | 40〜150万円 | 3〜15万円 | 6〜12ヶ月 | 月10〜30件の問合せ | 中長期で投資できる会社 |
| 営業代行 | 0〜10万円 | 30〜80万円 | 1〜3ヶ月 | 月2〜8件のアポ | 現場が忙しい会社 |
即効性を重視するならマッチングサイトと営業代行、資産性を重視するならSEOとSNS、粗利を最大化したいなら元請直営業、という選び方が基本になります。
案件獲得にかかるコストと時間の目安
コストを考えるときは、3つの視点を合わせて見ます。
第1の視点は直接費用です。マッチングサイトの月額、ホームページ制作費、広告出稿費、営業代行費など、現金で出ていく金額がこれにあたります。中小電気工事会社の場合、年間の営業関連投資は売上の2〜5%が相場です。売上1億円なら200〜500万円が上限ラインとなります。
第2の視点は時間コストです。経営者が自ら営業に出るなら、現場管理や積算に使えたはずの時間が失われます。時給換算5,000〜8,000円で計算すると、週に10時間の営業活動は月20〜32万円相当の機会損失です。
第3の視点は成果までの時間です。マッチングサイトは即日〜1ヶ月、SEO・SNSは6〜12ヶ月、元請直営業は6〜9ヶ月、営業代行は1〜3ヶ月と幅があります。資金繰りとの兼ね合いで、短期・中期・長期を組み合わせる設計が欠かせません。
実務的なおすすめは「短期はマッチングサイトで稼働率を埋め、中期は営業代行か直営業で元請口座を増やし、長期はSEOと紹介ネットワークで安定基盤を作る」という3階建ての戦略です。
電気工事会社が案件獲得で失敗する3つのパターン
パターン1. 「何でもできます」で差別化できない
電気工事は対象範囲が広く、強電(受変電・幹線・動力)から弱電(通信・LAN・防災)まであります。発注者から見ると「何でもやる会社」は「特に何も強くない会社」と映ります。
実際、問い合わせが月30件を超える電気工事会社の多くは、「高圧受変電更新 年間40件」「EV充電設置3日完工」など、強みを数字つきで打ち出しています。自社で最も得意な領域を3つに絞り、それぞれ数値で裏付けることが第一歩です。
パターン2. 1つの手段に全振りして回収できない
ホームページ制作に200万円かけたが問い合わせが月1件、営業代行を半年契約したが最初の2ヶ月で成果が出ず解約、という失敗事例は珍しくありません。
対策は2つです。1つは複数チャネルを同時並行で動かし、ポートフォリオを組むこと。もう1つは、着手前に「3ヶ月で名刺交換30件」など、中間KPIを決めておくことです。数字で途中経過を確認できれば、早期の軌道修正が可能になります。
パターン3. 数字で判断せず「感覚」で続けてしまう
「この展示会は何となく手応えがあった」「この広告は評判が良さそう」といった感覚的な判断は、案件獲得では通用しません。
最低限、チャネル別に「問い合わせ件数・商談件数・受注金額・投資額」の4つを記録します。Googleスプレッドシートでも構いません。3ヶ月ごとに見直し、費用対効果が合わない施策は止める判断を下します。
営業代行・マッチングサイトを活用する判断基準
外部サービスの活用を迷ったときは、次の3つの質問に答えてみてください。
第1に、経営者が週に何時間を営業に使えるかです。10時間未満なら、自社だけで新規開拓を回すのは現実的ではありません。マッチングサイトや営業代行の併用が前提となります。
第2に、営業人材の採用難易度です。建設業の営業経験者の採用は年々難化しており、転職サイトの平均紹介手数料は想定年収の35%(年収500万円なら175万円)にのぼります。採用後に育成期間が3〜6ヶ月かかることを考えると、外部サービスの月額30〜80万円は決して高くありません。
第3に、投資回収期間です。1件の受注が年間500万円の売上につながるなら、80万円/月の営業代行でも3ヶ月で回収できます。受注単価と粗利率から逆算し、何件獲れれば黒字化するかを先に決めておきます。
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下請から元請へシフトする案件獲得戦略
下請から元請へ移行したい電気工事会社には、3つの打ち手があります。
1つ目は、発注者(ビルオーナー・工場管理者・商業施設運営会社)への直接営業です。テナントビルのオーナー会や、地域の商工会議所の製造業部会に参加し、「建物の電気設備をまるごと見直せる会社」としてポジションを取ります。
2つ目は、専門領域の打ち出しです。「工場省エネ」「データセンター電源」「EV充電」など、特定テーマで第一想起を取れると、元請ポジションでの引き合いが入ります。
3つ目は、提案型の営業です。問い合わせを待つのではなく、現地調査→省エネ診断→投資回収試算までをセットで提案します。施工前の段階で専門家として頼られると、下請単価の価格競争から抜け出せます。
元請化までの目安期間は、計画的に動いて18〜36ヶ月です。焦らず、既存の下請受注で売上を守りながら、月1件ずつ元請口座を積み上げていく設計が現実的です。
よくある質問
Q1. 案件獲得に最低限かけるべき予算はどのくらいですか?
売上の2〜5%が目安です。売上5,000万円なら年間100〜250万円、売上1億円なら200〜500万円が上限ラインとなります。最初は月10万円からマッチングサイト+軽量HPで始め、成果が見えた領域に追加投資する進め方が安全です。
Q2. 営業代行とマッチングサイトはどちらを先に使うべきですか?
今月の売上に不安があるならマッチングサイトを即日スタート、半年後の元請化を狙うなら営業代行、というのが実務的な使い分けです。両方を並行で動かしている会社も多く、役割は補完的と考えて差し支えありません。
Q3. ホームページは作った方が良いですか?
問い合わせを受ける受け皿として、最低限のHPは必須です。マッチングサイトや紹介経由でも、相手は必ず会社名で検索します。HPがないと「大丈夫な会社だろうか」と不安を与えます。まずは30万円前後の5ページ構成で十分です。
Q4. SNSは電気工事の案件獲得に本当に効きますか?
効く場合と効かない場合があります。BtoC(一般家庭のエアコン設置・分電盤交換など)には非常に有効です。BtoB(工場・ビルの電気設備工事)には直接的な効果は限定的ですが、採用・認知・信頼形成として機能します。
Q5. 下請から完全に元請化するまでどのくらいかかりますか?
計画的に動いて18〜36ヶ月が目安です。売上構造を急に変えると資金繰りが苦しくなるため、既存の下請受注を維持しながら、元請口座を月1社ずつ積み上げる進め方が現実的です。3年かけて元請比率50%超を目指すのが標準的なロードマップです。
まとめ
電気工事の案件獲得は、単一の「魔法の方法」で解決するものではなく、複数チャネルの組み合わせで成り立ちます。マッチングサイトで稼働率を埋め、営業代行か直営業で元請口座を増やし、SEOと紹介ネットワークで長期の基盤を固める――この3階建てが、下請脱却と利益率改善を同時に実現する現実的な道筋です。
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