※記事内に広告を含みます
改修工事は新築と異なり、既存建物の詳細が不明なまま着工するケースが多く、現地確認の繰り返しや設計変更が生産性を下げる大きな要因となっています。竹中工務店はSTUDIO55と共同で、関西大学キャンパスの改修工事においてこの課題に取り組み、3D計測技術による現場のデジタル化を実証しました。
![]()
現場では三つの壁が立ちはだかっていました。一つ目は「情報の断絶」です。敷地内5棟の電気・ガス・水道・通信配管図面が建物ごとにバラバラに管理されており、統合されていませんでした。二つ目は「現地確認の工数増大」で、埋設配管の位置を特定するたびに何度も現場に赴く必要がありました。三つ目は「2D図面の限界」で、地形の勾配や頭上の架線・樹木といった情報を平面図で表現しきれていませんでした。
これらを解決したのが、SLAMセンサーを搭載したハンドヘルド型3Dスキャナーです。センチメートル級の精度で建物・敷地全体を計測し、BIMコラボレーションツール「Revizto」上に過去の設備図面と設計モデルを統合しました。さらに最新技術「ガウシアンスプラッティング」による高精度な3D可視化も組み合わせ、埋設インフラの位置をその場で即座に確認できる環境を構築。土工事・仮設計画の精度が向上し、樹木調査もデスク上で数量拾いが完結できるようになりました。
![]()
改修工事での3D技術活用は、「見えないリスク」を事前に可視化して無駄な往復や手戻りを減らす有効な手段です。人手不足が深刻化するなか、少ない人員で現場を回すためのデジタル活用として、業界全体の参考となる事例です。

